こんにちは! ジモコロ編集長のギャラクシーです。

僕は男ですが、高校生のころ痴漢に遭って泣き寝入りしたことがあります。そのことを友人・知人に話すたび「ヘタレwww」などと笑われてきました。

 

ひょっとしたら女性が痴漢された時、そして泣き寝入りをしたことについてやいやい言われた時に役立つかもしれないので、今回は“なぜ泣き寝入りしたか”書かせてください。

 


※この記事では、性暴力被害の実態を伝えるために加害の手口などについて触れています。フラッシュバックなど症状のある方は十分にご留意ください


 

ではまず、当時の状況を簡単に説明しましょう!

高校生の頃、学校帰りにひとりで大阪の電車に乗っていた時のこと。帰宅ラッシュで車内は満員でした。

 

電車に乗ってしばらくすると、おしりにツンツンと何かが当たる感触がありました。

「何かが当たってるな~後ろの人のカバンかな~」

くらいに思ってたんですが、やがてその手は「ツンツン」ではなく「ぴたっ」と密着してきておしりを撫で始めました。

 

この時点でもまだ「後ろの人、もぞもぞしとるな~」とか思ってたんですが、そのうち指が、こう……なんと言いますか、つまりゴールデンな方向にですね、太ももをかき分ける感じで入ってきたので―

 

「あ、痴漢だ」とわかったんです。

で、僕は次の駅で降りまして、つまり泣き寝入りしたわけですね。電車を降りる時に犯人を見ようとしたんですが、位置や表情から推測するとあのサラリーマン……かも……?って程度で、特定はできませんでした。

 

知らない駅で降りた僕は、コンビニでピザまんを買ってひとり公園で食べました。かわいそうですね。

 

では、なぜ泣き寝入りしたのかについて説明していきましょう!

 

なぜ泣き寝入りしたのか

理由1:自分なんかを触るか!?

真っ先に考えたのがこれです。

今まさに触られてる最中なのに、「(男の)自分なんかを触るわけがない」って感じで確信が持てなかった。

そして「自分なんかを」と思っているせいで、もし被害を訴えても周囲からおまえなんか痴漢するわけないだろwww」っていう目を向けられるんじゃないか?と心配でした。

 

これ、僕が男だからわかりやすい構図になってますが……痴漢被害に遭った女性の友人に聞くと「お前みたいなブスを触るわけないだろ(笑)」とか「自意識過剰なんじゃないの?」と周囲に思われると怖いと言ってて、わかる!ってなりました。

 

痴漢被害に遭うのって容姿も年齢も関係なくて、誰でも痴漢に遭う可能性はあると(周囲の人も)認識してほしい!

 

理由2:冤罪だったら!?

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僕が泣き寝入りした最大の理由がこれです。

もし掴んだ手が痴漢ではなく、無関係な人だった場合、その人の人生は僕のせいで“終わり”です。こんなに恐ろしいことってある? 突然その選択を強制されるってめちゃめちゃストレスでした。

 

僕は普段から痴漢冤罪を恐れて満員電車では両手を上げている人間なので、より冤罪を心配してしまったのかもしれませんが……誰だって「自分のせいで誰かの人生を終わらせてしまう」のは怖いはず。

逆に言うと痴漢って、「自分のせいで知らない誰かの人生が終わっても知~らね、と考えてる人種」ってことで、マジでカスだなと思います。

 

あとギュウギュウの満員電車で「見えない位置から痴漢してる人の手」を正確に掴むって難しすぎません? 間違えたら他人の人生が終わるって条件付きですよ?

『寄生獣』の田宮良子とかじゃないと無理っぽいので、捕まえようとするリスクのほうがでかいって思っちゃいました。

 

 

理由3:こわい!!

シンプルに怖かったです。

痴漢って犯罪者という時点ですでに理解不能な怪物なので、暴力とは違うベクトルの怖さでした(トラや熊じゃなくて、ムカデとかゴキブリみたいな)

しかも、向こうはこっちを視認してるけど、こっちからは姿形が見えないので、どれくらいの脅威度か判断できないのがまた怖い。

 

あと、男から見ても痴漢行為って“理解を超えた性欲”なんですね。

・周りに人がたくさんいる

・気づかれたら捕まって人生終わる

・自由自在には触れない

・相手は嫌がっている

↑この条件で興奮できるのって、ムチャクチャ特殊な人ですよね? 理解できない性欲が自分に向かっているって、結構コエーって思いました。

 

なお、この項目「こわい!!」に関しては……僕は男なので、どうしても我慢できなくなったら―

・腕力で抵抗する

・逃げる

の二択でなんとかなるかーと楽観的な部分もあったんですが……女性だとどちらの手段も通じない可能性があるので、より怖いだろうと思います。

 

理由4:ダルい

ダルい!

なんせこっちは被害者側なわけで、怖いし悲しいし疲れるんですね。

 

「痴漢です!!」って声を上げたり、その結果「お前なんかを触るわけないだろwww」って笑われたり、冤罪で誰かの人生を終わらせちゃうんじゃないかと心配したり、警察に事情を説明して親に来てもらったり……そういうのを乗り越えるカロリーが残っていなかった。

次の駅まで5分我慢すれば↑上記の作業をやらずに済むと思っちゃったんです。

 

僕が逃したせいで犯人が別の人を痴漢する可能性もあるから、泣き寝入りって良くないかもしれません。でも痴漢被害に遭うって、想像してるよりダルいです、マジで。

だから次の駅で降りてピザまん食って忘れよ……って思っちゃいました。

 

なお、ピザまんはおいしかったです。

 

まとめ

というわけで今回は、僕が痴漢された時に泣き寝入りした理由を書きました。

何の準備も心構えもなく急に痴漢に遭ったら、スマートに対処できないのが当たり前。「ヘタレ」とか言わないでね、というお話でした(被害者に何か言うカロリーがあるなら痴漢への罵倒に使ってほしい)

 

ちなみに僕はこの数年後にも痴漢に遭ってますが、その時は「あ、痴漢だ」と確信した瞬間にバッと振り返ったら、誰のかわからない手はどこかに引っ込んでいきました。

反射的にというか、初動の勢いさえあれば意外と行動できたりします(もちろん冤罪を生まないようにちゃんと確信してからね)

※痴漢は最初からいきなりベタ~ッと触ってこず、しばらくツンツンしてくるのですが、これ「初動を殺す」狙いがあるんじゃないかなーと思ってます

 

以上、この記事がみなさんの準備や心構えに少しでも役立てば幸いです。

 

おしまい

 


声を上げるのが難しい場合は、痴漢撃退機能や防犯ブザー機能のある警視庁の防犯アプリもありますよ!

警視庁防犯アプリ「Digi Police」(デジポリス)