みんなの現状報告 〜そっちはどうだい?〜 福島・いわき編

2020.05.21

みんなの現状報告 〜そっちはどうだい?〜 福島・いわき編

コロナの影響により全国で緊迫した状況が続く今日このごろ。ジモコロ編集部では、各地の現状共有を目的とした連載を始めました。今回お話を聞いたのは福島県いわき市。9年前の震災と原発事故、そして昨年10月の台風被害。復興活動が続くさなかに起きたこの事態に何を思うのでしょうか。

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    そんな会話もなかなかしづらくなってしまった今日このごろ。この大変な事態の中、全国でお店を営む人たちは何を考え、どう向き合っているのでしょうか。

     

    そんな彼らの声を集める連載「みんなの現状報告〜そっちはどうだい〜」、今回は福島県いわき市からの声をお届けします。

     

    いわき市は9年前の震災と原発事故、そして昨年10月の台風でも大きな被害を受けましたが、少しずつ復興を進め、今まさに次のステップを踏み出そうとしていたところ。

    そんなさなかに発生した今回のコロナ禍。しかし、いわきの人たちは何度転んでも力強く立ち上がろうとしています。

    そんなまっすぐな視線を、ぜひ全国の皆さんにお見せしたい!

     

    それでは……

    いわきのみんな〜〜〜!!! そっちはどうだい???

     

     

    【今回、紹介するお店】

    ・GuestHouse & Lounge FARO/La Stanza(宿泊業・飲食業)

    ・SAKE & SAKANA MUME(飲食店)

    ・ALAYA(アパレル業・飲食業)

    ・元禄彩雅宿 古滝屋(宿泊業)

    GuestHouse & Lounge FARO/La Stanza

    GuestHouse & Lounge FARO/La Stanza 北林 由布子さん

    業種:宿泊業・飲食業
    所在地:福島県いわき市平字三町目8-2やまとビル
    営業状況:休業中
    HP:http://www.faro-iwaki.jp

     

    ■お店の現状

    2004年からイタリアンバール「La Stanza」を営業していました。

    そこで出会ったいわきの魅力的な場所、人、モノ、そして食べ物をもっと知って欲しいと作った「GuestHouse & Lounge FARO」が2020年4月24日にグランドオープンする予定でした。

    3月20日にラウンジをプレオープン、4月にはゲストハウス(宿泊)をプレオープンする計画でしたが、コロナウィルス感染拡大に伴い、宿泊に関しては休業することにしました。

    ゲストハウスはシェアする空間や出来事が多いことで、たくさんの出会いがあり、新しい体験ができる場所だと思っています。その形態ゆえ感染拡大に貢献してしまう可能性も大きく、かといって人数とコミュニケーションを制限して運営するのは本来の存在意義と違ってしまいます。苦渋の決断でしたが宿泊に関してはオープン延期を選びました。

    ■今後の展望

    ラウンジ(飲食)は街中の1階にあるので、テイクアウトやデリバリーの需要もあります。短い時間でも地元の方々とのコミュニケーションもとれるので、無理のない範囲で営業していこうと思います。売上としては全く足りませんが、いわきの食材を紹介しつつ、地元の方々との関わりを築く時間に出来たらと思っています。

    ゲストハウスができるまで応援して下さった方々にも、離れていてもいわきの良さ、FAROの魅力をお伝えできないかと配信やネットショップなど、できることを(逆に今だからしかできないことを)探って挑戦して行きたいと思っています。

    SAKE & SAKANA MUME

    SAKE & SAKANA MUME 梅谷 祐介さん

    業種:飲食店
    所在地:福島県いわき市小名浜花畑町12‐17 寿ビル103
    営業状況:縮小営業中
    SNS:Facebook

     

    ■お店の現状

    いわき市小名浜にて自然派ワインと日本全国の地酒、それらのお酒に合う料理を楽しんで頂けるお店として、2014年から営業しています。

    田舎の住宅地にあって、大きい看板も出してはいないので、不特定多数の方が日替わりで来るというよりは、近くにお住いの方が常連として来てくれるようなお店です。

    野菜やお肉も、一生懸命育てている作り手さんの顔が見える物がいいと思うようになり、現在では使っている食材のほとんどは農家さんから直接譲ってもらうようになりました。ワインや日本酒も同じように、小規模で丁寧に作られた物を選ぶようにしています。

    いわき市内では感染が拡大していなかったためか、今回の新型コロナウイルスによる影響も3月の中旬くらいまではあまり感じられませんでした。ですが、政府の緊急事態宣言が最初に出された後からはぱったりと客足は止まりました。

    福島県でも緊急事態宣言による休業要請が出され、はじめは時間の短縮営業も考えましたが、お店を一旦休業することにしました。ラジオで新型コロナウイルスに感染して回復した宮藤官九郎さんの話を聴き、感染拡大を防ぐために、ほとんど人と触れ合わないように過ごしています。

    ■今後の展望

    15日の福島県知事による休業要請の解除に伴い、18日から席数を減らしたり、メニュー数を減らしたりと縮小営業を始めました。それでも、お客様の来店が今回の新型コロナ禍以前のようになるには、まだまだ時間がかかると思います。

    その中で、常連のお客様の為にも、今の事業を続ける為に自分が出来ることを冷静に考えていきたいです。

     

    ALAYA

    ALAYA 戸田 宗輝さん

    業種:アパレル業(古着)、飲食業(カフェ)
    所在地:福島県いわき市小名浜字上明神町4-2
    営業状況:営業中
    SNS:instagram

     

    ■お店の現状

    2018年9月にオープンしました。アメリカ、ヨーロッパなどから買い付けた古着とハンドドリップのコーヒー、抹茶などのドリンク類も提供してます。2019年の10月に台風や大雨の災害があり、営業を続けてよいのか考える時期がありました。自店舗は水も出ていて、店舗の被害も少なく済みましたが、市内や街の活気はかなり落ち込み、そこから年末までの2ヶ月〜3ヶ月は通常の雰囲気に戻るのが厳しかった状況だったのを覚えています。

    今回、コロナウイルスの影響では、まず海外に買い付けに行けない事も大きいです。もちろん、今の状況で服を買う事の優先順位は低いとは思います。お店である以上は商品の入れ替えをしたいという気持ちと、こんな状況だけど少しでも新しい服を見せたいという気持ちもありますが、現状は今ある商品で運営しています。

    それでも、テイクアウトでコーヒーを飲みに来ていただけるお客様もいます。こんな状況でも一杯のコーヒーを求めてくれるのは嬉しいですし、それで一息ついていただけるならこちらも幸せです。

    ■今後の展望

    営業時間、運営の仕方、これから先どうなるか……。気にするとキリがありませんが、今やれる事と、コロナが収束したらなにができるのか、何が必要になるのか、その時はどんな運営がよいのかなど、可能な範囲で楽しい事も考えて乗り切ります。

    元禄彩雅宿 古滝屋

    元禄彩雅宿 古滝屋 里見 喜生さん

    業種:宿泊業(旅館)
    所在地:福島県いわき市常磐湯本町三函208
    営業状況:営業中(急を要する利用のみ受付)
    HP:https://furutakiya.jp/

     

    ■お店の現状

    古滝屋は、福島県・いわき湯本温泉に立地する温泉旅館です。創業は元禄8年。その時代の中で、様々な方々にお世話になり、生業を続けてきました。まずもって、感謝の言葉しか思いつきません。

    今回のコロナウィルス感染拡大防止のための外出自粛は、東日本大震災と同じくらい衝撃的な状況です。他の施設よりも人との触れ合いを重視してきた営業だったので、経営のダメージは想像以上のものです。

    緊急事態宣言が延長されたことで、終息の時期がますます不明瞭になりました。スタッフの安全、感染拡大防止の観点から、会議室や宴会場はクローズし、冠婚葬祭、お見舞い、ビジネス、仮住まいなど、急を要するご利用の方のみご宿泊を受け付けております。

    福島県外から観光で訪れる方は、緊急事態宣言が解除されるまで宿泊はご遠慮願います。また5月6日〜6月5日まで、旅館のご利用も停止させていただいています。

    ■新たな取り組み

    世界中が閉塞感がただようなか、このような状況だからこそ、古滝屋は、今までのように、家族の想い出のひとときを演出できる存在でありたいと考えています。

    そんな想いのもと一つの取り組みとして、旅館の料理をご自宅で楽しめるようにスタッフ一同試行錯誤し、テイクアウト料理と出前サービスを行いました。古滝屋としては、初めての取り組みです。詳細は、古滝屋のWEBサイトでご紹介しております。

    社内イノベーションとして、オンラインワークも取り入れることにしました。また縮小営業の期間を利用し、古滝屋では館内のリフォームを進めています。

    コロナが収束しましたら、ぜひ、古滝屋にお越しくださいませ。スタッフみんなで、お待ちしております。

    おわりに

    いわきの声、そちらまで届きましたでしょうか?

    いわき市内は感染者数は突出して多いわけではなく、街を見渡してもチェーンのお店などは営業しており、車通りもさほど普段と変わりません。一見、新型コロナウイルスの影響は限定的であるようにも見えます。

     

    しかし、緊急事態宣言が全国に発令されたことで、多くの個人店は休業をせざるを得ない状況になり、駅前や市街地の商店街は一気に静まり返ってしまいました。

    また、学校や幼稚園も休校・休園となってしまい、入学したきり学校に通えていない子供や、それに伴う対応を余儀なくされている保護者の悲痛な声も聞こえてきます。

    新型コロナウイルスは全国の各地と同様に、いわき市内でも市民の生活に多大な影響をもたらしています。

     

    しかし、いわきのお店の方々にお話を聞くと、そんな状況下でも様々な工夫でこの困難を乗り切ろうとする姿を見せていただきました。そんないわきの人たちを見ると、かえってこちらの方が勇気づけられます。

     

    きっと、みんなが顔を合わせて笑える日は必ずまた来ます。その日を信じて、いわきでも、みなさんの街でも、前を向いてやっていきましょう!

    その日が来たら、ぜひいわきにも遊びに来てくださいね。待ってまーす!

     

    OGPイラスト:小松佑

    イーアイデム

    この記事を書いた人

    久保田 貴大
    久保田 貴大

    1995年生まれ。長野県安曇野市の農家の長男。それなりに順調な人生を辿ってきたものの、新卒で入った地元企業でメンタルを病み色々悩んだ末、4月から福島県いわき市へ移住。それなりに順調だった人生で失った何かを取り戻し中。根がヤンキー。

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