「嗅覚はウソをつけない」“香りの可能性”は人間関係とセルフケアの希望だった

2022.12.22

「嗅覚はウソをつけない」“香りの可能性”は人間関係とセルフケアの希望だった

「香り」の好みから、体と心の状態を知ることができる? 熊本県にあるサロン「Ayame Organic」が提供する「嗅覚反応分析」について、文筆家の土門蘭さんとジモコロ編集長の柿次郎が取材。Ayame Organicオーナーの徳永真夕さんに話を聞くと、香りのいろんな可能性がみえてきました。

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    ここから編集長の柿次郎が担当します。

    知られざる香りの可能性と嗅覚反応分析のおもしろさ。「これはチームビルディングにも活用できるんじゃないか?」という手応えを感じた取材だったので、私が経営している株式会社Huuuuのスタッフ8名にも試してもらいました。グラフの見方はとても複雑なので、こんな情報が出るんだ!ぐらいの参考程度で見てもらえたら幸いです。

     

    長野チーム(藤原、木村、長崎、小島)

    自然と温泉にすぐアクセスできて、人混みに触れる機会が少ない。みんなご機嫌に暮らしながら、ちょうどいい働き方をしています。

    ただし、ここ数ヶ月は新規オープンの飲食店が多い&イベント出店の顔出しや人間関係の濃さはローカルならでは。みなグラフが正方形ではないので、ハレの日疲れを感じている。

     

    長野メンバーの診断結果グラフ

     

    東京チーム(だんご、日向、乾、山口)

    下北沢のボーナストラックに週3回ほど出勤。リモートワークの恩恵も受けつつ、たまにHuuuu名物の地方出張行脚に魂を燃やしがち。

    みんなライター編集者なので、人と人の仕事や感情の調整をして板挟みになって精神を擦り減らすことも珍しくない。かなりグラフが正方形から崩れているメンバーもいるので、年末進行&忘年会シーズンで飲み疲れの可能性も!?

     

    東京メンバーの診断結果グラフ

     

    以上が、スタッフ全員の診断チェックデータ。1P目の土門、柿次郎同様に8種類の香りのアロマを好きな順に並べて、嫌いな香りの数を記入しただけで個々の適性が分かる。これまでの膨大なデータからパターン算出しているとはいえ、すごいシステムだなと改めて感じました。

     

    ここからはあくまで経営者として、スタッフを見たときのざっとした感想ですが……

    ・経営者目線でタイプ別の適性があたりすぎている(知り合いならわかるのでは)

    ・ライター編集者は体のパワーが不足している(あるある!)

    ・みんな12月の年末進行で疲れているのでは?(締め切り!酒飲みすぎ!)

    ・特に弱点の要素が当てはまっている印象(なんでわかるの??)

    ・自然豊かな長野だからって休まってるわけじゃない(悲しい!)

    などなど、徳永さんのカウンセリングを受ける前のデータだけでも参考になります。

    その上で後日、全体のデータを踏まえて徳永さんと私で振り返りをしました。既存の情報を一枚に分類したスライドがこちら。

    マネジメント層含めてチームに共有したところ「めちゃめちゃあたっている…」と驚きの声が出てきました。ただ香りの好き嫌いを分類しただけなのに……。

     

    徳永さんに指摘されて印象的だったのが

    ・柿次郎さんと同じタイプの人が社内にいないため、社長不在だとみんなの判断に影響が出るかもしれない

    ・チーム全体の休み方を考えたほうがいい。アウトドアの自然体験をしながら、身体を動かしてリラックスする時間が向いていそう

    ・リーダーなきコミュニティ型は、断ることが苦手なため何かと背負いがち……。上司がチェックして仕事量を調整したり、休みの指示を出したほうがいい

    ・土門さんと同じく「食べすぎ飲みすぎ」の傾向が出ている場合、仕事の決断力と行動力にも影響あり。胃腸を休ませることで仕事が上向く可能性が高い

    などなど、あらゆる角度でアドバイスをいただきました。

    嗅覚はウソをつかないと言ったものの、週単位、月単位でも嗅覚反応分析の結果は変動します。月に1回の診断チェックと1on1の面談をセットにすると、客観的なデータとともに対話できるんじゃないか? 

     

    三ヶ月、半年に一度でも心と身体のバランスを俯瞰する機会になるため、嗅覚反応分析を利用するのもセルフケアの材料として重宝しそうです。ストレングスファインダーと併用してもおもしろそう。

     

    休むのがむずかしい現代社会ですが、この嗅覚反応分析を元にすれば休みの在り方を考え直す機会になるのではないでしょうか。社長も社員も「こんなデータが出ているから休んだ方がいいかも」と思って、口に出せるような空気を醸成していきたいですね。心と身体を崩してしまったら元も子もないので。

     

    まずは私自身が心を擦り減らさない働き方をしなければいけないようです。年末年始はひとりで映画見てぼーっと過ごそう。

     

    撮影:大塚淑子

    イラスト:辻井タカヒロ

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    この記事を書いた人

    土門 蘭
    土門 蘭

    1985年広島出身、京都在住。文筆家。小説・短歌等の文芸作品を執筆するほか、インタビュー記事のライティングも行う。著書に、歌画集『100年後あなたもわたしもいない日に』、インタビュー集『経営者の孤独。』、小説『戦争と五人の女』がある。

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