仕事と育児で忙しくても自分の時間を確保するため「朝時間」を活用するようになった話

てらいまきさんの自分のための朝時間

仕事や子育てに追われる日々の中で、「自分の時間」を持つことはなかなか難しいもの。趣味や好きなことを「時間がない」と諦めてしまう方は少なくないでしょう。

2児を育てるイラストレーターのてらいまきさんも、出産後、自分の時間がないことに悩んでいたそう。しかし、朝の時間を活用することで、自身にとっても家族にとってもポジティブな影響があったといいます。

***

こんにちは。京都在住のイラストレーター、てらいまきです。システムエンジニアの夫と共働きで、6歳の息子と4歳の娘を育てています。

てらいまきさん一家

幼児を育てている人あるあるだと思うのですが、本当にびっくりするくらい「自分の時間」がないですよね〜! やることがぎゅうぎゅうで、1日があっという間に過ぎていく……。

私もフリーランスではありますが、子どもを保育園に預けながら朝から夕方までがっつり仕事をしています。そんな中でも「自分の時間」が欲しいと思い、以前は子どもを寝かしつけしたあとに起きて、絵を描いたり漫画を読んだり映画を見たりしていました。

しかし、寝かしつけに時間がかかったり、そのまま寝落ちしたりしてしまうことも。あるいは、がんばって起きて何かしたとしても、いざ寝ようとした時に目がさえて寝られず、結果的に寝不足……という悪循環に陥ってしまうことも多々あったのです。

モーニングルーティン動画で「朝時間」に興味を持つ

「夜の時間を使おうとすると、かえってストレスになることもあって難しいな……」と悩んでいたところ、出会ったのが通販サイト「北欧、暮らしの道具店」が公開している「モーニングルーティン動画」でした。

私のド偏見で申し訳ないのですが、「モーニングルーティン」なんて忙しい自分には到底まねできない「丁寧な暮らし」が満載で、見るだけでうらやまし過ぎてつらくなってしまいそう……と避けていたジャンル。

でも「好きな通販サイトの動画だし……」と試しに見てみたところ、意外にも胸に刺さりまくったのです!

もちろん、自分にはまねするのが難しいと感じる部分もあるのですが、このチャンネルが素敵なのは人選が魅力的なところ! 「校正者」「フローリスト」「バイヤー」「料理家」など、なかなか出会うことのない多種多様な職業の方の朝時間が見られて、「こんな仕事があるんだ!」「こういう職業の人は、こんな生活サイクルなんだ!」と発見の連続。

いつのまにか、うらましい気持ちよりも、いろんな人の貴重な朝時間を知れる楽しさの方が勝っていました。



「北欧、暮らしの道具店」のYouTubeチャンネルで公開されている、校正者・牟田都子さんのモーニングルーティン動画

お子さんがいる出演者も多いので、育児と仕事の両立で参考になるポイントも多いです。どのように仕事スイッチを入れているかなども本当に人それぞれで「いろんな方法があるんだな〜」と勉強になります。どれも10分程度の動画なので、さくっと見られるのもまたよし!



「北欧、暮らしの道具店」のYouTubeチャンネルで公開されている、スタイリスト・城素穂さんのモーニングルーティン動画

自分でも「楽しい朝時間」を過ごしてみたくなった

動画の出演者の中には朝5時、6時などから起きている方が多く、いくつか見ているうちに、自分でも「朝早く起きればこんなにいろいろできるの?」と早起きに対してどんどん興味が出てきました。


モーニングルーティンに感動するてらいさん
フローリスト・渡辺安樹子さんの動画を見て感激した時の様子

「朝早く起きたらいろいろできる」というのは頭では分かっていたのですが、これまで夜型生活を送ってきたので「早起きなんて自分には無理!」と最初から諦めていました。

しかし映像で実際に早起きをしている人たちを目の当たりにしたからか「本当にできるんだ」と衝撃を受けました。そして、「朝時間そのもの」を楽しんでいる人がこんなにいるということも驚きでした。

モーニングルーティン動画を見ていると、「中国茶を丁寧に淹れる」「お香を炊く」「豆から挽いてコーヒーを淹れる」「一箇所だけ整理整頓」などその人なりの朝時間を楽しむエッセンスが満載で「これはまねしたい!」と思うものがいくつもありました。

「朝時間すっごく楽しそう! 私も起きるっきゃない!と思い立ち、行動に移してみたのです。

試しに早起きして、掃除をしてみた

ということで早速早起きにチャレンジ! 今まで7時15分に起きていたのですが、試しに5時半に目覚ましをセットしてみました。

起きられるんだろうかとドキドキしたけど、意外とすんなり起きられました。前日に夜更かしをやめて、子どもと一緒にすぐ寝たのが大きかったのかもしれません(22時前には布団に入り、22時半までに就寝しました)。

モーニングルーティン動画では朝に掃除をしている方が多いので、まずは疎かになっていた掃除をやってみることに。


早起きして掃除するてらいさん

洗面所、トイレ、風呂場、台所シンクを掃除し終えて、この時点でまだ6時半……! 「早起きは三文の徳」というけれど本当だ〜と実感しました。

早起きして家事をするなんて人生で1回もやったことないしやろうと思ったことすらなかったので「こんっっっなにすごいことが私にもできたんだ!!!!」と自己肯定感が爆上がり。

子どもの寝かしつけ後に家事をする元気はなかったけど、しっかり寝て起きた朝なら、元気で気力もあってできました。あんなに掃除を放置していたというのにこの差は一体……。

これをきっかけに「普段からこまめに掃除をしよう」という気持ちが芽生えました。とはいえ、もともとめんどくさがりやな性格で気を抜くとすぐサボってしまうので、やる気がなくなったら「動画を見返してやる気を出す」という方法を取っています。

動画で掃除をしているのを見ると掃除が素敵なことに思えてきて「掃除をする私までイケてるんじゃない?」というマインドになれるのでオススメです。

「自分のため」の時間として楽しんでいること

以来、早起きをし始めたのですが、もちろん家事だけではなく、自分のためにも時間を使っています。

多いのがラジオやPodcastを聞くこと。ゴロゴロしながら聞いたり、洗面所を締め切って顔を洗いながら流してニヤニヤしたり。誰にも邪魔されない私だけの時間に、とても癒やされています。

そしてこんなことまで始めました。それは朝からフルーツサンドを作ること!

フルーツサンドなんていかにもめんどくさそうですが、モーニングルーティン動画で料理家の方が紹介していたのが「生クリームの代わりにマスカルポーネチーズを使う」レシピ。これがとても簡単そうで、めんどくさがりやの私でもできる! と思ってまねしたくなったんです!

バナナのフルーツサンド

食パンにマスカルポーネチーズを塗って、フルーツを置いて(挟むのがめんどくさいのでオープンサンドで!)食べてみたらめっちゃおいしい!!! ちなみにフルーツは、子育て中の家庭ではおなじみであろうバナナ一択です。手軽だし、子供も喜んで食べてくれます。フルーツサンドが簡単に作れるという知見を得たことで、朝食の選択肢が増えて楽しくなりました。

さらには自分でもびっくりなことに、ロイヤルミルクティーを淹れちゃう日まであったりします!!

自分のためだけに淹れるロイヤルミルクティーは至福の味。レシピは私が一番おいしいと思っている「ロンドンティールーム」のもので淹れています。(しかも公式サイトで淹れ方を公開しているという素晴らしいお店なので、ぜひ参考にしてみてください。濃厚で本当においしいから!)

人に会わない日でもおしゃれをするように

朝の時間を使うようになっていろんな変化がありましたが、中でも自分にとって大きかったのが、好きな服を着て仕事をするようになったこと!

今までの私は、打ち合わせなどで人に会うことがない限り、服も髪も全部適当で、楽さを優先していました。忙しい朝に、自分の身支度にかける時間なんてなかなか取れないし……!

でも、モーニングルーティン動画に出ていた在宅ワーカーの方が好きな洋服を選んで仕事のスイッチを入れると話し、着る服やアクセサリーを楽しそうに選んでいたりメイクをしたりしているのを見て、なんてすてきな仕事のスイッチの入れ方〜! と感銘を受けたのです。


好きな服で仕事するようになったてらいさん

確かに気持ちがシャンとします。

それに、自分のことは自分が一番しっかり見るんだから、お気に入りの服を着てるとやはり楽しいものですね〜。通勤している方には当たり前の話かもしれないんですが、私にとっては革命が起きたくらい大きな変化です。

朝時間が「心の余裕」を作ってくれた

私には早起きなんて到底無理だと思っていたけれど、試してみたらいいことがたくさんありました。

特に「心に余裕ができたことで、子どもに対するイライラが減った」ことは本当に大きい!

以前は毎朝ギリギリの状態で保育園へ送り出していたので、焦燥感がすごかったのですが、今では子どもが起きる時間までには自分の身支度が終わっているし、さらにはラジオを聞いてひと笑いしたあとなので気持ちの余裕が違います。

そして早起きしているので、寝つきがとっても良くなりました。睡眠の質が上がったからなのか頭もスッキリしている気がします。仕事をしていても、前よりもさえてる気が!

ちなみに、早起きを続ける上で私が大事にしているのは「『絶対早起きして活動する!』と意気込まずに、たとえ何もしなくても、朝起きられただけでOKにする」というルール。

ただ何もせずごろごろ床に転がってネットやSNSを見て朝時間が終わったとしても(かなりよくある)SNSをゆっくり見られたという「誰にも邪魔されない自分時間」が持てたことに変わりはありません。それだけでも「ストレス解消できたからよし!」と考えています。

そして、「早起きなんてできないと思っていたのに、今日も早起きできて私やるなあ〜」と、毎日自分を褒めて自己肯定感をじわじわ上げています。本当にチャレンジしてよかった〜!!

子育てしながら働く毎日は大変だけど、これからも「自分の時間」だけは大切にしていきたいと思います。

編集:はてな編集部

「自分の時間」を大切にするには

共働き&子育て中は時間がない! みんなどう工夫してる? 「育児中の可処分時間」調査結果
「育児中の可処分時間」みんなどう捻出してる?
仕事は“人生の一部”。仕事と適度な距離をとり、生活を大事にできるようになった話
仕事は“人生の一部”と考えられるようになるまで
仕事のオンオフ切り替えに“朝の散歩”はおすすめ。ベテラン在宅ワーカーが実践する「無理のない散歩生活」
仕事のオンオフ切り替えに「朝散歩」がおすすめ

著者:てらいまき

てらいまきさん

食べることが大好きな京都在住イラストレーター・漫画家。食べ物イラストとコミックエッセイが得意。
著作に『めんどくさがりやの自分の機嫌を取る暮らし』(竹書房)『ご当地グルメコミックエッセイ まんぷく京都』(KADOKAWA)、『北欧フィンランド 食べて♪旅して♪お洒落して♪』(実業之日本社)、『アイスランド★TRIP』(地球の歩き方)などがある。

サイト:てらいまき X:@maaki888maaki