長野オリンピック以降の進化!? 「湯田中温泉」に独自すぎる文化が育っていた

2016.04.07

長野オリンピック以降の進化!? 「湯田中温泉」に独自すぎる文化が育っていた

長野県下高井郡にある信州湯田中温泉郷。元々、遊郭として栄えた温泉町らしいんですが、長野オリンピック以降に多くのアジア人女性によって独自のコミュニティが形成されたそうです。ちょっと奥深いB級スポット的な楽しみ方として、この土地の魅力をお届けしたいと思います!

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    こんにちは、ジモコロ編集長の柿次郎です。山梨県の八ヶ岳麓にあるホテルで優雅な朝を過ごしています。パーカーの「BAHAMAS」は「優雅」って意味ですからね。

     

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    僕と同じレベルの優雅さで紅茶をすすっているのが、1年前に山梨県の勝沼へ移住した発酵デザイナーの小倉ヒラクさん。味噌や醤油、ビールなどのアートディレクションを手掛ける一方で、発酵にまつわる研究に余念がない「好奇心の塊」みたいな人です。

     

     

    そんな小倉ヒラクさんが「柿次郎さん、山梨と長野を案内しますよ!」と言ってくれて、2泊3日で勝沼→甲府→北杜→清里→上田→若穂保科→小布施→湯田中→長野という土地をグルグルとまわってきました。

     

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    ワインで有名な山梨県勝沼。江戸時代から300年以上続く「若尾果樹園/ マルサン葡萄酒」(安くて美味い!)の葡萄畑を見せてもらったり、

     

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    山梨県北杜市でパーマカルチャー(持続性のある自然に近い環境デザイン)の生活を実践するソイルデザインの四井真治さんの自宅を訪れたり、

     

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    長野県小布施町の町おこしの立役者であり、欧米人初の利酒師でもあり、現在では長野県若穂保科で約2000坪の広大な土地を里山保全しているセーラ・マリ・カミングスさんを訪ねたりなど…とにかく今後のジモコロに繋がるような出会いばかりでした。

     

    ここからが本題!

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    そのあたりは未来の自分に任せるとして、今回はなんとなく泊まった長野県「湯田中渋温泉郷」のカルチャーがガラパゴス発展を遂げている事実をお届けします。

     

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    信州湯田中温泉観光協会公式サイト

     

    勉強不足で申し訳ないんですが、「湯田中渋温泉郷」の存在をぜんぜん知らなくてですね。Twitterでアンケートを取ってみたところ…

    274票の内、「86%が知らない」という圧倒的な知られてなさ…!

    まぁ、別府温泉や草津温泉と比べるとね。それでも長野県は「宿泊施設のある温泉地数」としては北海道に次いで全国2位。まだまだ知らない温泉地があるってこと!

     

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    ●湯田中温泉郷

    ・安代温泉(あんだい)

    角間温泉(かくま)

    上林温泉(かんばやし)

    地獄谷温泉(じごくだに)

    渋温泉(しぶ)

    新湯田中温泉(しんゆだなか)

    星川温泉(ほしかわ)

    穂波温泉(ほなみ)

    ・湯田中温泉(ゆだなか) 

    湯田中温泉郷は1350年以上の歴史があり、この土地に点在する9つの温泉の総称のことを指すそうです。外国人観光客に人気の地獄谷温泉といえば、「あー、はいはい。猿が温泉に浸かってる場所ね」となるんじゃないでしょうか。

     

    湯田中渋温泉郷に吹き込むアジアの風

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    さて本題の湯田中温泉について。湯田中駅まで電車で行く場合、リニューアルしたばかりの「長野駅」を経由して長野電鉄特急で約45分。都内から車で行くと3〜4時間はかかります。

     

    GoogleMapで見たらこんな感じ。山と川に挟まれた土地で、あちこちに温泉が湧き出ていても不思議じゃありませんね。

     

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    温泉宿やホテルの裏側には、歓楽街の「湯河原通り」があります。昭和に隆盛を極めたような地方によくある風景。日中はこのように「いい感じの寂れっぷりだなぁ…」と、逆に落ち着いてしまいます。

     

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    ちょっと店名が気になる「湯河原通り有名店ガイド」なる看板も。当時の看板がそのまま残っていることは地方の歓楽街では珍しくないんですが…

     

     

    夜になると通りが激変します。

     

     

     

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    あれ、時空が歪んで異世界に迷いこんだ…?

    きらびやかなネオンの数々と昭和臭ムンムンの店看板の数々…。「スナック」や「パブ」、「カラオケ」といったキーワードと共に、どこか強引な日本感を演出しているようにも感じます。人はあまり通ってないけれど、車の往来は激しい。歓楽街として機能している町の息吹が感じられる…!生きてるぞー!!

     

     

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    とりあえず腹ごしらえをすべく、和風居酒屋「美和」という安心感たっぷりのお店に入ろうと思います。ローカルの取材で欠かせない情報源は、「宿」と「飲み屋」って決まってるので覚えておいてください。

     

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    山に囲まれた長野あるあるなんですが「魚介類への憧れ」が尋常じゃないので、地元の人向けの居酒屋は思いのほか魚系のメニューばかりが並んでいます。お通しもホタテの貝ヒモと海老でした。ちょっと値段が高いのはご愛嬌ということで。

     

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    カウンターに座っている常連のオジさんに「オススメの美味しいお店ないですか?」と聞いたら、「すぐそこのタイ料理屋が本格的で美味しいよ!」と教えてくれました。謎の温泉街で本格的なタイ料理を出すお店…。

    面白そうなので行ってみます!

     

    本格的すぎるタイ料理屋の日本語センスがヤバい

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    活気のないビルの地下1Fにあるタイ料理屋「ランナー」。予備知識ゼロだったら絶対に入らない雰囲気、一見さんを寄せつけない入り口…これはディープスポット好きとしては“当たり”の予感がします。

     

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    店内はこんな感じ。夜21時の時点でお客さんはゼロ。タイ人の女性スタッフに「やってますか?」と聞いたらカタコトの日本語で「ヤッテルヨ」と微笑みの国的な返答がありました。コップンカー!

    聞けばこのお店は深夜1〜2時頃が盛り上がる時間帯で、このあたりで働いているタイ人女性が本場の味を求めてやってくるそうです。湯田中温泉ならではの需要がこの「ランナー」に集中してるんでしょうね。

     

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    二軒目なのでガパオライスとパパイヤの春雨サラダを頼んだんですが、本場タイで食べる味そのもの! 美味い! 日本人にぜんぜん媚びてない!

    まさにタイ人向けの妥協なき味つけで、ヒーヒー言いながら食べるほどの辛味が舌を襲います。なんでタイ料理ってハズレが少ないし、こんなに美味いんだろう…。

     

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    まぁ、タイ料理が美味いから紹介したいわけじゃないんですよ。この店のメニューが気になって仕方がありません。駆け足で拾っていくのでついてきてください。

     

     

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    ドライ好き

     

     

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    酸っぱいエビ

     

     

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    ぬいぐるみのオムレツ

     

     

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    酔った麺

     

     

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    タイ料理

     

     

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    揚げ豚肉の衝突

     

     

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    バジルをかき混ぜる

     

     

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    水ヘビをお楽しみください

     

    最後は店長が丁寧に説明してくれてるのかな?っていう斬新すぎる料理名ですが、Google翻訳でもここまで間違えないだろってレベルです。

    ちなみに好きな料理をオーダーしても「ソレハデキナイネ」と食材がないため大体断られることを覚悟してください。そういうシステムみたいです。曖昧さといい加減さを受け入れると、この手の旅は超楽しくなります。

     

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    余談ですが、このお店は15年も続いているそうです

    すごすぎるだろ。

     

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    ドリンクメニューは商品名なしのビジュアル1本勝負。

    ランナーのセンス渋すぎるぜ!

     

    湯田中渋温泉郷の歴史を聞いてみた

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    さて、ここまで違和感しかない湯田中渋温泉郷の裏路地にある「湯河原通り」ですが、三軒目でカラオケスナック居酒屋みたいなお店に入って話を聞いてきました。

     

    箇条書きで敢えてあっさりまとめてみたので、事情を配慮してもらいつつ、好奇心旺盛な方はぜひ参考にしてみてください。

     

    ・元々このあたりは温泉街×赤線として栄えた土地

    ・戦後にGHQの手によって遊郭が廃止された

    ・長野オリンピックバブルで一度盛り上がりを見せるもののその後衰退…

    ・約20年前から日本人女性オーナーが撤退して、代わりに台湾人、フィリピン人、タイ人女性が参入

    ・商魂たくましいアジア人女性のパワーによって地元で人気の飲み屋街に

    ・男女問わず、地元の消防士や役人、銀行員などがカラオケ居酒屋として利用している

    ・人気店は毎晩のように満員になるほどの盛況っぷりでお金が落ちてる

     

    などなど、かなり特殊な歴史を辿って現在に至るようです。余談ですが、20歳そこそこの日本人女性も働いていて、「東京は苦手だから、ずっとこの土地に住み続けたい」「朝から夜まで仕事を掛け持ちして毎日3〜4時間しか寝てない」「深夜から朝5時まで足湯に浸かりながら女友だちと恋バナをするのが楽しい」といった価値観を聞くことができました。足湯で朝まで恋バナって温泉地らしいなぁ。

     

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    温泉目当てで素泊まりするはずが、フラッと近所を散策してみたら驚くほどディープな文化に触れてしまいました。

    同行した小倉ヒラクさんが「長野は主要の町があちこちに点在していて、インドみたいな奥深さがある」と。僕自身も20回近く長野を訪れていますが、まさか長野にこんな温泉街があるとはつゆ知らず…。

     

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    というわけで、この奇妙な「湯河原通り」の飲み屋めぐりに興味を持った人は「何かのついで」にぜひ足を踏み入れてみてください。クセになるはず。

    今回泊まった「味な湯宿 やすらぎ」は、Booking.comで驚きの「9.7 / 10」というハイスコアを叩きだしているのでよろしければ!温泉が最高!!

    味な湯宿 やすらぎ (山ノ内町) – Booking.com

     

     

     

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    この記事を書いた人

    徳谷柿次郎
    徳谷柿次郎

    ジモコロ編集長。大阪出身。趣味は「日本語ラップ」「漫画」「プロレス」「コーヒー」「登山」など。顎関節症、胃弱、痔持ちと食のシルクロードが地獄に陥っている。

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