肩こりがヤバイ人集まれ!指圧師が教えるラクな作業環境【リモートワーク】

2020.05.20

肩こりがヤバイ人集まれ!指圧師が教えるラクな作業環境【リモートワーク】

コロナの影響でリモートワークを導入する会社が急増。しかし家の作業環境が整っておらず、肩こりや腰痛に悩んでいる人も多いのでは?そこで今回は指圧師の斎藤充博さんに「ラクな作業環境」について聞きました!

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    こんにちは。ライターの斎藤充博です。

    いま僕はライターの仕事を主にしているのですが、実は国家資格を持った指圧師でもあります。そのため、普通の人よりは「身体の疲れ」について知識を持っています。

     

    そんな僕にジモコロ編集部の日向コイケさんから相談がありました。

     

    外出自粛の影響を受けてZOOMで話をしています

    「実は最近、外出自粛のためずっと自宅作業をしていまして」

    「僕もそうですね。そういう人多いんじゃないかな」

    「この環境には少しずつ慣れてきたのですが、在宅になってから肩がこって仕方がないんですよ。僕が仕事をしているときの写真を送るんで、悪いところがないか教えてもらえませんかね?」

    「ちょっと待ってくださいよ。確かに僕は指圧師でもありますが、身体の不調って、日向君が思っている以上に複雑でいろいろな原因がありますからね。だから、写真を見たくらいじゃ、そうそうわからないんですが……」

    「送りますね。これです」

    「完全に無視かよ。どれどれ……」

     

    「むむ……。これは! へー! なるほどなるほど!」

    「(急に食いついてきたな……)なんですか? この姿勢、そんなに変ですか?」

    「いや、日向君の自宅作業環境は悪くないですね。デスクトップパソコンを使っているし、机とイスの高さもちょうどよさそう。モニターアームもある」

    「自分なりに調べていろいろ買ってみたんですよね。でも肩こりはあまり改善されなくて……」

    「実は一点だけ、どうしても惜しいところがあるんですよ。それが原因で肩こりになりやすくなっているんだと思います。僕から見ると、それがあまりにもわかりやすくて、おもしろいな、と思って」

    「人の肩こりを面白がらないでほしいんですが」

    「さっき『身体の不調にはいろいろな原因がある』と言いましたが、日向くんの場合、姿勢を改善すればかなりよくなりそうですね。そのいい例だと思います」

    「あー、はいはい。姿勢改善ね……。じゃあやっぱり筋トレとかヨガとかやらなくちゃいけないんですかね? そういうの、苦手なんだよな~」

    「もちろん日頃の運動も大事ですが、まずはパソコンのモニターをあと10センチ前に出してみてください。これだけで肩こりが改善すると思います」

    「パ……パソコンのモニターを10センチ前に出すだけで~~~? どういうことなんでしょうか?」

    「ちょっと解説しますね」

    なぜモニターの位置で肩こりが改善するのか?

    「基本的にデスクチェアに座る時って、この図のように頭から腰まで一直線になっているのが肩も腰も疲れにくい理想的な姿勢なんですよ」

    (参考:パソコンを使うときの姿勢―富士通

    「確かに『正しい姿勢』って感じがしますね」

    「例えば、積み木が真っすぐに積み重なっていたら、安定しますよね。それと同じように人の体も横から見て真っすぐになっている方が安定するんです

     

    「でも、そんなピンと真っすぐにしていたら逆に疲れませんかね?」

    「積み木はあくまで例えですからね。実際には腹筋や背筋などの『姿勢を保持する筋肉』が働いて上体を常に起こして支えているから、どんなに正しい姿勢でも疲労は感じてしまいます」

    「え? じゃあどうすることもできないんですか??」

    「そこで人は『何かにもたれかかって筋肉をラクにする』ことを自然にやっているんです。イスの場合だったら背もたれですね」

    「なるほど!」

    「実際に日向君は、イスの背もたれにもたれかかっていますよね?これはもたれかかっている分だけ、腰から背中までにある『姿勢を保持する筋肉』を休ませることができるんです」

     

    「ということは、今の姿勢はそんなに悪くないってことですか?」

    「背中から腰はそのままでもいいと思います。でもイスにもたれかかっていると、身体全体がちょっと後傾になりますよね。でもそうなると、目とモニターとの距離が離れて見づらくないですか?」
    「言われてみるとそんな気がします」

    「だから日向君は、背もたれにもたれかかったまま、モニターをよく見ようとして、頭だけが前に出てしまっているんです」

     

    「あ! 写真を見ると、確かに頭だけが前に出ているのがよくわかります!」

    「この姿勢だと頭を支える首の筋肉がものすごく疲れてしまうんです。首と肩の筋肉ってつながっているので、そこに疲労がたまると肩こりを引き起こす原因になることが多いんです」

    「こんな些細な頭の位置で……」

    「そこでさきほど伝えたとおり、モニターを10センチほど前に出しましょう。日向君のモニターはアームがついているから、ある程度自由に位置を変えることができますよね」

     

    「なるほど!モニターを前に出した分、頭の位置が胴体に対して真っ直ぐになりますね。これで首の筋肉がラクになって、肩こりが改善するってことですね」

    「そうそう。そんな感じです」

    「やってみます」

     

    「あれ! 確かにかなりラクになったような気がします!」

    「それはよかった!」

    「せっかくなのでもう一つ聞きたいんですけど、僕のイス、座面がかなり硬くて、長時間作業するとつらいんです。やはりこれも替えた方がいいんですかね?」

     

    「座面が硬くても、姿勢自体は変わらないので、肩こりや腰痛にはあまり関係ないと思います。でも座面が硬くてつらいなら、イス用の座布団を敷くのも良いですね」

    「なるほど! でもこの機会に椅子の買い替えも検討してみようかな……」

    「もしもイスを替えるなら、日向君はヘッドレストがついた物がオススメです。頭をヘッドレストが支えてくれるので、首と肩がもっとラクになりますよ!」

    自宅でのパソコン作業をラクにするための考え方

    「いやー助かりました。斎藤さんありがとうございます。でも僕のように自宅作業環境で悩んでいる人って今多いと思うんですよね。リモートワークを導入する企業も増えてるらしいし」

    「確かにそうかもしれませんね」

    「例えば作業机がなくて、キッチンテーブルやちゃぶ台で仕事をしている人たちはどうすればいいんでしょうか?」

    「基本的には 身体を何で支えているか?』で考えて、姿勢(骨)で支える』もしくは『イスで支える』の2パターンに分けるとわかりやすいかもしれません」

    「といいますと?」

    「たとえば『ちゃぶ台』で仕事をしている人はこういった姿勢になることが多いと思います」

    「腰にかなり負担がかかっていそうですね」

    「この場合、ちゃぶ台が低くて、ノートパソコンのモニターを見るために極端な前屈みになってしまうのが問題です。改善策としては、まずノートパソコンの高さを上げて、外付けのキーボードをつける。そうすることで、前屈みにならず、背筋をもある程度伸びるので、無理のない姿勢で身体を支えることができるわけです」

    「また、さらに改善するのであれば、座椅子を導入するのもオススメです。さっき言った『イスで支える』パターンです。できるだけ背もたれが高い位置にあるものがいいですね」

     

    「なるほど……。ちゃぶ台での作業もちょっとした工夫で改善可能なんですね」

    「でも、正直なところを言うと、ちゃぶ台での作業はやめた方がいいと思います。さっき言った工夫をすれば確かに少しはラクにはなりますが、あくまでちゃぶ台に限った場合の話です」

    「では、キッチンテーブルの場合はどうなんでしょう?」

    「前傾姿勢はちゃぶ台よりもマシにはなりますね。キッチンテーブルがあるならそちらでやった方がいいです。ただ、ノートパソコンって、どうしても前傾姿勢にはなりやすいので気をつけてください」

    「ノートパソコンを使うこと自体、必然的に疲れやすい姿勢になってしまうんですね」

    「だから適度に休憩をとって、背伸びしたりすることが大事です。もしもこれから自宅作業用にノートパソコンを買おうと考えている人は、できるだけ画面が大きな物を買うのがおすすめです。その方が前屈みが多少改善されるので、まだ疲れにくいです」

    「いっそのことモニターをセットで買う選択肢もありかもしれませんね」

    「そうですね。僕はノートパソコンは持っていますが、外出時の一時的な作業用と割り切って、家ではできるだけ使わないようにしています。……余談ですけど、『フリーアドレス制』を導入しているオフィスってあるじゃないですか。僕、あれはどうかと思うんです」

    「え、なんでですか? 自分の好きな場所で働けるからいいじゃないですか」

     

    「場所を選ばないってことは、基本的にノートパソコンでの作業が前提になりますよね。オフィスで仕事をするなら、デスクトップ型のパソコンにして、モニターを別にしたほうが作業環境的にはいいのにって思うんです」

    「フリーアドレス制にも一長一短あるんですね。ちなみに斎藤さんは普段どんな姿勢で仕事をしているんですか?」

    「僕がライター仕事をしているときはこんな感じです。かなりの後傾ですね」

     

    「おお……。これは『イスにもたれかかる』という意味では完璧な姿勢じゃないですか! 」

    「けっこういいですよ。ただ、リラックスしすぎて眠たくなっちゃうんですよね。もうちょっと身体を起こしたほうが、眠くならないような気もしています。でも、起こすとその分、背中などの負担は増えるわけで……。悩みますね(キリッ)」

    「こんな半分寝たような姿勢で仕事をしている人に『悩みますね(キリッ)』って言われてもな……。でも、斎藤さんでも悩むってことは、ある程度、個人の差や好みなども関係あるってことですか?」

    「そうなんです。姿勢には「これが完全な正解」ということはありません。今日話したことをヒントに、いろいろと自分でも探ってみてくださいね」

    「はい! ありがとうございました!」

    おわりに

     

    というわけで、自宅でパソコン作業をしている人向けに「楽な姿勢」について解説してみました。

     

    昨今の新型コロナウィルスの情勢をきっかけにリモートワークになった人は多いと思います。ニュースなどを見ていると、オフィスに行きにくい状況はまだまだ続きそうです。これを機会に、一度自分の作業環境を見直してみてはいかがでしょうか?

     

    ちなみに僕が使っているイスは「エルゴヒューマン」、デスクは高さが自由に変えられる「バウヒュッテ」というものです。参考にしてみてください。

     

     

    (※本記事の内容は、筆者の個人的な感想を基にしたものです)

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    この記事を書いた人

    斎藤充博
    斎藤充博

    1982年栃木県生まれ。東京で指圧師をやっています。インターネットで記事を書くことをどうしてもやめられない。

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