はじめまして。静岡県沼津市で新刊書店「リバーブックス」を営んでいる江本典隆と申します。

私は沼津で生まれ育ち、20年ほど東京の旅行系出版社に勤務した後、地元沼津にUターンして2023年に本屋を始めました。旅行ガイドブックの企画制作などに携わっていた経験もあり、2024年から沼津市の魅力をPRする「沼津ふるさと応援隊」という活動もしています。

再び戻ってきた沼津で私が感じたのは、街の“ちょうどよさ”。東京から新幹線を使えば1時間ちょっと。首都圏から日帰りでも来れるロケーションで、気候も温暖。駿河湾、富士山、狩野川という、海・山・川がコンパクトに揃い、豊かな自然が育んだ食材から生まれる美味しいご飯と美味しいお酒がたくさんあります。

沼津は人口約18万人と静岡県で4番目に大きく、都会と田舎が混ざり合う汽水域のような街。地元の人と外から来た人が出会って、新しいことが次々に生まれています。最近ではアニメ『ラブライブ!サンシャイン‼︎』の聖地として国内外から多くのファンが訪れるユニークな顔も。

そんな“ちょうどよさ”に惹かれて沼津に移住する人も多く、それが沼津という街の賑わいの一つにもなっています。

沼津の観光地といえば沼津港が有名ですが、今回は少し目線を変えて、この街で本屋を営む私が、“沼津の街で暮らすように観光する”おすすめスポットをご紹介します。

 

<目次>
美食&美酒の街、沼津の地元民に愛されるグルメ
・とんかつ屋さんが作る衝撃のサクふわ海鮮フライ「弥次喜多 幸町店」
・クラフトビール製造所の真上にある、地元ブルワリー直営ビアバー「SENSPI(センスピ)」
・昼は行列、夜は予約必須の大人気“街中華”「華味(ファーウェイ)」
・沼津の片隅で出会う音楽と食の交差点「魚鳥木(ぎょちょうもく)」

・沼津のソウルフード“のっぽパン”のレア商品が買える直売店「バンデロール工場直売所」

 

沼津はアニメ聖地の最先端!アニメファンが沼津のファンに!?
・街ぐるみで『ラブライブ!サンシャイン‼︎』を応援!「あげつち商店街」
・沼津のシンボル、狩野川で過ごす時間「かのがわ風のテラス」

 

日常とアート作品が隣り合う、沼津のアートスポット
・人気珈琲店の2Fにあるギャラリースペース「チャトラ『プレイス』」
・誰でも集まれる“茶の間”のようなサロン「salone ‘自在’」
・クラフトビール&ギャラリーを併設する“観光案内所のような本屋”「リバーブックス」

 

美食&美酒の街、沼津で愛される地元グルメ

“暮らすように観光する”となれば、まずは沼津市民が愛する地元グルメから。沼津は本当にご飯やお酒が美味しいお店がたくさんありますが、まずはこちらの5軒をおすすめします。

 

とんかつ屋さんが作る衝撃のサクふわ海鮮フライ「弥次喜多 幸町店」

まずは私が足繁く通う「弥次喜多 幸町店」です。リバーブックスがある旧東海道から少し海側に歩いた、閑静な場所にある老舗のとんかつ屋さん。元々魚屋だったご主人が始めた“魚が主役のとんかつ屋”で、なんといってもカラリと揚げられた魚のフライのサクふわ感がすごい。

初めて行ったらまずは「アジフライ定食」がおすすめ。私が連れて行った人たちは、アジフライの概念が変わったと大絶賛です。

ちなみに、最近私がハマっているのが「魚のミックスフライ定食」。時期によって魚が変わるのも楽しみです。この日はカマス、深海魚のゴソ(ハシキンメ)、イカ、サケの4種。

駿河湾は最深部が2500mもある日本一の深海湾なので、他ではなかなか出会えない深海魚もフライで楽しめます。

弥次喜多のりょうさん。ご主人であるお父さんと共に、魚を愛する若き料理人。魚のことを聞けば色々教えてくれます。

弥次喜多 幸町店

〒410-0862 静岡県沼津市幸町114

https://www.instagram.com/yajikita_senbon/

 

 

クラフトビール製造所の真上にある、地元ブルワリー直営ビアバー「SENSPI(センスピ)」

弥次喜多幸町店から徒歩3分。住宅街の一角に、沼津のクラフトビールブルワリー「沼津クラフト」の直営ビアバー「SENSPI」があります。

SENSPIは製造所の真上なので、出来立てのクラフトビールやクラフトサワーが常時8種類ほど飲めるお酒好きにはたまらない場所。

静岡県東部は富士山の豊富な湧水のおかげでビール作りに適しており、沼津にはクラフトビールのブルワリーが集積しています。

後述しますが、私が運営する「リバーブックス」は店内にビールサーバーがあり、ここ「沼津クラフト」をはじめとしたクラフトビールが飲める本屋でもあります。

「沼津クラフト」の特徴はクセのない飲みやすさ。暮らしに溶け込むようなクラフトビールの味わいを表すように、SENSPIの店内はご近所の常連さんたちで賑わっていますが、もちろん初めての方も大歓迎。

スタッフさんも県外からの移住者の方が多く、気さくに話しかけてくれるので一人でも気軽に入れます。定期的に沼津の飲食店やバーとコラボしたフードイベントもやっているので、ビールを飲みながらを沼津の新しいお店を知ることができるのも◎

SENSPI(センスピ)

〒410-0855 静岡県沼津市千本緑町3-1 3F

https://www.instagram.com/senspi_numazu/

 

昼は行列、夜は予約必須の大人気“街中華”「華味(ファーウェイ)」

沼津イチの繁華街、沼津仲見世商店街にある中華料理店「華味」。ランチはいつも行列が絶えず、夜は予約でいっぱいという沼津でも随一の人気店です。僕は今のところ「華味」の四川風麻婆豆腐が世界で一番好き

エビでチャーハンが見えないエビ炒飯も大人気。上海料理を中心に本場の中国の味を日本人好みにアレンジしたというメニューの数々。とにかく全部美味しいです。

コンクリート壁のモダンな店内は、奥にバーカウンターがあり、料理と共にクラフトビールやウィスキーなど幅広いお酒も楽しめるスタイル。一人で行く時はカウンター席が狙い目。

店長の関口建男さんは、東京のフレンチレストランに7年間勤務後、沼津に戻って家業のお店に。ソムリエの資格を持ち、「華味」を町中華よりも少しおしゃれな“街中華”と位置付けているそう。

関口さんは沼津に帰ってきてから、改めて地元が美酒・美食の街であることに気づいたそうで、沼津の飲食店の素晴らしさを発信するために、市内のイベントにも積極的に関わっています。

華味(ファーウェイ)

〒410-0801静岡県沼津市大手町5-4-11

https://nbve100.gorp.jp

 

沼津の片隅で出会う音楽と食の交差点「魚鳥木(ぎょちょうもく)」

沼津駅南口から西に少し歩いた西条町にある居酒屋「魚鳥木」。9年前に東京から沼津に移住してきた佐々木さん夫妻が営む小さなお店です。

“めし処”である魚鳥木の看板メニューは出汁ベースの和風スパイスカレー。鯖、鶏モツ、鯛出汁キーマの3種があり、いずれも日本の米と酒に合う名物メニューです。写真は鯛出汁キーマカレー。鶏とごぼうの旨みもたっぷり。

料理人の佐々木優さんはDoramaru名義で活動をするミュージシャンでもあり、「魚鳥木」は音楽を通じて全国からお客さんが訪れる店でもあります。

妻の弥寿子さんによれば、「なんとなく海が近いところがいいなと思って」と縁もゆかりもなかった沼津に夫婦で移住し、居酒屋を開いて2025年で9年目。今では沼津内外からお客さんが訪れるディープな居酒屋として人気です。毎週日曜は昼〜夕方の「昼飲み」営業なので、日帰り旅行での立ち寄りもおすすめです。

魚鳥木(ぎょちょうもく)

〒410-0841 静岡県沼津市西条町27

https://www.instagram.com/gyochoumoku/

 

沼津のソウルフード“のっぽパン”のレア商品が買える直売店「バンデロール工場直売所」

沼津のソウルフード「のっぽパン」。以前ジモコロの「ローカルおやつ図鑑」でもご紹介した、長さ34cmの長さの細長いパンに様々なクリームや具を挟んだ人気ご当地パンです。

この「のっぽパン」を製造するバンデロールの工場敷地内にある直売所では、珍しい限定「のっぽパン」やグッズを買うことができます。

主に静岡県中東部に流通するクリーム、チョコ、ピーナツ(クリーム)などのレギュラー商品全種類のほか、「富士宮焼きそばのっぽ」、往年の人気商品を復活させた「白い生地の牛乳のっぽ」など、ご当地感たっぷりの直売所限定商品が買えると大人気。

『ラブライブ!サンシャイン‼︎』に登場したこともあり、今や沼津のみならず全国に熱いファンがいる「のっぽパン」ですが、様々なコラボ商品の仕掛け人がバンデロールの冨田さん。驚異的なフットワークの軽さで次々に新しい商品を生み出す「のっぽパン」。地元民としては今後も目が離せません。

バンデロール工場直売店

〒410-0835 静岡県沼津市西島町20-2

https://www.banderole.co.jp/nishijimafactory2/

 

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