みなさんは、どんな香りが好きですか?

オレンジ、ローズ、バニラ、緑茶など、いろんな香りがありますよね。

 

私は最近香水にハマっていて、少量ボトルをいくつも買い集めては、その日の気分で香りを選んでいます。

香りによって記憶が蘇ったり、気持ちがリセットされたり、シャキッとしたり……

香りには気分を変える力があるのだと実感しています。

 

そんなふうに香水にハマっているのは、最近マスク生活が続いていて、嗅覚があまり使えていないからなのかもしれません。

コロナをきっかけに、視覚優位の生活になっている反動で、香りに興味を覚えているのかもしれない……。

 

そんな話をしていたら、ジモコロ編集長・柿次郎さんから、

「土門さん、『香り』についてのインタビューをしませんか?」

というお声がけがありました。

 

やってきたのは、熊本県の金峰山県立自然公園の中にある「Ayame Organic」さん。

アロマに関わる樹木が立ち並び、ハーブ園も設営された、豊かな自然に囲まれたサロンです。

大きな窓から光が降り注ぐ店内には、香りに関する商品が並び、アロマを調合するラボも併設されています。

 

こちらで提供されているのが、「嗅覚反応分析」というサービス。

 

「鼻は人間の五感の中で、もっとも嘘のつけない感覚器官。この性質を生かした体質分析法が『嗅覚反応分析』なんです」

 

そう話すのは、Ayame Organicオーナーであり嗅覚反応分析士トレーナーでもある、徳永真夕さんです。

 

嗅覚反応分析では、香りの好みから心と体の状態を知ることができ、今の状態に合った食事法やリラックス法、さらにはオーダーメイドのアロマオイルを調合し提供してくれるのだそう。

もともと香りに興味のあった私ですが、そこまでできるとは知らず驚きました。

 

「でも、嗅覚だけで何がわかるんだろう?」

「自分をどう変えられるんだろう?」

 

そんな疑問と期待とともに始まったインタビュー。

編集長・柿次郎さんとともに、実際に嗅覚反応分析も受けてきました。

 

もっとも嘘のつけない感覚器官「鼻」

「『嗅覚反応分析』という言葉は初めて聞いたのですが、これはどういうものなのでしょうか?」

「嗅覚反応分析は日本で生まれた、嗅覚を使った体質分析法です。鼻は人間の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)の中で、もっとも先入観の影響を受けにくい器官。嗅覚は五感で唯一、感情・本能に関わる『大脳辺縁系』に直接伝達される感覚で、理性的な思考のフィルターを通さないと言われています。

つまり、嘘をつけない感覚なんですね。この嗅覚の性質を生かした自己診断法が『嗅覚反応分析』なんです」

「嗅覚で、自分のいろんなことがわかるということですか?」

「はい。やり方はシンプルで、8種類の香りを嗅ぎ分けて好みの順番に並べるだけ。それぞれの香りに対してどのように鼻が反応したかを調べることで、科学的・統計的に心身の状態を炙り出し、それをもとにどんな食事法やリラックス法が適切なのかを見ていきます。そして、70種類の精油から今の心身に合わせてブレンドしたアロマオイルをご提案します」

 

「日本ではアロマは雑貨扱いですが、ヨーロッパでは医療の分野で扱われていて、メディカルハーブを調合するハーブ薬局が存在するんですよ。植物療法士や薬剤師などの資格を持つ方が、薬理作用を元に心身に合わせてブレンドして処方しているんです。そんな自然療法サロンを日本でやろうと立ち上げたのがAyame Organicです」

「嗅覚で心身の状態もわかるし、整えることもできる、という……」

「体調によって香りの感じ方が変わるってことは確かにありますよね」

 

「そうなんです。先ほども言いましたが、鼻は『もっとも嘘のつけない感覚器官』。鼻で判断する好き嫌いは、直感的で理由がありません。だからこそ、自覚のない意志や不調までも教えてくれるんです。

……と言っても、実際に体験してみていただくのが一番だと思うので、まずはお二人で嗅覚反応分析をしてみますか?」

「はい、よろしくお願いします!」

 

まずは土門から嗅覚反応分析を

「では、まずは土門さんから始めましょうか。こちらに8種類の香りがあるので、好きな順番に並べてみてください。あまり香らない香りは真ん中に並べて、嫌いな香りがあれば何本あったか記入してくださいね」

「うーん……好きな順番に並べるって、思ったよりも難しいですね。なんかどれもいい匂いな気がするし……あっ、でもこの香りは無理かも……」

 

数分間、一人黙々と並べ替える

 

「できました! こんな結果になりました。よろしくお願いします」

 

「はい、それではグラフを出して分析していきますね」

「実は私、いい結果が出る自信があるんですよね。最近、心身ともに調子がいいので」

「土門さん、最近筋トレ始めたって言ってましたもんね」

 

「……うーん、土門さん、ストレスと疲労度が結構高いようですね。黄色信号です」

「あれ!? 本当ですか!?」

「こちらが分析結果なんですが、縦軸が『+(活性)』『−(鎮静)』、横軸が『自立』『協調』を表しています。そこに『体』と『心』の数値が入り、四角形が描かれるのですが、これが正方形になると心身のバランスが整っている状態なんですね」

 

「でも土門さんの場合、『心』は割とバランスがいいんですが、右下の数値が『3』と少なく、左上の数値が『15』と多く、『体』のバランスに問題があるようです。ちなみに平均値は『9』です」

「本当ですね。ということは……?」

「左上の『体』の部分は胃腸の消化器系を表しているのですが、そこの数値が高いので、消化器系に負担がいっているのかもしれません。もしかして土門さん、最近食べすぎていませんか?

「えっ、すごい! めちゃくちゃその通りです。最近、食欲旺盛でよく食べてます」

好きな香りは、自分に足りないものなんです。例えば『消化器系を活性化させる』香りを好む場合、消化器系が弱りやすい状態だと予測でき、『体を活性化させる』香りを好む場合は、体のパワーが落ちていると予測できます。逆に、嫌いな香りは今の自分に不必要なものです。今回土門さんが『嫌い』って感じていたのは、消化器系を活性化させる香りなんですよね。

あと土門さん、糖質とか炭水化物を多くとっていたりしませんか? 逆にお肉類や、噛みごたえのある根菜類が少ないとか」

 

「ええー、もう、怖いくらい当たってます……。体を動かしていると白米がおいしくて毎日おかわりしているんですけど、お肉とか根菜類は調理が面倒であんまり食べてないです……」

「新米の誘惑だ!」

「左上が、栄養素で言うと糖質や炭水化物の領域。逆に、右下の少ない部分は脂質や不溶性植物繊維なんです。土門さんには今、お肉や根菜類などが足りていないのかもしれません。少しお米の量を抑えて、動物性のものやよく噛むものを食べれば、バランスが整ってくる可能性が高いです。

あとは疲労やストレスも溜まっていませんか?」

「溜まっていますね。今かなり仕事が忙しくて、土日もほぼ休めてなくて」

 

土門さんは今、体をパワーアップさせる香りを求めています。筋肉を活性化させる香りを好んでいらっしゃるので、筋トレはとても合っていると思います。ただ筋トレを持続するにはエネルギーがいるので、さっき申し上げた通り、食べるものを意識してみてください。すると、体力も上がって美容にも効果があると思いますよ。それを踏まえて、土門さんにはバランスを整えるパーソナライズオイルを調合しますね」

「すごいなぁ、本当に匂いだけでこんなにわかるなんて……」

「めちゃくちゃ当たってるんですね」

 

「実は私、もともと気力も体力もない方だったんですけど、それをどうにかしたくて筋トレを始めたんです。そうしたら食欲も出て調子が良くなって、今日もいい結果が出ると思っていたんですよね。でもまさか、食べ過ぎで栄養も偏っていたとは……完全に調子に乗ってて恥ずかしい……」

「嗅覚ウソツカナイ……」

 

嗅覚反応分析では、現在地を可視化することができるんです。土門さんは『気力と体力をつけたい』という目的地をお持ちだけど、そのためにはまずは現在地を知らないと、明後日の方へ行ってしまう可能性がある。それだともったいないですよね。

同様に、心がモヤモヤしていると感じている人が実は体に原因があったり、体がだるいと思っている人が実は心に原因があることがよくあります。体温計で体温を測るように、定期的にバイタルチェックをすることで、もっと効率良く理想の自分になれる。そんなふうに嗅覚反応分析を使っていただきたいですね」

「客観的に見ていただけて、なんだかほっとしました。これから食事に気をつけて、オイルを使ってみます」

 

次は柿次郎さんの嗅覚反応分析を

「それでは、次は柿次郎さんを診てみましょうか」

「はい、お願いします!」

「(結果を見ながら)……柿次郎さん、眠れています?

「うーん、眠れてはいるけど質は悪いと思います。もともと睡眠が浅い方なんですけど、特にこの3ヶ月は自分の本を出版してイベントもしているので、忙しくて細切れに睡眠をとっていて」

 

「柿次郎さんの場合、右上の脳の領域に負荷がかかっていると予測できます。ここは睡眠に関わるところでもあるので、なかなかリラックスができていなくてゆっくり眠れていないのではないかと思います。

また、土門さんと同じく左上の体の数値が多くなっているので、寝ている時も胃が動いている状態なことも、睡眠に影響があるのかもしれません。ただ、パワーを表す右下の体の数値は安定しているので、あまり不調は出ていないのでは」

「あ、そうですね。自分の体調の戻し方は知っているって感じかも」

戦う力はあるけれど、リラックスはできていないって感じかもしれません。一人でゆっくりする時間が少なそうですね」

 

「いやーもう、一人の時間は全然ないですね。人といるのは楽しいんだけど、そろそろ一人になりたい……」

「柿次郎さんの場合は、食べ物で何とかするというよりも、落ち着いた時間を求めていらっしゃるようです。一人で映画鑑賞をするとか、パズルや読書をするとかがおすすめです。あと呼吸が浅くなっているかもしれないので、マスクをとって深呼吸するのもいいですね」

「ああ、そういうのしたいですねえ。家の庭の草むしりもしたいし」

「柿次郎さんのような方は、調子が出ないからと筋トレをすると、余計眠れなくなって逆効果です。リラックスの香りを求めていらっしゃるので、就寝前や就寝中にそういった香りを使われるのがおすすめです」

 

「なるほどなぁ。土門さんと僕は真逆ですね」

「好きな匂いが違うと、求めるものが違うってことなのかな」

「そうですね。土門さんはパワーアップの香りを、柿次郎さんはリラックスできる香りを求めていらっしゃいました。現在地は人それぞれなので、それを可視化して問題解決を一緒にサポートする。嗅覚反応分析は、体質分析法であるとともに、問題解決法でもあるんですね

「香りおもしれえええ!」

 

「人と人は違う」ということを可視化する

「自分の現在地ってこんな感じなんだってことを、客観的に見てもらえるのって安心しますね。普段はどんな悩みを抱えている方が来られるんですか?」

「体や心に不調を感じていたり、転職や結婚などで節目を迎えるときに自分を見つめ直したいという方がよく来られます。

また、恋愛、夫婦関係、育児など、人間関係で悩まれている方も多いですね。結果をご覧になって感じられたかと思うのですが、本当に人それぞれなんです。つまり『人と人は違う』ということ。嗅覚反応分析はそれが可視化できるので、例えば最近うまくいってないご夫婦でも、結果を見ることでお互いを理解し合うことができます。『ここに来て、これまでわからなかったパートナーのことがよくわかりました』とおっしゃるお客様もいて」

「へえー」

傾向がわかれば相性がわかるし、問題解決もできます。ですから、企業のご相談も多いですね。社内のコミュニケーションに課題を感じていらっしゃったり、上司と部下でのコミュニケーションが不足していたり。そういうときに使っていただくと、お互いのことをより深く知ることができます」

「自分のことはもちろん、相手のことを知るためにも使うことができるんですね」

 

「また、アスリートの方もよく嗅覚反応分析を取り入れていらっしゃいます。うちは子供二人がアスリートで、長男が今度プロの競輪選手になるんですけど、プロ養成所の試験を受けるまで嗅覚反応分析がなかったら、いらない言葉をかけて喧嘩になっていただろうなって本当に思いますね」

「えっ、すごい! アスリートにも応用できるんですか」

「心身の状態を可視化できるので、足りない栄養を食事面で補ったり、過緊張の場合には昼寝をとったりと、そのとき必要なことがわかるんです。

同様に、娘の受験前にも活用しましたよ。『頑張れ』って声をかけるだけじゃなく、今必要な環境を用意することができるので、親子関係にも良い影響を与えてもらえたと感じています。これがなかったら、母親として子供に何が必要かわからなくて、いらないことをしていただろうなと思いますね」

 

始まりは家族、きっかけは地震

「そもそも、徳永さんはなぜ嗅覚反応分析を始められたんですか?」

「私は三人きょうだいの長女なのですが、母と妹が精神的にバランスを崩しやすいタイプだったんです。自分自身はそういうことがなかったので『何でだろう』とずっと思っていました。私は22歳でひとり目の子を産んだのですが、その翌年に弟も精神のバランスを崩して亡くなってしまって。それでますます母の調子が悪くなってしまったんです」

「そんなことがあったんですね」

「私に何ができるだろうと考え、『命を増やそう』と24、25歳で2、3人目の子を出産しました。そんな中、一所懸命育児をしていたのですが、長男が中1になったとき、子供のことがよくわからなくなった時期があったんです。そうしたら先輩ママが『母子でカウンセリングしてくれるところがあるよ』と教えてくれて。それが嗅覚反応分析でした」

「それが始まりだったんですか」

「はい。当時私の中には『子供をちゃんと育てなきゃ!』という思いが強くあったのですが、嗅覚反応分析をしてようやく『ああ、私と息子は全然違う人間なんだな』って理解することができたんです。そして、バランスを崩していたのは母である私自身だということも知りました。今よりずっとパワー不足で、常に疲れていた。

でもそこから食生活を変えてアロマを取り入れることで、体重を増やして活力を身につけていくことができました。それが嗅覚反応分析に強い興味を持ったきっかけでしたね」

 

「それから植物療法の勉強を始めたんですけど、2016年に熊本地震が起こりました。家の中がぐちゃぐちゃになって、趣味で集めていた陶器もほとんど割れてしまったのですが、その中から芳香器だけ持って逃げたんです。

そうしたら、車中泊でもいつもの香りがするだけでぐっすり眠れたんですね。嗅覚でリセットできるんだと実感した瞬間でした。その地震をきっかけに、自分の中にすごくパワーが生まれたんですよ。『一生は一度きりだ』と感じて、嗅覚反応分析のお店を開こうと決意しました」

「熊本地震が、このお店の原点になったんですね」

「はい。私の周りにも、地震をきっかけに起業した方は多くいらっしゃいましたね。一方で、パニック障害などの悩みを持つ方も多くいらっしゃって。実は妹も、地震の1年後に亡くなってしまったんです。弟も妹も20代のうちに亡くなってしまったので、とても辛かったけれど、私は二人の分も頑張って生きなくちゃという思いがありました」

「そうだったんですか……」

「それから嗅覚反応分析で、母のサポートをするようになったのですが、やっぱりバランスが整うと眠れるようになるんですね。人は本来『ホメオスタシス』という機能を持っているのですが、それをリセットすることで生きていけるようになるんだと実感しました

「ホメオスタシス?」

「『恒常性の維持』って聞いたことありませんか? 例えば、寒くなると体温を上げようとしたり、暑くなると汗をかいて冷やそうとする。外的要因によって体調が崩れるのを阻止するために、一定でいようとする働きのことを言います。この機能を整えることで、病気にかかりにくくなるのだと言われています。このホメオスタシスのバランスを可視化したものが、嗅覚反応分析なんです」

「なるほど」

「それからは、母にしてあげたことと同じことを、お店でお客様に行いました。中には『地震後にパニック障害の発作が出るようになって、恋愛どころじゃない』という方もいらっしゃったのですが、嗅覚反応分析を通してどんどん良くなって、今はご結婚されてお子さんもいらっしゃいます。そういう幸せに立ち会うことができたのは、何より嬉しかったですね」

 

嗅ぐ力は生きる力。それを伸ばすためには?

「さっき分析を受けて思いましたが、私は自分のことをわかっているつもりだったけど、実は全然わかっていなかったんだなと痛感しました」

「特に女性の方は、1か月が一定でなく揺れやすいですからね。自分を過信したりわからなくなったりするのは当然だと思います」

「でも素朴な疑問なんですが、なぜここまでわかってしまうんですか? 先ほど、『好きな香りは、自分に足りないもの』とおっしゃっていましたが」

「イメージとしては、鍵と鍵穴を想像していただくと良いかと思います。精油ごとに鍵の形が違っていて、それが自分の鍵穴にぴったりハマると『良い匂い』と感じるんですね

 

「例えば、お腹が空いているときにおいしそうな匂いを嗅ぐと『いい匂い』と感じますが、お腹いっぱいのときだとそうではない。これは鍵穴が合わなくなったからなんです。嗅覚反応分析が特許を取得したのはこの部分。各香りの成分分析がされていて、鍵と鍵穴の理論を科学で証明しました」

「へえー」

 

「以前、2歳の男の子が石鹸を作る講座に来てくれたことがあったのですが、その子はオレンジの匂いにもレモンの匂いにも首を振っていました。相当ストレスがあるときってどんな香りも受け付けないので気になっていたのですが、鎮痛作用があるクローブの香りを嗅がせたらようやく頷いてくれたんです。

それで『もしかしてどこか痛い?』と聞いたら、お母様がハッとした顔で『ここにくる前にドアに手を挟んでしまったんです』と教えてくれました。病院に連れて行かれるから『痛い』と言わないだけで、本当は相当痛かったんですね。それくらいその人の心身の状態が瞬時に香りの好みに出るんです。その子は次に来たときには、クローブの匂いはだめになっていて、レモンやオレンジを好きだと言っていました」

「すごいなぁ。まさに『鼻は嘘をつけない』ですね」

「そうですね。土門さんの場合は『筋トレしているから大丈夫』って思っていらっしゃったけど、鼻は『ストレスと疲労が溜まっているよ』と言っている。鼻を使えば、そのとき欲しているものが何か、不要なものが何かが、直感的にわかるんです。動物も餌や天敵探しに嗅覚を使いますが、それと同じですよね。嗅ぐ力は生きる力なんです

「香りで、必要・不必要を見極める。確かに生き残る上で必須な力ですよね。ビジネスでも、『鼻が利く』とか『きな臭い』とか言いますし」

 

「今って、リアルに何かに触れたり近づいたりすることが少なくなっているので、視覚や聴覚ばかり使って、嗅覚って使えていないと思うんです。それって実は危険なことなのかもしれないですね。『嗅ぐ力』を伸ばすために、できることってありますか?」

「まずは、好きな香りを見つけるのをお勧めしますね。例えばお店でアロマの香りを嗅ぎ比べてみて、『いい匂い』と思うものを探してみるとか。好きな香りは今の自分に必要なものなので、それを嗅ぐことで自分を癒せると思います」

「実際に嗅ぎ比べるのが大事そうですね。『私ラベンダーが好きなんだよね』って思い込みもありそうだし」

「そうですね。基本的に、同じ香りをずっと好きなことってあまりないんですよ。バランスが整うと、その香りが必要じゃなくなるときが来るから。だから頭で考えないで、嗅覚で感じる。そんな時間を作ってもっと自分を知ることで、自分の癒し方がわかるようになると思います。

結局、自分しか自分を癒せないですからね。でも逆に言えば、自分で自分をどこまででも癒し、幸せにできるということ。その方法を、頭ではなく体で選んでいくのが大切だと思います」

 

「わかった」「わかってもらえた」という安心感

「お話を聞いていて、ぜひうちの会社にも取り入れたいと思いました。うちの会社は長野と東京に拠点があるんですが、毎日顔を合わせるわけじゃないから社員一人ひとりの状態があまりよくわからなくて。編集は不規則で緊張感のある仕事なので、メンタルを崩しやすいとも思うんです。嗅覚反応分析を取り入れたら、そういうのもわかるのかな、と」

社員分の体温計を集めるような感覚で、ぜひ取り入れていただきたいですね。ストレスや疲労の結果が可視化できるので、数値の高い社員さんは休息をとらせるとか、適切な対応ができると思います」

「なるほどなぁ。うちでは定期的に個人面談もしているんですけど、そこで結果を見ながら話せばいい時間になりそうですよね。福利厚生として、栄養が足りないなら肉を食べさせたり、リラックスが必要なら森に連れて行ったりもできるし」

「いいですね。社員さん一人ひとりの幸せにもつながると思います。個人の幸福なくて、会社の幸福はありませんからね。もしみんなが悲鳴をあげている状態になっていたら、何か対策をあげた方がいいと思います」

社員一人ひとりの体質が、会社の体質を表すってことか

 

「まさに私の家族がそんな状態だったから、この嗅覚反応分析がもっと前にあったら違っただろうなと思うんですよ。体の健康診断はあるけど、心の健康診断はなかなかないので、両方できるこの分析はとてもいいと思いますね。

それにやっぱり、『自分がわかった』『わかってもらえた』という安心感は大きいです。それがあって初めて行動変容につながるので。その気づきを提供するのが、Ayame Organicの第一歩だと思っています」

 

最後に、自分のために調合していただいたアロマオイルをいただきました。

樹木系の香りですごくいい匂い。自分に足りないものが詰まっているのだろうなと思うと、嗅いでいるだけで安心する気持ちになります。

 

一方で柿次郎さんのために調合されたアロマオイルはカモミール系の香りだったのですが、私には少し苦手に感じました(柿次郎さんは『いい匂い〜!』『なんかもう眠たい!』と言っていましたが……ごめんなさい)。自分が求めていないものには反応しないのですね。

 

調合されたアロマはパフュームで提供される他、オイルセラムのような化粧品や、ハンドクリームなど普段から身につけていただける商品にもブレンド可能です

 

今回強く感じたのは、自分の好きな匂い、嫌いな匂いを嗅ぎ分けることの難しさでした。

 

ラベルも説明書きもついていないので、頼りになるのは自分の嗅覚だけ。普段どんなに言葉やロジックに頼りすぎているのかを痛感しました。

 

「問いと嗅覚であなたに答えを。」

これは、Ayame Organicさんのコンセプト。

「どの匂いが好き?」という問いを繰り返すことで、嗅覚、すなわち「生きる力」を伸ばしていけるのではないかと思います。

 

それでは最後にもう一度質問を。

 

みなさんは、どんな香りが好きですか?

 

嗅覚反応分析はオンライン診断も可能。ぜひご覧ください!

 

Ayame Organic公式WEBサイト
https://ayameorganic.com/

【R2 事業再構築】

 

2ページ目では、柿次郎が経営するHuuuuのスタッフが嗅覚反応分析チェックを受けてみた結果を紹介します。会社のマネジメントに「香り」はどのように活かせるのか……?

 

メンバーの性格も適性も香りでわかる?