
名店揃いの伊勢宮町を練り歩く
さて、先ほど紹介した「IMAGINE.COFFEE」があるのは、松江駅からすぐ近くの「伊勢宮町(いせみやまち)」というエリア。このあたりは飲食店が密集していて、松江で飲みに行くときは大抵この伊勢宮町に繰り出します。
そんな名店揃いのエリアの中で、ナチュラルワイン好きの僕がまずおすすめしたいのが、ナチュラルワインと創作洋食のバル「marduk(マルドゥーク)」です。

このお店もartos Book Storeの西村さんに教えてもらったのですが、カウンター6席とテーブル4席ほどの小さなお店で、まさに隠れ家レストランといった雰囲気。

ナチュラルワインのセレクトも安心だし、素材にこだわった料理もワインとの相性抜群。落ち着いた空間で、ゆったり会話と食事を楽しめる最高のお店です。
そして、やっぱり島根・山陰は日本酒がめちゃくちゃ美味しい地域。特に松江で外せないのが「王祿酒造(おうろくしゅぞう)」の「王祿」です。

この王祿は、無濾過生酒が中心のため、品質管理がとても難しく、蔵元が認めた特約店でしか扱えないという、とにかく希少なお酒。そのため松江の酒蔵で造られているにもかかわらず、実は松江の中でもほとんど飲むことができないんです。
そんな貴重な王祿が飲める数少ないお店が、伊勢宮町にある「酒とさかな でろ」。

地元の新鮮な魚介を使った料理と日本酒のペアリングが楽しめるお店なんですが、酒好きと松江を訪れると、たいていここに行きます。
ご飯も当然美味しいのですが、何より希少な王祿を飲めるお店ということで、お酒好きの方はぜひ訪れてみてください。

この伊勢宮町にはmardukや酒とさかな でろなど、ちょっといいお店も多いんですが、もちろん大衆的な店もいろいろあります。
その中でも、ずっと気になっていたのに、いつも満席で入れなかったお店があります。この間、ついに行くことができたのですが、案の定めちゃくちゃ美味しかった。
それがこの「ぎょうざ屋」。暖簾がしっかり年季の入った感じで、それがまたかっこいいんです。

名前の通り餃子専門店なんですが、店主は高知出身の方。いわゆる高知スタイルの“揚げ焼き餃子”で、外はカリッと、中はトロッとした軽い食感。これがもう、ビールに最高に合う。ちなみに、島根の地酒「高正宗」も楽しめます。

夜遅くまでやっているので、二軒目にもぴったり。人気の理由がよくわかるお店です。
そしてもう一軒、中華料理の「鴻福園(ホンフエン)」というお店もおすすめです。

いかにも町中華という感じなんですが、中国・吉林省出身の親子が営むお店ということもあり、味はしっかり本格派。
ここは本当に何を食べても美味しいんですが、特に“真っ黒な焼き飯”が絶品。そのほかにも四川料理を中心に麻婆豆腐やエビチリ、水餃子といった定番メニューはどれを頼んでも間違いなしです。
300円たこ焼きにワンタンメン……松江グルメはまだまだ充実
伊勢宮町以外にも、松江の美味しいお店はまだまだあります。その中で紹介したいのが、竪町(たてまち)というエリアにあるタイ料理店「南天飯店」。

2024年にオープンしたばかりの新しいお店なんですが、この通り、建物の佇まいに味があっていいんですよね。

店主の男性がワンオペで切り盛りしているんですが、手際がとにかく美しくて、見ていて気持ちいい。料理もカオマンガイなどタイ料理を中心にとてもおいしいです。
しかもランチは1,000円前後とリーズナブル。松江駅から徒歩9分ほどで、駅からも歩いて行ける距離なので、ぜひ少し足を伸ばしてみてください。
そして南天飯店に行ったあと、そのまま向かって欲しいのが、すぐ近くの「白潟天満宮」。この神社の境内の中には「天神たこ焼き」というお店があります。

ここはもう約50年続くお店で、artos Book Storeの西村祥子さんも子どもの頃から通っていたそうです。今でも子どもたちが買いに来るようで、駄菓子なども置いてあります。
たこ焼きは、外ふわっ・中とろっの昔ながらのタイプなんですが、値段がなんと300円!「南天飯店」でちょっと軽めにランチをしたあとは、この“天神たこ焼き”までをワンセットで食べて欲しいですね。

「液体と固形の間」というなんとも味のあるコメント
そして、松江には僕が日本で一番好きなワンタンメンがあります。それが「支那そば かつみ」。

東京・池尻大橋のワンタン麺の名店「支那そば 八雲」で修行された店主が営むお店で、この「かつみ」でも自家製の海老ワンタンと肉ワンタンが楽しめます。

僕はもともと海老があまり得意ではないんですが、「絶対に食べた方がいい」と勧められて頼んでみたら、もう、本当に別格で「何これ!?」って思うほどおいしかった。海老ワンタンも肉ワンタンもどちらも最高なので、初めて行くなら“ミックス”をおすすめします。
スープは「白」と「黒」の2種類があって、「白」はすっきりした薄口醤油ベース、「黒」は濃口醤油を使ったコク深い一杯。僕は「白」をいただいたんですが、めちゃくちゃ美味しかった。次は「白」と「黒」を合わせた“ミックススープ”を頼んでみたいですね。
人気店なので、昼どきは並びます。僕もオープン前に着いたのに、すでに2巡目。行くなら少し早めのランチタイムが狙い目です。
そして最後に紹介したいのが、松江の夜の締めにぴったりなお店。
締めといえば、IMAGINE.COFFEEでゆっくりコーヒーを飲むこともあれば、「ぎょうざ屋」で一杯やることもあるんですが、もう一軒ご紹介したいバーがあります。
それが、昭和32年創業の老舗「BAR 山小舎(やまごや)」。

石が積まれた重厚な外観は、一見すると敷居が高そうですが、扉を開けると木の温もりに包まれた“山小屋”のような空間。鎖で吊るされた照明やレトロなシャンデリアが、オーセンティックで落ち着いた雰囲気をつくり出しています。

僕は普段あまり洋酒を飲まないんですが、この店に来たくなる理由が「季節のフルーツカクテル」。二十世紀梨やメロンなど、旬の果物を使った一杯は本当に魅力的で、いつも頼んでいます。

僕はどちらかというと“デザート感覚”で訪れることが多いですが、静かに過ごしたい夜にもぴったりです。
おわりに
松江はかれこれ10回以上は優に通っている土地で、本当はまだまだ紹介したい場所があったのですが、今回は“20選”と、いつもより自分としてはかなり控えめにまとめました。
というのも、前回の「仙台」が31カ所もあって、ボリュームもすごいし、「それもう“選”ちゃうやん」と思ったので(笑)。今回はだいぶ絞り込んでいます。
今回はあえて“松江”にフォーカスして紹介しましたが、観光地としては近くの出雲(いずも)が全国的にも有名ですよね。それでもこれだけたくさん魅力的な場所があるというところに、松江という街の豊かさを感じます。宍道湖の景色も最高だし、玉造温泉もありますし。
『ばけばけ』で興味を持ったあなたも、そうでないあなたも、松江を訪れる際にはぜひ参考にしてみてください。それではまた!
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この記事を書いたライター
有限会社りす代表。1974年生まれ。兵庫県在住。編集者。雑誌『Re:S』、フリーマガジン『のんびり』編集長を経て、WEBマガジン『なんも大学』でようやくネットメディア編集長デビュー。けどネットリテラシーなさすぎて、新人の顔でジモコロ潜入中。
















































