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ザッ…ザッ…

 

 

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降り積もる雪…

 

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北海道、寒すぎるだろー!!

34歳のおじさんの疲れた顔が無情にも浮き出てくるほどの寒さ。

そして豪雪。コンディションは最悪です。

 

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ここは北海道の道東エリアにある「美幌峠(びほろとうげ)」。10月下旬だというのにしんしんと雪が降り続けてご覧の有り様です。阿寒国立公園内にある峠で、天気さえ良ければ屈斜路湖(くっしゃろこ)が一望できるのに…。

 

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見事なホワイトアウト。

 

 

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良い時期に訪れたらこの絶景なんです

 

ちなみにこの屈斜路湖、あまり知られていないかもしれませんが…日本最大のカルデラ湖なんです。湖の周囲は57キロ、面積は79.3平方キロメートル、最大深度は117.5メートルとバケモノみたいなスケール感。しかも、湖心に浮かぶ中島ですら、周囲12キロ、面積5.7平方キロメートルと淡水湖として日本最大だそうです。

 

火山入門―日本誕生から破局噴火まで (NHK出版新書 461)

火山入門―日本誕生から破局噴火まで (NHK出版新書 461)

 

 

突然ですが、たまたま興味があって読んでいた新書『火山入門 -日本誕生から破局噴火まで』の中に、カルデラについて詳しく書いてあったので引用させていただきます。

「カルデラ」は、もともとはポルトガル語で「大きな鍋」のことである。火山学ではカルデラは火山を中心にした大きな窪地のことで、地下から大量のマグマが出てきた結果、地下に空洞ができ、その空洞が陥没して地表が大きく窪んでできるものである。阿蘇山で見られるものが有名だ。

引用元:島村英紀火山入門 -日本誕生から破局噴火まで』(NHK出版、2015年)

屈斜路カルデラができたのは約3万5000年前〜4万年前と推測されていて、同じ体積のマグマが噴出した跡だと考えると…ゾッとしませんか? 世代的にドラクエ3の「ギアガの大穴」をイメージしました。地下世界は存在しないとしても、火山活動の激しさにガクブルです。

噴火の結果できたカルデラとしての日本最大のものは北海道の屈斜路カルデラ、2位が阿蘇カルデラ、3位は鹿児島県の姶良カルデラである。

引用元:島村英紀火山入門 -日本誕生から破局噴火まで』(NHK出版、2015年)

 

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今年の夏、熊本の取材で阿蘇山も訪れていて「なんなんだよ、このドラクエみたいな世界観…」と呆然としたものですが、それすら凌駕する屈斜路カルデラの存在。日本列島がいかに活発な火山活動の上に成り立っているのかが分かりますね。

豊富な温泉資源、そして鉄や銀といった鉱物、その土壌で実る野菜などなど、火山活動から見る日本めちゃめちゃおもしろいよー!!

 

噴火の規模としては桁違いに大きいカルデラ噴火だが、いままで日本では10回以上も起きている。今後、永久にカルデラ噴火が起きないということはあり得ないだろう。これからも短ければ数千年ごとに起き続けるはずである。カルデラ噴火がこの次にいつ起きるかについて定説はない。だが、ある火山研究者が2014年に発表した計算によると、100年以内に起きる可能性は1%だという。低いと言えば低い。しかし、1%というのは阪神・淡路大震災(1995年)が起きた前日に政府の地震調査委員会が発表していた地震の確率と同じである。可能性が低いといって安心できるレベルではないのかもしれない。この研究者は、もし将来、この種の巨大なカルデラ噴火が起きると、噴火そのものとそこから出る火山灰の影響で、最悪の場合、1億2000万人の死者が出ると試算している。つまり、日本人のほとんどが死に絶えてしまうということだ。この種の「次のカルデラ噴火」がいつ、どこに起きるかはわからない。しかし、もし九州に起きると、九州はもちろん壊滅的な被害を生じるが、偏西風のために火山灰が運ばれて影響は日本全体に及ぶ。この1億2000万人の死者という試算は九州でカルデラ噴火が起きたとしたとき、つまり日本にとって最悪の想定である。

引用元:島村英紀火山入門 -日本誕生から破局噴火まで』(NHK出版、2015年)

一方で、身の毛もよだつようなカルデラ噴火怖い話も…。興味がある人は、ぜひ本を手にとってみてください。

 

おじさんのウンチクは置いといて…

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「ああ、温泉入りてぇ。大自然の写真を撮りたくて、はるばる北海道までやってきたのに夢が潰えるだなんて。寒さで足の指先までキンキンに冷えてる…」

 

 

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このままだと白い雪に包まれた織田裕二になってしまう可能性が高いため、屈斜路湖のある弟子屈方面へ向かいます。

 

 

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もしものことを考えて、旅の経路に入れていたのがこちらのスポット!

 

屈斜路湖の湖畔に見えるんですが、後ろを振り返ると…

 

 

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うわー!野外の露天風呂だー!!

湖と直結した公衆浴場で、正式名称は「和琴温泉(わことおんせん)」。むき出しの更衣室が野性味を感じさせます。屈斜路湖内の和琴半島にはあちこちに温泉が湧き出ていて、その入口に位置するのがこの公衆露天浴場です。野外で混浴風呂ってダイナミックすぎる。

 

もちろん入浴料は無料!

 

すぐ近くに駐車場もあるため、車でのアクセスも問題ありません。野外の露天風呂に抵抗がある人は、和琴半島の少し奥にある室内公衆浴場を利用しましょう。

 

 

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地元のおっちゃん、おばちゃんたちが憩いの場として利用するだけでなく、物珍しそうに欧米人の男女も全裸で入ることもあるとか。なぜなら野外の露天混浴風呂だから!

 

 

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冬でも風情があり、白い湯煙が温泉好きにはたまりません。 

 

 

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10月末という時期が時期だけにガラガラ。全裸上等の四文字を頭に唱えながら、「うおおおおお!温泉んんんんっっ!!」と衣服を脱ぎ捨て飛び込みました。極寒だから。全裸で佇むリスクが最高潮に達してます。同時に温泉欲もトップギア…!!

 

 

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取材旅行に欠かせないジモコロの手ぬぐいを写しつつ…。ありがとう。スポンサーのアイデムさん…。経費がなけりゃこんなところまで来れなかったぁ。

 

では、皆さんご唱和ください。

 

 

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極寒の露天風呂最高〜〜〜!!

 

 

ただの野外の露天風呂ではなく、泉質がマジで良いんです。ジモコロの取材旅行を通して年間50回以上温泉に浸かっていますが、野外という点を差し置いても、かなり気持ちの良い泉質…! そこまで硫黄臭くもなく、それでいて成分が濃い感じ。ちょうどいい温度の源泉が足元から湧き出ているのが分かります。

 

 

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前述の阿蘇カルデラ周辺の温泉が人気なのも泉質のおかげだといっていいでしょう。大規模噴火を起こしたカルデラと温泉の関係性は切っても切れない。つまり、日本最大の屈斜路カルデラの湖畔沿いの天然温泉なんて良い泉質なはず…! フレッシュ!!

 

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しかも、足元が砂利って珍しい。お尻にあたる感触が独特なんですが、大自然の中に肉体とともに溶け込む感覚は和琴温泉ならではかもしれません。こりゃ、癖になる。

 

 

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途中、歴戦の猛者的なおじさん(全裸)、おばさん(タオル巻いてる)が入浴してきたので、ちょっと話を聞いてみました。ちなみにおじさんは、湖に近いエリアでゴシゴシと頭を洗い始めたので只者じゃないと思います。

 

f:id:eaidem:20161129193244p:plain「すみません。おじさんはこの温泉のヌシですか?」

f:id:eaidem:20161129192947p:plain「ん? 違うよー!」

f:id:eaidem:20161129193244p:plain「立ち居振る舞いが風景に馴染みすぎていたので、幻のヌシと対峙してるのかと思いました」

f:id:eaidem:20161129192947p:plain「なにいってんのー。おれはあれだよ、あれ。遠くから白人のお姉ちゃんが見えたから、もしかして!?と思って入りに来たんだよ。そしたら、もう温泉に浸かって出た後だったんだよ。惜しかったな〜!」

f:id:eaidem:20161129193244p:plain「志村けんのコントみたいなことしてたんですね」

f:id:eaidem:20161129192947p:plain「君たちはどこから来たの?」

f:id:eaidem:20161129193244p:plain「東京ですね」

f:id:eaidem:20161129192947p:plain「あらー、遠路はるばるご苦労なことで」

 

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f:id:eaidem:20161129192943p:plain「ここは初めてなの? だったら、ここの源泉を飲んで行った方がいいわよ」

f:id:eaidem:20161129193244p:plain「え、ここの温泉飲めるんですか?」

f:id:eaidem:20161129192943p:plain「もちろん。昔からここの温泉を飲んだら病気が治るって評判なのよ。特に目が良くなるって言われてるのよ」

f:id:eaidem:20161129192947p:plain「そうそう。70歳過ぎたじいさんが、ここの温泉を飲んだら視力が0.2から0.8まで回復して、運転免許を取ったなんて話があるんだよ。あっはっはっ!」

f:id:eaidem:20161129193244p:plain「視力が上がるかもしれない温泉!? 断言するとネットで叩かれるやつだ!」

f:id:eaidem:20161129192947p:plain「あと、あれだよ。ここの温泉飲んだら、こぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んなでっけぇウンコが出るんだよ。便秘に悩んだらここの温泉で間違いないな〜」

f:id:eaidem:20161129193244p:plain「便通にも良し! 胃腸と免疫が弱い系男子なので気になります。せっかくなんで上がったら飲んでみますね」

 

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というわけで、木にぶらさがっているWe are the oneなコップを借りて、おばさんの浸かっているすぐ傍にある源泉が湧き出ているポイントをすくってみました。

 

f:id:eaidem:20161129192943p:plain「もっと奥よ!奥!」

f:id:eaidem:20161129193244p:plain「え、あ、はい(ほぼ、おばさんのお尻の近くだ…!)」

f:id:eaidem:20161129192943p:plain「そうそう。そのあたりよ」

f:id:eaidem:20161129193244p:plain「ここですか?(いろいろ複雑なやりとりだなぁ…)」

 

 

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「ゴクッゴクッ…」

 

おお、飲泉特有の硫黄臭さといったクセがなくて飲みやすい。成分が強いため、コップ軽めに飲むぐらいがちょうどいいのだとか。

いやー、浸かっても良し。飲んでも良し。地元の人との交流含めて、改めて温泉ってのはいいもんですね。

 

 

しかも、我々が利用した「根室中標津空港」から約1時間の距離にあるため、「屈斜路湖」「摩周湖」を訪れるときは旅のプランに組み込んでみてはいかがでしょうか。フライト直前に温泉をキメると、すこぶる身体がご機嫌になるのでオススメです!

ちなみに効果があったのかどうか定かではありませんが、ここの温泉を飲んでからでっかいウンコが出て便通の調子は良くなりました。一週間くらい。毎日飲みてぇ。

 

●屈斜路湖 和琴温泉

住所:北海道川上郡弟子屈町字屈斜路和琴
TEL:01548-2-2191(弟子屈町役場)
その他:入浴料無料、24時間営業、駐車場あり

 

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北海道・道東エリアのジモコロ取材旅行はまだまだ続くぞ〜。

 

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