アイドルのファンはどうやって生活してるの?【ドルオタ達の伝説】

2021.09.14

アイドルのファンはどうやって生活してるの?【ドルオタ達の伝説】

アイドルのファンの中でも、特に深い愛と情熱を持って行動する人々…………追っかけやアイドルオタクと呼ばれる彼らはどんな生活をしているのか? 現場(ライブやコンサートやイベントなど)にはどれくらい行っているのか? お金や仕事は? 色々なことを聞いてきました

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    こんにちは、ライターのコエヌマカズユキです。

    ジモコロには、アイドル関連の記事がいくつか公開されています。ももいろクローバーZをはじめ、コロナ渦でも頑張っているアイドルや、ローカルアイドルなどなど……

     

    地方によく行く人の『あるある』を話してたら、なぜかすごい人たちが参加した

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    ローカルアイドルKaede(Negicco)に聞いた『新潟生まれはなぜ美人?』

     

    それらの記事を読むうちに、アイドルそのものへの興味が湧いてきただけではなく、

    ・アイドルの熱狂的なファンって、どれくらいの時間やお金を応援に費やしているの? 

    と気になりました。

     

    だって地方に一回コンサートを見に行くだけでも、バイトとか休まなきゃいけないですよね? でもバイトを休みまくってたら、今度はお金がなくなってコンサートに行けなくなるのでは……?

     

    というわけで今回は、某アイドルグループのトップオタ(ファンの頂点に君臨していたオタク)だったKさんに話を聞いてみました。

    ・アイドルの熱狂的なファンって、どれくらいの時間やお金を応援に費やしているの? 

    ・Kさんが語るドルオタ達の伝説

    教えて~!

    トップオタ列伝

    年間200回以上ライブやイベントに参加

    「ライターのコエヌマと申します! 今日はよろしくお願いします。Kさんは以前、有名な『トップオタ』だったとのことですが、当時はどんな生活だったんですか?」

    「一番ハマっていたのが2015~2016年にかけてです。ライブやトークイベント、舞台あいさつなどを、オタク用語で『現場』というのですが、年に200回以上は現場に行っていました

    「にっ、200回以上!? 普通の人が会社に行くくらいの頻度じゃないですか」

     

    「それくらいは行ってましたね。行かないことを『現場を干す』と言うのですが、2015年~2016年は、干したイベントが年間5つもなかった。つまり応援してたアイドルが出演する場所には、ほぼすべて僕も行っていました

    「コンサートで地方とかを回ることもあると思いますが、それもすべて?」

    「もちろんです。全国ツアーのことを『全通(ぜんつう)』と呼びますが、北海道から沖縄まで20公演とか、全部行っていました。地方どころか、台湾とかハワイといった海外公演にも行ってましたよ

     

    当時のコンサートやイベントのチケットを山のように持って来てくれたKさん

     

    握手券のために同じCDを大量購入

    「す、すごい。お金ってどうしてたんですか? だって隣町の吉野家に牛丼を食べに行くだけでも、200回だと相当な額ですよ!?」

    「そんなに安く済んだら嬉しかったんですけどねぇ。実際は地方だと交通費は数万とかザラだし、チケットも5000円とか1万円とか。さらにプラスして、グッズも買わなきゃいけない」

    「! そうか、よく考えたらアイドルを追っかける場合、まずはCDとかを買うのが前提だった」

    「そうなんですよ。CDで言うと、1枚1000円のCDを250枚買ったことがありますよ。25万円かかりました」

     

    「な、なんでーーーー!!??? 同じCDなのに!?」

    CD1枚につき10秒握手ができる『握手券』が付いていたからですね。握手しながらお喋りとかできるんです」

    「10秒×250枚ということは……合計40分くらい握手して喋れるってことですよね。40分も喋ることあります???」

    「当時はとにかく推しメン(そのアイドルグループで好きなメンバー)のことを何でもいいから知りたくて。だから『今日何食べたの?』って質問したり……」

    「!? 25万かけて『今日何を食べたか』聞いたんですか!???」

    「(笑)今から考えたら変ですよね。他にも『歌がうまくなったね』『ダンス良かったよ』ってほめたりすると、やっぱり喜んでくれるわけです。推しメンの嬉しそうな顔を見ると、僕も幸せになれた

    「好きな人が自分の言動で嬉しそうにしてくれたら、こっちも幸せになるっていうのはわかります。それは他の趣味とか、実際の人間関係でも同じですもんね」

    「ですよね~? あの笑顔にはCD250枚買う価値があった。だから後悔はしてません

     

    オタク活動のために会社員を辞めた

    「ライブに行くのもCDを買うのもお金がかかりますが、どうやって工面してたんですか? Kさんは爵位を持ってる貴族なんですか?」

    「いやいや、当時は地方の金融系の会社で、サラリーマンをやってました。給料もそれなりに良かったですね」

    「へぇ~、だからオタ活動も余裕をもってやれたと」

    「でもオタ活動をもっとやりたいという理由で、辞めちゃったんですよね」

    「な、なんでーーーー!!??? せっかく正社員でお金も良かったのに!?」

    「単純に、何十回も地方から東京に往復してたら、体力が保たないんですね。年間200回 現場に行っていたと言いましたが、やはりメインは東京なので

    「それにしてもよく辞める決心がつきましたね。親御さんは何も言わなかったんですか?」

    「親には正直に理由を伝えたんですけど、まあ呆れてましたね(笑)。ただ僕の決心は固かったので、すぐに横浜の家賃2万8000円のシェハウスに引っ越しまして、スーパーでアルバイトしながらオタク活動を続けました」

     

    「安定した会社員からアルバイトに……となると、収入的にはかなり変化があったのでは?」

    「はい。でも地理的にもライブやイベントにはすぐ行けるようになったし、幸せでした。貯金200万円くらいは、2年間で全部なくなりましたけどね。食事もバイト先のスーパーで売っている280円の弁当を毎日食べていました」

    「オタク活動に掛ける高すぎるモチベーション……一体どこからその熱量が発生してるの」

    「僕はとにかく一瞬たりとも推しを見逃したくなかった。たった1~2曲しかやらないミニイベントのために、朝4時から10時間並んだこともありました」

    「1~2曲ってことは6~8分くらい? そのために10時間費やすのすごいな。素朴な疑問ですが、トップオタになると何か良いことあるんですか?」

    「う~ん……『誇らしい』って気持ちになれる……?」

    「代償が高すぎる気もしますが、今までの人生、一度も趣味で『誇らしい』って気持ちになったことはないので羨ましいです」

     

    友達より恋人よりアイドルが大事

    「トップオタだった当時、プライベートの恋愛はどうだったんですか?」

    「全くなかったです。恋愛に興味すらなかったし。もし恋人がいても、アイドルのおっかけを優先してしまうだろうから、絶対に迷惑をかけてたと思います」

    「確かに」

    あの頃は友達もすごく減りましたね。現場に行くことが最優先だったから、遊びはもちろん、結婚式の誘いさえ断っていました。だって結婚式って大抵 土日にあるから、イベントが入る可能性が高いんですよ」

     

    「マジで人生捧げてますね……! ちなみにファンの人って、アイドルに恋愛感情を持ったりするんですか?」

    「アイドルに恋をすることを、オタク用語で『ガチ恋』と言うんですよ。実際、アイドルと付き合いたいと考えるファンもいるんですが、僕は恋愛対象やエロい目で見たことは1度もないです」

    「じゃあ、推しメンにめちゃめちゃ似ているAV女優がいたとしても、作品は見ない?」

    「え……?」

    「………………」

     

    「……………それは見ます」

    「見るんかい」

    「いや、それはさすがに見るでしょう!!! あくまで興味としてですけど!」

    「興味で。わかりました。今日はトップオタであるKさんの、アイドルへの愛と情熱、そして驚きのエピソードをたくさん聞けて楽しかったです」

    「それは良かった。でもエピソードで言うと、僕よりすごいファンの方はたくさんいますよ!」

    「なんて世界だ……。では最後に、Kさんが知り合いから聞いたドルオタ列伝を紹介して、記事の締めくくりとしましょう。今日はありがとうございました」

     

    こんなにすごい!アイドルオタク列伝

    というわけでここからは、Kさんに聞いた「ドルオタたちのすごいエピソード」を紹介しましょう!

     

    ライブ前日に救急搬送されて……

    ある大学生のオタクが、好きなアイドルのライブ前日、仲間と飲んでいる時に急性アルコール中毒で緊急搬送!

    絶対安静の状態でしたが、翌日 目を覚ましたオタクは、「やめといた方がいいよ」という医者の制止を振り切り、ライブに駆けつけました。そしてそのまま全通(全国ツアーのすべての日程に参加すること)を成し遂げたのでした。

     

    どんな時でも飛べ

    ライブ中に推しのパフォーマンスに合わせてジャンプしていた男性。あるとき着地に失敗して足を骨折!

    しかし次のライブ会場では、松葉づえをついて片足でジャンプを続ける元気な姿が目撃されたという。

     

    足を骨折して思い知ったことビフォーアフター 【社会 不便すぎ】

     

    推しの誕生日をありえない方法で祝う

    推しのアイドルの誕生日などを盛り上げるために、とんてもない祝い方をするオタクがいます。あるオタクは、アドトラックに推しの生誕イベントの広告を出し、街中を走らせました。値段は100万円ほどかかったそうです。

    駅の巨大な看板広告に、「お誕生日おめでとう」と推しを祝う広告を、数十万円かけて出したオタクもいました。

     

    行列とトイレ

    ライブ会場が指定席ではなく、先着順に好きな席を取れる場合があります。そんなときは、何としても最前列で観たいので、早朝から並ぶわけですが、仲間がいないとトイレにも行けないので、いつも尿意との戦いになります。

    なかにはオムツを装備して並ぶ強者(つわもの)もいます。

     

    オタクの過去は人それぞれ

    バキ外伝 創面 3 (少年チャンピオン・コミックス エクストラ)

     

    あるアイドルのCD発売日、レコード屋に作業服を着た白髪まじりの男性がいました。おそらく近くの工事現場で働いていて、休憩時間に来たのでしょう。カバンにメンバーのバッジがたくさん付いていたので、ファン仲間だとすぐわかりました。

     

    案の定、その人は予約特典付きのCDを受け取り、店の外へ。少し後に私もレコード屋を出ると、先ほどの男性が立ち止まって上着を脱いでいました。すると、薄いシャツが汗で透けて、背中一面の立派な和彫りが……。

     

    ごく普通のオタクに見えて、意外な面を持ち合わせている人もいるんだな、と思いました。

     

    まとめ

    というわけで今回は某アイドルグループのトップオタだった方に話を伺いました。

    こんなにも何かを好きになれるって、心の底から羨ましいと思いました。自分にはこんなに好きなものあるかな……?

     

    僕もアイドルに興味が出てきたので、まずはライブの動画を見てみようと思います(おすすめがあったら教えてください)

    イーアイデム

    この記事を書いた人

    コエヌマカズユキ
    コエヌマカズユキ

    ルポルタージュを主に執筆。新宿ゴールデン街の文壇バー「月に吠える」店主でもある。著書「究極の愛について語るときに僕たちの語ること」「フリーライターとして稼いでいく方法、教えます。」。本とお酒とデスマッチ観戦が好き。Mail:info@moonbark.net

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