コーヒールンバが流れる自販機『アドマイヤ』の映像は本当に生中継なのか!?

2022.05.27

コーヒールンバが流れる自販機『アドマイヤ』の映像は本当に生中継なのか!?

高速道路のSA(サービスエリア)でよく見かける、コーヒールンバが流れているあの自販機! ドリップの様子が映像としてモニターに映し出されるあの『ミル挽き珈琲 アドマイヤ』は本当に実況生中継なのか? それとも録画なのか? 作った会社に聞いてきました!

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    それは家族で祖父母の家に帰省中、SA(サービスエリア)で起きたことでした。

     

     

     

    「お、このコーヒールンバが流れる自販機。SAに来ると買っちゃうよね~」

    「買った時にモニターで流れる豆を挽いてドリップする映像ってさ、生中継って書いてあるけどウソだよね(笑)? わざわざカメラ取り付ける意味ないもん」

     

    ▲コーヒールンバの音楽とともにドリップの様子が映される

     

    「収録したやつだよな〜? 俺はいつも同じ映像を見せられてる気がしてる」

    「いや、そんな嘘はつかないでしょ? 本当の映像なのでは?」

    「そんなコスト掛かる仕組み、わざわざ取り入れるかな!?」

     

    と、家族4人で口論がスタートしてしまったのです!

     

     

    よくよく考えてみるとこの自販機は謎が多過ぎる

     

    ・映像が本当に生中継だとしたらカメラとかモニターとかコストは爆上がりだし!

    ・自販機なのに一杯ごとにドリップコーヒーって冒険的過ぎ! しかも、結構前からなかった?

    ・そもそもなんでSA・PA(サービスエリア・パーキングエリア)でしか見かけないの? 販路が特殊過ぎない!?

     

    家族4人でも口論になるってことは、日本国民のみんなが気になるってことの証左だろ!!!(クソデカ主語)

     

     

    ということでコーヒールンバが流れる自販機『ミル挽き珈琲 アドマイヤ』を展開しているトーヨーベンディング株式会社さんにお伺いしました!

     

     

    登場人物

    トーヨーベンディング株式会社 事業統括本部営業部 担当課長

    同社 広報マネージャー

    アドマイヤが気になるライター

     

     

    本日はよろしくお願いします! 早速ですけど、トーヨーベンディングの歴史を教えていただけますか?

    元となった会社から自販機事業のみを引き継いだ会社でして、営業・企画・メンテナンス等すべて自社で行っております。アドマイヤ以外にもペットボトル・お菓子の自販機等も扱っています

    元の会社時代も含めると50年以上の歴史となっております

    では、SA・PAでよく見るあのモニター付きの自販機『アドマイヤ』はいつごろから流通しているのでしょうか?

     

    ▲社内にある自販機

     

    アドマイヤは2004年頃から展開している機種でして、18年ほどの歴史がございます

    18年前から!? そういえば、僕が挽きたてのコーヒーを飲んだ最初の記憶って、SA・PAのアドマイヤだった気がします。今でこそコンビニで挽きたてコーヒーが気軽に買えますけど、「18年前に挽きたて制度を導入している」って、かなり実験的な試みじゃなかったですか?

    そうですね、コンビニ等で本格的にコーヒーマシンの導入が始まったのが2010年頃ですので、「挽きたてコーヒー初体験がアドマイヤ」という方もいらっしゃるかと思います

    自販機なのに挽きたてコーヒー競争に早期から参入してるの早すぎる……

     

    ホントの生中継

    それでは、今回の本題なんですけど……、アドマイヤのモニターに映る「只今、豆を挽いております」って動画ありますよね?

     

    ホントに申し訳ないんですけど、あれって「収録した映像流してるだけっしょ?」と、半分疑いの目で見てるんですよ(笑)。あそこに生中継システムのコストを掛ける意味が分からないですもん……。あれって本当に生中継なんですか!?

     

    はい! ほんとにほんとの生中継です(笑)! 収録疑惑を持たれる方はたまにいらっしゃいますね

     

    ▲実際のモニターでもネタにされている録画疑惑

     

    アドマイヤ1台につき5台のCCDカメラを内蔵しているんですよ

    5台もですか!? 自販機って薄利多売なビジネスですよね? で、あれば「できるだけ本体にはコストをかけない」っていうのがビジネスにおいての基本じゃないですか? なぜそんなコストの掛かる規格を通しちゃったんですか!?

     

    ▲生中継ということはカメラ、モニター、徹底した内部メンテナンスと様々なコストが乗ってくるはず

     

    当時カップ自販機の需要が頭打ち状態だったんですね。「なんとか紙カップ自販機の需要を挽回したい」と考えた際、「五感に訴える自販機を作ろう!」ということでアドマイヤの開発がスタートしたと聞いています。

    それで視覚に訴えるべく生中継システムを導入したんですね! じゃあ、抽出中に流れているコーヒールンバも……?

    これは聴覚ですね。今、おっしゃっていただいたように「コーヒールンバ=あの自販機=アドマイヤ」強く記憶に残ってほしいという理由から、当初からつけている機能なんですよ

    ……まんまとアドマイヤの策略にハマっていたということですね

     

    ちなみに流れるコーヒールンバはパブリックドメイン(知的財産権が発生していない状態)ではないので、なんとアドマイヤ1台ごとに著作権料が課されているとのこと。なおのこと、コスト掛かってまんなぁ~!!

     

    ちなみに嗅覚という意味では、自販機内にファンが内蔵されていて、挽きたての豆の香りが外に排出されるようになっているんですよ

     

    ▲ここから直接挽きたて豆の香りが!!

    うおお、ほんとだ!! 確かにSA・PAの自販機コーナーってやけにコーヒーのいい香りがするなと思ってたんですよ!直で排出してたのか。なにもかもアドマイヤの策略かい~! 

     

    ちなみにアドマイヤ1台に掛かるコストって一般的な自販機と比べると、どれくらいお高くなってしまうんでしょうか?

    あははは、それはちょっと……、企業機密ということで(笑)。ただ……、掛かってはいます!

     

    さすがにコストは公開NGとのこと。みなさん、アドマイヤを見たら「コストが掛かっているんだな……」と、思うことにしましょう。

     

    北海道・九州にはない!?

    ▲社内にあるアドマイヤの分布図

     

    御社は元々名古屋から始まって、どんどん販路が拡大していったということですが……、こちらの地図だと、福島以北岡山以西がありませんね

     

    ▲トーヨーベンディング提供アドマイヤ分布図

     

    そうですね、弊社はメンテナンスも自社スタッフで行っていますので、オペレーション業務の都合上、事業所がある福島から岡山の間にしかアドマイヤは存在してないんですよ。

    ※熊本県の阿蘇カドリー・ドミニオンはグループ会社ということで特例的にアドマイヤを設置しているとのこと

    じゃあ、これを読んでいる北海道・九州の読者の方はアドマイヤを知らないってコト? 勝手に全国展開しているものだと思っていました!

     

    アドマイヤがない地域のSA・PAには、たぶん他社様製のカップ式自販機が設置されているんじゃないですかね?

    ライバルですね! でも、やはりSA・PAの自販機って「あのコーヒールンバが流れるヤツ」って印象が強いです。これも策略ッ……。

     

    ちなみに豆もアドマイヤのオリジナル。神山さん曰く「味もアドマイヤのストロングポイント!」とのことです。確かに、これ買っちゃうもんな……

     

    導入当初の苦労

    今でこそ「挽きたてコーヒーは時間がかかる」というのが常識になっていますけど、自販機で時間が掛かるって、初期はクレームもあったんじゃないですか? 確か抽出に30秒くらいでしたっけ? 

    「ん? 30秒?」

     

    いや、おおきちさん! 実はアドマイヤって1杯につき70秒前後掛かってるんですよ。

    え!? 意外と待ってる!? 映像と音のおかげか短く感じてました。なおのことクレームがあったのでは……?

    確かに70秒というのは当時批判も多かったと聞いています。缶コーヒーと比べたら価格も倍ほどしましたからね。ただ、試験的にSA・PAに導入した際、良い評判がとても大きかったんですよ。

    主にトラックドライバーさんの間で話題になったと聞いております。

    ああ~! 当時のSA・PAって今ほどグルメに注力してませんでしたね。「この自販機、SA・PAなのに”美味いコーヒーが飲めるんだよ!」って話題になったってことか!

    ドライバーさん方の反応を見て「これはイケる!」って確信したみたいですね。それまでは社内的にも半信半疑な部分があったとか(笑)

     

    ちなみにどんなに技術が発達しても、美味しいコーヒーを提供できる最短時間は70秒だそう。これは「人がストレスなく待てる限界の時間」とも言われているとか……。

     

    でもね、僕、思ったんです! アドマイヤを利用して5秒でコーヒーが出てきたら魅力ってちょっと薄まっちゃいませんか? 待つ時間も含めて『アドマイヤを買う時の魅力』なのではないでしょうか!

     

    なぜSA・PAでしか見ないのか?

    最後に気になっているのが「なんでアドマイヤってSA・PAでよく見かけるんだろう?」っていう問題です。いやらしい話、SA・PAってどの自販機会社も手に入れたい販路だと思うんですよ。大手の競合も多い中、「なぜアドマイヤがSA・PAに強いのか?」という疑問があります

    実はアドマイヤが出来る以前から、弊社の自販機はSA・PAを中心に置かせていただいてたんです。なので、すごく単純で元からSA・PAがお得意様だったからってことですかね

    なるほど! で、SA・PAのグルメ化競争が激化するにつれ、アドマイヤ需要も増え、「うちのSA・PAにもおたくのアドマイヤ置いてよ」みたいにSA・PA管理会社から声が掛かったみたいな感じですかね?

     

    そうですね! また、他の販路として、実は病院での需要も高いんですよ。

    カップ自販機は買ってそのまま飲めるので、松葉杖の方でもお気軽にお飲みいただけるんですよね

     

    確かに缶飲料とケガの相性ってよくないですもんね! カップならではの需要だ!! 

    あとは、オフィスのリフレッシュルームですかね? 営業的には「SA・PAにあるアレなんですけど……」で話が通じるので、アポも取りやすいです!

    その営業トークは間違いないですね! この記事を読んだ経営者の方は気になったらトーヨーベンディングまで(笑) 本日はありがとうございました!

     

    ▲映像にも出演中の神山さん

     

    アドマイヤの解像度が上がりました

    皆様も心の中で「なんかこの自販機、気になるな……」と、うっすら感じていたのではないでしょうか?

     

    今回の取材で長年うっすら抱えていた疑惑と新たな魅力を発見でき、アドマイヤへの解像度が上がった気がします!

     

    そんな気になる存在アドマイヤ、SA・PA等でお見かけした際はこちらの記事を開いて頂き「これが五感に訴えて、コストも掛かっていて、中に5台もカメラが入っていて、北海道・九州には置いていないアドマイヤか……!」と、つぶやき、アドマイヤ通を気取ってみてはいかがでしょうか?

     

    ありがとうございました。

     

    イーアイデム

    この記事を書いた人

    おおきち
    おおきち

    1988年生まれ。ゴッサムシティ(荒川区)で深夜ラジオとインターネットに影響を受け続けている。尊敬する人はふかわりょう。ハイエナズクラブなどにも書いてます。

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