かつては蝦夷地。北海道になって150年強。

日本開拓と戦争の歴史は、時代のうねりと共に表情を変える。

 

北海道の広大な土地に足を踏み入れるたび、「自分は何も知らないんだな…」と我に返る。ジモコロがスタートしてから5年強。全国47都道府県の各地を訪れては知った気になっていたけれども、全国行脚の二周目は、より知らない場所が増えている気がしてならない。

 

移住して3年目の長野県においても、主要の土地でいえば長野市、上田市、小布施町、軽井沢町、松本市、飯田市などなど…地元在住者から見れば数多くある。13,560平方kmの土地に77市町村。たとえば長野市と松本市に行っただけで「長野県をすべて知った」といえるだろうか?

 

否っ…!

 

それこそ北海道は長野県の約8倍の面積(83,450平方km!)を誇る。道内には179市町村もあって、函館市から釧路市までの車移動は540km、片道7時間もかかってしまう。あまりにもでかすぎる北海道。

 

自然が剥き出しどころか、土地によっては見渡す限りが大自然。既知より未知に囲まれて、人間よりも野生が支配している気がしてならない。境界線を一歩超えれば、人類がはるか昔から共助関係を営んできた荒々しい世界が確実に存在している。

 

レンタカー屋に行けば「本日のシカ接触事故」が天気予報感覚で訴えてくるし、11月の釧路に行けば15時過ぎから日が暮れ始める。さすがに17時半時点で真っ暗になったのは驚いた。ヴェルファイアの天井から見た星空はあまりにもキレイだったもの。

 

過去のジモコロ取材を含めた自身の旅行では、札幌、函館、旭川、下川町、東川町、帯広、北見、網走、知床、中標津、釧路、根室など、結構な範囲を攻めてきた自負がある。それでもぜんぜん足りない。前述の通り、北海道単位でも”行けば行くほどに知らなくて、おもしろそうな土地が増えていく”からだ。

 

もう点で取材するだけでは埒があかない。ジモコロ6年目にして初の「特集」を組みたいと思う。

その名も「ジモコロの北海道大探索」!

 

ここからは文体が変わります

改めて、こんにちは。ジモコロ編集長の徳谷柿次郎です。

12月から毎月2本ずつ、北海道関連の記事を公開していく特集をはじめます! 点と点を繋げた「線」の見せ方は過去あれど、「大きな面」で捉えて執拗に同じエリアの取材を続けてきたことはありません。

 

これまで出会ってきた北海道のプレイヤーたちは、原野をイチから開拓したフロンティスピリッツのDNAを受け継ぐ者たち……。壮大なスケールで事業を興し、莫大な借金を抱えて、自分の好きなことを実現して事業を展開しています。マジすげー!

 

 

 

混迷を極める令和の時代だからこそ! 北海道のスケール感ある記事をドドっと届けることで、きっと次の生き方や働き方のヒントが見えてくるはずです。

 

いや、もう私は現地でひしひしと感じています。高度経済成長の果てを迎えて、資本主義の行く末とどう付き合っていくのか。いつだってイノベーションは辺境で起きている。それは過去のジモコロ記事で伝え続けてきたことでもあります。

 

 

過去、ジモコロでは20本以上の「北海道」記事を作ってきました。今回の特集によって、その数は30本をあっという間に超えることでしょう。通えば通うほどにネタがずるずるとお芋掘りみたいに出てくる北海道は、編集者にとって沼といえるのかもしれません…!

 

公開予定の記事紹介

●モール泉/温泉/サウナ/究極の交互浴/帯広(ライター:野澤一盛)

https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/nozawa01

 

●ギリギリおじさん/ゲストハウス/UNTAPPED HOSTEL/福祉支援/札幌(ライター:徳谷柿次郎)

 

●クラフトビール開拓使/麦酒亭/レジェンド/札幌(ライター:日向コイケ)

https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/hyuga07

 

●旭山動物園だけじゃない/観光の提案/北海道の開拓史/旭川(ライター:絹張蝦夷丸)

https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/ezomaru01

 

●ミニシアター/シアターキノ/市民出資の映画館/札幌(ライター:日向コイケ)

https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/hyuga06

 

●.doto/価値観を変える/逆境のプロジェクト/仲間を可視化/道東(ライター:阿部光平)

 

現状でこんな企画が進んでいます! 公開の順番は前後するかもしれませんが、どれもジモコロらしい記事に仕上る予定なので、皆さんお楽しみに。

 

動画全盛期で長いウェブ記事が読まれづらいし、シェアもされにくい時代になってきていますが…これまでもこれからも軸をぶらさずに現地に足を運んで、リアルな一次情報と流行りに乗らないアーカイブ性の高い記事を作っていきたいと思います。

 

 

大探索イラスト|casochi