【1kgおにぎり】ネットでバズりまくってる弁当屋、なぜ話題になった?

2018.07.10

【1kgおにぎり】ネットでバズりまくってる弁当屋、なぜ話題になった?

今、SNSで話題を集めている「キッチンDIVE」。毎日200円で販売している激安のお弁当や、1キロのボリュームがあるお弁当やおにぎりが話題となり、リピーターが続出。人気の秘密は、Twitterを活用した企画の展開。そんなキッチンDIVEを運営している、伊藤社長にSNSの運用についてお話をお伺いしました!

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    こんにちは、ライターの松岡です! 

    昨今、SNSでバズりまくっている弁当屋があることをご存知でしょうか。しかも、大手弁当チェーンなどではなく、個人が経営する“街の弁当屋さん”です。

     

    それがこちらの、『キッチンDIVE』というお店!

     

    キッチンDIVE

    住所|東京都江東区亀戸6丁目58−15

    営業時間|24時間営業

     

    こちらのお店、Twitterのフォロワー数は1万2千を超え、イベント告知のツイートが2万回もリツイートされるなど、SNSを活用したマーケティングがずば抜けているお店なんです

     

     

    ▼Twitter以外にも

    ・お弁当屋さんなのに、ニコニコ超会議に出店

    ・ニコニコ生放送の来場者数が17万人超え

    ・投稿されたYou Tubeの動画再生数が約240万回再生

     

    などの経歴を持つ、かなり変わった弁当屋さんなのです。一体、どうしてこんなにSNSでバズっているの?

     

    その秘密を、店長の伊藤慶(いとう けい)さんに伺ってきました!

     

     

    バズるきっかけは店長の遊び心とお客さんの投稿

    「はじめまして! 今日は、“街の弁当屋さん”がなぜこんなにバズるのか、話を聞きに来ました」

    「よろしくお願いします。なぜバズるか……ですか。難しいですね~。きっかけは、おにぎりを売る目的で、店にぬいぐるみを置いたことかな

    「??? すいません、ちょっと意味がわからないです。おにぎりを売るために、ぬいぐるみを置いた? なぜ?」

    「あ、わかりにくいですよね(笑)。えっと、まず売りたかったおにぎりというのが―」

     

    「こちらですね」

    「おぉ、おいしそうじゃないですか!」

    「比較するものがないとわかりにくいかもしれませんが、サイズはこんな感じです」

     

    「デケェェェ~~~~!!!」

    「1kgあります」

    お茶碗だと7杯分近いじゃないですか」

    「で、置いたぬいぐるみっていうのが、これです」

     

    「あ……あああぁぁ~~!! これはあの、ゲームの……!」

    「そう、『風来のシレン』のマムルです。“巨大なおにぎり”といえば『風来のシレン』じゃないですか? だから有名な登場モンスターのひとつ、マムルのぬいぐるみを置いてみたんです

     

    『風来のシレン』はスーパーファミコン用のゲームソフト。定期的におにぎりを食べながら冒険します。また、「マムル」はシリーズを通して登場する敵モンスターです。

     

    「そしたら、ゲーム好きのお客さんが気づいて、お店のツイートをしてくれたんですね。それが7千リツイートされてものすごく話題になったんですよ

    「先ほどおっしゃっていた、『きっかけは、おにぎりを売る目的で、店にぬいぐるみを置いたこと』という意味が100%理解できました」

     

    『キッチンDIVE』がバズるきっかけとなったお客さんのツイート

     

    「ひょっとして、この流れは想定していたんですか?」

    「いえ、ただ『風来のシレン』が好きだから、なんとなく1キロおにぎりの横に置いたらおもしろいんじゃないかと思っただけです。全く予想していませんでした

    「ちなみに、1キロおにぎりは『風来のシレン』の何作目をイメージして作ったんですか」

    「え、それ重要なんですか? 1作目が好きなので、「不思議のダンジョン2 風来のシレン」のおにぎりのイメージですかね」

    「真面目にお答えいただきありがとうございます。そもそも1キロのおにぎりを作ろうという発想が、まずすごいですね」

    「うちのお店には、以前から1キロ弁当という商品もあります。食べ物を作る人間として、やっぱりおなかいっぱい食べてほしい!というのは思ってまして」

     

    男性が好きそうなおかずを、一度に全て食べることができる1キロ弁当

     

    「ここまでの話を聞いていると、Twitterのおかげでバズったって感じなんでしょうか」

    「あとは、YouTubeも効果があったと思います。こちらは大食いの選手たちに助けられた部分が大きかったです

    「ああ~! なるほど、1キロおにぎりとか1キロ弁当って、大食いYouTuberが挑戦したくなる気持ちがわかりますね」

    「1キロだと物足りないかなと思って、遊びで3キロ弁当と3キロおにぎりを作り、選手たちに販売してみたんですよ。みなさん、それらを食べている動画をYouTubeにアップしてくれて、70万再生くらい見られていました

     

    キッチンDIVEのお惣菜を一度に満喫することができる3キロ弁当

     

    総量が本当に3キロ以上ある、3キロおにぎり

     

    キッチンDIVEの弁当とおにぎりを食べるDracö(ドラコ)選手

     

    大食いYouTuberのために作った3キロ弁当や、3キロおにぎりは、視聴者の間で大きな話題になり、注文が入るようになったそう

     

     

    【フォロワーが応援したくなる企画作りとは】

    「『キッチンDIVE』のTwitterアカウントを見ると、フォロワーが12,000人もいるんですね。伊藤さんはTwitterをはじめて何年くらい経つんですか?」

    「2017年の4月からはじめたので、だいたい1年くらいです

     

    『キッチンDIVE』Twitterアカウント

    「え!? 1年でフォロワー数が12,000人もいるんですか!?  さっき聞いたマムルのぬいぐるみと、大食いYouTuber、2つの出来事だけが理由で?」

    「それだけではないですね。フォロワーが増えるようなイベントをお店で開催したのも大きいです

    「具体的にどんなイベントを」

    「フォロワー500人達成の時はおにぎりを10円で販売したり、1,500人達成の時は1キロ弁当を100円で販売したり、3,000人達成の時はカレーを無料で配りました

     

    フォロワー1,500人達成記念・1キロ弁当100円祭り

     

    フォロワー3,000人達成記念・カレー無料祭り

     

    「Twitterって、みんなに応援されないとフォロワーは増えない。だから応援したくなる企画を考案して、みんなが私の背中を押してくれるようにしたかったんです」

    「いや、でも……どれも赤字確定のイベントばかりじゃないですか! お店にメリットあるの!?」

    「イベント自体は身銭を切っているので赤字です。でもそれがきっかけでフォロワーが増えて、お店のファンが増えれば、お店としては強いんですよ」

    「精神的に嬉しいってだけではなく、物理的にお店の経営にとって強みになるんですか?」

    「例えばフォロワー数が1,000人の場合、1日5人くらい買いに来てくれるとします。フォロワー数が12,000人だと1日に60人のお客さんが買いに来てくれる計算です。1人800円くらい買ってくれるとして、1日に5万円の売り上げになります

    「うわ、そう考えたらすごいですね」

    「月単位で換算すると約150万円、年間で考えると1,800万円近く売り上げが変わります

    「莫大な数字だ!」

    「まあ、うちはアクティブなファンが多いから成り立つ計算ですけどね。同じ1万人のフォロワー数でもそこまでいかないお店もありますし。逆に『ラーメン二郎』さんのように、熱狂的なファンがいるお店は、もっと売り上げが伸びているのかも」

    「なるほど。今までの話を聞いていると、SNSを利用しない手はないです

    「飲食店を経営してるなら、絶対利用した方がいいと思います。大手のチェーン店じゃなくても、SNSを使えば個人で情報を発信できる時代なんですから」

     

     

    【キッチンDIVE】ニコニコ超会議2018に出店

    ニコニコ超会議2018(2018年4月)出店時の様子

     

    「今年はニコニコ超会議のブースに、キッチンDIVEを出店されましたよね。これはどのようなネット戦略だったのでしょうか?」

    これは全く戦略とか関係ないです

    関係ないんかい! ここまでずっと、緻密な計算に基づいて行動してるという印象だったんですが」

    「姪っ子の高校受験が大変そうだったので、ニコニコ大好きな姪っ子を応援するために出店を決めました

    そんな理由!?

    「ちゃんと出店料金を払えば、出店するのは飲食店でも可能なので。姪っ子の思い出になれば、利益とかいいかなと思って」

    「出店の時にニコニコ生放送でお店の様子を36時間放送していましたが、何人くらいの方が視聴されたんですか?」

     

    最終的に17万人近くの方が放送を見てくれました

    「17万人!? 17万人って千葉県の浦安市民が全員視聴したくらいの人数ですよ! 一体どれほどの売り上げを稼いだんですか!

     

    「うふふ……聞きたいですか?」

     

    「結構な赤字でしたよ」

     

    「なんでー!? 計算おかしくないですか?」

    「出店の2週間前に私が骨折をしてしまい、予想よりもお弁当の生産が追いつかなかったんです。でも、来年やればトントンまでいけそうなので、3年続けて出店しようと決めています」

    「ちなみに、姪っ子さんはイベントの出店を喜んでくれたんですか」

    「最初に言った時は狂喜乱舞して喜んでくれたのですが、それから準備期間を経て、いざイベント!って頃には、もう『ふ~ん』って感じになってました

     

     

    「でも、超会議に出店した時は、お客さんたちがコスプレをして手伝ってくれまして。みんなが楽しそうにしていたので、やって良かったですよ」

    「お客さんが一緒にお店を手伝ってくれるイベントなんて、なかなかないですからね!次回は僕もコスプレをしてお手伝いさせてください」

     

     

    バスる方法とSNSとの付き合い方について

    「最近、『子ども食堂をやります』というツイートが、1,000リツイートくらいされてましたよね」

    「そうですね。子供の虐待に関するニュースを見て、何かやろうと思い立って。今、その仕組み作りを模索しています」

     

     

    「体力的には毎月1,000食子供たちに配ったとしても、お店の利益はそれ以上出ているのでやれるし、その行動を起こせばお店のファンもフォロワーも増えると思うのでいいのですが」

    「けど?」

    「Twitterはあくまで僕の個人的なアカウントとはいえ、もう、こうなってくると弁当屋を超えた発言になっているなと」

    「確かに。フォロワーも12,000人いるわけですし」

    「1,000人で転ぶのと、10,000人で転んだときだとダメージが違うので、肩にのしかかってくる責任を感じることもあります」

    「確かに、規模が大きくなると、トラブルが起きた時に大事(おおごと)になっちゃいますよね。伊藤さんは、フォロワー数が伸びていくことについては、どう考えてるんですか?」

    フォロワー数は信頼と共感の数値だと思うんです。つまり、身元保証みたいな感じではないでしょうか」

    「なるほど。多くの人に信頼され、共感されている人(お店)ですよ、と数字で示せるわけですね。では、SNSがない時代にお店を出していたら、どんな方法でお店を話題にさせました?」

    「う~ん、もともと200円弁当とか3キロ弁当とか、キッチンDIVEでしかやっていない商品を販売してますからね。口コミだろうとチラシだろうと、バズらせ方は思いついていたかもしれないですね」

     

    キッチンDIVEでは毎日、200円という破格の値段でお弁当を販売

     

    1キロ弁当、1キロおにぎりに続く、新商品の1キロカツ丼など話題性が豊か!

     

    「頼もしい……! ズバリ、バズらせるコツって何なんでしょう?」

    「お客さんだけではなく、自分だけでもなく、お客さんとお店が一緒に盛り上がれる方法を考えることじゃないですかね」

    「うわぁ、めっちゃ勉強になります! 最後にこれだけ聞きたいんですが、伊藤さんがSNSを始めて、失敗したコトってあるんですか?」

    「Twitterを始めてからというもの、一日中、ず~~~~~っとTwitterにのめり込みすぎているコトかな」

    「今回の記事、飲食店にとってSNSは有効っていう内容なんですけど」

     

     

    まとめ

    店内にはファンの方たちがプレゼントしてくれた、ぬいぐるみやフィギュアが色んな場所に飾ってあります。愛されてますね~!

     

    というわけで今回は、キッチンDIVEの店長、伊藤さんにSNSの活用について伺ってきました。

    WEB業界で働く身として、想像以上にSNSの使い方を熟知している店長の話は、本当におもしろくてためになりました。

     

    ちなみに僕も、規格外の1キロおにぎりを購入してみました。お値段は500円!

    ※右は比較用に買ったコンビニのおにぎり約100グラム(なんと10倍のサイズ!)

     

    中を切ってみると、こんなにもたくさんの具が待ち構えています

     

    大きいだけじゃなくて、お米も具材もメチャメチャおいしくて、お得ですよ!

    ただし、食べても食べても一向に減らないので、食べ始めて10分後には「絶望」という言葉が頭をよぎります。※僕は食べきるのに1日かかりました 

     

     

    (おわり)

     

    取材協力「キッチンDIVE」

     

     

     

    イーアイデム

    この記事を書いた人

    松岡
    松岡

    1990年生まれ。千葉県八街市出身。元テレビ番組の制作スタッフ(AD)で、現在は株式会社バーグハンバーグバーグ所属の社員。好きな落語家は「春風亭 一之輔」

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