こんにちは!ライターのナカノです。

私の住む長野市には、個性豊かな店主が営む、地元食材を使ったおいしい飲食店がたくさんあります。休日の度に、外食の行き先に悩んでしまうほど!

しかし、私には「困ったときはここに行く!」と決めているお店があります。

 

それがここ! 現在長野市内に二店舗を展開する「ドンキホーテ」。

なんでもない日に気軽に食べに行くのはもちろん、県外から友達が遊びに来た時も、連れて行くと必ず喜んでもらえるハンバーグ店なのです。

 

パッと見、ローカルチェーンのファミリーレストランに見えますが、ここでいただける"炭火焼き俵ハンバーグ"がおいしくておいしくて……。

 

入店すると、ガラス越しに大きな鉄板がお出迎え。ジュージューという音とハンバーグのよい香りで食欲がかきたてられます!

 

そしてこちらが、ドンキホーテ名物の炭火焼き俵ハンバーグ。
ハンバーグといえば鉄板でしっかりと火を通した、ふっくらおいしい洋食メニューの大定番。しかし、ドンキホーテの俵ハンバーグは一味違います。つなぎを使用しない国産牛100%の、いわば肉の塊!

特にレアで食べると、口のなかでとろける肉の旨味をダイレクトに感じることができ、これがもうたまらないのです。

この味を求め、長野市内だけでなく県外から通う方もいるほど。

しかも180グラム990円(税込)からと、全国チェーンのファミリーレストランのハンバーグと変わらないリーズナブルな価格設定なのも、リピートしたくなる理由なのです。

 

どうしてこんな高品質なハンバーグを手軽に食べられるのだろう……?

そんな疑問と、日頃のドンキホーテ愛をぶつけに「ドンキホーテ 上松店」にやってきました!

 

今回は、同じく長野市在住のジモコロ編集長・徳谷柿次郎も同行しました。5年前に長野市に移住してからウン10回はお店に来ているという、大のドンキホーテファン!

 

取材チームは、お話を伺う中で感じたドンキホーテのスゴさをまとめてみました。

 

不確定要素を完璧にコントロールし、高品質のハンバーグを手軽な価格で提供することは、まさに企業努力の賜物。

この記事で、ドンキホーテの凄みを感じていただけたらと思っています!

まずは炭火焼き俵ハンバーグを実食!

まずは俵ハンバーグのおいしさを写真とともにお伝えしますね。

 

ハンバーグを運んできてくれたのは店長の大日方さん。ハンバーグを焼いたり、ホールで食事の提供をされたりと常に現場にいらっしゃいます。

 

 「さて、今回はどんな感じに焼きましょうか?」

 「本当はレアもすごく美味しいんですけど、今日は『よく焼き』でお願いします!」

 「はい!いい感じに焼きますね」

 

サクッ

 

 「ウワー!めちゃくちゃレアだー! このまま食べたい!」

 「アハハ、当店はレアで注文される方が多いですね。もちろんよく焼いてもおいしいですよ!」

 

ソースは和風、デミグラス、ガーリック、ジンジャーの四種類から。デミグラスソースは自社で一から仕込みます。

 

ソースはさっぱり食べられるジンジャーにしました。

「さぁ、どうぞ熱いうちにめしあがってください!」

 

 「おいしっ!ドンキホーテのハンバーグってパクパク食べちゃえるんですよね……」

「わかるなぁ。全然肉を食べてる重たさを感じないのよね」

「余計な味付けをせず、つなぎも使っていないからか、肉の旨味がガツンとダイレクトに伝わってきます! シンプルに塩コショウで食べてもおいしそう」

「ありがとうございます! 俵ハンバーグは180g、240g、300g、450gを取り揃えていますが、実は180gを頼む方はほとんどいなくて。大多数の方が240g以上を頼んで完食してくださいますね」

「たしかに、私もいつも240gを頼みますがあっという間に食べ終わっちゃうんですよね。でも、ドンキホーテのハンバーグってどうしてこんなにおいしいんですか!? 特別な素材を使っているとか……?」

「赤字上等で、めちゃくちゃな高級肉使ってるんじゃないんですか!?」

 

右から180g、240g、300g、450g。一番大きい450gも、ペロリといただけちゃうおいしさでした

 

「ハハハ、そういっていただけると嬉しいですね。もちろん『信州プレミアム牛』や『根羽和牛』といった長野県のブランド牛も使っていて、そのおいしさも伝えていきたいと思っています。だけど、ブランド牛を使うこと以上に大切なことがあるんです」

「ブランドよりも大切なこと?」

「うちのハンバーグはレアでも食べていただけるよう、安心安全な素材を扱うことが最も重要なんです。ですから、衛生面を第一に考えている会社との取引を大切にしています」

「そうか!レアで食べれる=安全であるって証明ですもんね」

「また、うちは創業当初から自社でひき肉をつくることが鉄則なんですよ。毎朝、塊の肉を店舗で挽いてつくっていて。ひき肉の状態で業者さんから仕入れたことは、一度もないんです」

「えー! 自家製のひき肉ってめちゃくちゃ手間がかかりそう。 私のイメージですけど、星付きレストランがやっていそうな工程です」

 

店舗で挽いたひき肉を、注文が入ってから成形し、炭火で焼き上げる。この手間が、安全で美味しいレアハンバーグをつくる

 

「店舗でひき肉にすることで、食中毒のリスクを抑えられるんですね」

「その通りです。ひき肉は空気に触れる面が増えることで雑菌も増えますから、余計に気を配らないといけない。お店で仕入れる牛肉は和牛と交雑牛がメインです。もともとはブランド牛を仕入れていたんですが、ブランド牛は生産数が少なく、仕入れも安定しなくて。ですから、安定的に供給され、おいしさもぶれない交雑牛が最適なんですよ」

「衛生面の担保と安定供給がドンキホーテのレアハンバーグの根幹!」

「ええ、取引先を増やす際には見学をさせてもらって、加工場や肉牛の飼育環境の衛生管理を確認していましたね」

「衛生面と徹底的に向き合っているからこそ、このレアハンバーグが提供できるんだ」

「そういうことです!」

「ドンキホーテのハンバーグって食べても全然胃に負担を感じないんですけど、それもやっぱり肉の品質がいいからですか?」

「僕もそれ気になります。肉の中でも馬肉は脂の融点が低いから消化されやすく、牛肉や羊肉は融点が高いから胃腸に負荷がかかるって聞いたことがあるので!」

「ええ、牛肉は融点が高いですね。うちではまず、炭火で一度ハンバーグの外側を焼き固めます。そこからお客様に熱々の鉄板で提供するときにじわじわと火が通るよう見極めています」

 

長年炭火の前に立ってきた店長の大日方さん。今日も、自ら焼き加減を見極めてくれた

 

火を通しすぎず、かといって胃に負担のかからないような融点の絶妙なブレに対応していると」

「そういうことですね」

「すごい。ここまで計算し尽くして提供していたとは」

俵ハンバーグだけじゃない! ドンキホーテの推しポイント

さて、ここまで俵ハンバーグのおいしさとその理由を中心にお伝えしてきましたが、実はドンキホーテの魅力はハンバーグだけではありません。細部までこだわりを感じる推しメニューとポイントをいくつかご紹介します!

 

エビフライがおいしい!

ドンキホーテの俵ハンバーグにはエビフライのトッピングが可能。このエビフライがとてもおいしいのです!

生パン粉にこだわり、歯ごたえのあるブラックタイガーを使用。比較的原価の安いバナメイエビを使っていた時期もあったそうですが、触感が柔らかくエビフライには適さなかったため、現行のブラックタイガーが定番に。

ちなみに、同じくトッピングメニューの炭火焼きソーセージは自家製。自社のひき肉の技術が活かされています!

 

 「俺はいつも俵ハンバーグにこのエビフライをトッピングするんだよね。サクサクで身もふっくらで昭和のごちそうだったころのエビフライを彷彿とさせるのよ。俺はエビフライのおいしさをここで知ったと言っても過言ではない!」

テイクアウトも可能なピザは、隠れたこだわり人気メニュー

撮影:Huuuu

大日方さんいわく、ピザは創業当初から変わらぬレシピで隠れた人気メニュー。注文が入ってから生地を伸ばしてつくるピザは、自家製のソースが自慢の一品だそう!

全3種(21センチ・約1人前)で全て700円台。現在もテイクアウト可能なので、家でピザパーティーするときに重宝しそう!

 

「創業当初は一日に20枚テイクアウトの注文が入ることもあり、ピザ屋状態でしたよ!最近はお弁当のテイクアウトとともに注文される方が多いですね」

 

セットドリンクで幻のコーヒー「トアルコトラジャ」を選べる

セットドリンクで提供しているのは、幻のコーヒーと言われる「トアルコトラジャ」。
おいしいコーヒーを飲んでいただきたいとの思いで、採算度外視で導入。

カップは夏でも温めて提供。おいしいコーヒーを飲んでもらうためにひと手間を惜しまないのは、コーヒー好きの大日方さんのこだわりでもあります。

ワインぶどうの産地・高山村のワイナリーのレジェンドがつくった ドンキホーテオリジナルのワイン

撮影:Huuuu

実はワインにもこだわりが。なんと、ドンキホーテオリジナル銘柄のワインがメニューに並んでいます。

ワインに使用されるぶどうは、高山村ワインぶどう研究会の会長を務める宮川栄一さんが長野県・高山村で育てたもの。高山村はワイン用ぶどうの生産地として注目されている土地で、国内外の品評会で注目されています。
車で来るとなかなか飲めないのが惜しいですが、ぜひハンバーグと一緒に楽しみたい……!

 

ひとつひとつのメニューにこだわりを持ちながらも、ファミリーレストランとして気軽に利用できる価格帯で提供するドンキホーテ。街のレストランとしてすごすぎませんか?

一体、このお店はどのように生まれ、これまで続いてきたのか。次のページで、詳しく話を伺いました!

 

変わり者の義父が生んだ、ドンキホーテ創業ストーリー