STEP4面接に行くゼロからわかるオンライン面接
1. オンライン面接のメリット
新型コロナウイルスの影響で「新しい生活様式」が求められています。これは採用活動においても例外ではありません。特にオンライン面接が注目を浴びています。
オンライン面接と聞くと、ややハードルが高く感じられるかもしれませんが、やってみると意外に簡単。訪問面接にはないメリットもあります。
●時間効率
面接会場まで出かける必要がありません。現地まで往復しなくて良いため、時間の効率化がはかれます。子育て世代ならお子さんをどこかに預ける必要もありません。
●経費効率
面接会場まで出向かないので交通費がかかりません。公共交通機関を利用しなくなれば、他者との接触を軽減できる良さも生まれますね。
2. オンライン面接前に準備するもの
オンライン面接の前に準備するものを紹介します。パソコンをお持ちであれば、特に購入する必要のないものがほとんど。
●カメラ&マイク付きパソコンまたはスマホなど
パソコンまたはスマートフォン、タブレットなど、インターネットと接続できるハードを用意します。そして必ずカメラとマイク機能が内蔵されていることを確認してください。内蔵されていない場合、外付けのカメラやマイクを購入して接続します。
もし2つ以上お持ちなら、通信トラブルに備えて予備の1台も手元に置いておきましょう。
なおスマートフォンやタブレットを使う場合は、面接中にハードが揺れないようスタンドを用意すると安心です。
●ネット環境
有線LANケーブル、使い慣れたWi-Fi環境を用意します。通信の安定性から、できれば有線LANケーブルでの接続がおすすめです。
●アプリまたはソフト
志望先企業が指定したオンライン面接用のソフトまたはアプリを用意します。Webブラウザーで対応できるものもあります。
●イヤホン
通信状況が悪いと相手の声が聞こえにくいことがあります。念のためイヤホンを用意すると安心です。使う際は「正確に聞き取れるよう、イヤホンを使わせていただきます」と一言添えるのがベスト。
●メモと筆記用具
面接中にメモを取りたいとき、パソコンであれば情報を打ち込むこともできますが、キーを打つ音は意外と相手に聞こえます。別途でメモと筆記用具を用意。
●カレンダー
出社予定などの話題が出る可能性もあるので、カレンダーがあると便利です。
●履歴書等
必要に応じて、提出した履歴書等の控えも用意。
3. オンライン面接前のマナーと心構え
オンラインも訪問も、基本的に面接の大きな差異はありません。面接場所を自分で決めること、訪問とは少し違った緊張感がある、というのがあげられるでしょうか。その点を踏まえて、オンライン面接のマナーと心構えを見ていきましょう。
●静かな部屋を確保
基本的に面接場所は自宅で構いません。そしてなるべく静かな環境にします。自宅がどうしても騒がしい場合は、友人宅や近くのレンタルオフィス、コワーキングスペースなどを利用するという手もあります。
●背景を意識
自分が映っている画面の背景に注意。面接前にどの範囲まで映っているのか確認。あまりちらかっている部分は映らないようにカメラの角度や向きを調整します。もしすっきりとした壁があれば、面接時間だけハードをその前へ移動させるのもひとつの手。背景をシーツなど白い布で覆ってしまうという方法や、ちょっとした凹凸があればやや大きめの洗濯バサミなどで止める方法も有効です。
なお自分を映しているモニターの画像と先方が見ている画像には若干のズレが生じるので、フレームに余裕を持っておくと安心。
●カメラの角度調整
背景だけでなく、自分の顔が上側から映るのか、下側から映るのかの注意も必要です。下からのカメラアングルになると、相手を見下ろしているように映るためおすすめできません。なるべく正面を向いている角度に調整してください。
●ハードの設定確認
面接中に何かの通知が鳴っては失礼なので、パソコンであれば他のソフトは終了しておきます。スマートフォンもマナーモードや機内モードにして、着信通知・バイブ機能を止めておきましょう。面接に使わないスマートフォンも同様に。
またスマートフォンやタブレットの場合、しっかり充電されていることも確認してください。面接中に充電切れで通話が終わってしまう事態は避けたいですね。
●面接時の服装
服装などのマナーは訪問面接と同様です。清潔感あるヘアスタイルとファッションを心掛けてください。面接先にもよりますが、気合を入れたいときは、スーツを着たり、美容院に行って整えたりしても良いでしょう。
●面接時の話し方
画面を通じての面接では、自分の様子が小さな姿として映ります。それだけ表情は伝わりにくいので、いつもより話し方や表情はハッキリとメリハリをつけて。面接担当者の話へまめにうなずくのもひとつの方法です。あまり動かないと、映像がフリーズしているのではと勘違いされるかもしれません。リアクションやボディランゲージは多少派手なほうが吉。明るい印象を与えられます。
目線を下にすると、自信なさげ、または暗そうに見えるため、なるべく目線はカメラに向けて話すようにしましょう。
●通信状況が悪い時の声かけ
オンライン面接で多発するトラブルが通信状況の不調です。問題なく面接が始まったものの、途中から通信状況が悪くなって、画像が止まったり、音声が途切れたりすることがあります。その時は遠慮せず、相手に通信状況が悪いことを知らせて問題ありません。
●通信や設定のトラブルによる遅刻や中断が起きたら
オンライン面接の準備が万端であっても、通信トラブルや設定トラブルで、会議室へのログインに遅刻してしまうこともあります。その場合、焦らずに電話をかけて状況を説明。もちろん、余裕をもって入室する心がけは必須です。
●事前練習
オンライン面接の緊張は、面接とオンラインでの会話という2つの緊張が重なったものです。そこでオンライン会話だけでも慣れておくため、友人と通信してみることをおすすめします。利用者が増えているオンライン飲み会やオンラインお茶会などを開催しても、効果がのぞめるはずですよ。
4. オンライン面接の段取りと進め方
実際のオンライン面接の設定と進め方について説明します。
(1)面接用ルームの情報共有
志望企業から、面接の日時、オンライン面接用ルームのアドレス、ID、パスワードを入手したら保存して面接日を待ちます。
(2)面接スタート
面接当日、連絡のあったアドレスをクリックして、IDやパスワードを入力し、参加ボタンを押せばルームに入室できます。ここから面接開始です。
なお面接志望者は少し早めに入室の準備をしましょう。ただし前の志望者の面接が長引くと入室を待つケースがあることも、頭に留めておいてください。
(3)面接中
前項のオンライン面接前のマナーと心構えを参考に、面接に臨んでください。
(4)面接終了
面接終了したらルームから退席ボタンをクリックすれば終了です。退席は、面接担当者が退席してから。もしくは「それでは退席します」としっかり告げてからログアウトします。
退席ボタンをクリックして完全に回線が切れるまでは、こちらの映像や音声はつながっています。最後まで気を抜かないように注意しましょうね。
5. オンライン面接の裏技
オンライン面接には、正統派な手段ではないものの、ちょっとした便利な裏技があります。そのいくつかを紹介しましょう。
●机にレフ板代わりの白い紙を用意
家庭用の照明では、どうしても表情が暗くなりがち。そこで手元に白い紙やアルミホイルなどの銀紙を置いておきます。これがレフ板効果を生んで、顔が少し明るく映ります。銀紙の方がやや反射が強くなりますから、白い紙と銀紙のどちらが良いかは事前テストで選んでください。
●カンペの活用
訪問面接の際にカンペをチラチラ見ることはできませんが、オンライン面接であればカメラに映らない場所においておけば問題はありません。ただし手元に置くと、視線が下がりがちになるので、カメラのすぐ横にテープなどで張り付けておくと安心。
●目線はカメラに
面接は「相手の目を見て話す」ことが基本。しかしオンライン面接で画面に映った相手を見ると、先方と目線があわないことも。相手と視線を交わすなら、画面ではなくカメラに焦点を合わせなければなりません。人は、ついつい画面の相手を見てしまいがち。面接中は意識して、カメラに視線を向けるようにしましょう。
6. 臆せずに受けてみよう
現在、オンライン面接の需要がとても伸びています。効率性、経済性に優れたオンライン面接は、この先、企業面接の主流になっていくかもしれません。
実体験する前はハードルを感じますが、慣れてくると、ルールもマナーも違和感がなくなります。むしろオンライン面接のメリットを実感して、訪問面接より良いと感じるはず。チャンスがあれば臆せずにぜひ挑戦してください。
オンライン面接を学んで、時流へ乗り遅れないようにしていきたいですね。