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退職したいけど、ボーナスの支給日まで待つべき?」「ボーナスをもらう前に退職したら、賞与は支給されないの?」——退職や転職を考えたとき、多くの人が直面するのがボーナス(賞与)と退職のタイミングの悩みです。せっかく査定期間中しっかり働いてきたのに、辞めるタイミングを間違えて数十万円の賞与を貰い損ねるのは、できれば避けたいところ。
結論から言えば、ボーナスをもらってから退職できるかどうかは、「支給日在籍要件(ボーナス支給日に在籍している必要があるかどうか)と「就業規則」で決まります。この記事では、ボーナスと退職の関係をわかりやすく整理し、損しない退職タイミングの決め方、退職の意思を伝える時期、そして辞める前に確認すべき注意点まで、後悔しないためのポイントを解説します。
「退職を決めたら、ボーナスは諦めるしかない」と思っている方も多いかもしれません。しかし、ボーナスをもらえるかどうかは、辞めるタイミングと会社のルール次第で大きく異なります。まずは、押さえておくべき3つの基本ポイントを見ていきましょう。
ボーナスと退職の基本がわかったところで、次は「具体的に何を確認すればいいのか」を見ていきましょう。ここを押さえておくと、数十万円単位の損失を避けられる可能性があります。
すべての判断の土台になるのが就業規則です。「賞与」や「退職」の項目に、支給日在籍要件が書かれていないか、支給日はいつなのか、査定対象期間はいつからいつまでなのか、退職予定者に対する減額規定はないかを必ず確認しましょう。就業規則は社内で閲覧できる状態にしておくことが会社に義務づけられているので、見当たらない場合は人事や総務にお願いすれば確認できます。
夏のボーナスは前年秋〜当年春、冬のボーナスは当年春〜秋を査定対象とする会社が一般的で、支給日は夏が6月末〜7月上旬、冬は12月上旬の企業が多く見られます。ここでありがちなのが、「支給日直後に退職したら、直前の頑張りはどのボーナスに反映されるのか」という見落としです。支給日以降の成果は次回のボーナスの査定に回ることが多いため、営業職など成果が賞与に反映されやすい人は、辞めるタイミングによってその評価分を丸ごと逃してしまうこともあります。
ここからは、ボーナスを受け取りつつ円満退職するための、状況別のタイミングの考え方を紹介します。自分に近いケースを参考にしてみてください。
「ボーナスをもらってから退職したいけれど、上司にはいつ言えばいいの?」——これも多くの人が悩むポイントです。押さえておきたいのは、「退職日」と「退職の意思を伝える時期」は分けて考えるということです。
まず前提として、ボーナスを受け取れるかどうかは「退職を伝えたタイミング」ではなく「支給日に在籍しているか」で決まります。支給日より前に退職の意思を伝えても、支給日に在籍していれば支給されるケースが多いです。そして、退職の意思を伝えたという理由だけで、支給日に在籍している社員のボーナスを一方的に不支給とすることは、合理性を欠くとして問題になる可能性があります。
ただし、査定への影響が気になる場合は注意が必要です。特に賞与額が経営者の判断で決まる会社では、支給前に退職を申し出ると評価が下振れするリスクがあります。査定への影響を最小限にしたいなら、査定と支給が終わってから退職を伝えるのが無難です。
一方で、法律上(民法627条)は退職の申し出から2週間で雇用契約が終了するとされ、就業規則で「1〜2か月前までに申し出ること」と定められていることも多いため、直前の申し出は避けたいところです。支給日・査定・引き継ぎ期間のバランスを取って伝える時期を決めることが、損をせず円満に辞めるポイントです。
タイミングを工夫すればボーナスを受け取れる一方で、やり方を間違えると損をしたり、後味の悪い退職になってしまうこともあります。避けたい5つの注意点を確認しておきましょう。
こうしたつまずきを避けるために大切なのは、「ルールを確認する」ことと「周囲への配慮を忘れない」ことの2つです。この2点さえ押さえておけば、ボーナスも受け取りつつ、気持ちよく次のステップに進めます。
「頭では支給日まで待つべきとわかっていても、もう限界で一日も早く辞めたい」——そんな気持ちで揺れる方も少なくありません。ボーナスは確かに大きな金額ですが、判断材料はお金だけではないはずです。迷ったときの考え方を2つ紹介します。
なお、この記事は一般的な情報をまとめたものです。ボーナスの支給条件や退職に関する取り扱いは会社ごとに異なり、個別の事情によって結論が変わることもあります。金額の大きいトラブルや判断に迷う場合は、必ず自社の就業規則を確認したうえで、必要に応じて専門家に相談してください。
ここまで読んで基本の流れはつかめても、いざ自分のケースに当てはめると「この場合はどうなるの?」という細かな疑問が残るものです。最後に、ボーナスと退職をめぐって特に相談の多い4つの疑問について、押さえておきたいポイントを整理しておきましょう。
退職を伝えたこと自体を理由に、支給日に在籍している社員の賞与を不支給とすることは、合理性を欠くと考えられ、賞与が支給されるかどうかは「退職を伝えたタイミング」ではなく「支給日に在籍しているか」で決まります。支給日在籍要件がある会社でも、支給日に在籍してさえいれば原則として受け取れます。ただし、査定への影響が気になる場合は、査定と支給が終わってから退職を伝えるほうが無難です。
会社に籍が残っていて、支給日に在籍している状態であれば、有給休暇を消化中でも原則として支給の対象になります。「有給を取るとボーナスに響くのでは」と遠慮する必要はありません。なお、有給休暇を取得したことを理由にボーナスを減額・不支給とすることは、労働基準法の趣旨に反するとされています(労基法附則136条)。取得できる有給は安心して使いきりましょう。
法的には問題ありません。実際、ボーナスの支給時期を区切りに転職する人は一定数います。ただし、引き継ぎを疎かにしたまま辞めてしまうと「もらい逃げ」という印象を与え、円満退職の妨げになります。支給後に退職を申し出る場合も、引き継ぎと周囲への配慮は丁寧に行うことが大切です。
査定への影響を避けたいなら、査定と支給が終わってから伝えるのが無難です。一方で、就業規則で「1〜2か月前までに申し出ること」と定められていることも多く、業務の引き継ぎにも時間がかかるため、直前すぎるのも考えものです。支給日・査定・引き継ぎ期間のバランスを見て、伝える時期を決めましょう。
「ボーナスをもらう前に退職するともらえないの?」という不安は、ルールを正しく理解すれば必要以上に恐れることはありません。ポイントは、ボーナスの支給には法律上の決まりがなく、「支給日在籍要件」があるかどうかで結論が変わるということ。そして、退職日を支給日の翌日以降に設定し、支給日から逆算してスケジュールを組めば、満額を受け取りながら円満退職することも十分可能です。
退職を決めたら、まずは就業規則で「支給日」と「支給条件」を確認するところから始めましょう。そのうえで、金額と自分の心身の状態を天秤にかけ、退職の意思を伝える時期も含めて、納得のいくタイミングを選ぶことが大切です。周囲への配慮と丁寧な引き継ぎを忘れなければ、お金の面でも人間関係の面でも後悔のない、気持ちのよい門出になるはずです。
(イーアイデム編集チーム)