夜行バスによくあること座談会【東京⇔大阪2000円台!?】

2020.03.10

夜行バスによくあること座談会【東京⇔大阪2000円台!?】

JRバス、VIPライナー、さくら観光……夜行バスで飛行機よりも新幹線よりも格安で旅をしよう! 「JAMJAMライナーだとアイマスクと空気枕をタダでくれる」といったお得情報や、「イビキは割り切って楽しむしかない」「サービスエリアでバスを見失う」などのあるあるを座談会で話しました。

人気記事

    こんにちは、ライターの大坪ケムタです。

    仕事柄、各地を飛び回っているんですが、国内旅行を安くあげようと思ったら必要不可欠なのが、夜行バス。

    平日だと東京⇔大阪が2千円台というケースもあります。新幹線や飛行機の三分の一とか四分の一の値段でいけちゃうコスパは魅力的ですよね。

     

    そして乗ってるうちにいろんなこだわりや攻略法が生まれてくるもの……

     

    ということで今回は「夜行バスのプロ」ともいえる人たちにお集まりいただき、それぞれのこだわりやあるあるを教えてもらいました!

     

    大坪ケムタ:ライター、イベンター

    取材やイベント運営で頻繁に夜行バスを利用している。この取材ももちろん往復夜行バス移動。

    スギム(クリトリック・リス):アーティスト

    全国のライブはほぼ夜行バスで、ライブと移動の日々を描いた『BUS-BUS』という曲もある。毎週乗っているため月50時間はバスの中。

    スズキナオ:ライター、アーティスト

    昨年『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』という単行本を刊行。東京から大阪に引っ越した際、寂しくて月4回くらい夜行バスで東京に帰っていた。

    うてなゆき(ネムレス):アイドル

    東西のライブハウスで大暴れするセルフプロデュースアイドル。週に一回は夜行バスに乗っている。

     

    夜行バスのテクニック

    「みなさん、いずれ劣らぬ夜行バスの使い手ですが……どのバス会社を使うことが多いですか?」

    JRバスですね。夜行バスは停留所がターミナル駅から離れてることが多いんですが、JRバスは駅に隣接してるんで便利です。乗り心地もよくて一番スタンダードかなって」

    「ぼくはVIPライナーが好きです。客が眠れるようにめちゃめちゃ配慮してくれてるのがわかる」

    「アナウンスで『椅子全部倒していいですよ!』って言ってくれますよね」

     

    「そうそう、あれがすごく嬉しい。あとVIPライナーの待合所は味噌汁が飲めるのも最高(VIPライナーはVIP LOUNGEという待合所が東京・大阪などにある)」

    「わたしはさくら観光が好きです。なんばにある待合所にはたい焼き屋があったり、バス乗る人はおにぎりが安かったりするんですよー」

    「VIPライナーとさくら観光は安いバス狙う時に自然と名前上がってきますね。便数も多いし、どちらも待合所があるのがありがたい! 初心者にアドバイスとかありますか?」

    バスってトランクに入れる荷物のサイズに決まりがあるんですよね。以前、自分のキャリーバッグが大きすぎてトランクに入れてもらえなかったことがありました。平日で余裕がある時だと入れてくれたりもするんですけど」

    「機材とか荷物に関しては調べたことがあって、いちばん大きいの載せてくれるのはVIPライナーですよ(公式サイトによれば縦横高さの合計155㎝以内)」

    「わー! めっちゃ有益な情報!」

     

    「車内で快適に過ごすためのグッズがあると便利ですよね。例えば枕とかアイマスクとかは使います?」

    JAMJAMライナーだとアイマスクをタダでくれるんですよね。ぼく頭がデカいんで、普通のやつだとキツいんですけど、あそこのは好きなんですよ、ゆるくて。すごいフィットする」

    「アイマスクと空気枕の時もありますよね。車両によるのかな?」

    「わたしもあそこの枕使ってる!」 

    「枕だと無印良品のビーズが入ってるやつもいいですよ。空気入れるのに比べたら持ち運ぶ時かさばるんですけど、リュックにぶら下げてると旅人気分で威張れます」

    「わたしが欠かせないのはマスクかな。喉が乾燥しないようにってのもあるし、周りのにおい対策ってのもあります。わたし、香水がキツイ人がいると悪夢見ちゃうんですよ……」

    「そんな人いるんだ」

    「あとグッズだと腰用のクッションを使う人もいますよね。たしかに長い時間バスのシートに座ってると腰を痛めがち

    「夜行バスの初心者はシート全倒しにする人が多いんですけど、自分に合う角度はちゃんと探したほうがいい」

    全倒しがベストだとは限らないと」

    「そう。ちょうどいい角度を探して、あとは椅子と腰の間にできる空間を埋めると楽になる。自分は何日間か滞在する服を巾着に入れて腰の隙間に挟んでます。めちゃめちゃ快適です」

    「わかる!わたしはひざ掛けを借りて腰の隙間に挟んで、上着をひざに掛けてます」

     

     

    隣に座る人

    「夜行バスって知らない人と夜通し一緒に座るわけですが……こういう乗客はイヤだってのはありますか?」

    いきなりシートを全倒ししてくる人とか、ニオイのキツい人とか。いますね、たまに」

    「ぼくはあまり迷惑な人には当たったことないなあ。むしろ寝てる時に自分がイビキかいてないかとか、どれだけちゃんとしてるか心配

    「寝てる時にいきなり叫ぶ人いるよね。『ウワァァァーッ!!』って叫んで起きて、何事もなくスッとまた寝る」

     

    「そんな怖いことあったら、こっちはもう朝まで眠れない!」

    「うてなさんはこの中で唯一の女性ですが、嫌な思いをしたことは?」

    「あんまり変な人にはあたったことないですね。夜行バスって女性専用車があったり、男女乗るバスでも女性だけで座席が固められたりするんで、まだマシなのかも。たまにヘアアイロンで髪巻き始める子とかいるけど」

    自宅並みにリラックスしてる人いますよね」

     

    隣の乗客とはあまり関わりたくないというか、他人でいたいじゃないですか。でも先日、東京から大阪に向かう夜行バスで、隣の人から『スギムさんですよね!』って声かけられたんですよ。しかも『これからスギムさんのライブ見に行くんです』って」

    「エーッ! 8時間近く隣にお客さんがいるって、気まず過ぎる!」

    「お客さんだから冷たくしたくないし、でも普通に喋るには8時間は長すぎるし、すごく変な空気になってしまった。『せめて降り際に声かけてくれれば……』って思った」

    時期によっては乗客が少なくて、隣が空席って時もありますよね。その時はラッキーってなりません?」

    「乗客が少ないと嬉しいですけど、以前2人しか客がいなかったことがあって。こんな少人数のためにアナウンスしてくれると気を使っちゃうし、『商売なりたってるのかな?』と心配になったんで、少なすぎるのもイヤかな」

     

    「一般的に隣の乗客に困るというと、イビキがうるさいとかありますよね?」

    イビキは悪意じゃないからしょうがないですよ。ヘッドフォンで防御してる人とかいますけど、ぼくは音楽聞いてると寝れなくなるから何もしてなくて。もう『楽しむしかない』って割り切ってます」

    「防御のためのヘッドフォンから漏れる音楽が、逆に周囲からすると気になったりするから、音に関してはほんと難しい」

    「ナイロン素材の服着てる人の『ショアッ、シャワシャワ……』っていう衣擦れが妙に気になったりね」

    「音でいえば、網棚の荷物についてるキーホルダーが揺れて、小さい音で『カン カン カン カン カン……』って定期的に鳴ることないですか?」

    「ある! あれは気になりだすと本当に地獄」

     

    「朝4時くらいにアラームが『ピピピピ、ピピピピ…』って小さい音で鳴り続けるのとかありますよね。そしてアラーム慣らしてる本人だけが寝てて、周囲は起きてしまうっていう」

    「あれはもう『毎日この時間に起きてるんやな~』って想像して、優しい気持ちになるしかない」

    「アラームで起きてないんだから、まあまあ遅刻する人なんだろうな」

    「細かいイラッというのはありますけど、夜行バスを使う時点で多少の不満は納得済みということで。あまり極端にムカつくことはないですよね」

     

    眠れない……

    「夜行バスでの『あるある』というと『なかなか寝つけない』だと思うんですが……眠れない時、めっちゃ暇じゃないですか?」

    「走り出したらすぐ消灯して真っ暗になっちゃうから、光がパカーっと点いたスマホ見るのも周りに迷惑ですしね」

    「カーテンでしっかり仕切られてるバスなら、スマホくらい見れなくもないけど。無駄に眼を覚ますよりも寝れるもんなら即寝たい」

    「眠れないとキツイですよね。ずーっと何か考えるしかないから、真っ暗闇の中で『自分はなんで生まれてきたんだろう……』とか考えてしまう」

     

    「生きてれば良いことあるよ……」

     

    「寝るためにお酒に頼ったりしません? ビールとかチューハイだとトイレ行きたくなるんで、バランス大事ですけど。ただ、車内飲食禁止というバスもあるんで、バスに乗る前に飲んだり、サービスエリアで軽く飲む」

    「軽くならいいですけどね。僕はライブ後の打ち上げで結構飲んでから乗ることもあるんですが……一回ベロベロ過ぎて乗車拒否されましたよ」

    「『そういう人いるだろうな』とは思ってたけど、ここにいたんだ」

    「『お酒くさいんでちょっと困ります』って断られましたね。みなさん、夜行バスに乗る時は飲みすぎないように気をつけましょう」

     

    「わたしは寝つきがいいからか、『夜行バスがイヤ』って感覚がないですね。現代のワープツールだと思ってます」

    「寝て起きたら一瞬で目的地にワープしてるってこと?」

    「はい。普段が忙しすぎて4時間くらいしか寝てないから、『長く寝れる』のが嬉しい。新幹線と違って仕事できる状況じゃないんで、『眠るしかない』という言い訳のもとにグッスリ寝てますね」

    「羨ましい。夜行バスって2時間か3時間おきにサービスエリアでトイレ休憩あるじゃないですか。あそこで照明が明るくなってすぐ起きちゃう」

    「あるある」

    「バス会社によって、前のカーテン開けるだけのところとか、小さい電灯を点けるだけとかありますけど……荒いところはすべての電灯をギンギンに点けた上にアナウンスまでするから、目が覚めてしまう」

    「サービスエリアといえば、バスから降りてトイレ行ったあと、戻ってきて自分が乗るべきバスが見つかるかどうか、毎回めっちゃ怖くないですか」

     

    「似たようなバス、山ほど停まってますからね」

    「わかる! 『黄色のバスの隣、黄色のバスの隣』って覚えてたのに、戻ってみたら黄色のバスは先に出ちゃってて迷子になったり……」

    「うてなさんの移動というと大体ライブのためってことが多いと思いますが、夜行バスって、朝6時とか7時とかに到着しますよね。例え昼くらいのライブだとしても暇を持て余すのでは?」

    「バスが着いたら、早朝でもやってるガストとかやよい軒で朝ごはん食べて、細々した用事をしてるうちに、ライブハウスの入り時間になりますね。なので暇ではないかな」

    「寝ないでそのままライブやってるの!? 体力すごいな!」

     

    最後に

    「そろそろこの座談会を締めたいと思いますが……みなさん、夜行バス好きですよね?」

    「当たり前」

    「大好きです」

    「無いと生きていけない!」

    「そんなみなさんに最後の質問です。交通費を潤沢に使ってもいいと言われた仕事の時でも、飛行機や新幹線ではなく、夜行バスに乗りますか?」

    「………………」

     

    「あれ?」

    「いや、値段の安さはバスの魅力として切り離せない……。新幹線の半額くらいで行ける、というのが好きな理由でもあるんで。スケジュールや予算見て使い分けるかなぁ」

    「現実的」

    「新幹線で移動したって言うと、『バスの歌うたってるのに?』って言う人もいるんですけど、そこは新幹線も乗らせてくれ! 別にバス会社にお金もらってるわけじゃないんで!」

    「わたしは夜行バス大好きなんで、バスを選びます。飛行機や新幹線じゃないと時間的に厳しいって時は仕方ないけど。今は自分には夜行バスがお似合いって勝手に思い込んでます」

    「ぼくは、夜行バスはあくまで“選択肢としてありがたい”って感じなので、必ずしもバスを選ぶとは言えない。シーズン真っ最中だと8000円の席しか残ってなかったりするから、それなら新幹線にするかな」

    「1万円に近づいてくると、考えちゃいますよね」

    「そもそも新幹線が嫌いなわけではなくて、むしろ好きなので。でも、たまには夜行バスのあの雰囲気、人生について考えるあの夜はいいなって思います。うまく眠れれば最高なんですよ……」

    「効率でいえば間違いなくベストなんですよね。睡眠時間=移動時間にあてられるわけですから」

    「夜行バスがなければ、今の活動は絶対出来てないんですよ。お金がない人とか学生に夢を与えてるじゃないですか! 2~3000円で東京行けるって」

    「それは言える! 我々みたいな活動してる人間にも本当に大事な存在」

    「わかりました。では、バスは絶対ではないけど、あればありがたいし、助かってる人はたくさんいるということで! 今日はありがとうございました」

     

     

    ということでお送りした「夜行バスあるある」、共感してくれた人も多いんじゃないでしょうか。夜行バスが向かってるのは目的地だけでない。あなたの夢にも向かっているのだ……だから4列シートでも頑張ろう!

     

     

    *出演者のバスに関する発言は個人の感想です。また出て来る情報に車両や時期による違いがある可能性があります。

     

    撮影:大坪ケムタ、ラミー(UNDERHAIRZ)

    イーアイデム

    この記事を書いた人

    大坪ケムタ
    大坪ケムタ

    1972年佐賀県生まれ。アイドルとかプロレスとかエロとかの雑文屋さんだったはずが、気づけば年間100本トークイベントやってたので、最近は「ライター/イベンター」が肩書です。帽子おじさん。

    大坪ケムタの記事をもっと見る

    オススメ記事

      こちらの記事もオススメ