ミニ四駆を魔改造!世界レベルの精密技術でバトルさせると…

2017.11.24

ミニ四駆を魔改造!世界レベルの精密技術でバトルさせると…

世界レベルの精密加工の技術を持つメーカーが集まる長野県諏訪市。その諏訪の技術で最強の「ミニ四駆」を作っちゃおうぜ!という「SUWAデザインプロジェクト」の「スワッカソン」に潜入しました。諏訪から参加したのはデーデック、nittoh、丸安精機製作所、小松精機工作所、エー・アイ・エヌ、共進、松一の7社。「LIGHT FACE」「コバリオン」「カシメ接合」「lot」などそれぞれの技術を駆使して魔改造されたミニ四駆が完成!そしてレース!果たして勝敗の行方は…?

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    こんにちは、ライターの友光だんごです。

    今日は長野県諏訪市に来ています。といっても行き先は「諏訪湖」や「諏訪大社」ではなく、とあるプロジェクトに参加するため。

    諏訪市って、実は「精密加工の技術」がとんでもなくスゴいんです。

     

    諏訪では、戦後に「時計・カメラ・オルゴール」といった精密機器の製造がさかんになり、現在も、日本最高峰の技術を持つメーカーがひしめき合っています

     

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    そんな諏訪市の精密加工技術をアピールする「SUWAデザインプロジェクト」(主催:諏訪市、企画・運営:(株)ロフトワーク)が行われていると聞き、実際に訪れてみました。

     

    「SUWAデザインプロジェクト」の今年のタイトルは「スワッカソン」

    諏訪市全面協力のもと発足したプロジェクト……どれほど凄まじい最先端技術を、どれほど壮大なスケールで展開するのか……

     

     

    その全貌がこちらです

     

     

     

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    フォォォ~ン! ギュイイィ~~ン!

     

     

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     ドギャアアッ!!

     

     

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     バァァ~~ン!

     

     

    あっわかった、ふざけてる?

     

    と一瞬思ったんですが、実はミニ四駆というのは、改造することが前提のおもちゃであり、工学的な技術や電子的な装飾、デザインなど、技術力を表現するには最適な素材なんだそう。

     

    そこで公式ガイドラインを一切無視して、とにかく魔改造技術で作られたミニ四駆の大会やろうぜ!となったわけです。

     

    でも、日本最高峰とも言われる諏訪市の技術を、おもちゃであるミニ四駆に全力投球しちゃったら……

    一体どうなるの?

     

     

     

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    こうなります

    見てください、ギラギラと光り輝くメタルボディ!

     

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    こちらはフロントウインドウに謎の画面!!

     

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    本物のレーシングカーばりに躍動するサスペンション!!!

     
    これらはすべて「スワッカソン」の参加作品。公式ガイドライン無視×大人げない技術力、この2つが組み合わさると、ミニ四駆はこんな有り様になってしまうようです。

     

    こんなムチャな魔改造ミニ四駆で、最速を決めるバトルが開催されるわけです。最高じゃないですか?

     

     

    魔改造ミニ四駆 大会開催!!

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    では、大会に出場する参加者をご紹介しましょう!

    この地上で誰よりもッ! 誰よりもッ! 最速を飢望(のぞ)んだ男たち!

     

    入場ッ!!!

     

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    ▼エントリーNo.1:バネメーカー『デーデック』 

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    バネの製造メーカーの『デーデック』が、チーム・デーデックとして出場。微細な技術に定評があるバネメーカーです。ミニ四駆のサスペンションを作るなら、めちゃめちゃ有利なのでは……?

     

    そんな『デーデック』が作ったマシンがこちら!

     

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    大人気なく、完全に勝ちに来たマシンですね。サスペンションやスライドダンパーなど、デーデック製の特注バネをふんだんに使用。速さにこだわったマシンです。

     

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    ▼エントリーNo.2:レンズメーカー『nittoh』

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    続いてはレンズを作っているメーカー、『nittoh』のチームnittoh。

    「光散乱導光体ポリマー」という技術により、入った光がロスせず、樹脂全体が均一に光るという。美しき武器を引っさげて、大会に殴り込みッ!

     

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    光散乱導光体ポリマーで作られたミニ四駆(中央)。LEDの光でボディ全体が光ります。早いかどうかは、まあ、いいじゃないですか。

     

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    ▼エントリーNo.3:金属加工『丸安精機製作所』

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    金属を機械で削る「切削(せっさく)」が得意。カメラの操作ボタンやオーディオのボリュームつまみのような「丸い金属パーツ」を中心に手がける『丸安精機製作所』。チーム名はL.P.M.。

     

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    高級感あふれる金属のローラー&ホイールを搭載。フロントウインドウに表示されているパラメーターは一体何? 路面の状態やタイヤの耐久値……?

     

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    と思ったら、ギターの音と連動してパラメータが動き、ライトが光る機能だそう。つまりまったく意味はありません。

     

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    ▼エントリーNo.4:金属部品製作『小松精機工作所』

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    腕時計から自動車まで様々な金属部品を手がける『小松精機工作所』のチーム、小松精機×YLAB。

    注目はスーパー金属「コバリオン」。プラチナと同等の輝きを持ちながら「金属アレルギーになりにくい」「さびにくい」という特徴がある素材です。

     

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    『レッツ&ゴー!』世代には懐かしい、「シャイニングスコーピオン」がベース。高硬度のスーパー金属「超微細粒鋼」をギアの素材に使用!

     

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    しかもマイコン搭載なので、コースのセクションを記憶して最適な速度に制御してくれるそうです。それって「GPチップ」じゃないですか…!!

    ※GPチップ……原作に登場する「シャイニングスコーピオン」が搭載している学習機能を持ったチップ

     

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    ▼エントリーNo.5:電子機器『エー・アイ・エヌ』

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    電子機器の設計・開発を得意とする『エー・アイ・エヌ』が、TEAMエー・アイ・エヌとして参戦!

    ミニ四駆の小さなボディを、電子の要塞と化すことはお手の物。

     

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    なんとスマホで操作できるミニ四駆「BlueNinja」というハードウェアを組み込むことによって、加速度などを検知してるんです。

     

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    スタート&ストップ、さらに走るスピードなども操作可能。少年時代に妄想したマシンそのままですよ、「操作できるミニ四駆」って。

     

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    ▼エントリーNo.6:金属加工『共進』

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    金属加工部品専門メーカー『共進』。チーム名は、やっぱチョメズ。

    金属を接合する独自の技術で躍進するこのメーカー、ミニ四駆というフィールドで持ち味をイカせるのか!? 

     

    これがその解答だ!

     

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    マシン後方には諏訪大社のシンボル「御柱(おんばしら)」が。

    ボディ横のローラー部分には『共進』が得意とする「カシメ接合」(溶接やネジなどを使わず、金属同士を接合する技術)が使われています。

     

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    ▼エントリーNo.8:金属研磨『松一』

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    ナノレベルの研磨加工技術を持つ『松一』は、松一×乱反車というチーム名で参加。

    研磨と聞くと、一見ミニ四駆とは何の関係もなさそうですが……果たして自らの技術をどう融合させるのか?

     

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    はい、融合させる気ゼロ! いいからとにかくウチの研磨技術を見ろ!という自負を見事に表現しています。日本刀の材料となる玉鋼を使用(ただし速さとは関係ありません)

     

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    こちらも松一のマシン。貼り付けられたウロコの研磨具合を使い分けることで、それぞれが違った光の反射をするというこだわりの逸品(ただし速さとは関係ありません)

     

     

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    ちなみに、大会はレース順位の他に、自社の技術をうまく昇華できているか? 諏訪の魅力を表現できているか? などもポイントになります。

    つまりレースで1位になったからといって優勝できるとは限らないのですが、勝つことが有利なのは間違いありません。

     

    そのため、全員の目がギラついていました。

     

     

    いよいよレーススタート! 結果は?

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    選び抜かれた精鋭7組が揃い、いよいよレース開始です!

     

    なお、レースは総当たりで行われ、ミニ四駆は何台使っても構いません。気分で「今回はこっちを使おう」というのも可能です(そのため、上の写真も11台並んでいます)

     

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    どうですか? イイ大人がこんなに真剣にミニ四駆のコースを見つめることってあります? 素敵すぎるでしょ。

     

    正直なところ「コレ絶対まともに走らないでしょ……」という見た目のマシンもあったので、それだけが心配なんですが―

     

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    フォォオオアアン!!

     

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    キュオォォ~~ン! ギャギャギャ……!

     

     

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    ズバァァッ!

     

     

    速すぎて目で追えない。なんだこれ。

    さすが諏訪の技術を結集したレース、すべてのマシンがちゃんと走ってる!

     

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    中には速すぎてコースアウトしちゃうマシンもありました。速度と安定性のバランスが難しい!

     

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    実は一番「これダメだろうな~」と思っていたのが、『松一』の玉鋼を使った「剣刃虎」。だって重そうだったから……。

     

    でも、速さはないものの、堅実に走っていました。むしろ、速すぎてコースアウトしてしまうマシンより、確実にゴールにたどり着けるため、意外にも勝ちを多くひろっていた印象です。

     

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    まあ、周回遅れになって後ろから追突される一幕もありましたが(頑丈なので壊れない) 

     

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    御柱がそそり立つ『共進』の「諏訪大車」。走る前に祈りを捧げてて大丈夫かな?と思ったのですが―

     

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    めちゃくちゃ速い! こんなのサギでしょ!

     

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    『丸安精機』のマシンは再調整を繰り返し、ボディをテープで止めながら疾走。

     

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    『nittoh』の光るマシン。ライトの残像が尾を引いてめちゃかっこいい!

     

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    レースは、全戦大盛り上がり! そこかしこで「あぁ~……!」とか「よっしゃぁ~!!」という歓声が上がっていました。

     

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    ただ、速く動くものを見すぎて、そろそろ動体視力の限界が……

     

     

     

    というところで、1時間以上に及ぶ総当たり戦、すべてのレースが終了しました。

     

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    結果はご覧の通り。

    1位|nittoh「LIGHT FACE RACER / NANO METAL RACER」(全勝で文句なしの1位)

    2位|共進「諏訪大車」(御柱パワーのご利益を見せつけた)

    3位|デーデック「スプリングマシン2号」(バネを有効に使い安定した強さ)

     

    ただし、「レースで1位=大会で優勝」ではありません。レース順位の他に、自社の技術をうまく昇華できているか? 諏訪の魅力を表現できているか? などもポイントになるからです。

     

    果たして、この一大プロジェクトを制するのはどのチームだ……!?

     

     

    結果発表

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    では発表します。

    第一回「スワッカソン・プロジェクト」、優勝は……

     

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    ざわ…

     

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    ざわ……

     

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    ざわ……

     

     

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    ドギャーン!

     

     

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    「LIGHT FACE RACER / NANO METAL RACER」のnittohチーム!!!

     

    レースで1位をとる圧倒的な速さに加え、自社の技術「光散乱導光体ポリマー」によって、樹脂全体が均一に光るという美しさが評価されました。文句なしの優勝ですね。

     

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    続いて準グランプリは……

     

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    「諏訪大車」の『共進チーム』に!

     

    レースでの強さはもちろん、諏訪大社の御柱を取り入れたという地元愛。バランスの取れた準グランプリと言えるでしょう。

     

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    続いては準グランプリとジモコロ賞をダブル受賞したこちらのチーム

     

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    「剣刃虎」「龍鱗」の松一×乱反車

    速さを捨てて見た目に全振りした『取り繕わなさ』が素晴らしかったですね。

     

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     ジェイ・キッズ賞

     

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    地元企業の「ジェイ・キッズ」からの賞はデーデックチームに! 実はこのチームのお手伝いをさせてもらっていたので、嬉しかった~!

     

     

    まとめ  

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    大人たちが全力でミニ四駆と遊び倒した今年の「スワッカソン」諏訪市をあげての技術アピールを、ミニ四駆でやるというのは、かなり斬新だったのではないでしょうか。

     

    何より、色んなメーカーや工場が、全員もれなくメチャクチャ仲良しになっていたので、新たなビジネスにつながりそうな匂いがビンビンします。

     

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    なにより諏訪市の担当者2人の満足げな表情が、プロジェクトの成功を物語っているように思います。

     

    来年があるならまた参加したい! 次は自分でイチから作ってみようかな……

     

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    ☆ミニ四駆の「第3次ブーム」を取材した記事もぜひご覧ください!

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    イーアイデム

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    友光だんご
    友光だんご

    編集者/ライター。1989年岡山生まれ。Huuuu所属。犬とビールを見ると駆けだす。

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