みんなのハンドルネームの由来を聞いてみた

2021.09.07

みんなのハンドルネームの由来を聞いてみた

インターネットで活動する際の「ハンドルネーム」。その由来やつけ方など、本名活動する側とHN活動する側とでいろいろ見て話し合ってみました。

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    こん~^^ 株式会社バーグハンバーグバーグの加藤亮です。

    読者のみなさん、いつもジモコロを観ていただいてありがとうございます!

    この媒体をご覧の方は、ちょっとした違和感があったりしませんか?

    そう…。

     

     

    編集長の名前が

    「ギャラクシー」

     

    なんだよ、銀河って。アメコミでチート能力持ってるヴィランか?

    もちろん本名ではないんですが、インターネットではこうした本名以外の名前、いわゆる“ハンドルネーム(HN)”を使って活動するライターが多く存在します。

    今回の記事では、彼らがなぜそんなハンドルネームを付けたのかをそれぞれ聞いてみたいと思います!

     

    登場人物

    加藤亮|編集者

    本名で活動する編集・ライター。

    ギャラクシー|ジモコロ編集長

    ハンドルネームで活動する編集・ライター

     

     

    ライターなどから聞いたハンドルネームの由来を2人で読み合っていく

    「ギャラクシー」の由来

     

    バーチャファイターという格闘ゲームの大会に出る時、名前をつける必要があった。当時は『新宿ジャッキー』とか『池袋サラ』のように、『地名+使用キャラ(その地域でそのキャラを使ってる中で一番強いという意味)』的な名前が多かったので、僕は「銀河系で一番強いサラ」の意味で『銀河サラ』とつけた(大会は一回戦で負けた)
    それから10年くらい経ってニコニコでゲーム実況を始める時、銀河を英語にして『ギャラクシー』と名乗り、現在に至る。

    ニコニコでも『銀河』で良かったのでは?

    いや、銀河サラの時は顔出しで大会に出てたんで、ニコニコで顔バレしたらイヤだなと思って。当時は顔を出す予定はなかったから。

    でもギャラクシーって名乗るの勇気いるな。

    えっ!? カッコいいのに!?

    アメコミヒーローのカッコよさなのよ。

     

    「ARuFa」の由来

    ハンドルネームの表記が独特なことでお馴染みのARuFa

     

    中学1年生の頃にチャットにハマっていて、当時使っていたハンドルネームが「アルファ」でした。
    「アルファ」にした理由はそこまで記憶してないですが、多分かっこいいと感じたからだと思います。
    ただ、「アルファ」というのは結構単純な名前なので他にも同じ名前の人がチャットルームにたくさんいて、人違いが多々あったので差別化を図るために「ARuFa」というつづりにしました!
    当時はまさかその後15年以上使うとは思わず、今では多くの人から「大文字と小文字を混ぜるな」というご意見をいただきます。GoMeNNaSaI……

    中学生の頃に付けた名前で、今も活動してるってすごい。

    同じ会社の同僚なので頻繁に名前を入力することがあるんですが、最初は『ARuFa』を文字入力するの、めちゃめちゃ面倒くさかった。

    会社の人はみんな辞書登録させられてる。もうARuFaって手で入力したくない…。

    でもこのややこしい表記ならエゴサーチしやすそう。

    ぼくは、「加藤」だとエゴサできないですからね。

    加藤は多そうだな……。誰が出てくるんですか? 加藤登紀子?

    加藤登紀子は稀です。だいたい極楽とんぼの加藤が出てくる。「スッキリ!」で何か言うから。なので「加藤亮」というフルネームにしたんですけど、ジャニーズの加藤シゲアキが「加藤成亮」名義で活動することがあって、それが引っかかるんですよね…。

    エゴサを完全にコントロールするって難しいね…。

     

    「かんち」の由来

    寿司職人ではなくライター・ディレクターのかんち

     

    高専の寮生活をしていた16歳当時、友人からは本名をもじって「かんちゃん」と呼ばれていました。
    ある日、寮の談話室で友達と数人と「めちゃ×2イケてるッ!」を観ていると、ドラマ「東京ラブストーリー」のパロディコントが始まったんです。その中でドラマの名台詞「カーンチ、セックスしよ!」がテレビから聞こえてきて、一瞬で僕のあだ名が「かんち」に決定しました。
    ハンドルネームはそれまで「ごま塩」と名乗っていましたが、本名以外に2つの名前が存在するのが気持ち悪いと思いはじめたので、ハンドルネームも「かんち」にしました。

    東京ラブストーリーから来てたんだ!?

    かんちさん自身は東京ラブストーリーを観てなかったそうですが、バラエティのパロディから知って付けたんですね。

    本名もじり系というか、あだ名をそのまま使う人って多いですよね。イヤラシさがないし、奇をてらってる感じもない。好感度が高い名付け方。

     

    「ヨッピー」の由来

    サッカー選手ではなくライターのヨッピー

     

    「ヨッピー」は中学生の時のあだ名から。名前が「ヨシタカ」なので……。
    ついでにTwitterなんかのIDに使ってる「yoppymodel」はその中学生の時に「P-MODEL」が一瞬流行って、友達が何故か「ヨッピーモデル」などと呼び出した事に由来。40歳を超えた今、「いつまでヨッピーを名乗って良いものか……」と悩んでいるそうです。

    ヨッピーさんもリアル友だちからのあだ名ですね。

    P-MODELて! おしゃれかい!

    あだ名で「モデル」ってつけられることないですよね。

    ヨッピーさんのハンドルネームも、あだ名由来系ですね。ただ『ヨッピー』って名前は競合が多そう。

    アナウンサーのよっぴーさんとか、モデルの人でもいますよね。

    「そんなに強力な競合がいるのに、Google検索ではカタカナの『ヨッピー』はもちろん、ひらがなの『よっぴー』でも検索TOPにくるのがすごい。“ヨッピー界”制してる」

     

    「凸ノ」の由来

    ジャンプ作家としても活躍する凸ノ

     

    学生時代に友人が時々、本名をもじって「凸チン」と呼んでて(今思うと下ネタですね。イジられてますね)

    それそのものは全く定着も何もせず忘れ去っていたのですが、ペンネームを付けるときに思い出し「凸って文字をペンネームに付けてる人っていないしインパクトあるんじゃないか?」と採用することにしました。

    「ノ」は本名からとってます

    そして今となっては「初見で読めない」と悩んでいます。

    余談

    ペンネームの「凸ノ高秀」はハンドルネームと本名のミックスなのですが、ホ◯プロの社員さんで数々の芸能人の芸名を付けていた人とたまたま飲み屋で知り合い、色々アドバイス貰った結果、合体させることにしました。

    凸ノさんもあだ名由来ですね。

    「凸」って字が名前に入るって、なかなかない気がする。最初は読めないですよね。「デコノ」とか。

    そもそも「ちゃんと読まれない」ってハンドルネームでよくありますよね。

    『鬼滅』の作者・吾峠 呼世晴(ごとうげ こよはる)先生も、最初ぜんぜん読めなかった。

     

    「カメントツ」の由来

    「こぐまのケーキ屋さん」やルポマンガでお馴染みのカメントツ

     

    10年以上前、2ちゃんねるで実況探索をしたんですが、顔バレしないように手作りのマスクを装着したんです。その姿を一部の人が面白がってくれて、

    「仮面をかぶって突撃する人」

    「仮面で凸」

    「仮面凸」

    という風に呼ばれるようになったのがきっかけです。

    その後、オモコロで漫画を描く事になるのですが、当時すでに漫画家の「凸ノさん」が活躍されていましたので「”凸”被りはややこしいな〜」と思い、カタカナ表記のカメントツにしました。

    現在大学で教員をやっているんですが、わりとしっかりした会議やフォーラムでも「カメントツさんは〜」と呼ばれる面白さをジワっと感じています。

    「凸する」ってネット的でいいな。たしかに当時、みんなそんな言葉を使ってた気がする

    狭いオモコロの中で、しかも漫画家で、『凸』の字がかぶるってあります?

    仮面といい名前といい、結構自分の特徴を前面に出していて、キャラクターがわかりやすいのって重要ですよね。

    誰もが知るパーツを組み合わせて他にない名前にしてるの、才能を感じる

     

    「かまど」の由来

    ショコラティエではなくライター・編集者のかまど

     

    大学生の頃に落語研究会に所属していたんですが、そこで名乗る高座名(=ニックネーム)として先輩から名付けられました。

    落研のOBに「窓竹」「佳乃」という名の人がいたらしく、「それから一文字ずつとって佳窓(かまど)ってのはどうだ!?」と先輩に言われ、特に何も考えずに返事をしたら流れで決まってしまいました。まさかその後10年以上使い続ける名前になるとは。

    学生時代はほぼ落研の人としか会わなかったので高座名で呼ばれることの方が多く、当時mixiなどのネット活動もこの名前を流用していたので、リアルでもインターネットでも本名以外に使うならこの名前が一番馴染みが良く、今でもそのまま使い続けています。

    かまどって、佳窓←こういう漢字だったんだ! 全然知らなかった!

    『鬼滅の刃』の竈門炭治郎(かまどたんじろう)からとったんだと思われてそう。

    僕は、かまどくんの彼女が「マドカ」とかそんな名前で、『彼女の名前をもじってハンドルネームにしてる痛いやつ』だと思ってました。今日、由来を聞くまで。

    そんなことある?

    この名前、歳をとっても使えるのが羨ましい。由来もちゃんとあって良い名前だな~!

    時代が関係ないのもいいですね。日本語として暖かみがあるし。

     

    「モンゴルナイフ」の由来

    怪異ではなくライター・ディレクターのモンゴルナイフ

     

    某アウトドアブランドの名前を名乗っていたのですが、途中で改名して
    モンゴルナイフになりました。全然モンゴルと縁もゆかりもないんですよね。
    他にもいっぱい改名案がありましたが、一番かわいいな〜と思ってこの名前を名乗っています

    なんで某アウトドアブランドの名前を名乗っていたの…?

    その名前、僕がつけたんですよ。以前バーベキューで出会った時に、アウトドアブランドの服を着て、包丁もって歩いてたから。その姿を見て「ライターやってみない?」って誘ったんです。

    そんなやつライターに誘うなよ。でも「モンゴルナイフ」ってハンドルネームとしては長いよね。「モンナイ」とか「モンゴル」とかって縮めて呼ぶ人も多い。

    でも、モンゴルナイフはモンゴルナイフってフルネームで呼んであげてほしい。「モンゴルナイフ」で完成だから…。

    名付け親の心情、よくわからんな。

     

    「マンスーン」の由来

    “下町のエジソン”の異名を持つ工作ライター、マンスーン

     

    本名がクボタなのですが、高校生の時に出会った友達に自己紹介した時、「クボタならマンションクボタ(初代いいとも青年隊のメンバーで現在はパチプロ)だね」と言われて、そこからあだ名がマンションになりました。

    インターネット上でもマンションというハンドルネームを使うようになったのですが、Twitterに登録する際mansyonというIDが使われていたのでyを抜いたりoを増やしたりして呼び方は特に気にせずmansooonで登録しました。後日、初めてオモコロ編集長の原宿さんに会った時、「呼び方ってマンスーンでいいの?」と言われ「はい」と答えたことがきっかけです。

    この由来、以前本人から教えてもらったことがあるんですけど、聞いたところで「なんじゃそれ」って思ってます。

    世代的に、とんねるずの生ダラでマンションクボタがよく出てたからですね。

    マンスーンくん、あえての説明不足みたいな、謎めいてる感じをたまに出すんだよな……。 Twitterの名前も、何かヤシの木の絵文字だけでしょ?

    未だに読み方書いてないですからね。

    こわいよ~。

     

     

    「みくのしん」の由来

    ライターのみくのしん

     

    本名が高杉 未来之進(たかすぎ みくのしん)なので、そのまま名乗ってます。
    名前をつけるのにあこがれて「すぎなみくのしんちく(みくのしんが入っている)」という名前をつけたことがあったんですが、変と言われて本名にしました。

    本名ってすごい! いい名前ですよね。顔も「みくのしん」って顔してる気がする。なんとなくだけど。

    ハンドルネームだと思われて、ただの本名ってパターン。彼とは何回か取材に行ってるんですが、取材先で名刺を渡す時「これ、本名なんですよ」って言ったら100%ウケてます。

    ただ、本業が別である人は、特定される危険もあるから、本名使わないほうがいいですよね。

    確かに。さんざん言ってますけど加藤さんはハンドルネーム付けたことないんですか?

     

    昔は『焼肉』って名乗ってたんですけど、一般名詞なので、『肉好き男(にく・すきお)』にした時期があります。

    肉好き男(にくすきおとこ)って誤読されそう。

    オモコロに入ったタイミングで、苗字の「加藤」にしました。当時、オモコロって苗字だけのライターが多かったんですよね。「上田」とか「永田」とか。

    ハンドルネームを付けようとは思わなかったんですか?

    本名が一番楽なんですよね。呼ばれ慣れてるし、オンオフの切り替えがなくていいというか。名刺交換で「本名ってこうなんですね」っていう変な空気がなくて済みますし…。

    でも自分で自分に名前をつけられる機会って、普通は無いですよ? そのチャンスを生かさないのは“逃げ”と言えるのではないでしょうか

    本名のがさらけ出してて勝負してる感じありませんか!? もし仮にハンドルネームを付けるとしたら、シンプルで被らない名前がいいですよね。

    じゃあ「すぽぽきゅー」ってどうですか?

    嫌です。呼びづら過ぎません? なんかキモいし。

    じゃあ何かいいんですか?

    例えば…「ぐじゃら」とか。

    今っぽ~い! 音重視で、見た目にはちょっと変わった文字の並び方、ていうの今っぽくないですか。「みちょぱ」とか「あいみょん」とか。

    そうですか!?

    今から自分にハンドルネームをつけようとしてる読者がいるかもしれないので、一応アドバイスしておくと……ハンドルネームってなんとなくの流行りがあるんですよ。

    それはありますね。なんとなくいつの時代の人かわかったりする。テキストサイト出身なのかなとか、YouTuberの時代の人だなとか。

    なので今はカッコイイ! と思っても、40歳とか50歳になって流行りが廃れると後悔することもあるので気をつけてください。僕然り。

    ギャラクシーさんは50歳手前で、お爺さんになっても使える名前にするとしたらどうします?

    「斑鳩(いかるが)」かな…。かっこいいから。

    ギャラクシーから斑鳩って名前の変わり方すごすぎるな。

     

    まとめ

    2人で話しあった結果、

     

    ▼本業でないネットでの活動ならハンドルネームを付けたほうがいい

    ▼漢字や特殊な表記で読みづらい、書きづらいのは避けたほうがいい

    ▼今後一生付き合う可能性もあるので、50歳以上になって呼ばれても違和感ないものを選んだほうがいい

    という結果になりました!

    これからネットで活動する人、または改名を考えている人は参考にしてみてはいかがでしょうか?

    ノシ

    イーアイデム

    この記事を書いた人

    加藤 亮
    加藤 亮

    株式会社バーグハンバーグバーグ所属の編集者。好きなモビルスーツは「ザク2」。

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