こんにちは。愛知県在住のライター・編集者、なかがわあすかです。

 

滋賀県で生まれ育った私ですが、母の地元である名古屋とは古くからのよしみです。幼少時代は、祖父母に会いに名古屋へ行くのが夏休みの恒例行事でした。

 

あれから月日は流れ、夫との同棲をきっかけに名古屋の近郊で暮らすことに。以来6年間、東海地方のシティメディア「IDENTITY名古屋」の編集に携わり、話題のグルメやスポット情報など地域の“旬”な顔を追いかけてきました。

 

再開発が進む名古屋駅前

 

全国主要8都市の中で「最も魅力に欠ける街」に選ばれたり、全国区の雑誌で「名古屋ぎらい」と題された特集が組まれたり……。

 

正直、ネガティブな報道も少なくない名古屋ですが、新型コロナウイルスが流行する以前、2016年度の観光客数は4,700万人超え。2013年から4年連続で過去最多を更新し続ける、まさに「うなぎのぼり」状態だったのです。

 

日本のほぼ中心に位置するため、全国どこからでも来やすい。名古屋城や熱田神宮など、歴史的におもしろいスポットも目白押しで、ひつまぶしや味噌カツに代表される「名古屋めし」は何を食べても美味しいんです!

 

近年はリニア中央新幹線の開業に向けて再開発も進み、新しい観光名所も増え続けています。熱く語りすぎましたが、とにかく名古屋の躍進は止まりません。

 

名古屋を代表する繁華街、栄エリアも新しいお店が続々と誕生しています

 

そんな名古屋の魅力を教えてくれたのは、ほかでもない祖父母です。

 

私にとって名古屋は、祖父母との思い出が詰まった大切な町。王道の名所や新スポットを満喫する旅もおもしろいですが、今回は「レトロな名古屋」を味わう旅を提案させてください!

 

町の様子を何年も見守ってきたお店には、名古屋の歴史と魅力が凝縮されているはず。祖父母との思い出を足がかりに、老舗どころを中心に巡ってきました。

 

創業平均47年! 何年経っても色褪せない、古き良き名古屋の魅力をお届けします。

 

目次

    1. 名古屋に着いたらまず食べてほしいグルメ
    2. 名古屋駅の温かい出迎人「きしめん 住よし」
    3. 自家製ジャムと小倉のマリアージュ「コーヒーハウス かこ 花車本店」
    4. 名古屋の“鉄板”グルメを味わう「喫茶ニューポピー」
    5.  
    1. 名古屋めし以外にも美味しいものあります
    2. 短歌の聖地? 全国から歌人が訪れる町中華「平和園」
    3. 自分で焼いて楽しむ、コスパ抜群のお好み焼き「MORIBUN」
    4.  
  1. 「尾張名古屋は芸どころ」、地元が誇る芸術文化
  2. 伝統と革新が融合する老舗の劇場「御園座」
  3. ノスタルジックな芸術の館「覚王山アパート」
  4.  
    1. 名古屋のツウなお土産をゲットするなら
    2. 日本遺産の町で、絞りの文化に触れる「有松・鳴海絞会館」
    3. 築約50年の旅館を改装。イケてるお土産屋「オミャーゲ名古屋」
    4. 1日1,000個売れる! 郷土菓子の名店「梅花堂」
    5.  

 

名古屋に着いたらまず食べてほしいグルメ

「あつた蓬莱軒」や「うな富士」が人気のひつまぶし、味噌カツ発祥の店「味処 叶」の味噌カツ丼、「世界の山ちゃん」が有名どころの手羽先、「味仙」に代表される台湾ラーメン…….。“ご当地グルメの宝庫”とも称される名古屋で、食べてほしいグルメは星の数ほどありますが、なかでも「まずはここに行ってほしい!」と思う3店舗を紹介します。

 

どのお店も、名古屋駅から徒歩圏内です。

 

名古屋駅の温かい出迎人「きしめん 住よし」

JR名古屋駅の新幹線ホームに降り立つと、ふわっと香ってくる出汁の匂い。出どころを辿ると見えるのは、「きしめん 住よし」の看板。1961年の創業以来、名古屋の玄関口でたくさんの人を温かく出迎え続けてきた、きしめんの立ち食い店です。

 

券売機を確認すると、きしめんのメニューだけで26種類あります。海老天、イカ天、山菜などのトッピングも追加できるので、正直、お好みのものをどうぞ! という感じですが、迷う方は「かき揚げきしめん」をおすすめします。

 

喉ごしなめらかな、つるつる、もちもちの麺。ムロアジや宗太鰹などから丁寧に煮出された出汁。海老の入った、食べ応え抜群のかき揚げ。ひと口食べた瞬間に、レトロな名古屋を満喫する旅は最高の幕開けを迎えます!

 

子どもの頃、この匂いを嗅ぐと「ああ、名古屋に来たなぁ」と感じました。祖父母との思い出を呼び起こすトリガーのようなものです。

 

名古屋めしのなかでも、とりわけ長い歴史を誇るきしめん。レトロな名古屋を満喫する旅の出発地としては、ぴったりな場所だと思います!

 

名古屋駅 きしめん住よし

〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4 JR新幹線名古屋駅

https://jt-s.net/shoplist/

 

自家製ジャムと小倉のマリアージュ「コーヒーハウス かこ 花車本店」

名古屋駅から徒歩10分。“名古屋の台所”と呼ばれる「柳橋中央市場」(東京の豊洲市場に似た存在)から東に向かうと、ステンドグラスの窓が目を引く喫茶店があります。

1972年創業の「コーヒーハウス かこ 花車本店」は、名古屋で初めて自家焙煎のコーヒーを出したと言われているお店です。

 

季節によって変わる4種のフルーツコンフィチュール。創業当初からある「オレンジマーマレード」は必ず付いてくるのでご安心を

 

良質な生豆、鮮度、水にこだわって淹れられた自慢のコーヒーと一緒に味わってほしいのは、看板メニューの「シャンティールージュスペシャル」。名古屋名物の小倉トーストに、4種の自家製フルーツコンフィチュールと生クリームをトッピングした究極のひと皿は、目の保養にもなるかわいさ。

 

ほどよい甘さの小倉、口あたりの軽い生クリーム、素材の味が引き立ったフルーツコンフィチュール。酸味の効いた濃いめのコーヒーとの相性を含め、全体的に計算され尽くしたおいしさです。

 

本店から徒歩3分の場所にある柳橋店

 

これを目当てに、朝から行列ができるのは日常茶飯事。以前は花車本店のみの提供でしたが、現在は柳橋店でも食べられるとのこと。時間が限られているときやグループで行く場合は、席数の多い柳橋店の利用をおすすめします!

 

個人的には、ヘルシーな甘さで小倉を楽しめる「小倉バナナサンド」もおすすめ。花車本店だけの限定メニューなのも、特別感があります。

 

取材終わり、「今日は暑いから、水分補給をしっかりね」と声をかけてくれたのは、マスターの土屋さん。マスターの温厚な人柄を含め、名古屋を代表する老舗の喫茶文化に触れてみてください。即、名古屋の虜です。

 

コーヒーハウス かこ 花車本店

〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅5-16-17 花車ビル南館1F

https://www.instagram.com/kako_coffee_honten/

 

名古屋の“鉄板”グルメを味わう「喫茶ニューポピー」

名古屋に遊びに来る友人に、必ずおすすめしている町があります。江戸時代初期の1610年に名古屋城の築城とともにつくられた商人町「四間道(しけみち)」です。

 

大人になって、初めて四間道を訪れたとき、町全体を包み込む懐かしい雰囲気、センスの光るお店の数々に衝撃を受けたのを覚えています。

 

高層ビルが立ち並ぶ「THE・都会」な名古屋駅から徒歩圏内とは思えないほど、ゆっくりと落ち着いた時間が流れている町です。

 

風情ある町並みに溶け込む「喫茶ニューポピー」は、オーナーの尾藤さんが四間道に惚れ込み、「予算オーバーは百も承知。それでも、四間道がいい」と、覚悟を決めて開いた喫茶店。ご両親が1977年に創業した「喫茶ポピー」の歴史を継ぎ、幅広い世代から愛されています。私の周りにもファンが多い名店です!

 

ごまの風味が香る厚切りトーストに、贅沢に盛られた小倉とバニラアイスの最強コンビ。熱々の鉄板にお好みでコーヒーシロップをかければ、ジュウ……と響く心地よい音。看板メニューの「鉄板小倉トースト」は、食べる者の心をほぐしてゆく、癒しの味です。

 

名古屋らしい喫茶メニューは楽しみたいけど、甘いのは苦手? 安心してください。「鉄板あんかけスパゲッティ」を始め、名古屋を味わえるお食事系のメニューも豊富にあります! たっぷりの野菜をスパイスと煮込んだ自家製のあんかけソースは、ピリッとした後味がクセになる一品です。

 

尾藤さんは焙煎豆販売所「BEANS BITOU」も経営する、コーヒーのスペシャリスト。一口飲めば分かる喫茶店へのこだわりや思いの深さに酔いしれてみてください。

 

喫茶ニューポピー

〒451-0042 愛知県名古屋市西区那古野1丁目36-52

https://www.instagram.com/kissa_new_poppy/?hl=ja

 

名古屋めし以外にも美味しいものあります

待ってください! 名古屋めしだけ食べて満足してませんか? 名古屋には、美味しいものがまだたくさんあるんです。ここからは、地元で安定的な人気を誇る飲食店をご紹介します。

 

短歌の聖地? 全国から歌人が訪れる町中華「平和園」

かつてはスラム街だった名古屋駅の西側は、東側に比べ、ディープなエリアです。幼少期はほとんど足を踏み入れませんでしたが、昭和的な風情が残る町並みは、改めて散策すると想像以上に面白いです。

 

駅西の面白さに気づかせてくれたお店のひとつが、1974年創業の中華料理屋「平和園」。絶品の町中華を味わえるだけでなく、全国から歌人が訪ねる“短歌の聖地”でもあります。

 

店主の小坂井さんは厨房で大鍋を振るう傍ら、短歌の結社に所属し、歌集『平和園に帰ろうよ』を出版するなど、歌人としても活躍。

 

お店には、これまで平和園を訪れたお客さんが詠んだスケッチブックの短歌集もあります。平和園を訪れて感じたことを素直に詠む。プロも素人も関係なく純粋に短歌を楽しむ心が、短歌集には溢れています。ここを訪れたなら、ぜひ一首詠んで行ってください!

 

小坂井さんいわく、「おすすめのメニューは全部」ですが、中でもホテル級の火力で作る炒飯は多くのお客さんから愛される逸品。パラパラなのはもちろん、甘辛い焼豚が最高なんです。

 

「丸いフォルムが惑星みたいでかわいいよね」と話す、小坂井さんのユニークな人柄も込みで楽しんでもらいたいお店です。

 

平和園

〒453-0014 愛知県名古屋市中村区則武2-6-14

052-452-2636

 

自分で焼いて楽しむ、コスパ抜群のお好み焼き「MORIBUN」

祖父母が暮らしていた団地の最寄駅、名古屋鉄道「道徳駅」。ときに滋賀から一人で電車を乗り継いで遊びに来た私を、祖父母はこの駅の改札口で出迎えてくれました。

 

そんな道徳駅から徒歩3分。この記事を書くにあたり、「絶対に紹介したい!」と真っ先に思い浮かんだお店があります。

 

1987年創業の「MORIBUN」は、地元民に長く愛されているお好み焼き屋。現店主のお父様が脱サラ後、一念発起して始めたお店です。およそ20年前、当時大学生だった私の姉が祖父母の家に下宿しながらアルバイトしていた場所でもあります。

 

自分で焼くスタイルのお好み焼きは、生地がふわふわで食べ応えも抜群。定番の豚肉やシーフードだけでなく、餅、チーズ、ベーコンを合わせた「モチベー焼」や、牛すじ肉とネギを合わせた「すじネギベース」、キムチとピリ辛ウインナーにチーズを合わせた「カラカラチーズ焼」など、具の種類も豊富なのが最高なんです。

 

おにぎりやサラダなどが付いたセットメニューも充実しており、どれもがお手頃なお値段。圧倒的なコスパの良さも、地元を中心に名古屋民から支持される理由なのでしょう。

 

ここのお好み焼きがおいしすぎて、中学生くらいまで「好きな食べ物は?」と聞かれると、必ず「お好み焼き」と答えていました。「名古屋めし」以外のものを食べたい気分なら、ぜひ立ち寄ってみてください!

 

MORIBUN

〒457-0847 愛知県名古屋市南区道徳新町5-30

0120-185-225

 

「尾張名古屋は芸どころ」、地元が誇る芸術文化

徳川家のもとで花開いた、名古屋の芸術文化。「芸どころ名古屋」は、令和になった今でも健在です。グルメだけでなく、芸術の観点からも名古屋の魅力に触れてみてください。

 

伝統と革新が融合する老舗の劇場「御園座」

名古屋の芸術文化の代表格とも言えるのは、伏見にある老舗劇場「御園座(みそのざ)」。1896年に創業し、2018年に40階建てタワーマンションの中に新装開場しました。伝統と革新が融合する壮大な外観は、近くを通るたびに見入ってしまうほどの美しさです。

 

ことさらに目を引かれるのは、洗練されたデザインの内装。「御園座レッド」とも呼ばれる上品な朱色の正面大階段や劇場内ロビーは、圧巻の貫禄です。歌舞伎やミュージカル、コンサート、歌手芝居、吉本新喜劇、落語など多彩な演目を上演しているので、「御園座」を入口に名古屋観光のプランを組むのもアリだと思います。

 

タワーの1階にある、観劇記念の品やイートインスペースなどを備えた食のテーマパーク「御園小町」には限定の名古屋土産も置いてあります。観劇の予定がない方も、伏見に行く用事があるならば、ふらっと立ち寄るだけでもおもしろいはずです!

 

御園座

〒460-8403 愛知県名古屋市中区栄1丁目6-14

https://www.misonoza.co.jp/

 

ノスタルジックな芸術の館「覚王山アパート」

名古屋駅から地下鉄に揺られて15分。日本で唯一お釈迦様の遺骨を安置する「覚王山日泰寺」が、1904年に創建されるとともに開発が進んだ町が覚王山です。

 

日泰寺の門前町として発展してきた「覚王山商店街」は、懐かしさと新しさがバランスよく共存する場所。古くからの飲食店や伝統工芸品を扱うお店もあれば、オープンして間もないおしゃれなパティスリーや雑貨店もあり、歩いているだけでわくわくします。

 

商店街を歩いていると、こんな看板を発見! 矢印が指す細い路地を抜け、階段を下りると見えるのは、昭和レトロな物件。

 

磨りガラスの玄関を開けると、広がるのは日本伝統の竿縁天井が使われた懐かしい木質空間。祖父母の家に遊びに来た、そんな感覚にも似ています。

 

築約48年(2003年時)の木造アパートを改装した「覚王山アパート」には、一般公募から選ばれたアーティストたちの作品を扱うお店やアトリエ、古本カフェなどが入っています。

 

針金アートに愛らしいイラストが入った雑貨、1点もののアクセサリー……作り手の思いを聞きながら、じっくり作品を見て、光る個性に触れて。ここだけでしか出会えない作品は、旅の思い出を彩るお土産にもぴったり! 覚王山ならではのアートを満喫してくださいね。

 

覚王山アパート

〒464-0064 愛知県名古屋市千種区山門町1丁目13

http://kzapt.nagoya/

 

名古屋のツウなお土産をゲットするなら

最後は、お土産どころの紹介。名古屋の歴史や文化を感じられるところを厳選しました。レトロな名古屋旅の思い出を振り返りながら、ぜひ立ち寄ってみてください。

 

日本遺産の町で、絞りの文化に触れる「有松・鳴海絞会館」

名古屋駅から名鉄名古屋本線で約20分。有松駅から南に少し歩くと、広がるのは江戸時代にタイムスリップしたかのような情緒ある町並み。旧東海道の茶屋集落であり、絞り染めの産地として知られる有松は、令和元年に日本遺産に認定された名古屋の誇りです。

 

旧東海道沿いを散策すると、至るところで目に飛び込んでくるのは、「ありまつ」と書かれた藍色の絞りのれん。

 

そもそも、絞りとは何なのか? どういった技法なのか? 有松・鳴海地域で発展した絞りについて学べるのが「有松・鳴海絞会館」です。

 

1階の販売コーナーには、お土産にもぴったりな有松・鳴海絞りグッズが豊富に取り揃えてあります。一つひとつをじっくり見ると、同じ柄に見えるものも微妙に染まりかたや模様が違ったりするんです。手仕事ならではの良さが、じんわり滲みでています。

 

こうした絞りの商品は、どのように作られているのか? 2階では、何十年も絞りの技法を極めてきた職人さんによる実演が見られます。くくったり、縫ったり、たたんだり。江戸時代から考案された絞りの技法は、100種類にものぼるそうです。

 

有松の町や絞りについて質問すると、笑顔で教えてもらえます。気さくな職人さんたちとの会話も楽しんでほしい場所です。

 

有松・鳴海絞会館

〒458-0924 愛知県名古屋市緑区有松3008

https://shibori-kaikan.com/

 

築約50年の旅館を改装。イケてるお土産屋「オミャーゲ名古屋」

だれかにプレゼントしたくなるような、名古屋らしい雑貨のお土産を探している? ご当地感はありつつ、おしゃれだと嬉しい? なおかつ、駅近なら最高?

 

だったら、ぜひ立ち寄ってほしいのは、「オミャーゲ名古屋」。名古屋駅の西口から徒歩5分の場所にのれんを出すお土産店です。お店自体は2021年のオープンですが、お店が入っている築約50年のビルは、もとは旅館でした。

 

年季の入った赤レンガの壁は、建物の歴史を静かに物語っています。

 

改装して作られた店内は、岐阜県の美濃和紙を使った提灯照明があったり、愛知県内の木材で作られた棚があったり、主に東海エリアから仕入れた材料で作られているとか。空間すらも“ご当地”を味わえる工夫が凝らされています。

 

東海3県をモチーフにした箸置き

 

お店にある商品は、どれもこれも個性的かつ名古屋らしさの滲みでるかわいいものばかり。

 

名古屋めしのワッペンで作るオリジナルTシャツ、最高にかわいい。ペアルックしたい。

 

2022年2月22日の「スーパー猫の日」にちなみ、店内には猫グッズが多数置かれたそう。

 

お店オリジナルの商品だけでなく、地元で活躍する作家さんの作品も置いてあり、棚に並ぶ商品の顔ぶれも、そのときどきのトレンドや旬によって違うのだそう。

 

店内奥にある菓子店「たつの屋」にある「あんこがね」も、名物のひとつ。名古屋の食文化に欠かせないあんこに舌鼓を打ちながら、旅の思い出を振り返る……なんてどうでしょう?

 

セレクト土産物店 オミャーゲ名古屋

〒453-0016 愛知県名古屋市中村区竹橋町4-3 ホリエビルANNEX 1F

https://www.instagram.com/omyage_758/

 

1日1,000個売れる! 郷土菓子の名店「梅花堂」

最後に紹介するのは、名古屋民が愛してやまぬ郷土菓子「鬼まんじゅう」の名店「梅花堂」。先に紹介した「覚王山アパート」がある覚王山で100年近い歴史を誇る、老舗中の老舗です。

 

角切りのゴロゴロしたサツマイモをまとめる、モチモチの生地。サツマイモ、小麦粉、砂糖のみで作られる鬼まんじゅうは、ゴツゴツした見た目ながら、素朴で優しい味わいです。

 

母が子どもの頃は、祖母がよく手作りしてくれたのだとか。シンプルなレシピゆえ、家庭で簡単に作れるところも、長く愛される理由なのかもしれません。

 

「梅花堂」の鬼まんじゅうは、1日1,000個を売り上げるほどの人気ぶり! 店頭に並ぶ鬼まんじゅうは、お昼過ぎには売り切れになることがほとんどのよう。どうしてもゲットしたい場合は、前日までに電話で予約するのが確実です。

 

子どもの頃、お出かけの帰り道に祖母がよく買ってくれた鬼まんじゅう。お家に帰って、祖父母と一緒に食べながらオセロをしたことが、昨日のことのように思い出せます。

 

時代や世代を問わず、名古屋民のお腹を満たし、優しい気持ちにしてくれる。名古屋観光の帰り道には、「梅花堂」の鬼まんじゅうをお土産にお腹と心を満たしてお帰りくださいね。

 

梅花堂

〒464-0821 愛知県名古屋市千種区末盛通1丁目6-2

052-751-8025

 

ところで、鬼まんじゅうってなんで鬼まんじゅうなんでしょう……? 子どもの頃から当たり前のように受け入れていましたが、随分と強そうな名前です。

 

ふと気になって「梅花堂」の店主に尋ねると、鬼まんじゅうの名前の由来だけでなく、私の知らない「古き良き名古屋」についても教えてもらえました。

 

老舗和菓子の店主が知る「古き良き名古屋」