こんにちは! バーグハンバーグバーグ編集部です。

新人ライターさんから編集部によく寄せられる「どうやって記事を作ればいいですか!?」という声。

そこで、どんな人でも書けるようになる『Web記事の作り方』を、前回まで2回にわたって解説してきました。

今回は、実際に記事を作成する段階のコツを解説します!

 

今までと同じく、ジモコロ編集部のギャラクシー(左)と加藤(右)が、新人ライター瀬戸はるかさんに、解説する形で進めます!

 

▼登場人物

WEBライター|瀬戸はるか

フリーの新人ライター。取材やインタビューはほぼ未経験。

ジモコロ編集長|ギャラクシー

雑誌の編集、通販番組の脚本を経てWEB編集者に。【ギャラクシーが書いた記事】

WEB編集者|加藤亮

編集プロダクションで編集とライティングを学んだ。【加藤が書いた記事】

 

 

文字起こしについて

インタビューを記事にする時、自分でやってみて思ったのが、とにかく文字起こしが面倒! ってこと。文字起こしが楽になる工夫があったら教えて欲しいです!

文字起こしは、全ライターにとって、この世でもっとも面倒な作業……。

僕も色々試したんですが……結局要点を箇条書きでメモしてパーツに分けるくらしか方法がないですね。

パーツに分けるってどういうことですか?

例えば、町のパン屋さんにインタビューしたとしますよね。それをそのまま文字起こしするとこうなります。

 

A:え-っと、今日はよろしくお願いします。

B:よろしくお願いします。あ、もう始まってるんですねこれ。

A:はい。ではさっそく最初の質問ですが、えーっと、どれにしようかな……はい、では、Bさんはどうしてパン屋を目指そうと思ったんでしょうか?

B:あーそれね。どうしてというと、まあ父親がパン屋だったからなんですけども

A:なるほどなるほど、じゃあ子供の頃から将来はパン屋をやるんだと

B:そういうわけじゃないですね。子供の頃はサッカー選手になりたかったですよ(笑)

A:あぁ(笑)ちょうどJリーグが盛り上がってた時期ですもんね。

B:実際高校まではサッカーやってましたね

A:本当はサッカー選手になりたかったと。では続いての質問ですが、パン屋をやっていてつらいことや嬉しいことってありますか?

B:ん~、つらいことはめちゃめちゃ多いですね(笑)。朝早いし。毎朝4時に起きてるんですよ? 朝早くから仕込みしてるんで、遅くまで飲んだりはもうずっとご無沙汰ですね

A:うわ~それはつらいですね!

B:あとヤケドしたりとかね。しんどい仕事ですね

A:なるほど。逆にやっててよかったなと思えるようなことってあります?

B:う~~~ん、なんだろう。基本的には仕事だからやってるって感じなんですけどね(笑)ただ、パン屋はお客さんが「こないだのパンおいしかったよ」って直接言ってくれることもあるんで、その時は嬉しいかな。

改めて文字にすると長いですね……

どうせ「えーっと」とか「う〜〜〜ん」とか、記事上では使わないし。

なので、要点だけを箇条書きにします。するとこんな感じになります。

 

A:どうしてパン屋

B:父親がパン屋だった

A:子供の頃からパン屋になりたかった?

B:子供の頃はサッカー選手になりたかった。高校まではサッカーやってた

A:パン屋をやっていてつらいことや嬉しいこと

B:つらいことは多い。朝早い。毎朝4時起きで仕込み。遅くまで飲んだりは無理。あとヤケドしたり

A:やっててよかったこと

B:基本的には仕事だからやってる。ただ、パン屋はお客さんが「こないだのパンおいしかったよ」って直接言ってくれることもある。嬉しい。

:すごい! 短くなった!

実際にどんな言葉が使われたかは重要じゃなくて……例えば「なぜパン屋を目指したんですか?」でも「パン屋をやろうと思ったのは何か理由が?」でもどっちでもいいじゃないですか。なので「意図だけを分解してパーツにする」というイメージです。

ただ短くしてるわけじゃなくて、パーツにするというのが大事なんですね。

会話をパーツに分解できたら、あとは必要なパーツを必要な箇所にはめ込んでいきます。例えば記事の前半が「なぜパン屋を目指したのか」で、後半が「パン屋の仕事ってどんな感じ?」だとしたら、「この会話は前半に入れとくか……こっちは後半だな」って感じでパーツを格納していく。

実際の会話って絶対に話題が前後したりするので、それをカテゴリで分けてまとめるわけですね。

え、実際の会話の順番に関わらず、バラバラにして必要なパートにはめ込んでいくってことですか……? それだと会話の繋ぎがおかしくなるのでは……?

もちろんおかしくなります。なので、一旦すべてのパーツを必要な箇所にはめこんだら、全体を見て会話が自然に繋がるように肉付けしていきます。色々試したけど、結局このやり方が一番早いと思います。

 

会話をバラバラのパーツに分解し、記事上の必要な箇所に格納する。その後、会話として成立するよう肉付けしていく

 

加藤さんはどうしてるんですか?

僕は文字起こししないことも結構ありますし、するとしてもAIとか文字起こしソフトを使ったりしますね。最近はGoogle pixelのレコーダーアプリとか。今もリアルタイムで書き起こしさせてます。

 

AIとか文字起こしソフトとか、たぶんライターは全員山ほど試してて、で、結局「期待してたほどじゃないな」って感じで使わなくなること、ない?

今はかなり精度高いですよ! 難しい単語でもちゃんと拾ってくれるので、文字起こしとしては申し分ないです。

本当~?「キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード」とか口走っちゃってもちゃんと文字起こしされる?

※キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード=『化物語』(ラノベ、アニメ)の登場キャラクター

 

精度エグ~~!!!

話した時間とかも出るので、わかんなかったらその音声ファイルのその時間だけ確認すればいいのも便利。

確かに! ただ最終的に記事にするときは結局手を入れることになるわけで……それなら最初から自分でやったほうが早いって思っちゃうんだよなぁ。

さっき加藤さんが「文字起こししないこともある」って言ってたのがちょっと気になったんですが……文字起こししないでどうやって書くんですか?

重要な話や盛り上がった話は覚えているので、わざわざ文字起こししなくても書けたりするんですよ。特にテーマが決まってる座談会なんかだと、誰が何を言うかはある程度予測できたりするので、文字起こしは必要ないことが多いですかね。

わかる。

ただし、これは取材から時間が経つと記憶が薄れちゃうのでできなくなったりしますけど。一週間もしたら何を話したか全く思い出せなくなる。

とはいえ同時に別の記事とか全然違う仕事を進行してたりするので、すぐには書き出せなくて忘れちゃうんですよね~。

 

 

会話を文字にする時の注意点

他に記事を書く際、注意することってありますか?

話し言葉通りに書きすぎない」ことかな。

え、なんで? 話し言葉通りに書いたほうが真実を伝えられるのでは?

いえ、話している言葉をそのまま文字にしちゃうと、逆に不自然になることが多いんです。だから話し言葉を書き言葉に変換することは結構あります。

 

具体的にはどんなときですか?

ものすごくわかりやすく言うと、「関西弁の人にインタビューする時」とかですね。関西弁って文字にするとパッと理解できなかたったり、キツく見えすぎちゃったりするんです。

笑いながら冗談で「自分何しとんねん」って言ってたとしても、文字だけだとその場の空気とか表情がわからないから、怒ってるように見えちゃったりしますよね。

確かにちょっと怖いかも。あと「自分」っていうのが、自分自身のことなのか、あなたという意味なのか、文字だと一瞬迷ってしまいますね

ですよね。そういう場合は標準語に変換したほうが、発言者の意図に近い意味を、発言者の意図に近いテンポで読ませることができます

芸人さんのように「すでに関西弁のイメージがついてる人」だと関西弁を活かして書くんですけど、その場合も文章として理解しやすく、かつ優しい関西弁にしたりしますね。

「インタビューの内容をそのまま書かなきゃ真実じゃない」と思われがちなんですけど、インタビューの内容をそのまま書いた場合って“音声以外の情報(表情や身振り手振り、前後の空気感など)が抜かれちゃってる状態”なので、それはそれで真実から遠かったりして……難しいですよね

 

あとは写真で空気感を伝えることも大事ですね。さっき言った「文字だけだと怒ってるように見えてしまう」問題も、笑顔の写真を一枚貼っておけば「あ、冗談なんだな」ってすぐ理解できます。

座談会なんかだと、記事上での発言数のバランスも気をつけたほうがいいですね。実際の会話どおりに記事にすると、絶対にバランスがおかしくなるので。

どういうこと???

例えば4人で座談会をやったとして、4人全員が常にまんべんなく話してるなんてことはほぼ無いんです。話が上手い人もいれば苦手な人もいるし、その時のテーマに強い人や詳しくない人もいるわけで……。4人のうち2人の発言がほとんど……なんてことも多いです。

 

でもそれをそのまま2人だけで話しているように書いちゃうと、「あれ? CさんとDさんって全然喋ってないけど、どこかに行っちゃったの?」ってなるんですね。

確かに、4人出てきてほぼ2人分の会話しかなかったらなんで? って思っちゃいそうです。

なので記事上では「なるほど~」といった相槌を付け加えたりして、会話に参加した数を増やすことがありますね。

なるほど〜。

あとは、状況を伝えるための補足説明などを入れたいときも、しゃべってない人に話してもらったりします。「ここで青を使います」→「赤じゃなくて青を使うんですね」みたいな。そうすることである程度均等に話してるように見えるんです。

つまりその~「言ってもいないことを水増しで捏造する」ってことですか?

そう聞くと良くない印象になりますけど……いや、会話に参加してないといっても、実際は笑顔や表情のリアクションをとってくれてたり、頷いてくれてたりするんですよ。音声としては入ってないからその場にいないみたいになっちゃうけど。なので「その人がその場にいる空気感」を文字にする、みたいに捉えてください。

ただ、気心のしれた人の発言を付け足したりするのはいいんですけど、取材先の方の発言を勝手に付け加え過ぎると「私はこんなこと言ってません!」となる可能性があるので注意です。あくまで誰が言っても変わらない「当たり障りのない文言」を付け加えるということですね。

 

 

構成について

記事の構成はどのようにしたらいいのでしょうか?

前提として、まずその媒体の平均的な文字数を知っておくと構成が考えやすいです。

使える文字数によっては話題を丸ごと削ったりする必要が出てきますからね。なので文字数を知っていればどれを削ってどれを残すのか考えやすいです。

今更ですが、ジモコロって何文字くらいなんでしょうか……?

ジモコロだと標準は5000~7000文字くらいです。多くても1万字以内って感じですね。媒体によって平均2000字とか、2万字とか、ある程度決まってたりします。ネットだとそこまできつくないですけど、紙媒体だとかなり厳密に文字数が決まってるので気をつけてください。

※紙媒体は文字数が決まってる=WEB記事は際限なく長くすることも可能だが、紙媒体はその記事に使えるページ数が厳密に決まってるから

せっかくインタビューしたのに、削るのはもったいないと思っちゃいますね。

 

その気持は痛いほどわかりますが、実は書くよりも削るのがライターの仕事と言ってもいいくらいで……どれが必要でどれを削るべきかの取捨選択ってすごく大事です。もったいないからとアレもコレも入れちゃうと、結局何がメインなのかわからないぼやけた記事になりがちなんですよね。

絶対に伝えたいことを決めた上で、あとは文字数に合わせて肉付けしていくとやりやすいです。

難しそう……。文字数によって使う話題が決まったとして、どういう順番で読者に見せていけばいいのでしょうか? 実際の会話の順番通りではないんですよね?

実際の会話の順番は無視してください。ではどの順番で見せればいいのかというと……よくある例だとこんな感じですね。

 

番面白い話は最初

番目に面白い話は最後

番目に面白い話は中盤

 

えー!? なんでこの順番に?

WEB記事だからです。紙の雑誌の読者はお金を払ったりといった能動的な行動の結果、記事を読んでいるわけなので最後まで読んでくれやすい……。でもWeb記事の読者は無料だからなんとなく読んでる人なので「最後まで読もうという気持ちがそもそも希薄」なんですね。ちょっとでも飽きたらその瞬間に別のメディアに飛んでしまう。

だから最初に一番おもしろい部分を見せて、興味を引くってことですか?

最初に心を掴めれば、Xでの投稿もしてくれやすくなる。中間はつなぎなので少し盛り下がっても大丈夫。最後はもうひと盛り上がりして、「おもしろい記事だったなー」という印象を残したい。なので2番目に面白い話を持ってきます。

なるほど。でも最初から時系列が決まってて順番が入れ替えられない場合ってありませんか? ジモコロでいうと「1日職業体験」みたいな記事とか。

 

※一日職業体験=ライターが様々な職業を実際に一日だけ体験してレポートする記事

 

こういう記事って朝に説明を受けたり挨拶したりがあって、それから実際にお仕事を体験して夕方に終わるわけですよね? 一番おもしろい部分である体験パートが最後にきちゃうのでは?

そういうときは、面白い部分を最初にちょっとだけ抜き出して予告します。

 

予告する……?

例えばバス会社で職業体験をした話だったら、最初にバスを運転している写真をいきなり入れて「今僕はバスを運転しています。なぜそうなったかというと……」と、記事後半の面白い部分を予告的にを入れた上で、朝からの流れを順番通り書いたりします。

バラエティ番組のダイジェストみたいなものを最初に入れるイメージですね。

 

前述のバス運転手の記事。最初はライターがいきなりバスを運転しているところから始まり、その後、なぜこうなったかを描く構成になっている

 

確かにこれだと「なんでそうなったの!?」って思って読みたくなっちゃいますね。

あとは、SNSで発信するときに一番面白い部分を抜き出して伝えるというテクニックもあります。そこが事前に伝わっていれば「おもしろそうだから最後まで読んでみよう」と思ってもらえるので。

なるほど! でもどの部分を読者が面白そうと判断するのか、わからなくないですか?

パッと見て興味を惹かれるものを考えてください。例えば写真映えするものですね。さっき出た1日職業体験の場合だと、普通に挨拶している写真よりも「バスを運転している素人の写真」の方が気になってクリックしたくなるじゃないですか。

 

あとは、人や人生についての話はできる限り後ろの方に持ってくるというのも意識しています。例えば町のパン屋さんの記事があるとして、瀬戸さんはどういう内容なら読みたいですか?

おいしいパンを写真とともに教えてほしいです!!!

ですよね? 僕もおいしいパンについて知りたいです。では、読者が全く知らない店員さんの人生の話が、冒頭から始まったらどうですか? 多分すぐに離脱しますよね。有名人ならともかく、知らない人の人生にいきなり興味を持ってもらうのって、まあ無理なんです。

確かに……。

仮にその店員さんの人生がとても面白かったとしても、読者は「おもしろいかどうかわからない他人の情報」をいきなり突きつけられても読んでくれない。それなら別のメディアでアイドルなりミュージシャンなりの情報を読んだほうがいい。なぜなら最初からおもしろさが保証されてるから……。

え、じゃあ「店員さんの人生を書きたい」と思ったら、どうすればいいんですか?

その場合は、まずは読者が求めてる内容……パンを主役にして興味を持ってもらいます。「一日何百個売れてるパンです!」とかね。そこに興味を持ってもらえたら、読者は「このパンを作ってる職人はどういう人なんだろう?」と感じて、人生の話も読んでくれるかもしれません。

僕、今まで新人ライターに一番多く言ってきたアドバイスが「情熱大陸みたいな記事を作っちゃダメ」かもしれない。

 

え、情熱大陸おもしろいじゃないですか……?

おもしろいですよ! でもそれは情熱大陸に出れるような、有名人の人生だからです。あのプロ野球選手は毎朝なにを食べてるんだろうとか、あの俳優はどういう考え方をしてるんだろうといった感じで、読者は最初からその人のこと知ってて興味を持ってる。

そうか! 読者にとって有名人は「知らない人」じゃないんだ。

そういうこと。仮に全然知らないジャンルの有名人だったとしても、「情熱大陸に出るような人だからきっとすごい人なんだろう、おもしろい人生なんだろう」という保証がある。

おもしろい保証があるなら見てくれると。

一方、町のパン屋さんのように知らない一般人の人生とか考え方を、情熱大陸のマネをして紹介しても読者は読んでくれない。なぜなら知らないから(知らない段階では興味を持ちようがない)。「ではどうすれば興味を持ってもらえるのか」って切り口を、マネじゃなくちゃんと考えなきゃだめだと思う。

まずは知らない人の興味を引く窓口を作る意識が大事です。誰も興味を持っていないという前提から出発して、どこに興味を持ってもらうのか……そのためにどんな説明が必要なのかを考えましょう。

 

 

記事作成時に気をつけていること

構成を考えられたらいよいよ記事執筆! 何か気をつけていることはありますか?

Web記事を読む人は本と違って文字を読みたいわけではなく情報が欲しいんです。だから、いかに短く良い情報を伝えられるかは大事ですね。

確かに余計な情報は増やさないほうがいいですね。例えば、登場人物もできる限り削ったほうがいいです。

読者からしたら、1つの記事で知らない人が5人とか出てきても覚えられないですよね。

何人ぐらいに抑えたほうがいいとかありますか?

 

登場人物が4人を超えるとわかりづらくなってきます。有名人だったり、性別年齢が大きく違う場合は別ですけどね。

性別年齢が大きく違うというのはキャラ分けがわかりやすいってことですね。どうしても人が増えてしまう場合の対策とかありますか?

アイコンの色を変えたりしてますね。あと、可能なら極力名前を出さずに「研究員Aさん」「店員Bさん」などで記載すると良い。「この人の個性を記憶する必要はありません」というのをわかりやすくしておくと、読者は脳のメモリを割かずに済みます。

なるほど!

 

写真も、基本的には情報の補完をするものとして使っています。

「情報を伝える」ことが大事なので、きれいさよりも、情報や場の雰囲気が伝わりやすいものを選びましょう。

あとはスマホで観たときを考えて引きの写真は載せないとか、文字だけで伝わりづらい場合は図やイラストを作って補完するなどの工夫もしていますね。

他に、読者目線で気をつけていることとかありますか?

 

ある程度テンポ良く読めるように、というのは気をつけています。そのために、定期的に写真や小見出しなどで文章を区切るようにしていますね。

確かに、ジモコロは会話2~3往復につき1枚写真や小見出しを入れているイメージです。

ライターはパソコンで文字を書いてる人が多いけど、読者は9割以上がスマホで読むので、文字が続くと長く感じやすいんですよね。

そうなんです。だから、画面が文字でいっぱいになっちゃわないように、写真は定期的に入れたほうがいいですね

書いているとつい文章が長くなっちゃったりするので、たまに流し読みをしてバランスを見ましょう。

 

わかりました! SEOの観点で何か気を付けていることはありますか?

ジモコロだとタイトル直下に説明があるじゃないですか。“概要”とか“抜粋”って呼ばれたりする部分―これですね。

実はここがSEOに大きく影響しています

そうなんですか!?

ここに、検索ワードに上がってきそうな単語を入れると検索に引っかかりやすくなります。

 

読者向けの説明ではなく、SEOロボット向けの説明欄というイメージですね。

検索されるワードってどうやって調べてるんですか?

Googleでキーワードを入れたときにサジェストされる単語を入れます。例えば「りんご」を検索しようとして打ち込んだら、「りんご_品種」とか「りんご_飴」とか出てくるじゃないですか。その単語を入れ込むと、りんごの品種を調べてる人にも、りんご飴を調べてる人にも、検索結果に自分の記事が表示されて読まれる機会が増えます。

記事の内容がりんご飴にまったく関係ないものだったとしても、入れたほうがいいですか?

それはやめてください!!! ネットのゴミになるから!!!! あくまで記事の内容に関係ある単語だけね!!!!

あとこの部分、「あらすじ」的に表示されたりもするので、文章として不自然にならないようにというのは意識しています。ぼくらにとってはSEO向けでも、意外とちゃんと読んでくれる読者の人も多いので……。

そう! 単純に検索向けの単語を羅列するんじゃなくて、どういう記事なのかが文章としてちゃんと読めるものにしましょう!

 

わかりました! あと、タイトルをつけるときに意識していることはありますか?

タイトルってめちゃめちゃ大事で。読者が「この記事を読んでみようかな」って判断する材料って、最初はまずタイトルしかないんですよね。タイトルでいかに興味を引くかを考えています。

かといって、嘘をついたり誇張しすぎたタイトルは信用を失うので……誠実なものがいいですね。

誠実で目を引くって難しい。具体的にどういう流れで考えているんですか?

タイトルの前半8~10文字の部分にできる限りその記事の主題がわかるような単語を入れるようにしてます。

カレーがメインの記事なら「◯◯を入れてみたら美味しくなったカレー」ではなく「カレーに入れたら美味しくなるのは◯◯」という感じです。

なぜ、前半に持ってくるのですか?

 

シェアしたときに前半でタイトルが切れちゃうことがあったり、前半で興味ないとそれ以上読まれなかったりするからです。

タイトルはあくまで読者の興味を惹くのが目的なので、変な言葉遊びとか、シンプルすぎてどういう記事かわからないようなものは避けたほうがいいですね。

ふむふむ、なるほど。サムネイル↓ の画像はどうやって選んでるんですか?

 

 

視覚的に目を引くものです。情報はタイトルに入れるから、サムネは単純に絵として気になるものを使います。

どんなサムネが映えるのかわからない……という方はYouTubeのサムネを見てみてください。再生回数の多いYouTuberのサムネは、研究し尽くされているのでとても参考になります。

研究されすぎてて上位のYouTuberのサムネ、どれも似たような感じになってますけどね。

別ジャンルのものを参考にするんだ! なるほど!

 

タイトルとサムネも入れ終わったら、最後は取材先への確認ですね!

自分が納得いかない修正依頼が来てしまったときって、どうされてるんですか?

先方からお金をいただいている広告記事だったらできる限り意に沿うようにします。特にお金をいただいていないときは、それは編集記事なので事実関係に齟齬がなければOKラインを相談しながら進めますね。

基本的に自分のこだわりを通すというよりは、取材先や読者視点で「修正しないほうがメリットがある」と思われるときに相談するイメージです。メディア的にそれは言えないんですとか、薬事法的にそれは書けないですとか、いや書いてほしいとか、じゃあこういう表現ならどうですかとか、このへんはせめぎ合いですね。

※薬事法=医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品などの有効性、安全性、品質等の確保を目的として、一定の基準や取り扱いを定め、必要な規制を行うための法律

 

 

おわりに

というわけで今回は、新人ライターでも簡単に書ける『WEB記事の作り方|記事作成編』をお送りしました。

新人ライターの方に向けた『WEB記事の作り方』全3回、いかがでしたか? 記事制作に時間がかかる・どうやって記事を書き進めればいいのかわからない……など、お悩みの方に役立てば嬉しいです!

 

構成|瀬戸はるか

 

▼誰でも書けるWeb記事の作り方シリーズをまとめて読む