こんにちは、ライターの大坪ケムタです。

一年経ってもコロナに振り回されっぱなしの日常ですが、社会人以上にしんどそうだな~と思うのが学生たち。リモート授業ばかりだとか、就職活動もままならない大学生はストレスが溜まりまくっているのでは?

 

というわけで今回は、コロナに対する愚痴をぶちまけたい現役大学生を募集して、思う存分語り合ってもらいました。

 

▼登場人物(※全員初対面)

おさださん

都内の大学3年生。コロナで打ち上げ出来ないのがつらい

さかなさん

女子大2年生。コロナでBTSのツアー行けなかったのがつらい

すずさん

食品系の大学2年生。コロナでディズニーもお祭りも行けなくてつらい

小麦粉太郎さん

ドイツのH大学留学中。海外なのに何も出来ないのがつらい

 


大坪ケムタ

この記事のライター。コロナに対する現役大学生の愚痴を聞きたい

※情報はすべて取材時2021年2月時点でのものです

 

■緊急事態宣言下、どんな学生生活してる?

「まずは自己紹介がてら、皆さんの大学での近況を教えてください!」

「僕の場合は、しばらく先生にも生徒にも対面では会えてないですね。ZOOM(オンラインミーティング用アプリ)で授業を聞いたり、送られてきた課題を読むだけの、いわゆるリモート授業です」

「わたしもそうですね。学科によっては実習があるので学校に行くこともあるみたいですけど、わたしは全部リモートで、今年は一度も行ってないです」

「わたしは来年から研究室に配属になるんですが……去年は1年で15日くらいしか学校に行けてなかったので、ぜんぜん会ってない人といきなり同じ研究室でやるのかと思うと不思議な気持ちですね」

「今は座学系はぜんぶリモートで、ある程度体験が必要な実験・実習系だけ学校に行って受ける感じですか?」

「はい。わたしは食事関連の学科なので実習の授業もあるんですけど、例年に比べると大幅カットですね。人数制限してフェイスシールド着用とか、決まりがあるので時間が倍くらいかかったりします」

「僕が在籍しているのはドイツの大学なんですが、ロックダウンで全部リモート授業! せっかく学びたいことがあって海外まで来たのに、ほぼ学校の土を踏めてないです」

「うわ、つらいですね。ドイツのコロナ事情ってどんな感じなんですか?」

「国からの『リモートやらないと許さん!』みたいな空気が強いんで、リモート化がめちゃめちゃ進んでます。今住んでるのはドイツでも比較的大きい街なんですけど、通勤時間でも電車には2~3人しか乗ってない。マスクにも厳しいし」

 

小麦粉太郎さんが暮らすドイツの街・シュトゥットガルト

 

「日本の都心はフツーに満員電車だもんなぁ……」

「街中で開いてるのがスーパーとドラッグストアくらいで、レストランとかも開いてないから毎日自炊です。美容院も開いてないので、“闇美容室”みたいなところもあるらしいです。暗号言ってお店に入るみたいな」

「髪を切るのが麻薬取引みたいになってるじゃん!」

 

この一年の授業はどんな感じ?

「さてみなさんの近況を聞いたところで、まず授業についての大変さを聞かせてください。対面の授業からリモートに変わって、何が大変でしたか?」

「わたし達も突然のオンライン授業で慣れてなかったんですが、それ以上に先生もZOOMに慣れてなくて。授業にならないこともありましたね」

「あるある。生徒も先生も両方ZOOMに慣れてない。特に高齢の先生は四苦八苦してらっしゃいました」

 

「ある先生が音声確認のためにZOOMで『みなさん聞こえてますか?』って声をかけたんですけど、みんなシャイなんで誰も答えないんですよ。最初の頃は10分くらい『あれ? 聞こえてないのかな……あっれ~?』みたいな時間がありました」

「先生かわいそう!」

「でも何十人も授業を受けてる中で、自分だけが『聞こえてまーす』って声を上げるのは恥ずかしいですよね。誰か別の人が言うだろうとも思っちゃうし。気持ちはわかる」

「そもそも生徒側は、自分たちのマイクはミュートにしてたりしますからね」

「慣れてくると、聞こえてる証拠としてマークを出したり、チャットで確認したりするんですけどね。お互いリモート授業を学ぶ過程で、無駄な時間をとってしまったなと思います」

 

先生ごめんなさい!

 

「オンライン授業の厄介な点として、電波の状況によって授業の快適さが変わってくるっていうの、ないですか?」

「ある! カクカクで何を言ってるのかわからない時、ありますよね」

家にWi-Fiを引いてない人もいますよね? その場合はギガをめちゃめちゃ消費するんだろうな……お金がかかってしょうがないですね」

 

お金は例年よりかかってますよね。スマホを無制限のプランに変えた人もいるし、マイクやWEBカメラを買った人もいるし」

「授業や試験の質という点ではどうですか?」

「試験でいうと、外国語だったら今までは筆記とスピーキング、あと聞き取りだったんですけど、コロナ以降はスピーキングだけです」

「オンラインの試験ってカンニングを防止できないから、スピーキングだけになるのは仕方ないのかな」

「スピーキングも、電波の悪い生徒はブツブツ途切れちゃうっていう……これで悪い点にされたらかわいそう」

「自分の部屋で授業を受けられるわけですから、楽になったといえば楽になったんですけど……勉強が身についてる感じはしないですね。うわべだけの学習になってるんじゃないか?っていう不安が拭えない」

 

オンライン授業って、先生によって講義の質が違いすぎるんですよ。慣れた先生はスライド・音声・課題って充実してるけど、別の先生はプリント1枚渡して、あとは教科書読んどいて、みたいな。そういう授業はあんまり覚えてない……」

「これで授業料は同じなの!?って思ってしまいますよね」

「先生も今までとはまったく違った能力が求められちゃうんで、授業の質の低下はもう納得するしかないですね。質の低下を量でカバーする感じ」

「量というと、例えばどのように?」

「今はほとんどの授業で、感想を200字以内で書かなきゃいけなかったりするんですよ。授業翌日の24時までに出さなきゃいけない、みたいな」

オンラインの授業は、サボろうと思えばいくらでもサボれますからね。マンガ読んでてもバレないわけで。感想が必要というのは、ちゃんと授業を聞いていたかの証明ってことでしょうね」

「うちもオンラインになってからは課題がめちゃめちゃ出るようになって、今は全授業で課題が出てますね。だいたい一週間後が締切なので、22時にバイト上がって帰ってきてから23:59までに慌てて送ってます!」

 

「じゃあみなさん、オンラインのみの授業はやはり学力が身についているか不安って感じですかね? メリットはない?」

「不安のほうが大きいですね。逆に、オンラインの授業で何の問題もないなら、今までの対面授業って何だったんだってことになるわけで」

「不安がゼロってことはないですが、部屋で授業が受けられるっていうこと自体は、気楽で良いです。服も気を使わなくていいし」

「僕らの学校はオンデマンドで好きな時に授業が見れるタイプなんですよ。『授業用に作られた動画を見る』みたいな感じですね。この方法だと、わからなかった部分を巻き戻して聞き直せるっていうメリットは感じてます」

「わたしは学校が遠いので、毎日登校するのも大変で…。なので、リモートのおかげでかなり楽になりました。とはいえ、大学のために一人暮らしを始めたので、そのお金は無駄になっちゃったなと」

「オンラインなら実家からでも受けられますからね」

「というわけで、もう部屋を解約して実家に帰ることにしました。帰った途端にオンライン授業が廃止されて対面になったら損だなと思ってたんですけど、大学からは『対面できない生徒にも配慮はします』と連絡があったので」

「僕なんかドイツまで来て、まだ部屋とスーパーの往復くらいしかしてないですよ。僕も日本に居てもよかったなって思ってます。日本なら知り合いもいるし、勝手もわかってるし……」

「でもドイツと日本だと、気軽に『もう帰っちゃお~っと』とはいかないから、居続けるしかないですよね。つらすぎる……」

 

就活には影響があったのか?

「就職活動に関しては、コロナの影響は何かありました?」

「僕はまさに就活の真っ最中です。インターンシップも会社体験もオンラインで説明を受けて、初対面の人たちとグループワークやってください、みたいな感じですね。モニターに全員顔が見えてる状態で質問の手を上げるのとか、気恥ずかしいです」

「あとネット越しに、しかも画面に何十人も写ってる状態だと、たぶん顔とか名前とか覚えてもらえないですよね」

「わたしもオンライン説明会とか参加してみたんですけど、ネット越しに対応してる社員さんって、オンラインだとずっとギャグが滑りがちなんですよね……」

「和まそうとはしてくれてるんでしょうけどね。オンラインで笑いを取るのって難しいから……」

「『弊社ではこういう事業もしていまーす』って明るく喋ってくれるんですけど、他の参加者の顔が真正面から見えてる状態じゃないですか。牽制しあって真顔でしか見れないんですよね。それがつらいです」

 

真顔

 

「ぼくは日本の大きな会社のオンライン説明会を覗いてみたんですが、『誰でも参加できます』っていう気軽さを打ち出してました」

「オンラインの利点を活かした説明会だったんですね」

「でもチャットを見たら『年収いくら?』『ブラックですか?』とかの質問が飛び交ってて、すごく民度が低かった! 敷居を低くすることでこういう弊害も出るのかと」

「そんな質問で時間をとられたら、本気でその会社を受けたい人はマジむかつくでしょうね」

「でも、リモートでの説明会や面接なら、ドイツにいながら日本の会社を受けられるんで、メリットはあるんですよ。時差があるんで、夜中の3時にちゃんとした服を着てスタンバイしなきゃいけないのは大変ですが」

「これは地方の人が東京の会社を受けたいとか、逆に都心に住んでて地方の会社を受けたい人とかにもメリットがありますよね。交通費がかからないので」

 

「求人の数自体はどうですか?」

「やはり例年よりは少ないのではないでしょうか。先輩にも『今年は厳しいだろうけど』って言われましたし。企業側もコロナのせいで生き残れるかどうかの瀬戸際ですからね……」

「授業がオンラインだったので、企業に『2020年の卒業生は学力が低いんじゃないか』と思われてたらイヤだな」

「オンラインだと授業をサボりやすいという話がありましたけど、逆に言うとそういう状況でちゃんと勉強してた人は、誘惑に負けずに自分を律する能力があるとも言えるのでは……」

「そう考えると、むしろコロナ年代の学生は例年より真面目な気がする。ちゃんと勉強しないと際限なくサボれちゃう恐怖を知ってるから」

 

コロナ禍の中での恋愛&友達事情は?

「大学といえば、勉強をするだけでなく人とのコミュニケーションを学ぶ場でもありますよね。恋愛や友達付き合いは、コロナで変化がありましたか?」

「ぼくがやだなって思ってるのが“よっ友”が作れないってことです」

「よっ友??」

 

よっ友の「よっ」

 

「関係値が深いというほどじゃないけど、会ったら『よっ』て挨拶くらいはする友達のことです。そういう距離感の人としゃべる機会がなくなって疎遠になっちゃったんですよね」

「それくらいの距離感の友達って……要ります?」

「ぼくの学科はチームでプレゼンする機会が多いんですよ。挨拶すらしたことがない人とチームになった場合、コミュケーション的にスムーズにいかないっていうのがありますね」

「わかる。授業外でコミュニケーションとったことがあるかどうかって、チームでやる場合は大事だと思う」

「コロナ前は、チームのプレゼンが終わったら一緒にご飯食べに行ったり打ち上げして、そこで仲良くなることも多かった。でもオンラインだとプレゼンが終わったらそこでサッと解散。打ち上げとかないんですよ」

 

「ZOOM打ち上げとかやらないんですか? 僕は結構やってるんですが」

「ないですねえ。オンラインだけの関係だと『何か用事がある時だけ連絡する』ってことになりがちで。『ついでに』打ち上げやろうよ!ってことにはなりにくい」

「『何か用事がある時だけ連絡する』って、すごいわかる。そして、学校って『どうしても連絡を取らなきゃいけない用事』ってほぼないから、ずっと連絡しない」

「一年前、コロナ直前に『みんなまた春休み明けに会おうね~』って言ってそれっきりですもん」

 

「ぼくは自分でサークルを立ち上げてたんですが、授業すら通えないんだから、当然サークル活動とかも無理で。部員が20人くらいいたのに、まったく活動できてないですね」

「おさださん以外の19人でこっそり活動してる可能性は……?」

「どう育ったらそんなひどいこと思いつけるんですか?」

「粉太郎さんはZOOM飲みしてるんですよね?」

「コミュニケーション取ったほうがいいと思うので、ZOOM飲みはしてますね。すごい綺麗な女性とかが参加してると、授業があったらこの人と実際に会えて仲良くなってたのか……と思って悲しくなります」

「仲良くなれるのは確定なの……?」

「そこは夢を見させてください」

「とにかく関係値が深くなるきっかけがないって感じでしょうか。オンラインで仲良くなっても、そこから広がらないというか。中には恋人に会えないといった不満があるかたもいるのではないでしょうか」

「わたしには、地方に住んでる遠距離恋愛の彼氏がいるんですけど、首都圏を怖がって全然遊びに来てくれません。せっかく一人暮らしなのに、夏休みとか長期休暇すら会えなくて……寂しいです」

「かわいそう」

「たまの休みに彼氏が家に来たりして楽しい一人暮らしになる予定だったのに。でも今は仕方ないですね……」

 

「本来なら大学時代って人生で一番楽しい時期ですよね。バイト始めたり、一人暮らしを始めたり、恋愛したり。そこでできた関係が一生続いたりもするし。そういうのがコロナのせいで取り上げられちゃったっていう……」

「まあ仕方ないですね。世界中がこんな状態ですから」

「人間できてるなぁ……。恋愛で言うと、周りでコロナきっかけで別れたって話はありますか?」

「うーん……」

「あまり聞かないですね」

「別れたとかの話もあるのかもしれないですけど、学校に行ってないんで、『アイツとアイツ、付き合ってるぜ』『別れたらしいよ』みたいな噂も聞かなくなりましたね」

「それは本当にありますね~。他愛もない噂話をしてた頃が懐かしい」

 

学校外のプライベートに変化はあった?

「学校の外でコロナの影響を感じることはありますか?」

「わたしはファミレスのバイトをしてるんですけど、この一年で営業時間が二転三転して大変でした! シフトによって生活サイクルが変わったりするので」

「営業時間自体も短縮されてたりしますから、その分バイト代も減りますよね。でもお客さんが少なくなったから、楽なのでは?」

「いえ、逆に仕事は死ぬほど増えたんです。アルコール消毒みたいな対策系が増えたし、減ったお客さんをどうにか増やそうとして色んな指示が来ます。コロナ前よりストレスが増えました

 

「プライベートで言うと、BTS(韓国のアイドルグループ)の世界ツアーに行くつもりが、公演中止したのは残念でしたね……。配信ライブで見れたけどやっぱり生で見たかった!」

「配信だと物足りない?」

「配信は通常ライブより安いし気軽に見れるメリットはあるんですが……本物にはかなわない!」

「わたしはディズニーランドが好きで、ハロウィンはそこで仮装するのを生きがいに毎年生きてたんです! その時しか会わない友達もいるんですけど、今年は会えなかったのが残念でした」

「仮装の時だけ会う友達ってすごいな」

「小麦粉太郎さんはドイツで楽しみにしてたことないんですか?」

「本場のオクトーバーフェスト(世界最大のビール祭り)に行くことを楽しみにしてましたが、行けなかったのが残念でしたね。まあ僕の場合はオクトーバーフェスト以前に、ずっと家だからドイツという国自体をまったく楽しめてないです」

 

粉太郎さんは、現在は暇な時間を利用してビール作りにハマっているそう(ドイツでは個人での消費目的であればビールを自宅で醸造することが許されている)

 

「僕はコロナのせいでプライベートに良いこともあって。ずっと友達とバンドやってたんですけど、今は集まるってのがよくないねっていうんで活動を辞めたんです」

「それが良いこと……?」

「いえ、バンドがやれないならってことで、パソコンで曲を作るようになったんです。その曲をネットで販売したら、アメリカ人が1曲だけ買ってくれたんです。4万円投資して2500円返ってきたんですよ!」

「回収はできてないとはいえ、それは嬉しいですよね~!」

「音楽は長くやってたんですけど、お金になったのは初めてだったんで小躍りしちゃいましたね~」

 

「今日は長い時間みなさんに愚痴を聞かせてもらいましたが、最後に、コロナが落ち着いたらやりたい事を教えてください」

「やっぱり普通に人に会いたいですね。今ドイツだと人と会うのが1対1以上だとだめなんです。近所の人は4人くらいでBBQしてて、警察に通報されてました」

「BBQで通報されるの!?」

「コロナが終わったら、人に会ってビールをたくさん飲みたいです。せっかくドイツに来たんで、色んな人と!」

「僕はコロナが終わったら友達と飲みに行ってうわさ話を聞きたいですね! 他愛ないゴシップ話は、やっぱり居酒屋でしか聞けないから。そういう“日常”が戻ってほしい

「わたしは、本来なら春から中国に留学する予定だったんですけど、なくなってしまって……早く行きたいところに行ける社会になってほしいです。そしてBTSを生で見たい!!

「わたしはディズニー行きたい! そして授業もバイトも頑張りたい。長い人生を振り返ったときに、あの一年で得たことがプラスだったなと思いたいです」

「このつらい期間を乗り越えた経験って、絶対プラスになるはず! みなさんこれからも頑張ってください!」

 

■まとめ

この記事のためにツイッターで「愚痴を言いたい大学生」を募集したところ、予想以上の応募がありました。みんな言いたいことが溜まってたんだなあ……

 

コロナという、人類が始めて遭遇した未曾有の危機……直面した世代ならではの学びが必ずあるはず。みなさん応援してます!

 


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今回応募していただいたものの、希望者が多すぎて座談会に参加出来なかったみなさんからも、愚痴エピソードを教えてもらいました。↓↓↓下の画像ギャラリーで紹介しているので、見てくださいね!