「本当は捕まえたくない」増えすぎた奈良の鹿はどうなるのか?

2018.06.05

「本当は捕まえたくない」増えすぎた奈良の鹿はどうなるのか?

2017年に奈良県で下された「奈良市の鹿を捕獲・殺処分する」という決定。その原因は鹿による農作物の被害にありました。殺処分以外の道はないのか?奈良県猟友会の方々と一緒に考えてみました。

こんにちは! ライターの吉川ばんびです。私は今回、奈良県奈良市にある「奈良公園」に来ています。

 

ご存知の方も多いと思いますが、奈良公園付近では、このように至るところに鹿が歩いており……

触れ合ったり、購入した「鹿せんべい」を与えることもできます。

 

人慣れしているので近づいても逃げませんし、鹿の方から近寄ってきて「食べ物ちょうだい」とアピールをしてくることも。

 

「何か手に持ってる?」

「持ってないよ、ゴメンね」

 

つぶらなお目目が可愛い

 

よく見ると鼻ちょうちんが!

 

そんな「奈良市の鹿」ですが、実は国が指定する天然記念物であることを知っていましたか?

 

奈良には「神様が鹿に乗って平城京にやってきた」という伝説があり、古くから鹿は『神鹿』としてあがめられてきたのです。

 

そのため、奈良市にいる鹿は野生であるにもかかわらず、人間によって保護されているのです。ちなみに、野生の鹿が街中で人間と共存するのは、世界中で奈良市だけなんだとか! なるほど、奈良に外国人観光客が多く訪れるのも納得です。

 

しかし昨年、奈良県によって、とある重大な決定がなされたのをご存知でしょうか。

その決定とは「奈良市の鹿を捕獲・殺処分する」というもの。

 

ええ〜〜〜奈良市の鹿は天然記念物で、神様の使いだから保護されてるんじゃないの……!? どうして殺処分されてしまうの!?

 

……と疑問に思ったため調べてみると、どうやら「鹿による農作物の被害」 が深刻化していることが原因だそうなのです。

 

平成26年のデータによると、鹿による奈良県全体の農作物の被害金額は5,374万円にも上ります。

※参照:「野生鳥獣による都道府県別農作物被害状況」(平成26年度) 

 

農作物を荒らされてしまった農家の方にも十分な補償金が出ておらず、野菜や米を作っても赤字になってしまう事態がかれこれ何十年も続いている、というのが現状です。

 

この「奈良市の鹿の殺処分」についてはインターネットやSNSでも話題にのぼり、

「今まで保護してきたのに、突然殺処分するなんてかわいそう」

「殺処分以外に選択肢はないの?」

など、様々な意見が見られました。

 

これに関しては私も思うところがあって、鹿の捕獲・殺処分が決定した昨年から「モヤモヤ〜モヤモヤ〜」としていました。

 

そこで、

実際に奈良市の鹿問題を詳しく知る人は、どう思っているのか?

を知るべく、鹿の捕獲を担当することになっている「奈良県猟友会」の方々にお話を伺うことにしました。

 

鹿による被害の範囲は?

やって来たのは、奈良駅からバスを乗り継いで30分ほどの興隆寺(こうりゅうじ)町。バス停で、誰かが作った雪だるまが出迎えてくれました。

 

前日に降った雪が残っており、山に続く道には、数種類の獣の足跡が見られます。鹿……いやタヌキ……猫かな……?

 

今回お話を伺うのは、奈良県猟友会・奈良支部長の西川博史さん

他にも猟友会の仲間が集まってくださっているとのことで、急いで部屋に入ります。

 

「お邪魔しま……」ガラガラ

 

 

あっ、コレ駄目なやつだ……。

 

すみません今日帰っていいですか? ダメ?

これだけ人がいるのに、笑ってる人が一人もいない現場ってあります?

 

……早速めちゃめちゃ帰りたいですが、この重い空気を打破するのも、ライターとしての力量が試されるところなのかもしれません。

困ったときは、とりあえず大きい声を出しておきましょう。

 

「本日はお集まりいただきありがとうございます、よろしくお願いします!!!」

 

「……………」

 

「(ああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)」

 

完全に萎縮。

 

「ま、まず、今回の捕獲処分の背景には『深刻な農作物の被害』があると伺ったのですが、被害はいつ頃から起きていたのでしょうか……?」

猟友会の方が語る深刻な鹿被害とは?

イーアイデム

この記事を書いた人

吉川ばんび

フリーライター。兵庫県生まれ。音楽、映画を愛する動物好きの人です。妄想と現実のあいだにはさまりがち/ Mail:m.gct.lv@gmail.com

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