↑前回
現在劇場公開中の『トップガン・マーヴェリック』が異常すぎる高評価なのが気になって、予習がてら前作を見てみることにしました。
トップガン(1986 / 主演:トム・クルーズ)
無鉄砲で型破りだが腕は確かなパイロットのマーヴェリックが、相棒のグースとともにエリート中のエリートが集まる海軍戦闘機兵器学校(通称トップガン)に派遣され、パイロットの腕前を磨きつつ恋にスポーツに大騒ぎする話
出社して、すぐ見ました。
【勤務時間中に堂々と見る人の紹介】
私。この記事で言うところのマーヴェリック
相棒。この記事で言うところのグース
「劇場公開中の『トップガン マーヴェリック』、最高に面白いらしいので見に行きたいんですが……前作、1986年公開の『トップガン』を見たことないんですよ。前作を見てなきゃのめり込めないだろうな……」
「わかりました……前回の予告で『次回はパトレイバーを見る』と書きましたが、今回は『トップガン マーヴェリック』を見るために、緊急企画として『トップガン』を見ましょう」
「やった〜。パトレイバーは来月に書きます。まだ1文字も書いてませんが…」
「1文字は書いて。ちなみにトップガンの知識はどれくらいなんですか?」
「トム・クルーズが戦闘機に乗るってこと以外、まじで全く知らないです」
「いつもながらのいい塩梅。では早速見てみましょう!今回もトップガンに関するネタバレがしっかりと書かれています」
「あと、PRでも無く、勝手にやっています。映画が好きだから…」
■「トップガン」あらすじ・起
直感と衝動で行動し、時に危険にさらすこともある型破りな戦闘機乗りピート・”マーヴェリック”・ミッチェルは、相棒のレーダー員ニック・“グース”・ブラッドショウとともに領空に飛来してきた国籍不明機を追跡するためF14トムキャットで飛び立った。なんとか追い払ったのだが、マーヴェリックとグースは上官から度重なる危険行為や命令違反を咎められてしまった。そしてそんな危険性はありつつも、彼らは世界最高のエリートパイロット養成校「トップガン」行きを命じられる。
「うわ〜〜〜まずこのロゴの出方が最高! 笑っちゃった」
「良いですよね〜。ぼく、これ公開当時に姉に連れられて見に行ったんです。あまりにも良すぎて今でも年一回ぐらいは見てます」
「年一回は本当?」
「嘘かもしれません。そんなことより、このオープニングがめちゃめちゃ見どころなんですよ!!」
「ケニー・ロギンスの『デンジャー・ゾーン』が流れながらF-14トムキャットが離陸するこのオープニング! やべ〜〜〜」
「あ〜〜〜あの曲! 絶対に誰もが知ってるやつだ。かっけ過ぎ〜〜」
↑今回の記事はこの曲を聞きながら読んでください
「映画を象徴するBGMを本家で聞くと、めちゃくちゃテンション上がりますよね」
「ロッキーとか燃えよドラゴン見たときも、TV番組とかで流れて最早聞き飽きてるあの曲でもすごい心が震えたよな〜」
「『トップガン』はサントラが本当に良くて、当時ムチャクチャ売れたんですよ(ビルボードアルバムチャート1位、オリコン洋楽アルバムチャート11週連続1位=Wikipediaより)」
「トム・クルーズも若い!」
「かっこいいぜ!」
「トップガンでトム・クルーズは一気にスターダムにのし上がったんですよね。当時も実際の戦闘機がビュンビュン飛んでるアクションが話題沸騰で、洋画の圧倒的なお金の使い方に日本中が驚いたもんでしたわ」
「だんだん戦争の悲惨さを語り継ぐ歴史の生き証人みたいになってきたな」
「で、最高のオープニングから国籍不明機が飛来してきたという知らせを受けて、マーヴェリック&グース機とクーガー&マーリン機が追跡するところから始まります」
「ミグってことはロシアの戦闘機ですね」
「当時はまだ冷戦中だったから国の名前はハッキリ出てきませんけどね。で、パイロットにはみんな本名とは別に『コールサイン』ってのがあって、それで呼び合ってるんです。マーヴェリックとかグースとか」
「『ギャラクシー』も一種のコールサインみたいなもんですね」
「一番違和感無いかも」
「で、追い払うことに成功するんですけど、クーガー機がロックオンされたことでクーガーがショック状態に陥り、操縦不能に陥ってしまいます」
「死の宣告とほぼ同じぐらいですもんね。それにしてもここまでショックになっちゃうんだ」
「で、先に着陸したマーヴェリックが命令無視してタッチ&ゴー(着陸した瞬間また飛び立つ)」してクーガー機の近くまで戻っていきます」
「無茶だな〜。マーヴェリックも燃料無いのに。どうやってクーガーを戻すんですか?」
「こうやって空中で押していくんですかね」
「そんなわけないでしょ。クーガー機の近くまで行って『大丈夫!一緒にかえろ!落ち着いて!』と勇気づけて何とか正気を取り戻してもらいます」
「ギリギリで着陸できましたが、これマイケル・ベイが監督だったらいきなり墜落させてたかもしれませんね」(※マイケル・ベイ…爆発と破壊が大好きな映画監督。代表作は『トランスフォーマー』シリーズ)
「彼なら景気づけに一発やってたでしょうね」
「でもここでマーヴェリックという男のキャラクター像が一気に伝わりました。仲間思い、上官の命令を無視、直感と衝動で行動する…!」
「まさに主人公!で、上官に咎められますが、それでもエリート養成校『トップガン』にグースとともに派遣されることになります」
「この上官、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のストリックランド先生役の人じゃないですか?」
「あ、ほんとだ!言われてみれば」
「この横向いた時に鼻の形と主人公にヤンヤン言う似たような役割、絶対そうだ!」(※後で調べたら本当にジェームズ・トルーカンという人でした)
「で、ここ!この背中を反らしたトム・クルーズ立ちが大好きなんですよね」
(ニヤ…)
「なんか言って」
■「トップガン」あらすじ・承
マーヴェリックとグースは「トップガン」に集まったエリート中のエリートのさらに中心人物となり、座学に実戦に忙しい日々を過ごす。トム・“アイスマン”・カザンスキーとライバル関係になってバチバチしたり、歓迎パーティーで見かけた美女シャーロット・“チャーリー”・ブラックウッドにめちゃくちゃ鬱陶しいアプローチをかけて見向きもされなくなるなど、最高に充実していた。
「かっけすぎ…」
「戦闘機とバイクトム・クルーズの並走、あまりにもカッコイイ…」
「そしてトップガンに集まった精鋭、目がギラギラしてて良いですね」
「ここに在籍している“アイスマン”がまた最高のライバルなんですよ」
「アイスマンってことはやっぱりtwitterでコンビニアイスのレビューしまくってるんですかね?」
「そっちのアイスマンではなく、氷のように冷静な男という由来です。実力もマーヴェリックとほぼ拮抗しています」
※ちなみに「マーヴェリック」は英語で「はぐれもの」とか「一匹狼」みたいな意味です
「歓迎パーティーも良いですな〜」
「80年代なんで、みんな服装や髪型に時代を感じられて最高なんですよね」
「そして、マーヴェリックのめちゃくちゃ鬱陶しいアプローチによりシャーロットと知り合うことになります」
「このアプローチは最悪で最高でしたね。その後平気で女子トイレにも突撃するし」
「陽気なアメリカ人のノリということを差し引いても普通に犯罪やろとは思いますよね」
「結局パーティーでは良いとこなくフラれちゃいましたね」
「そして、翌日に宇宙航空物理学の民間人専門技術教官がやってきて、マーヴェリックたちに講義を行います」
「ん、まさか…」
「ぎぇ〜〜!あの時の!」
「これが最高!」
「いつしか教官と生徒の間柄を超えて恋愛に発展するんでしょうね…くぅ〜」
「そして実技訓練!」
「ビューン!」
「シャーロットとの恋!!」
「おいおいおい!!秘密のお手紙!」
「仲間たちとの交流!!」
「かっけ〜〜!」
「この、男たちが裸でビーチバレーするっていうシーン、当時まじでカッコイイなと思って本当に釘付けになりました」
「屈強な男たちが筋肉を見せびらかしながらビーチバレーでマジ勝負なんて…」
「そして、あと1セットやろうというグースの声を振り切って、用事に出かけます」
「シャーロットとのご飯だ…」
「順風満帆かいっ!!!!!!!!!!!」
「ほんとにここまで充実していいのかよって感じですね。そしてシャーロットとのご飯で、マーヴェリックの父親が元パイロットで、戦闘機とともに行方不明になっていたことが明かされます」
「なるほど、それを追いかけるように自分もパイロットになったんですね。あと、ここでかかる曲も聞いたことあるな…」
「『愛は吐息のように』です」
「この曲のボリュームが劇中で最大になると、めでたくベッドシーンになります」
「わかりやすいバロメーター」
「でも、ここでさらに良い感じになるも、マーヴェリックはシャーロットに迫ると思いきや見事な恋の駆け引きで翻弄します」
「最初にアプローチしたのはマーヴェリックだったのに、今じゃシャーロットに追わせるなんて…曲のボリュームも下がって行っちゃった…」
「ほんで後日のエレベーターで二人っきりになってもキッス寸前で出ていくんかい!!!」
「いや〜、見習いたいものです」
「そして、相棒グースの家族とも交流があるんですよね。妻と息子がやって来ました」
「あっ、メグ・ライアンだ!」
「あ、ほんとだ!道理でかわいいはずだ」
「それにしても、養成校の描写がメインなんで実戦はほぼないんですね。もっと戦争的な意味合いが強いのかと思ってました」
「そうなんですよね。あくまでも戦闘機訓練で切磋琢磨する若きパイロットを描いて、キラキラしたマーヴェリックの青春で魅了するのでどの年代にも幅広く受け入れられたんです」
「で、座学の講義中にシャーロットがマーヴェリックの型破りな飛行に対してやや否定的な意見をし、マーヴェリックはヘソを曲げてしまいます」
「あらら、バイクで走り去ってそれを車で追いかけていっちゃいました」
「あれ、あの曲のボリュームがどんどん上がっていってるんですけど?」
シャーロット「あなたは確かに天才的なパイロットよ。でもそれを言うとみんなに知られてしまうわ」
「あなたに恋した事を」
「きゃあ〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
「曲のボリュームが最大になったっっっっ!!!!」
「見て〜〜!!キッスしてる〜〜〜!!!!」
「ひょおおおおおおおおおおおおおおお」
「あ〜〜〜〜、最高!!!!」
「最高の生活!!!」
「あとはもう落ちるだけだな…」
「言うな」
■「トップガン」あらすじ・転
恋にスポーツに戦闘機、そして相棒グースの家族とも交流を重ねて順風満帆を絵に描いたような生活を送る。成績もトップクラスのアイスマンと両者譲らずの実力だったのだが、卒業を2週間後に控えたある日の訓練中、不慮の事故でグースを死なせてしまった。調査により罪に問われることはなかったがマーヴェリックは激しい後悔と自責の念に苛まれ、以前のような荒々しくもクールなフライトが出来なくなってしまった…。
「いや〜こんなに面白いとは思いませんでした。最高ですね」
「ほんとそうなんですよ。でもこれでもちろん終わるわけがありません。卒業を2週間後に控えたある日の実技訓練で…」
「マーヴェリックに『たった一人の家族』とまで言わしめた相棒のグースが、訓練中に死亡してしまいます…」
「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ジェット気流に巻き込まれて操縦不能になって脱出しようとしたんですが、不慮の事故により帰らぬ人となりました」
「マーヴェリックにしてみたら奥さんとも息子とも交流が深かったし、酒場でピアノ弾きながら陽気に歌ってたりして本当に最高の関係だったのに…」
「これはきち〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「幸い、調査によってマーヴェリックに責任は無いということがわかったんですが、長年連れ添ったバディを失った喪失感と、自分のせいで死なせてしまった罪悪感は筆舌に尽くしがたいものでした」
「自信満々だったのに、その後の訓練でもしおしおしお…になっちゃった。自分だったらもう一生立ち直れないかも」
「そこへ来てさらにシャーロットからもワシントンDCでの就職を決め、ここから去ると告げられる…」
「一気にズタボロになっちゃった!!さっきまであんなに楽しく見てたのに…感情の乱高下が激しいよ…」
■「トップガン」あらすじ・結
引き続き打ちひしがれるマーヴェリックだったが、元パイロットの父親の英雄的行動をとった行く末を上官から聞かされ、再起を誓って卒業式に出席することを決意。そんなお祝いムードのさなか、インド洋で情報収集活動にあたっていた巡洋艦が操縦不能となり、他国の領域に入ったために急遽出撃命令が下る。ついに実戦。頑張れマーヴェリック!
「打ちひしがれすぎて海軍すら辞めるか、平凡な点数で卒業してそのまま退役するかまで考えてしまいます」
「平凡に卒業するのはグースも望んでましたからね」
「無茶して死ぬリスクより、家族のためにという気持ちはマーヴェリックに伝えてましたからね。しのぎを削ったライバルのアイスマンも同情して優しく接してくれるのも泣ける…」
「グース…何故死んだんだ…」
「しかしここで、マーヴェリックの父の戦友だった上官から、父の死の真相を明かされます」
「なるほど…軍事境界線を超えての交戦で機密事項扱いになるも、仲間を助けるために攻撃にさらされてしまったんですね」
「そして上官の励ましもあって、再起を誓って何とか卒業式には出席することはできました」
「みんな事情知ってるから『お、おう』って腫れ物に触るような感じになっちゃってますね」
「ちなみに成績トップの座はアイスマンに輝きました。マーヴェリックはグースの死後成績がガタ落ちだったので…」
「そしていきなり出撃命令が!」
「謝恩会の真っ最中に出撃命令!今回は訓練ではなくマジの実戦です!」
「マーヴェリックの青春と栄光と挫折がめちゃくちゃ堪能できたので、ヒューマンドラマとして終わらせてもいいかなと思ってたところでした。実戦の戦闘機アクションを最後に持ってくるのは盛り上がる!」
「グースの死のトラウマを引きずりながら、上官がレーダー役としてマーヴェリックとともに乗り込みます」
「空母から飛び立つ戦闘機の周りでわちゃわちゃするスタッフやりたいな」
「オープニングでもこのシーンありましたけどこれがクライマックス前にもあるんですよね」
「これも良い!真似したい」
「カッコイイ!」
「とはいえ、グースのトラウマが蘇って怖気づいちゃう〜〜」
「頑張れ〜〜〜〜〜〜!!!!!」
「握りしめるドッグタグはもちろんグースの!!」
「いけ〜〜〜〜〜〜!!!!」
ドォーーーーーン!!!!
「「うおおお〜〜〜〜!!!!」」
「何とか勝てた…」
「全てを乗り越え、4機撃墜の破竹の大活躍を果たし、アイスマンとのわだかまりも解消することが出来ました…」
「最後のハグも最高ですね…桜木花道と流川楓のハイタッチぐらい熱くなれる」
「そしてグースのドッグタグを海に投げ、マーヴェリックなりの弔いで自責の念を克服しました。ちなみにこの時の投げ方がからくり人形みたいで面白いのでよく見といてください」
「ギクシャクしてたな」
「まさに大団円、ハッピーエンドといったところですね」
「いや、ちょっと待ってください。もう一つ欠けたピースがありますよ」
「…あ!この酒場のジュークボックスから流れる曲は、母との思い出の曲…!」
「そしてこれが思い出の曲だということを知っている人は、一人だけ…」
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
「ホワチャ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
「いや〜最高に面白かったです!当時の大ヒットも頷ける面白さ。恋、青春、挫折、成長、戦闘機アクション…全ての要素がここにありました」
「いや〜久々に見たけどやっぱり良かったですね。普遍的な面白さがあります」
「で、36年の時を経て続編『マーヴェリック』か…」
「コロナ禍で3年ぐらい延期しての、満を持しての公開…」
「まじで楽しみになってきた」
「よし、じゃあこのままのテンションで、見に行きましょう!!!!」
「行こう!!!!!!!!!!!!」
「すみません、『トップガン マーヴェリック』、思ってたより3000倍面白かったです」
「いや〜ちょっと信じられないくらい面白かったですね……」
「余韻がすごすぎて疲れ果てたのか、その日22時に寝ちゃいました」
「正統でありながら完璧すぎる続編でしたね! 僕は吹き替えで見たんですが、トム・クルーズはもちろん森川智之さんだし、他の声優もスゲー豪華!」
「戦闘機アクションも、前作と比べ物にならないぐらい凄まじかったですね。マジで搭乗することにこだわったトム・クルーズに振り回された他の演者は地獄の撮影だったみたいですが…」
「機内をIMAXカメラで広角で撮影することでマジで操縦してる臨場感も伝わりましたね」
「ドローンが発達して戦闘機に乗ること自体が時代遅れになりつつある昨今で無骨に戦闘機に乗り続けてアイデンティティを確立させるマーヴェリックが、まさにトム・クルーズの人生そのものって感じがして熱かったですね」
「アイスマン役のヴァル・キルマーも、全員がトム・クルーズみたいにいつまでも若々しいわけではないという当たり前のことを認識させつつも、その中で自分が出来ることを精一杯演じることで見るもの全てに勇気を与えてくれましたね…」
「最高…。そして、マーヴェリックが教官としてトップガンに舞い戻って鍛える候補生の中に、グースの息子の姿が…」
「なんという運命のいたずら、蛙の子は蛙…」
「前作を彷彿とさせるシーンも目白押しで、当時リアルタイムで劇場で見てた人は感激すぎておしっこちびっちゃったんじゃないですかね」
「仰る通り、ちびったんですが、あまりの熱量に終わるころには完全に乾いてました」
「やはり」
「コロナ禍で公開が延びちゃってたんですが、製作を務めたパラマウントピクチャーズ社が『映画館で見てほしい』って主張して配信をスルーてたらしいですね。3年延期は長かったですが、それでもその価値はあるほどに最高…」
「ちかごろ人々の映画の見方が話題になってますけど、これだけは絶対に映画館で見た方がいいですね」
「というわけで、『トップガン』からの『トップガン マーヴェリック』、最高です!上映中に絶対に見ましょう!」
「映画は、良い!」
THE END
今度こそ……