モーニングに読書に、旅先で落ち着けるカフェ

次は石垣島のカフェを紹介します。

まずはここ、「NUTSTOWN COFFEE ROASTERS」。外観からすごくおしゃれで、コースターとか販売しているグッズも充実。デザインがかわいいんです。

フードにもこだわっていて、ジビエのソーセージで作ったホットドッグは絶品。この日はイノシシとチリトマトのソーセージでした。

ホットドッグに合わせたのは、カスカラシロップのラテ。カスカラシロップというのは、本来捨ててしまうコーヒー豆の果肉の部分をシロップにしたもの。果実の甘みが凝縮されていて、すごく美味しい。ぜひ飲んでみてほしい!

 

次に紹介したいのが、滞在中の朝、よくお世話になっていた「KLATCH COFFEE」です。

日常生活では朝ご飯をそんなに食べませんが、旅先に行くとなぜかモーニングが食べたくなっちゃうんですよね。

朝に食べた、ホットサンドとアイスコーヒー。朝以外の時間帯に行ったときは、ドーナツとコーヒーを。

ドーナツも、もっちり系で美味しい! ここではよく原稿を書いたり読書をしたりしていました。

 

あと、初日に訪れた「喫茶シロクマ」もすごくよくて。

外観は沖縄らしい民家の感じ。店内には本棚があって、お客さんがみんな読書をしていました。

行きの飛行機で読みかけていた本があったから、僕も読書したくて。読み始めたときは日が出ていたんですけど、だんだん暮れてきたんですね。そしたら店主の方が「暗くなってきたから使ってください」ってクリップ式の照明をつけてくれたんです。その優しさに感動したなあ。ほんと素敵なお店でした。

 

沖縄ならではの、郷土本が揃う書店

荷物にはなるけれど、旅先には必ず本を持っていきます。旅での読書体験って、めっちゃ豊かな感じがしません? 当然、旅先の本屋さんにも行きたくて、石垣島でも「タウンパルやまだ」という文具も売ってる町の本屋さんへ。

沖縄にしか流通していない本ってたくさんあるので、お土産に沖縄の出版社の本を買う、なんてことも。この「タウンパルやまだ」は特に郷土本のコーナーが充実していて、沖縄本島にいる編集者友達の雑誌『CONTE』の、持ってなかった号も買えました。

郷土本が充実した棚に、ついつい長居してしまいます。街中で行きやすいので、みなさんにも行ってみてほしいですね。

 

あと僕、古本屋も行きたいと思って探してたんですけど、街の情報サイトで「石垣島唯一の古本屋が潰れた」みたいな記事を目にして、諦めかけていたんですよ。でも、たまたまカフェとして見つけた「うさぎ堂」に行ってみたら、看板になんと「古書」の文字が。

「あるやん!」と入ってみると、その棚作りに圧倒されました。店の分類にプロフェッショナルを感じて、思わず話を聞いてみると店主の方は元々、東京の書店に勤めていたとのこと。こちらは古書がベースなので、郷土本の充実度は「タウンパルやまだ」以上かもしれない。

古書はカフェの席で読むことができます。僕はアイスコーヒーと共に、気になっていた『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』を読ませてもらって、購入しました。

 

もっとも心を掴まれたのは、なんとメキシコ料理

個人的に石垣島で一番好きな店だったのが、「vagabundo」というお店です。

僕、タコスが好きなので、前を通ってふらり入ったんですけど、異国に迷い込んだような店内の雰囲気が最高に旅人心をくすぐるし、石垣島で一番心を掴まれた場所かもしれない。世界中を旅したというマスターが作る、タコスの美味しいこと!

本格的なメキシコ料理屋で、注文してからトルティーヤを焼いてくれます。今まで食べたことがないようなメニューもたくさんありましたし、お酒の種類も充実していて、こういう店との出合いが、旅の醍醐味だなあとあらためて思います。

帰る直前にも行きたかったんだけど、空港行きバスの時間の関係で諦めたのが心残り。

 

そしてお気づきかもしれませんが、間違いなく僕、食べ過ぎなんですよ。ここで紹介していないお店もたくさんあるので、3泊4日で何食とってるんだ? って感じですね。だけどこればかりは編集者の性なのかもしれません。

そんな僕の胃腸を救ってくれたのが、沖縄のヘルシーフード代表「ゆし豆腐」! サトウキビ畑に囲まれた道をテクテク進み、辿り着いた「とうふの比嘉(ひが)」

出来立てふわふわの「ゆし豆腐」を朝ご飯で食べられるお店。超人気店で、11時頃に行ったらもう売り切れ。再チャレンジしに、翌日は朝7時にお店へ行きました。それでもお客さんがひっきりなしに訪れていたので、みなさんも行かれる場合は早起きマストです。

僕が頼んだのは、ゆし豆腐とおかゆのセットの小。これで胃腸が一気に回復しました。

 

ついに最終日。念願の“あの人”とツーショット。

三泊四日の旅も、いよいよ最終日。天気は晴れ。実は最終日が唯一の晴れだったんです。「晴れた! よっしゃ!」と向かったのが、ここ。

石垣島が生んだスター、具志堅用高さんの像です。僕、冒頭で紹介した本『沖縄のことを聞かせてください』を読んでから、具志堅さんのことが大好きになって。

バラエティ番組でのイメージが強く、プロボクサーとしての具志堅さんのことはほとんど知らなかったのですが、本を読み、石垣島や、沖縄の人たちにとって、どれだけ偉大な存在なのかがわかりました。

戦後、米軍に沖縄が占領され、1972年に日本へと復帰した当時、本当に悲しいことに沖縄の人へのいわれなき差別が日本国内でありました。それだけでなく、沖縄においても、石垣島など本島以外の人への差別心もあったそう。

今もなお消え去ってはいない歴史なわけですが、そうした中で、石垣島出身の具志堅さんが世界チャンピオンになったということは、本当にすごいこと。島ではものすごい大フィーバーを巻き起こしました。そう本で知り、具志堅さんのピュアなキャラクターにも惹かれ、大好きになりましたね。

(沖縄をめぐる歴史について、興味が湧いた方はぜひ『沖縄のことを聞かせてください』を読んでみてください)

だからこの像はどうしても見に行きたくて、晴れた空の下で写真を撮りたいと思っていたんです。最終日にやっと晴れてくれてよかった。ということで、ツーショットも。

具志堅さんの像がフェリー乗り場の近くだったこともあり、竹富島にも行ってみようと、そこからフェリーに乗りました。竹富島まで、たった15分。そして往復1300円。速くて安い。

とはいえ、時間がほとんどなかったので、島滞在はたったの数分。行きに乗った船で帰ってきました。一瞬でも竹富島の海の美しさを体験できて、ほんと行ってよかった。

最終日、晴れてくれたからこそ最高の体験ができました。

 

竹富島から石垣島に帰ってきて、フェリー乗り場のすぐ近くにある「メンガテー」が、旅の最後に訪れた店です。

昭和感溢れる店内で、昭和レトロ好きならたまらないと思いますね。ここで食べたのが、おでん盛り。

石垣島ならではの「八重山おでん」。ほうれん草、レタスのおでんなんて初めて食べました。泡盛のソーダ割りとともに、最高の締めとなりました!

 

おわりに

大好きな食べ物を起点に、「ここ入ってみようかな」「あれは何の店だろう」ってキョロキョロしながら、Googleマップのような文明の利器を使いつつも、リサーチしすぎず直感を信じて歩き回る、楽しい旅でした。こうやって振り返ると、三泊四日だったとは思えないほど充実してましたね。

ここに載せていないお店もたくさんあるので、本当によく食べて、よく飲んだなあ。この記事を参考に、ぜひ石垣島へと足を運んでいただけたら嬉しいです。

☆今回紹介したスポットのマップはこちら