━━近ごろ、各社がおもしろいグミを出してますよね。グミコーナーを見ていると、大喜利大会を見ているような興奮を覚えることがあります。でも、昨今のグミブームにあやかって、グミならどんな変な企画でも採用されちゃっているんじゃないの? なんて、うがった見方をしてしまっている自分もいて。

いえいえ、UHA味覚糖では、年間に1000ネタ以上の企画を出していて、ほとんどがボツになっています。

新しくておいしいグミを考えるために、世の中のグミを片っ端から食べて研究したり、グミ以外のありとあらゆる食材を買って食べたり、食べものじゃないものの感触から発想を得たり。一時期、見るものすべてをグミと紐付けて考えてしまって、頭が狂いそうでした(笑)。

(インタビューより)


最近、コンビニやスーパーのお菓子売り場で大きく展開され、ひときわ目を引くグミ。コロナ禍を経てお菓子市場は大きく変化し、多くの人がガムよりグミを好んで食べるようになったとも言われています。

2024年の国内でのグミ市場は約1138億円となり、このブームは現在もとどまるところを知りません。

今回は、「シゲキックス」「忍者めし」「コロロ」といった定番商品から、「モッチュ」「グミだま」などの新商品まで、唯一無二のユニークなグミを世に出し続けているUHA味覚糖の、広報部・マーケティング部のお2人にお話を聞きました。

果たして、UHA味覚糖のグミたちは、どのようにして生まれているんでしょうか?

 

グミの戦国時代、到来! なぜブームになったの?

━━今のグミブームは、いつ頃から、なにがきっかけではじまったんでしょうか?

マーケティング部:国内のグミ市場は2010年代後半から徐々に売上を伸ばし、2021年には一気にガムの売上を超えています。ブームの大きなきっかけとなったのがコロナ禍です。

在宅勤務の普及により、「外出時につまむ菓子」であるガムやキャンディの需要が低くなるいっぽう、グミはカロリーや脂質の面でもヘルシーで、小腹も満たしやすく消費者のニーズにフィットして、支持を集めました。

さらに、SNSとの相性のよさも追い風になったと思います。グミは形や味、食感のバリエーションが豊富で、ASMR動画にも使いやすい。最初にSNSで大きな話題になったのは、韓国発の「地球グミ」です。噛むとパキッと心地よい音が鳴ることでも注目を集めました。

━━地球グミ、たしかに流行っていましたね。

広報部:当社だと、2022年に販売開始した「水グミ」(※現在は生産終了)がSNSで大きくバズりました。

その時期ちょうど、透明だけど味がするというコンセプトの「フレーバーウォーター」が流行っていて。これをグミに落とし込めたらおもしろいよね、というところから開発された商品です。

発売直後から、透明な見た目とぷるんとした食感に注目が集まるのはもちろん、ドリンクに入れるというアレンジレシピを提案してくださる方も出てきて、SNS上でかなり話題になったんです。

━━当時、タイムラインで見かけた記憶があります。バズってましたね。

広報部:もうすごかったですね。発売後の初速売上が他の商品の比ではなかったです。

━━最近だと、これは売れたなというグミはありますか?

UHA味覚糖の人気商品「忍者めし」のなかでも、ザクザク食感が気持ちいい「忍者めし 鉄の鎧」

マーケティング部:「忍者めし 鉄の鎧」ですね。通常の忍者めしも周りをコーティングしているのですが、「鉄の鎧」はさらに硬いコーティングを施してあって、噛んだ時にザクッ! ザクッ! といい音がするんです。それがASMR動画を中心にバズりました。

これだけ音や食感がフィーチャーされるようになったのは、SNSが発達してきたからこそだとは思いますね。SNSを意識したグミも多くなってきていると思います。

━━SNSで広がったりする感じは、やっぱり若い人向けのお菓子という感じですね。

マーケティング部:いや、それが、意外とグミって40〜50代以上の方々からも愛されているんですよ。今は種類が増えていることもあって、本当に幅広い年齢層の方に買っていただいています。

━━そうか、食感ひとつとっても、柔らかいものも硬いものもあるから、年齢層問わず食べられているんですね。

マーケティング部:グミは1980年あたりに日本でも販売されるようになりました。そこから45年以上経っていますから、小さい頃にグミを食べていた人が50代くらいになり、年齢を重ねてもグミを好んで食べるというのは自然なことなんじゃないかと思います。

しかも、昨今は各社が様々な種類のグミをこぞってリリースする、グミの戦国時代。年齢問わず多くの人が、グミの新商品の販売を楽しみにしているんじゃないでしょうか。

 

日本最初のグミは「コーラアップ」。UHA味覚糖は「コスミック21ベア」から歴史がスタート

━━1980年に日本に入ってきてから、これだけの発展を遂げているんですね。日本で最初につくられたグミってどの商品なんですか?

広報部:1980年に発売された、明治(当時の社名は明治製菓)さんの「コーラアップ」が日本の会社から発売された最初のグミですね。

━━「コーラアップ」なんですね! 今でも好きでよく食べます。そもそも、グミってどこの国のお菓子なんでしょうか。

マーケティング部:1922年にドイツのHARIBO(ハリボー)が発売した「ダンシングベア(現在のゴールドベア)」がはじまりです。「グミ(Gummi)」という言葉もドイツ語で「ゴム」という意味なんですよ。

マーケティング部:当社はドイツの技術を学んだと聞いていますね。

━━ちなみに、UHA味覚糖が出した最初のグミ商品は?

広報部:1985年に発売した「コスミック21ベア」というクマの形をしたグミでした。

━━ここからUHA味覚糖のグミの歴史がはじまったんですね。

1985年に発売された、UHA味覚糖初のグミ商品「コスミック21ベア」

 

シゲキックス開発秘話。コンセプトは「酸っぱいグミ」ではなかった?

━━わたしは子どもの頃から「シゲキックス」が大好きなんです。長年、UHA味覚糖の人気商品ですよね。シゲキックスがどのように生まれたのか、すごく気になります。

広報部:いまでは多くの人が「シゲキックス=酸っぱいグミ」というイメージをお持ちだと思うんですが、開発当初は酸っぱさだけにこだわっていたわけではないんです。

━━そうなんですか!

広報部:最初は、「刺激+ハード食感」をコンセプトにした商品でした。今だと、ソーダ味やレモン味、グレープ味がメインになってると思うんですけど、発売当初は清涼感が刺激的なミント味、ビターな刺激が特徴のコーヒー味、それと酸っぱいレモン味という3つの味で発売されました。

1992年に発売開始した「シゲキックス」。当初はミント、レモン、コーヒー味の3種類だった

━━ミント味、コーヒー味はまったく知りませんでした……!

広報部:当初は「こんなに酸っぱいレモン味なんか売れるか!」という意見が多かったようです。しかし、若手の一社員が「この酸っぱさがいいんです!」と猛プレゼンして発売に至った。それがお子さんを中心に大反響を得て、ヒットにつながりました。

━━ひとりの若手社員の情熱が、「万人受けしないだろう」という先入観を打ち破って大成功につながったんですね。

広報部:はい。弊社は、驚きやユニークさ、新しさを大事にする社風があるので、最終的には「わかった、チャレンジしてみなさい!」となったのかもしれないですね。

UHA味覚糖の「UHA」は、「ユニーク」「ヒューマン」「アドベンチャー」の頭文字ですから。社員の冒険心を大切にしてくれるところはありますね。

━━最近、各社がおもしろいグミを出してますよね。グミコーナーを見ていると、大喜利大会を見ているような興奮を覚えることがあります。でも、昨今のグミブームにあやかって、グミならどんな変な企画でも採用されちゃっているんじゃないのか? なんて、うがった見方をしちゃっている自分もいます。

広報部:いえ、そんなことないんです。わたしも以前グミの企画部にいたのですが、企画部全体で年間に1000ネタ以上の企画を出していて、ほとんどがボツになっていました。それくらい企画を通すのは難しいんですよ。

━━1000ネタも。そしてほぼボツに……! グミの企画って、どういう発想で考えているんですか?

広報部:SNSで流行っているものをリサーチしたり、ブームを予想したり、世の中のグミを片っ端から食べて研究したり、グミ以外のありとあらゆる食材を買って食べたり、食べものじゃないものの感触から発想を得たりと、本当にいろいろです。一時期、見るものすべてをグミと紐付けて考えてしまって、頭が狂いそうでした(笑)。

マーケティング部:他社さんの商品も、新商品が出たらほぼ全部食べますね。最近は毎週のように新商品が発売されていますが、会社のいたるところに誰かの買ったグミが置いてあって、部署問わず食べて感想を言い合うみたいな。

━━ほとんどボツになったりと厳しくはあるけど、そのいっぽうで、シゲキックスみたいに「おもしろそう!」みたいな採用のされ方もあるんですね。

広報部:そうですね。おもしろそうだからやってみよう! と決まったら、その勢いはすごいと思います。

 

「コロロ」は開発に30年かかっている?

「この世で一番柔らかいグミつくろう」というコンセプトで開発された「モッチュ」

広報部:グミといえば、やはり食感がやっぱり一番の特徴にはなってくるので、どう新しい食感を出すかは常日頃から頭を悩ませているところですね。

「忍者めし 鉄の鎧」は「この世で一番硬いグミつくろう」といって誕生した商品。逆に「モッチュ」は「この世で一番柔らかいグミつくろう」ということでつくられました。和菓子などによく使用される吉野本葛をグミに使っているんですよ。

━━やっぱり食感が大事なんですね。

広報部:食感の新しさでいうと「コロロ」は唯一無二なんじゃないでしょうか。みずみずしい柔らかめのグミをコラーゲンで包んでいるので、口のなかでプチッと弾けて、プルンととろける。今となっては当社の大人気商品ですが、2014年に発売されるまで、ずっと試行錯誤と悪戦苦闘を繰り返していました。

━━難産だったんですか。

柔らかめのグミをコラーゲンで包んだ、いままでにない食感の商品「コロロ」

広報部:かなり特殊なんですが、コロロは、こういうグミを作りたいと社内で思い立ってから30年ぐらいかかっているんですよ。

━━え……? 開発に30年も?

広報部:なかなか思い通りに実現できず、30年間、いろんな担当者がチャレンジしては挫折し、またチャレンジし……というのを繰り返して、やっと2014年に発売まで辿り着きました。他のグミとまったく違う製法というのもあって、ゼロからのチャレンジだったんです。

━━新商品開発にそんなに長くかかるケースってあるものなんですか?

広報部:ここまで長くかかるのはほとんどないです。正直、コロロぐらいですね。

━━ちなみにその製法っていうのは……?

広報部:すみません、コロロの技術については、詳しいことはまったくお話できないんです……。我が社のドデカい企業秘密なので。

━━なるほど。でも、よくぞ諦めないで発売まで辿り着いてくださいました。コロロ大好きです。最初食べた時めっちゃびっくりしました。この食感はなんだ! って。

 

きっと飴もグミも空を飛べるはず

━━UHA味覚糖として、今後目指していきたいことはありますか?

広報部:これからもどんどん新しい商品を出して、お客様に驚きや楽しさを届けていきたいですね。
販売について言えば、海外に販路を広げていくことでしょうか。

━━海外にも進出しているんですか?

広報部:はい。以前からアジアでは販売していたんですが、昨年、アメリカでも各種グミ商品や、ソフトキャンディの「ぷっちょ」を販売開始しています。
海外だと硬めのグミが主流なんですが、独自の発展を遂げてきた日本のグミも徐々に広がっています。コロロなど、柔らかくて他にない食感のグミは海外でもすごく人気があるんです。日本に観光に来たインバウンドの方々が、グミを大量に買って帰られることも多いんですよ。

━━グミは日本のお土産としても認知されてきているんですね。

広報部:それと、当社ではサプリメント事業など、ヘルス商品にも力を入れています。ここにもグミの技術を応用しています。最近広く知られるようになったのは「UHAグミサプリ」ですかね。

━━わたしも、よく「鉄分」のグミサプリを買っています。あれもUHA味覚糖の商品だったんですね。

おいしく、水なしで栄養チャージできる「UHAグミサプリ」

━━最後に、改めて、UHA味覚糖の考えるグミの魅力とはなんでしょうか?

広報部:やっぱり、食感、形、もちろん味など、様々な切り口で多彩なバリエーションが出せるというのが、他のお菓子にはないグミの魅力なのかなと思います。一口に硬いグミと言っても、硬さにも種類があるんです。だからこそ、自分好みの「推しグミ」が見つけられる。それがおもしろいと思いますね。

━━確かに、わたしも友人と「どのグミが好き?」と盛り上がることがあります。

広報部:技術の発展も相まって、これからもどんどん新しいグミが生まれると思いますよ。

━━そういえば、UHA味覚糖の大人気キャンディ「特濃ミルク8.2」は、2019年にJAXAの認証する「宇宙日本食」になったんですよね。わたしは勝手に、UHAグミサプリなどのグミ商品も宇宙に行けるんじゃないかって期待しています。

2020年、宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」に搭乗する野口聡一宇宙飛行士の宇宙日本食として、提供された「宇宙日本食ミルクキャンディ『宇宙食 特濃ミルク8.2』」

広報部:確かに! そうなったら嬉しいですけどね。いろんな味や食感のグミを持って行くことができれば、宇宙でも楽しみが増えそうです。

━━今回はありがとうございました。今後発売されるUHA味覚糖の新商品も楽しみにしています。

広報部:はい、これからも新しくて、ユニークで、おいしいお菓子をお届けしたいと思います!

編集:友光だんご