
すべてに抜かりなし。韓国を代表する最高のカフェ
食文化が豊かなソウルですが、当然カフェやパンなどのレベルもとても高いです。まず初めに向かったのが、塩パンで有名な「小夏塩田(ソハヨムジョン)」。

ここではじめて韓国の塩パンを食べたんですが、まずシンプルにパンとして美味しい。 1軒目で、ソウルにおけるパンのレベルの高さをまざまざと思い知らされました。

いろんな種類の塩パンが並んでいました
続いては「ANGUK一五三(アングッ153)」。「小夏塩田」もそうだったんですが、外観も内装も雰囲気がよく、パンの見せ方も上手い。


この店の塩パンもやっぱり美味しい
続いて向かったのが「Dotori Garden(ドトリ・ガーデン)」。 「ドトリ」というのは韓国語で「どんぐり」の意味らしく、マスコットキャラクターもどんぐりにちなんで、リスがモチーフになっています。

可愛らしいお店のキャラクター。どことなくジブリ感のある世界観が印象的
この店は名前のとおり「どんぐりマドレーヌ」が有名なお店。ベーカリーなのでもちろんパンも売っています。

左が名物の「どんぐりマドレーヌ」。右はコーンクリームパンで、こちらも美味しかった
続いて紹介するのは「CHA CEREMONY(チャ・セレモニー)」。

ここはお茶屋さんなんですが、印象的だったのは韓国の伝統菓子。

こういう伝統菓子は甘すぎる印象があって苦手意識を持っていたものの、ここの薬菓(ヤックァ)は甘さが絶妙で、上品な味わい。一気にイメージが覆されて、お土産として買って帰りました。
そして最後に紹介するのが「Fritz Coffee Company(フリッツコーヒーカンパニー)」。いまソウルで行くべきカフェは間違いなくこのお店です。

外観を見てもらえばわかるように、古い建物をリノベーションした空間も最高だし、もちろんコーヒーは美味しい。

このベーグルも絶品!
しかも、グッズがどれも可愛いんです。トレーナーや靴下、コースターからアクリルチェーン、ピンバッチまで。そりゃ買っちゃうじゃないですか。



韓国トップバリスタなどが創業した本格派カフェらしく、味、空間、グッズと何から何まで完璧。店舗もいくつかあるので、ソウルではぜひ行ってほしい、間違いのないお店でした。
アナログ回帰が垣間見える、韓国の書店事情
食とカフェを満喫した後に、気になるのが韓国の書店事情。 韓国には「教保文庫(キョボムンゴ)」という代表的な大型書店があるのですが、雰囲気としては日本でいう「蔦屋書店」のような、ライフスタイル提案型の書店。雑貨も充実しています。

ハン・ガンさんのノーベル文学賞受賞で韓国の文学シーンが盛り上がっていますが、韓国の書籍は装丁も綺麗ですね
店内には日本の書籍のコーナーもあったのですが、他の海外の本とは少し違う扱い。日本との特別な関係性を感じました。

ちょうど僕たちが訪れたタイミングで、マガジンハウスのキャンペーンが

『白と黒のスプーン』に登場した料理人たちの書籍が平積みに。韓国国内での番組人気を感じました
そして、文具のトレンドを感じたのが、聖水洞(ソンスドン)にある「Monami Store(モナミストア)」。「Monami」は韓国の最も古い歴史を持つ老舗文具メーカーで、その直営ショップです。

ここではオリジナルのボールペンが作れるのですが、なかでも印象的だったのは、インクを混ぜて自分だけのオリジナルカラーを作ることができるサービス。今のソウルのトレンドだそう。

次々と新たなトレンドが生まれる、ソウルという都市の感度の高さを感じました
続いては「Poset Yeonhui(ポセッ・ヨンフィ)」。 ここは「ポストカードと手紙」の専門店です。店内には、さまざまなデザインのポストカードがずらり!


店内には「手紙を書くための机」まで用意されていました
そして最後に紹介するのが、独立系書店の「your-mind」。 ここは本当にすごく素敵なお店だったのですが、残念ながら2026年2月末で閉店してしまうそう。 ただ、今のソウルの出版文化を象徴する場所だと感じたので、ぜひ紹介させてください。

独立系書店ではあるのですが、ZINEの品揃えがすごくて、さながらZINE専門店という感じ。 そしてさらに特徴的なのが、壁にずらりと並んだしおりです。
布で作られた牛乳パック型のしおりや、作家もののしおりが売られていたんですが、これがめちゃくちゃ可愛い。 値段は3500ウォン(約400円弱)くらい。 日本ではあまり見かけないのですが、今後は増えるかもなと感じました。
「your-mind」の店内には若者もたくさんいて、韓国の出版文化の間口を広げているのが本当に素晴らしいなと。 閉店してしまうのが本当に惜しいですが、次のステップのための布石なんじゃないかなと個人的には思っています。
オリジナルのボールペンや、手紙、ポストカードにしおり。 日本でも文具ブームが起きていますが、韓国でもやはり同様で、デジタルネイティブの若い人たちが、あえて手触りのあるコミュニケーションを求めている感じがすごくしました。
アートとデジタル、そしてカオスが交差する都市
ソウルに来て感じたのは、アートやデザインとの距離の近さです。 まちなかには美術館がたくさんあるのですが、今回訪れたのは「国立現代美術館 ソウル館(MMCA)」。

現代美術が充実する韓国アートの拠点だけあって、展示内容も素晴らしいのですが、ミュージアムショップやブックコーナー、カフェがものすごく充実していて、とても楽しい。

外のベンチでパンを食べながら、こういう広々とした公共のスペースがたくさんあるのはいいなあ、と感じました。

広蔵市場の近くで購入したドーナツと大福を昼食に
ソウルでは、まちなかに突然、巨大なパブリックアートが現れることがしばしば。こういうアートに触れること自体、ソウルの人たちとっては特別なことではなく、日常の一部なんだろうなと感じます。

まちなかにあるのはアートだけではありません。ビルを覆い尽くすような巨大なLEDサイネージの数々があらゆるところに設置されています。

「新世界百貨店」の壁面を覆い尽くす巨大サイネージ
そんなデジタル大国を彷彿とさせるような街並みのなか、ふと路地裏に目をやると、帽子が並べて売られていて、昭和で時が止まったような風景も平然と残っています。

今回の結びに、旅の目的のひとつだった「国立中央博物館」の話をさせてください。以前、友人の発酵デザイナー・小倉ヒラクとこんな話で盛り上がったことがあります。
朝鮮半島の焼き物は、高麗時代までは精緻で完璧な美しさだったのに、李朝に入ると一気に、言葉を選ばずに言えば「下手(へた)」になるんです。でも、民藝運動の父・柳宗悦は、そこに「作為のない美しさ」を見出し、朝鮮の人たちの人柄や、気負わないものづくりの真髄を感じ取ったと言われています。

ヒラクと話したのは、この「あえて下手になる変遷」こそが、「コミュニティや社会を維持するための知恵なんじゃないか」という仮説です。
僕自身、コミュニティを運営する上で感じるのは、専門性の高い「プロ」の視点に合わせすぎてしまうと、当たり前にそれ以外の人はついていけなくなる。だから強い意志を持ってハードルを下げることが大事だったりするんです。
柳宗悦はその不完全さに、作為のない民衆の美を見出したわけですよね。こんな話をしていたものだから、韓国で彼が愛した李朝の壺を自分の目で見てみたかったんです。そして実際に李朝の壺を見て、僕は力強さと美が共存する今のソウルが重なりました。
世界最先端のテクノロジーや洗練されたアートがある一方で、市場に行けば「これ、日本の保健所なら一発アウトでは?」と思うようなカオスな屋台が湯気を上げている。こうした懐の深さこそがソウルの原動力だと思います。

この勢いでどんどん街が近代化されていくのか気にはなりますが、個人的には、どちらか一方に偏ることなく、この「最先端とカオスが混在したソウル」のままでいてほしいなと強く思いました。
おわりに
半ばノリで向かったようなソウル旅でしたが、とても楽しく刺激的な旅となりました。みなさんにもぜひ行ってもらいたいですし、僕もきっとまた行きます! そして次回はフェリーを使って、釜山にいくのもアリだなあなんて思っています。
さて、今回記事で紹介したスポットと、僕たちがリストアップしたお店のリストをそれぞれまとめましたので、ぜひ旅の参考にしてくださいね。それではまた。
▼この記事で紹介したスポット
▼藤本さんチームセレクトのスポットリスト
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この記事を書いたライター
有限会社りす代表。1974年生まれ。兵庫県在住。編集者。雑誌『Re:S』、フリーマガジン『のんびり』編集長を経て、WEBマガジン『なんも大学』でようやくネットメディア編集長デビュー。けどネットリテラシーなさすぎて、新人の顔でジモコロ潜入中。










































