諦めも肝心ーー先輩ママ3人が語る「子どものイヤイヤ期、こうして乗り越えました」

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1歳半から3歳ごろの子どもに多くやってくるとされる第一次反抗期、通称「イヤイヤ期」。毎日ことあるごとに「イヤ!」と突っぱね、怒る、泣くの繰り返し……。子どもの自我が確立される大事な時期ではありますが、自分の意志を通そうとだだをこねる子どもにどう接するべきか、試行錯誤は絶えないものです。

そこで、今回は働きながら子どもの「イヤイヤ期」を経験した3人の方による座談会を実施。どのような苦労があり、どのように乗り越えたのか、それぞれの経験や当時の思いを語っていただきました。

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<<参加者プロフィール>>

のり子さん

のり子さん:36歳。お子さんは8歳(男の子)。エンターテインメント企業の企画職。1歳半から2歳にかけてイヤイヤ期を経験。

ネジ子さん

ネジ子さん:37歳。お子さんは7歳(女の子)と1歳(男の子)。金融機関に勤務。上のお子さんが1歳半から2歳にかけてイヤイヤ期が激しかった。
りっすんへの寄稿:子どもを保育園に預けて働くことは、かわいそうなんかじゃない

かたつむりさん

かたつむりさん:37歳。お子さんは9歳(男の子)。IT系企業のサービス企画。イヤイヤ期があった時期は少し遅く、2歳から3歳にかけて。

子どもの自我の目覚め。コミュニケーションがうまく取れない

イヤイヤ期の存在は、いつ頃知りましたか?

のり子さん(敬称略、以下同) 私は、子どもが1歳くらいの頃に、育児に関するまとめブログで知りました。子どもの年代ごとに「こんなことが起こる」という体験談が載っていて、その記事の1つにイヤイヤ期のことが書かれていたんです。

ネジ子 具体的にいつかははっきり覚えていないのですが、おそらくブログの記事やTwitterなどを通して、出産前からイヤイヤ期の存在については知っていました。

かたつむり 私は、ママ友から聞いていました。うちの子は9月生まれなのですが、同じ保育園に4月生まれの子のママがいて、お子さんが先にイヤイヤ期に入ったということで、生の声を聞く機会に恵まれていたんです。そのため、どんなことが起きるのか、事前知識は割とありましたね。

心構えはあったかと思いますが、実際にお子さんがイヤイヤ期に突入した時にはどう思われましたか?

ネジ子 思ったより手強かったですね。調べてみた“イヤイヤ期の対応メソッド”によると、「ご飯食べよう」と言っても、絶対に「イヤ」って返されるから、逆に「ご飯食べないよね」と声を掛けると、「イヤ=食べる」になるので、食べさせることができる……というテクニックが有効だと紹介されていたんです。

なるほど!

ネジ子 子どもが「イヤ」という時になって試してみたんですが、うちの子は意志が強過ぎたのか、逆のことを言ってもあまり意味がなかったです。むやみに「イヤ」と反抗しているわけではないんだなと分かりました。

かたつむり コミュニケーションの取り方や気の配り方も、イヤイヤ期の前と最中とでは全然違いますよね。生まれてからイヤイヤ期に入るまでは、とにかく動き回るから危ないところに行かせない、というのが第一の優先事項でした。でも、イヤイヤ期になると、本人が自分の意志でやろうとすることを、どうコントロールするかを考えないといけない。どのように対処すればいいか困っていました。

ネジ子 分かります。子どもがやろうとすることに親が介入すると、すごく怒りますよね。自我が出てきて「こっちに行きたかったのに!」「これが欲しい! ウワァーーー!」と伝わらない言葉で主張されて、体力もついてくるので、一筋縄ではいかなかったです。

子どもの「イヤ!」でタイムスケジュールが変わってしまう

働きながらイヤイヤ期を迎えるとなると、より一層大変な気が……。

のり子 まさに私は、育児休業を1年半取得した後、職場復帰してすぐに子どもがイヤイヤ期に突入しました。保育園へ送っていくところから「行きたくない」となって、復帰直後から大変でしたね。歩き始めたかと思うと、その都度座り込んでしまうんです。何でもいいから「あそこに何かあるよ!」なんて路上に気を引けるものがないかと探しながら、前に前に歩けるように誘導していました。それでも、保育園までの徒歩15分の道のりに、30分はかかっていました。

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ネジ子 それは大変でしたね……。うちの場合、育休は1年弱取得して、保育園の入園から1カ月で職場復帰しました。ちょうど子どもが1歳くらいのタイミングだったので、最初のうちはおとなしかったのですが、徐々にイヤイヤ期へとスライドしていきました。

ネジ子さんの場合、お子さんの「イヤ」はどんなふうだったのでしょう?

ネジ子 例えば、保育園に連れていく際に自転車に乗りたがらなかったり、マンションの階段を降りる際に自分の足で歩きたがるようになったりと、一つの行動に時間が掛かることが増えました。

そんな時、どう対応されたのでしょうか。

ネジ子 ちょっとでも本人の意志を妨げる行動をすると泣きわめいてしまうので、保育園に行く際はとにかく早起きして時間を作って、早く家を出るようにしました。自転車に乗らない場合は朝ごはんの時に「イヤ」と言っていたはずのパンを食べさせて気をそらして(笑)。何とか仕事に遅れないようにしていました。

かたつむり 私は子どもが6カ月の時に保育園に預けて職場復帰したので、イヤイヤ期を迎えるまでは割と落ち着いていました。ただ、イヤイヤ期に入ってからはネジ子さんと同じく、子どもの「イヤ」によってタイムスケジュールが狂うこともしばしば。そもそも子どもに拒絶された場合にどう対処すればいいのか、その都度悩んでいました

親の方が、「もうイヤだ~」「泣きたい~」ってなりそうですね……。

のり子 そういうことはよくありました。仕事が詰まっていると残業したくてもできなくて、やむなく家に仕事を持ち帰ることがあったんですが、家では子どもが「イヤ!」の連発。精神的に参りました。

うぅ……。聞いているだけでつらそうです。

かたつむり うちの子どもは、普段の生活ではそこまでイヤイヤはなかったのですが、スーパーに連れて行った時は大変でした。「このお菓子が欲しい」と思ったら譲らず、「買えないよ」と言うとイヤイヤがMAXに。いつも戦いでしたね。

のり子 分かります。私の場合は、子どもが欲しがったものを買うふりだけ見せて、買わずに済ませるという戦法に挑戦しました。子どもは一応買ったと思って満足しますし、家に帰る頃には欲しがったことを忘れていますから。

かたつむり 確かに、子どもはお菓子やおもちゃに執着があるわけではなくて、「今自分が希望していることを親が叶えてくれるかどうか」なんですよね。私は途中でやっと、子どもの要求にいくら応えても、きりがないことに気がつきました。

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かたつむり ただ、子どもの執着を甘く見ない方が良いと思った経験もあります。一度、おもちゃ屋さんで子どもが「欲しい」と主張したおもちゃを買わずに抱き上げてお店を出たことがあるのですが、手を離した瞬間に、子どもが走ってお店に戻ったんです。道路に飛び出す可能性もあったのでヒヤッとしました。その時は、もうちょっと上手なやり方があったかな……と反省しました。

のり子 おもちゃ屋さんやおもちゃコーナーは子どもにとって“魔の場所”ですよね。絶対にそこを離れないし、欲しいものを握ったまま離さないし。300円くらいのものならまだしも、1万円クラスの高級玩具を抱きかかえてこられても、無理なものは無理ですからね(笑)。

イヤイヤ期を乗り切るには「諦めも肝心」

イヤイヤを無視するのも、主張を押さえつけるのも違う気がしますし、どう折り合いをつけるかは難しいですよね。皆さんが工夫されたポイントがあれば教えてください。

のり子 厄介なのは、イヤイヤ期の最中は食べることすら“イヤ”になってしまうことです。1回2回なら「かわいい」で済みますが、毎食「ご飯イヤ、野菜イヤ」ばかりで、甘いフルーツしか食べたがらないので、これはまずいなと。なので、私は「お母さんもイヤだ~! うえ~ん」って嘘泣きしていました(笑)。

お子さんが「イヤ!」と言っている動画を見て「これだけならかわいいんですが……」と振り返るのり子さん

のり子 食事などの健康に関わることについては、何とか工夫しないといけないと思っていましたが、それ以外はもう子どもの意のままでいいかなという諦めもありました。例えば、気に入らない服は着てくれなかったのですが、明らかに上下の色の組み合わせがおかしくなっていたり、お気に入りの服しか着なかったりしても、「もう服さえ着ていてくれればいいや」と考えて、何も言わないようにしました。

かたつむり 諦めも肝心ですよね。よっぽど危ない目に遭わなければいいのかなと。ちなみに私の場合は、あらかじめ譲れないルールを何か1つだけ設けて、それを破るのはNG、と決めていました。お菓子のルールを作るとしたら「1日に何個までなら食べていい」というような感じです。そこだけはイヤイヤされても譲らないようにしていましたね。

ネジ子 私はどちらかというと、できるだけ「地雷を踏まない」ように気をつけていましたね。当時は子どもが保育園までの送り迎えの際にいろいろなルートを歩きたいらしく、普段のルートを通ろうとすると怒るので、「どこを通っても目的地に着ければいい」くらいに構えていました

とはいえ、自分自身の気持ちをおおらかな状態にキープし続けるのは、大変ですよね。

かたつむり そうですね、余裕がないと難しいです。自分に余裕がないと子どもの主張を尊重できなくなってしまうのも難しいところで……。朝に保育園へ行くのがイヤだと言われても、親にも仕事がありますし。うちは夫婦ともに環境が同等だったのですが、一人でイライラすることが多くなって、夫に「テンパり過ぎだよ」とたしなめられました。

夫婦で条件が一緒だとしても、そう言われて腹を立てたりしませんでしたか?

かたつむり 同じことをやっているのに、私だけキリキリしていたのかもしれません。夫とは同志のような関係なので、助言をもらって「なるほど」と思っていました。

ネジ子 私は出勤時刻に間に合わなさそうな時は、もう遅刻でいいやって開き直っていました。「最悪クビになってもいいかな……」くらいの心境でした。

のり子 分かります! 食事もどうにもならなくなって「ピザの出前でいいや!」なんて。近くに親戚がいなかったので、シッターさんに来てもらったこともあります。でも、手抜きができない性格の方も当然いらっしゃいますよね。

確かに、「全部きちんとしないといけない」と考えてしまうからこそ、自分自身を追い詰めてしまう方もいそうですね。

のり子 その気持ち、理解できます。実は私、育休中に「ちゃんとしよう」と思い、出汁をきちんと取って離乳食を作るなどいろいろ工夫していたんです。でも、復職してからはとてもじゃないけどそこまでできなくなって。ある日、息子に手を掛けたものを食べさせて、自分がカップ麺を食べている時に、「あ、もういいや。止めよう」と吹っ切れました。「いくら今丁寧に食事を作っても、いずれこの子は絶対カップ麺を食べるようになるんだろうな」と思って。何が吹っ切れるきっかけになるかは人それぞれだと思いますが……。

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ネジ子 私も“丁寧な生活”に憧れて、育休中は紙おむつではなく布おむつを使ったり、おやつのためのたまごボーロを片栗粉と卵から自分で作ったり、ル・クルーゼのお鍋でお粥を炊いたり……。それはそれで自分は好きだし楽しかったのですが、そもそも子どもが全然食べなくて、結局は思った通りにはいかないなと悟りました。

かたつむり 私は、最初は掃除に気を遣っていました。危ないものがあるといけないと思ってとにかく部屋の中をピカピカにしていたんですが、手が回らなくなって、止めました。

イヤイヤ期は永遠には続かない。だから力を抜いて向き合ってほしい

では、イヤイヤ期が終わったタイミングは、いつ頃でしたか?

のり子 私は記憶がないんですよね。2歳半くらいの頃でしょうか。気がついたら意思疎通ができるようになったというか。子どもが「あれしたい、こうしたい」と具体的なプラスの言葉をしゃべれるようになったので、イヤイヤ期が終わったのかなと。他の方の体験談を聞くと、本当に個体差が激しいなと思います。

ネジ子 うちの子は2歳半くらいです。のり子さんと同じく、要求についてはっきりした言葉で表現できるようになって、平和が訪れました(笑)。意志の強さなどは変わらないですが、何を主張しているのかをくみ取りやすくなりましたね。それから大変な思いをすることが減ってきました。

かたつむり 私も同じですね。何がダメで、どこまで妥協できるのか、伝わるようになりました。コミュニケーションが取りやすくなったタイミングで、イヤイヤ期を脱したなと感じました。

イヤイヤ期は永遠に続くわけではないので、何とかその期間だけ上手に感情コントロールできるようになるといいですよね。そのためのアドバイスをいただけますか?

かたつむり 私はイヤイヤ期の真っ最中、「他の子はおとなしいのにうちの子はなぜ……」と比べてしまうこともありました。でも、子どもによっても、フェーズによっても、大変さはそれぞれ違うと思います。イヤイヤ期が終わっても、いわゆる“小1の壁”もありますし、さらに先には思春期も控えています。いずれにしても、いつか大変だった思い出は薄れていくので、あまり悩んだり追い詰められたりせずに、ゆるっと気楽に構えてもらえたらなって。「正解の基準」は存在しないので。

のり子 かたつむりさんのおっしゃる通り、イヤイヤ期は文字通り期間があって、実質半年くらいなんですよね。イヤイヤ期の最中は、時がたつのがとても長く感じていました。でも、終わることは分かっているので、「子育ての中では半年なんて一瞬だ!」くらいに気を取り直して、力を抜いて乗り切ってもらえるといいのかなと思います。

ネジ子 イヤイヤ期の攻略方法はなかったなー、というのが私の実感です。だからこそ、全ての人に「イヤイヤ期の子どもはこういうものなんですよ」と思ってほしい。こうしたらうまくいくというような絶対のセオリーみたいなものはないんじゃないかと。電車の中で小さい子が泣き叫んで大変……という話をよく見聞きしますけど、その時期の子どもはそういう生き物なんだって、見守る気持ちを持ってもらえたらと思っています。

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取材・文/末吉陽子(やじろべえ)
編集:はてな編集部

※座談会参加者のプロフィールは、取材時点(2019年8月)のものです

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