「私は成長してんのか!?」フリーライターのキャリアアップ、マジで難しすぎ問題

2022.06.30

「私は成長してんのか!?」フリーライターのキャリアアップ、マジで難しすぎ問題

キャリアアップの仕方って、どうやって考えたらいいんだろう? ゲームの世界だったら、敵とバトルを繰り返して、経験値が上がっていくのが一目でわかるのに、現実はそうもいかないから難しい。フリーライターのはるまきもえが、担当編集に本気で人生相談をしています。

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    こんにちは、ライターのはるまきもえです。

     

     

    私は今までの人生、あまり後先のことは考えず、直感だけを頼りにして進んできました。

     

    「フリーライター」になったときもそうです。

     

    約3ヶ月という、ちょっとかじった程度の下積みを経験して、何の実績もないままフリーライターに。

     

    「もっとちゃんと人生設計考えろよ」と言う声が聞こえてきそうですが、しょうがないんです。これが私の性格なんです。

     

    ただ、だからこそ今悩んでいることが……。

     

    それは、

     

     

    ということ。

     

    現在、フリーライターになって1年が経ちました。行っている仕事はというと、企画を考える、取材をする、記事を書く。基本的にこの繰り返し。

     

    このサイクルを繰り返しているうちに、ふと、疑問に思いました。

     

    ただ取材をして記事にすることの繰り返しなら、別に“はるまきもえ”というライターじゃなくてもいいのでは?

     

    私の価値ってどこにあるんだろう……。そのことに気づき始めたとき、このままではいけないと強く思いました。

     

    ライターという仕事を好きで居続けるためにも、そろそろ次のステージに上がりたい。このままライター人生を終えるなんて嫌だ!!

     

    でも、具体的には何をしたらいいんだろう? 

     

    資格もなければ試験もない、フリーライターという仕事。自由な世界であるがゆえに、どうしたらいいのか教えてくれる人もいません。と、途方に暮れていたのですが……。

     

    そうだ、いるじゃないか私には。

     

    いつも編集を担当してくれている、「くいしんさん」が!

     

     

    ライターのキャリアップってどうやってするの?

     

    「私、ライターになって1年になるんですけど、フリーライターがキャリアアップするにはどうしたらいいのか、まったくわからなくて……」

    「難しい問題だ……。選択肢が無限にあるからこそ、フリーライターはみんな悩みますよね。どんなライターになりたいかによっても変わってくると思うんですけど、はるまきさんは最終的に、どんなライターになりたいんですか?」

    「実はそれも悩んでて、ライターとしての終着地点もまだ定まっていないと言いますか……」

     

     

    「なるほど。僕は今でこそ自分で会社をやっているんですけど、最初は雑誌の編集・ライター業からスタートして、フリーライターも経験していて。自分なりに分析もしていたから、はるまきさんの悩みを解決する手助けができるかもしれないです!」

    「うわーん! よろしくお願いします!」

    「僕の場合、はるまきさんとは違ってフリーライターではなく、出版社で編集とライターの仕事を始めたのが出発点です。経歴としてはこんな感じで」

     

     

    「なるほど。私もどこかの会社に入って、下積みをしっかりしたほうがいいのかな……? うーん、わからない。フリーライターのガチ人生相談、始めてもいいですか?」

     

    「ライター」のゴールってどこ?

    今回の人生相談で、イラストも立派なサブスキルと教えてもらい、さっそく実践。ということで、この記事内にあるイラストは、私が描いたものです。

     

    「で、さっそくなのですが、ライターってどうやってキャリアアップしていくんですか!?」

    「昔、分析したことがあって。ライターといってもいろんなタイプがいるんですけど、ざっくりまとめると、最終的にはこんなタイプになっていくんじゃないかなと」

     

     

    「へ〜! ライターのキャリアって、こんなにいろいろあるんですね。くいしんさんは経営者ですよね。経営者も、2パターンあるんですか?」

    「そうですね。ひとつは編集者として培ってきたスキルを活かして、文章やコンテンツ制作をメインに、編集プロダクションや出版社をやる人。もうひとつは『編集』を広義に捉えて、イベントや商品などの分野などに展開したり、場をつくったりする人」

    「ふむふむ。私は文章を書いているときが一番楽しいと思っているので、この“経営者化”は違うかな……」

    「『書くこと』を軸とするなら、ひとつ目の“作家化”か、5つ目の“専門ライター化”じゃないかな、と思いますね」

    「さ、作家……!? 急にハードルが高く思えてきました……」

    「大げさに聞こえるかもしれませんが、自分の名前で書籍を出したら、それはもうある意味、作家なので! もう少し考えやすいように、聞き方を変えると、今のライターのお仕事のなかで、何をしているときが一番楽しいですか?

    「私は取材をしているときと、ライティングをしているときが楽しいです! インタビューイーの方の話を聞いて、その人の考えてることとか、伝えたい思いを記事にしているときが、一番楽しいなと思っています」

    「じゃあはるまきさんのやりたいことは、上の分類でいうと5つ目の“専門ライター化”に近いですね。たとえば僕の場合は、『人の想いをインタビューして記事化して、届けるお仕事』って感じです。インタビューのお仕事が多くて」

    「なるほど! でも、特別知識があって武器になりそうなジャンルが思いつかなくって……。それでも専門ライター化を目指せるんですか?」

    「音楽ライター、アニメライター、グルメライターのようなジャンルに特化できたらそれが一番よさそうですよね。でも、いろんなことに興味があるって人であれば、『インタビューが得意なライター』のように、仕事の種類での専門に特化していくのもひとつの方法ですよ」

     

     

    「インタビューライター……! 今すごくピンときました。私、インタビューライターとして力をつけていきたいです! ちなみに、この“専門化”と“専門ライター化”って、名前がすごく似ていますが、何が違うんですか?」

    「専門家は、その人が持っている特定の分野の知識を軸に専門家になる感じ。ライターに限らず専門知識を活かしていくパターン。専門ライターというのは、ラーメンがめちゃくちゃ好きで、店舗とか味の知識に長けている人が、ラーメンライターとして記事を書くってこと」

    「なるほど。私は専門化と言えるほど深く持っている知識はないから、やっぱりインタビューに特化した専門ライター化を目指します! ちなみにくいしんさんは、どうやって『インタビューが得意なライター』になっていったんですか?」


    「もともとファーストキャリアの雑誌編集時代がそういうお仕事だったのもありますし」


    「最初のキャリアがのちにつながるってのはすごくありそう」


    「やっていくうちに、『くいしんさんがインタビューすると深い話が出てきますね!』とか『インタビュー上手ですね!』とか言ってもらえることがだんだん増えていって。自然とインタビューを軸にしたお仕事が多くなっていきました」


    「自分の得意なことを認めてくれる人がいたんですね」


    「『自分は人の話を聞くのが得意なのかもしれない』というちょっとした自信と、『インタビューをやってください!』という要望がちょうどマッチした感じ。そもそも『人の話を聞く』ってこと自体が好きだったので、そのベースも大切なのかも」


    「自分のやりたいこと・得意なことと、求められることのバランスが取れてないと、いくらやりたいことがあっても、やり続けることって難しいのかなって思います」

     

    方向性は決まった。そこからキャリアアップするには?

     

    「目指すものは決まったんですけど、ここから何をしたらいいんでしょう……。今は、企画を考えて、取材をして、記事を書く。ということをただ繰り返しているだけになっちゃっている気がして」

    大前提として、同じようなことをずっとやっているように思えても、お仕事を繰り返していくことはすごく大切だし、よいことだと思います。筋トレみたいなもんで、ライティングの筋肉はやればやるだけ付くと思うので」

    「筋トレ! なるほど。続けることは大事ですね。でも問題なのは、ただやってるだけじゃダメだよ。ってことですね」

    「繰り返していく中でも、意識するべきポイントはあります。そこで、ライターとしてキャリアアップするのに大切なのは、この3つかなと僕は思っています」

     

     

    「まずは“自己分析”ですか?」

    「そうですね、自分の強みはどこなのか。はるまきさんにインタビューをお願いしたら、ほかの方に比べてどういった魅力があるのか。それをまず自分で分析します」

    「ふむふむ」

    「たとえばなんの変哲もない話を、すごくドラマチックに書くことが得意な、“Aさん”というライターがいたとします。Aさんが街ゆく人に、『あなたの人生で忘れられない出来事はなんですか?』と聞いて、ブログで記事にしていくとします」

     

     

    「ほうほう」

    「これがもし、何かしらのメディアのひとつの記事だったら、この記事の魅力はAさんの力なのか、はたまた編集者の力なのか、他のプロデューサーやディレクターの力なのか。読んだだけではわからないですよね」

    「たしかに……」

    「Aさんは自分の強みがなんなのかを理解して、それだけを伝えるにはどうしたらいいのかを考えて、実行しているんです。だから第3者が介入しない、ブログという手段をとり、ドラマチックに書くことが得意という自分の魅力が活きるような企画で、発信しているんですね」

    「自分の得意なことを最大限見せつける、ってことですか?」

    「簡単に言うとそうですね。何を誰に向けたものなのかが具体的だとよりいいと思います。そこでSNSでの発信は、重要になってきますね」

    「TwitterとかInstagramでの発信は、その人から生まれたものがそのまま世に出ているから、その人自身の好みだったり得意分野が直接伝わりやすいですね」

    「あとはnoteなどで、自分で記事を作って発信するとかですね」

    「くいしんさん自身は、発信から実際に仕事につながった経験はどのくらいあるんですか?」

    「ある意味、ほとんどの仕事は発信からつながっていると思います。半分は、知人や仕事仲間からお仕事を紹介してもらう感じですが、これも何かしらの発信を見た知人や仕事仲間が相談をくれるわけで。もう半分は、記事にある記名から依頼が来る感じです」

    「実績が、そのまま営業ツールになってるっていうことですよね」

    「そうそう。ブログで言えば、数年前にまだ今ほどサウナが流行っていなかったときに、サウナのことを書いていたら、サウナに関連する取材の依頼をもらったことがあります

    「へー!」

    「ジモコロのこの記事も、フジファブリックのことをブログに書いていたから、『取材してよ!』って、相談してもらえたんです」

     

    フジファブリック志村正彦と故郷の物語。富士吉田に刻まれた『若者のすべて』

    「好きが仕事になっている! いいなあ……」

    「全部、発信していたからこそですよね。はるまきさんはインタビューライターの道を目指していくことを選びましたが、具体的にはどんなインタビューがしたいですか?」

    「そうですね……。私は今までの人生で何かに熱中したり、ひとつのことに人生を捧げたりしたことがないので、逆にそういう人のお話を聞いてみたいです」

    「僕のサウナやフジファブリックみたいに、ライター自身が好きなことだったり、興味のあるものは、その気持ちが仕事のバイタリティになります。自分が何に興味があるのかをはっきりさせておくのは、キャリアを考える上で、重要な指針になりますね」

     

    「ここまで出来ていたら、あとはいい編集者に出会い、仕事を通して勉強させてもらうことですかね。フリーランスという職業は、自分が仕事をする相手を選ぶことができます。これは会社員とは違うかなり大きなポイントです」

    「たしかに会社員だと、自分で上司は選べませんもんね。ちなみに、いい編集者ってどういう人のことを言うんですか?」

    「自分のいいところを伸ばしてくれる編集者ですかね。僕だったら、サウナやフジファブリックが好きということを知ってくれて、それが活きるような仕事につなげてくれたり、その人の得意分野が、より活きるような仕事をくれたりする人ですね。『相性のいい編集者』と言い換えてもいいかもしれないです」

    「そう考えると、やっぱり発信することって、とても大切なことなんですね」

    何かを書いて誰かに伝えること自体が発信なので、発信がすべてですね。発信も、ただしてればいいというわけではなく、発信しているものにしっかりとした軸だったり熱量があればあるほど、仕事につながってくると思います」

    「自己分析、発信をしっかりした上で、編集者さんとの出会いが活きてくるんですね。この3つのポイントは、全部つながってくるんだなあ」

    「たとえば、コーヒーのメディアがあるとして。自分がコーヒーの記事を何も書いていないライターだったらアプローチのしようがないですけど。noteに毎日のようにコーヒーのことを書いていたら、『書かせてください!』って言ったときの説得力が違いますよね」

    「本当だ……!」

    「そういう実績を自分の中でつくっておくことで、『いい編集者と出会える』『拾ってもらえる』ってことになっていくんじゃないかと。先の2つがあってこそ、次のステップとして“出会い”が活きてくるっていう話ですね」

    「ふむふむ、なるほどなー」

    「そうやって自分の興味関心領域からお仕事を広げていくと、自然とキャリアアップにつながっていくと思います」

     

     

    「キャリアアップの道、見えてきましたかね!?」

    「自分に足りないことが何か、少しわかってきました! 全体を通して思ったのは、自分のやりたいことだったり、得意なことを分析すること。そして、それを発信することが大切だということですね」

    「楽しいと感じる気持ちって、すごいですよね。キャリアアップって聞くと難しい感じがするかもですが、実はすごくシンプルなものなんだと思っています。自分の気持ちに素直になって、がんばってください!」

     

    終わりに

     

    今回はフリーライターという職業についてのキャリアアップの話でしたが、私と同じようにキャリアに関して悩んでいる人はたくさんいると思います。

     

    学校とは違い社会に出ると、自分の道は自分で決めていくしかありません。

     

    「この選択は間違ってたかもしれない」、「今時間をかけてがんばっていることはムダなことかもしれない」と考え始めると、不安になってどこに向かって進んでいけばいいのかわからなくなってしまうときもあります。

     

    今回の人生相談で、私にはまだまだやらなくてはいけないことがたくさんあることがわかりました。でも、迷ったときに一歩踏み出すきっかけは、自分のなかにある“好き”とか“楽しい”という気持ちなんだ、と気付けました。

     

    自分でキャリアアップを実現していくことは、簡単なことではないかもしれません。でも、これからは“楽しい”の気持ちを忘れずに、歩んだ道の先にいる、未来の自分を少しだけ楽しみにしたいと思います!

     

    イラスト:はるまきもえ

    編集:くいしん

    イーアイデム

    この記事を書いた人

    はるまきもえ
    はるまきもえ

    93年生まれ。フリーライター。調理師学校、栄養士学校を卒業後、北海道からノリで上京。デパ地下惣菜会社で5年間勤務し、店長を経てなぜか今はライターに。暇さえあればYouTubeとTikTokを見る。映画と漫画とアニメが好きな広く浅いオタク。今日も勢いで生きている。

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