みなさんこんにちは、ライターのきむらいりです。

わたしは今、スーパーに来ています。

 

スーパーっていいですよね。野菜やくだもの、お魚にお肉……季節の食材がズラッと並ぶ様は、見ているだけでもワクワクします。

日本には数多くのスーパーが存在していて、強みや個性はさまざまです。そんな数多く存在するスーパーのなかでも、特に都民に愛されているスーパーといえば……

 

オオゼキではないでしょうか。

 

オオゼキといえば、スーパーなのに丸物の魚がドーンと並んでいたり……

加賀野菜、京野菜、沖縄野菜などの地方野菜が豊富だったり……

調味料コーナーに見たこともないご当地醤油が置いてあったり……

と、とにかくワクワクするような、用がなくても思わず行きたくなってしまう不思議な魔力のあるスーパーです。

 

わたし自身オオゼキを愛し、日頃からお世話になりまくっているのですが、以前Twitterでオオゼキへの愛を呟いたところ多くのオオゼキラヴァーが共感の声を寄せてくれました。

 

「オオゼキのある街に住みたい」

「引越しはオオゼキが近所にあるかを基準にしている」

「家から遠いけど、わざわざパトロールしに行っている」

など、生活に欠かせない存在となっているだけでなく、なかにはオオゼキが好きすぎて、オオゼキ好きを集めたイベントを開催したという猛者までいました。

家から通いやすい、安い、鮮度がいい、珍しいものが置いてある、などなど……スーパーを選ぶ理由や基準は人それぞれだと思います。
そんななかで、オオゼキがここまで愛される理由はなんなのか……? 

 

今回は本社がある下北沢店にお邪魔し、CS・ES向上推進グループ室長の黒崎さんにわたしのオオゼキ愛を直接伝えるとともに、オオゼキが多くの人から支持される理由を探っていきたいと思います。

 

※この取材は2019年12月に行われました

 

異常なまでの品揃えは、お客さんのニーズがあってこそ

「今日はオオゼキを愛する者たちの思いを背負ってここに来ました。どうぞよろしくお願いします」

「はい、よろしくお願いします」

「さっそくですが、オオゼキを推せる理由の一つに『品数がとんでもなく豊富』というのがあると思っていて。こんなのも置いてあるの?って、珍しい商品を見つけるたびにテンションが上がるんですよ」

 

こちらは「醤菜(ひしおな)」と呼ばれる、プチプチ食感と醤油風味の塩味が特徴の野菜。こんなのオオゼキでしか見たことないな……?

「ありがとうございます。たしかにオオゼキは異常……いや、日本有数の品揃えだと思います。たとえば下北沢店の場合、ポン酢を含めるとお酢だけでも100種類近くの取り扱いがあるんですよ」

「お酢が100種類!? 正直なところ、そんなにたくさんの種類を置いていても、すべてがポンポン売れていく訳じゃないですよね……?」

「そうですね。でも、種類が増えてしまうのは『それを買うお客さまがいる』からなんですよ。オオゼキでは、お客さまからの要望があれば一個からでも仕入れるようにしているので、どんどん商品数が増えていっちゃうんです」

 

見た目にも賑やかなトマトコーナー。お手頃なミニトマトから箱入りのちょっといいトマトまで、約40種類がずらっと並ぶ(※写真は2019年のものです)

「とはいえ、一つの調味料で100種以上の取り扱いがあったり、トマトが常に数十種類もあったりするのは、1日の平均来客数が6,000人を超える下北沢店ならではの特徴ですね」

「毎日6,000人……! 品数を増やしても、6,000人のうち1人くらいは買ってくれる人がいるから大丈夫、ってことなんですか?」

「平たく言うとそんな感じですね。でも、そこにはちゃんとニーズがあって、わたしたちはそれにお応えしている形です。そうそう、この店舗ではビーツが毎日5〜6個売れるんですよ」

「ビーツってあの赤くてほんのり甘い、あれですか? ボルシチくらいしか使い所がわからないですけど」

 

真っ赤なアイツ

使いどころがよくわからないようなものでも、売れるから仕入れるし、仕入れてあるから『あそこなら置いてある』と、どんどん買いに来てくれるようになるんですよ。最近だと『リーキ』というネギに似た野菜を仕入れてくれと言われて、取り扱うようになりました」

「品揃えを充実させているからニッチな需要にも応えられるし、売れるからこそ、これだけの種類を揃えられる、という循環なんですね」

「とくに下北沢店は地域のお客さまから飲食関係の方まで客層が幅広いので、お客さまの要望に一つひとつ応えていたらこんな感じになっていた……という感じですね」

 

オオゼキのスパイスコーナー。聞き馴染みのないものも、多く並んでいる(※写真は2019年のものです)

 

チーフの個性が色濃く反映される売り場

「そもそも『一個から』なんて仕入れ方、可能なんですか……?」

「可能ですよ。オオゼキは『個店主義』といって、その地域やお客さまの要望に合わせて店舗ごとに品揃えを変えられる方針をとっているので」

「個店主義?」

「オオゼキでは各店舗、各売り場のチーフがそれぞれ何をどのくらい買うか決めています。青果や鮮魚の担当チーフは毎朝市場に買い付けに行って、そこで仕入れたものがそのまま店舗に並ぶんです」

 

店頭に並ぶのは、今朝、市場から仕入れたばかりの魚たち。自分では買わなくても、見ているだけでテンション上がります!!(※写真は2019年のものです)

「『オオゼキ』として一定の量を確保するのではなく、店舗ごとに仕入れるものを決めているんですね」

「はい。チーフは毎日売り場にも立っていて、お客さんの要望や好みを一番知っている存在です。そんな彼らが目利きをして仕入れをするので、お店ごとに売っているものも販売方法も変わってきます」

「店舗によって結構違うんですか?」

「結構違いますね。たとえば下北沢だと単身やご家族世帯が多いので、魚は切り身にしたほうがよく売れますし、飲食店需要の多い松原店では丸物をドン!と置いておくほうが売れるんです。チーフの判断によって仕入れ内容が異なるので、社内では『チーフが変わると売り場も変わる』と、よく言われています」

 

レバーやかしら、ハツにタンなど、専門店に行かないと手に入らないようなお肉がずらり(※写真は2019年のものです)

「ちなみに、あまり知られていないのですが、下北沢店のチーフは大の内臓好きでして(笑)。そのおかげで、下北沢店の精肉コーナーはやたら内臓系が充実しているんですよ

 

牛テールは火曜日限定で店頭に並ぶことも!(※写真は2019年のものです)

「言われてみればたしかに! 内臓好きのチーフのおかげでおうち焼肉が捗りそうです。

お肉もさることながら、下北沢店って特に青果コーナーが充実していると思っていて。店先にお値打ち価格で季節のフルーツが並んでいるかと思うと、1個1万円のマンゴーとか高級フルーツも置いてるじゃないですか」

「そうですね」

「スーパーは庶民の味方で、みんな『安くていいもの』を求めて来ていると思うんですけど。その空間にこんな高級フルーツが並んでいて、誰が買うんだろう?ってずっと疑問だったんですよね」

「なるほど。それでいうと、そのマンゴーも普通に買ったら倍以上の値段がするものを、『オオゼキに来れば“安くていいもの”が手に入る』と思って来てくださるお客さまがいるということなんですよね」

 

「さきほど下北沢店はお客さんの層が幅広いとお話したのですが、わたし自身ここで働きだすまでは、下北沢っていわゆるサブカルの聖地で、若い人たちが多くて……というイメージだったんです。でも実際には、池尻方面や松原方面に広がる住宅街にお住まいの方々も多く来られるんです」

「いわゆる立派なお家が立ち並ぶエリアですね」

「ええ。なので、下北沢ではご近所の方、飲食店の方、すこし遠くからいらっしゃる方、それぞれのお客さまにとっての『安くていいもの』が見つけられるような売場づくりをしています」

 

いい、わるいを正直に言っちゃう関係性

「お店のチーフによって仕入れが違うとおっしゃってましたよね。オオゼキラヴァーたちの間では、『目利きがすごい』という点も推していて」

 

Twitterに届いた反応を見せたら「みなさんよく見てくださってますね〜!」と黒崎さん

「日によって目玉商品やお買い得品って違うと思うのですが、あれだけ多くの商品が並ぶ売場から見つけ出すポイントってありますか?」

「まずは『特価』や『目玉商品』など、赤や黄色で目立つように書かれているものですね。お店としてはお買い得品を見てほしいので、二階に上がってきて一番最初に目に入る場所など、目につきやすい場所に置くのは定石なので」

 

こういうド派手なPOPは要チェックです!(※写真は2019年のものです)

「でも一番は売場のスタッフに声をかけていただくことですね。たとえばピーマンでもこの時期はこの地域のものがおいしい、この地域のものは硬さがある、などの違いがあるんですよ。スタッフはそういった情報を持っているので、もっと気軽に話しかけてみてください」

「でも、みなさんお忙しいんだろうなーと思うとちょっと遠慮しちゃいます」

「それが私たちの仕事ですからね! うちの社員はおもしろくて、『今日はこれおいしくないですよ』って、言っちゃうんですよね」

「そんな正直に!?」

「『どうしてもこれがほしい!』という方のために、品揃え的に仕入れて置いておくものもなかにはあるので。そういう時に『今日はこれやめといたほうがいいです。その代わり今日はこっちがすごくおいしいですよ』っていう会話は、オオゼキではよくあるんですよ

「ええ〜! 商品の良し悪しを正直に伝える姿勢……オオゼキへの愛がますます深まりました。それって、本当にどのスタッフさんに声かけても大丈夫なんでしょうか?」

「もちろんです! みんな対応できるスキルがありますから。わたしがオオゼキに入社した時にびっくりしたのが、『手が腫れる』ことだったんです」

「(急になんの話だろう・・・)」

「人間の手って、あまりにもたくさんものを持ったり触ったりすると腫れるんですよ。入社間もない頃の私は、毎日グローブをはめたみたいに腫れてました。つまりなにが言いたいかっていうと、オオゼキの社員はみんな、手が腫れるほど商品に触れているんです」

 

「触ることで得られる情報ってものすごく多くって、日に2つしかメロンに触らない人と毎日100個触る人では、後者は知識がどんどん溜まっていくんですよね。商品を毎日大量に触っているオオゼキの社員は、それだけ商品の知識を持っているし、持った瞬間に『これはおいしい・おいしくない』とか『あと何日くらいで食べ頃だな』というのを判断できるんです」

「それってもはや『オオゼキ』というスーパーの中に八百屋さん、お肉屋さん、お魚屋さんなどの専門店が入っている感じですね。スーパーで店員さんに話しかけるのって、商品の場所を聞く時くらいですけど、八百屋さんだと普通に会話しますし」

おっしゃる通りですね。みんな専門店に負けない知識を持っているので、どんどん話しかけてなんでも聞いてください!」

 

最高額は160万円!現金キャッシュバックポイントカードの魅力

「もう一つ、オオゼキのポイントカードも大好きです。なにが好きかって、貯まったポイントを現金に換えられるじゃないですか。あれってかなりインパクトがあると思っていて」

 

100円ごとに1Pが貯まるオオゼキのポイントカード。買い物の際に1P=1円として使えるだけでなく、月に1度の「換金日」には100P=100円に現金と交換できる、すんごいシステム。オオゼキラヴァーの必須アイテム

「ありがとうございます。不思議なもので、月に一度の換金日にお客さまから『ありがとう』って言ってもらえるんですよ。本当は日頃お買い物をしていただいているお客さまに、わたしたちがお礼を伝える立場なのに」

「いや〜、やっぱり現金で返ってくるってうれしいですもん(笑)。お礼を言いたくなる気持ち、わかります。ちなみに、過去最高の換金額っておいくらくらいですか……?」

 

「たしか……門仲牡丹店で、過去に160万円ほどの換金があったと聞いたことがありますね」

ひ、160万円!? 160万円分のポイントを貯めるのって、100円で1ポイントだから、単純計算しても1億6,000万円分買ってるってことですよね……!?」

「ポイント5倍デーもありますからね」

「だとしてもすごすぎる……。160万円、現金で渡したんですか?」

「もちろん、もちろん。さすがにほかのお客さまの前ではお渡しできないので、バックヤードにご案内して対応したみたいですけど」

 

いろいろ計算してみたものの、脳の処理が追いつかず諦めました

「お客さんもドキドキだし、お店からしてもドキドキする展開ですね」

「多い人だと100万台のポイントを貯めてたりするので、そういう方が換金日に来られるとさすがにドキドキしますよね。いくら出せばいいんだろうって(笑)。でも、下北沢店は数十万ポイント台のお客さんは結構いますね」

 

「実は現金還元サービス自体は創業時から行っているもので。当時は『ピンクレシート』と言って、ピンク色のレシートが当たった人はそれを持ってきてもらえば現金をお返しする形でした」

「ポイント5倍デーは、吸い込まれるように店舗に向かってしまいます」

「おかおかげさまで5倍の日は忙しくさせてもらってますね。でも我々からすると、ポイントはもともとお客さまが使ったお金の一部なので、そもそもお客さまのものなんですよね。だから、それをお戻ししているだけというか」

「給料日前でも『オオゼキのカードがある!』と思うだけで強く生きていける気がします」

 

気持ちのいい空間は「喜客の精神」から

「オオゼキの素晴らしさって、商品の魅力ももちろんなんですけど、空間としての気持ちよさもあると思っていて。夕方なんてレジにかなりの行列ができるのに、対応がスムーズだからストレスを感じたことなんて一度もないですし、激混みレジの周辺ってもっと殺伐とした空気が流れていてもおかしくないのに、一切ないんですよねオオゼキは。あと自転車を整理してくださっている警備の方たちの挨拶が気持ちいい!!

 

わたしの勢いにちょっとびっくりしてた、黒崎さん

「あ、ありがとうございます……。ありがたいことに、そうやって従業員を褒めていただく機会はとても多いですね」

「なにか特別な訓練でも積んでらっしゃるとか……?」

「いえいえ。もちろんレジや接客のマニュアルはあるのですが、特別なにかをしているってことはなくて。警備は外部の会社の方たちなのですが、うちの姿勢を見て『だったら私たちも同じように』と、とても丁寧な仕事をしてくれていますね」

「その空気感って、放っておいてできるものじゃないと思うんですよね。絶対なにかあるはずです」

「あ〜、それでいうと『喜客(ききゃく)の精神』でしょうか」

「ききゃく??」

「オオゼキの経営理念なんですけど、従業員の行動指針にもなっていて。常に『それをやってお客さまが喜ぶか?』が基準になっているんです。わたしはこの理念がすごく好きで」

「ここまでずっとわたしの『オオゼキの好きなところ』ばかり話していたので、黒崎さんの『オオゼキの好きなところ』も知れてうれしいです!
その『喜客の精神』が、働く人たちに浸透しているということですか?」

「そうですね。オオゼキでは、イベントなんかも店舗の裁量で実施できるんですよ」

 

セールの開催なども店舗ごとの判断で行っているとのこと。写真は2019年のものですが、今年も年末には12/30に「肉祭り」、12/31には「マグロ祭り」が開催されます!

「へえ! どんなイベントですか?」

「たとえばイースターの時期に、子どもたちにお菓子を配ろうという話になって。でもただあげるだけじゃつまらないから、卵のカプセルを買ってきてお菓子を詰めて、売場中に隠したんです。見つけてきたらそのお菓子をあげるよ、と」

「お店全体を使った宝探しだ!」

「そしたら、子どもたちがうれしそうに店内を必死に探し回るんですよ。本当なら『子どもが売場を走り回ったらどうするんだ』『ケガしたらどうするんだ』といった声が上がってもおかしくないと思うんですけど」

「でも、実施できた訳ですし、実際に子どもたちは大喜びだったんですよね?」

「はい。もちろんリスクへの配慮は必要ですが、『お客さまが喜んでくれるなら』という基準で物事を決められるオオゼキの姿勢が好きですし、実際に目の前でお客さまが喜んでいる姿を見ると、やっぱりうれしいんですよね」

「喜客の精神……なるほどなあ。オオゼキの素晴らしさ、愛される理由を考えていくと、それが根本にあるからな気がしてきました。異常なまでの品揃えも、商品の目利きも、現金還元も接客も、すべて『お客さんを喜ばせたい』からなのだと考えると、すごく附に落ちます」

 

さいごに

大胆なレイアウト(店先の山盛りフルーツは海外のマーケットかと思うほど)、ズラッと並ぶ調味料棚(高級ラインやローカル商品がしれっと紛れている)、豊富な地方野菜(京野菜・加賀野菜・沖縄野菜などの珍しい商品が充実してる)、店頭に並ぶ丸魚や野菜で季節を知れる(とくに買う予定がなくても、眺めているだけでたのしい!)……などなど、「オオゼキの好きなところ」はまだまだたくさんあります。

きっと、オオゼキに通う人の数だけ「オオゼキの好きなところ」があるんじゃないかと思います。

 

でも、オオゼキがこんなに愛される理由は、ただ一つ「喜客の精神」が根っこにあるからじゃないでしょうか。その姿勢が端々に現れているから、わたしたちはオオゼキを愛するし、今日もオオゼキに通うのです。

 

この記事を読んでくださったオオゼキラヴァーのみなさんは、ぜひぜひご自身の「オオゼキの好きなところ」をツイートで教えてください! オオゼキ愛をみんなで分かち合いましょう。

 

それでは、また!