共働きで子育て中の方に「可処分時間」の実態をアンケート調査しました。
育児中の共働き世帯は、仕事、家事、育児など常に何らかのタスクに追われがち。自分の時間が持てないことに悩みを抱いたり、ほかの家庭はどう時間をやりくりしているのか気になったりという方は少なくないのではでしょうか。
そこで今回は、家事育児・仕事の時間を除いた「自分が自由に使える時間=可処分時間」について、子どもの人数・年齢、勤務形態の異なる共働き家庭10世帯にアンケートを実施。週にどれくらい自分の時間があるのか、またその時間で何をしているのか、時間を生み出すためにどのような工夫をしているのかなどを調べました。
※記事内の可処分時間の定義:「仕事」「家事・育児」「睡眠時間」を除いた、個人が自由に使える自由時間。例えば「通勤」は非可処分時間、「仕事中の昼休み」「1人での入浴」などは可処分時間とした👶🏻目次👦🏻 👧🏻
- 勤務形態は? 残業はある? それぞれの家庭・お仕事事情
- 平日のタイムスケジュール、見せてください!
- 可処分時間は「週に5〜8時間」が半数。子の成長に伴い増えるケースも
- 子どもが成長すると、可処分時間は増える?
- 「寝かしつけは毎日同じ時間に」「便利家電を導入」可処分時間を確保するための工夫
- 現在の可処分時間の量・質に満足していますか?
勤務形態は? 残業はある? それぞれの家庭・お仕事事情
今回協力いただいたのは10名(10世帯)。子どもの人数は1〜4人、子どもの年齢は1歳〜14歳(中3)、勤務形態は夫婦ともにフルタイムの方が多めでフルリモートから一部リモート、出勤メインなど、家庭と仕事の状況はさまざまです。
中には、パートナーが単身赴任中のため育児はワンオペ、という方も。
平日のタイムスケジュール、見せてください!
まずは各家庭に平日のタイムスケジュールを教えてもらいました。
朝の起床時間は6時〜7時と答えた人が多く、平均は妻:6時5分、夫:6時50分。朝に自分の時間を捻出するため「4時半」「5時」に起きるという早起き派も。
就寝時間は、早い人は21時ごろ、遅い人は24〜25時ごろとバラバラで、平均は妻:23時、夫24時10分。子どもの寝かしつけに合わせて早めに寝る派と、子どもが寝たあとで自分の時間を捻出する派に分かれました。
いくつかの家庭のスケジュールを紹介します。
kayaさん子ども1人(5歳)。夫婦ともにフルタイム正社員。夫が単身赴任中のため、平日は妻のワンオペ。
いぬじんさん子ども2人(14歳、9歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
ベリーさん子ども4人(14歳、11歳、6歳、4歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
可処分時間は「週に5〜8時間」が半数。子の成長に伴い増えるケースも
予想通り、みなさん仕事に家事に育児に超多忙です……。この中で、どれくらい「自分の時間」をとれているのでしょうか。
アンケートの結果、実際の可処分時間は「1週間で5〜8時間程度」と答えた人が半数。平日はどうしても1時間以上のまとまった時間をとることは難しく、子どもが起きる前の朝の数十分、そして仕事中の昼休み、子どもが寝た後の時間を自分の時間としてカウントしている人が多いようです。
回答の中から、一部を抜粋します。
平日の「いつ」が可処分時間になる?
まんまるもちさん子ども2人(5歳、3歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
<朝>在宅勤務日で通勤しない時間帯
<日中>仕事の休憩時間
<夜>子どもの寝かしつけ後
トモさん子ども1人(5歳)。夫:フルタイム正社員、妻:契約社員
<朝>起きてから仕事を始めるまで
<夜>夫と子どもがお風呂に入っている時間
ベリーさん子ども4人(14歳、11歳、6歳、4歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
<朝>通勤時間
<日中>会社の昼休み
<夜>夕食準備が終わり、食べ始めるまで。その日の雑事が終わり、就寝まで。
kayaさん子ども1人(5歳)。夫婦ともにフルタイム正社員。夫が単身赴任中のため、平日は妻のワンオペ。
<朝>早朝、子どもが起きるまで
<日中>職場での昼休み、外出予定があれば帰りにどこかに寄り道する
<夜>子どもが寝たあと
「仕事がお休みの日」の可処分時間はどれくらい?
ネジ子さん子ども2人(10歳、4歳)。妻・時短勤務正社員、夫:フルタイム正社員
休みの日のスケジュールにもよりますが、夫婦それぞれ3〜4時間くらい。
桜花さん子ども1人(2歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
家族3人で過ごす日は0時間。夫・妻が個人の予定を入れていれば半日〜終日1人での自由時間があり、日によってまちまちです。
本人 @biftechさん子ども3人(4歳、2歳、1歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
夫婦どちらかがワンオペで子どもを見ている間の数時間。
貴重な可処分時間、何してますか?
1日あたりおよそ1時間。貴重な可処分時間の使い道を聞いたところ、多かったのがSNSの閲覧や投稿、読書、ネットサーフィン、買い物など。一方で、ゲームや音楽鑑賞、映画・動画鑑賞、学習(仕事に関係のあるもの、無関係なものともに)といったことに時間を割けている人は少ない結果に。
まとまった時間をとるのが難しいことから、隙間時間を活用してサクッと息抜きできることに時間を使っている人が多いようでした。「本当は据え置き機でゲームをしたいけど、気力がなくてぼんやりスマホを見ているだけだったり……」という声も。
理想の可処分時間はどれくらい?
さて、ここまで可処分時間の実態を見てきましたが、「理想の可処分時間」はどれくらいなのでしょうか。
「できれば平日に2〜3時間のまとまった自由時間がほしい」「土日のどちらかで半日くらいゆっくりしたい」「夜自由に出歩ける日を増やしたい」といったコメントが寄せられ、時間がないのは仕方がないと納得もしつつ「理想を言えばもう少し増えたらうれしい」と感じている人が多いようです。
ぽにさん子ども3人(9歳、7歳、3歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
理想は週に20時間くらい欲しいです。本を読んだり、お家で映画を見たり……。夫と「今日は寝落ちせずに見ようね!」と言いながら寝落ちしている日ばかりです。
kayaさん子ども1人(5歳)。夫婦ともにフルタイム正社員。夫が単身赴任中のため、平日は妻のワンオペ。
土日のどちらかで半日くらい好きに出かけたりゴロゴロしたりできるとうれしい。
本人 @biftechさん子ども3人(4歳、2歳、1歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
18〜22時をいつでも動けるようにできれば、思いつきでライブに行ったり友人と軽く飲んだりできていいだろうなと思っています。でも現実は、お迎え、入浴、夕食、歯磨き、寝室移動、寝かしつけと18〜22時はまさに育児コアタイムなのでおいそれと空けられません。
ベリーさん子ども4人(14歳、11歳、6歳、4歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
平日は一日に3時間ほどまとまった自分の時間がほしいとは思っているが、子どもが4人いると不可能。
子どもが成長すると、可処分時間は増える?
やはり「もう少し自分の時間がほしいがなかなか難しい」が、多くの共働き子育て世帯の実情と言えそうです。となると、気になるのは「いつまでこの状況が続くのか」ではないでしょうか。
子どもの成長に伴って、お世話の内容やお世話にかける時間は変わってきます。「今は全然自分の時間がないけど、子どもが大きくなったら一人でゆっくりできる時間も増えるのかな?」と期待を抱いている人もいるはず。
そこで、ズバリ「子どもの成長と可処分時間の増減は関係性があるか?」を聞いてみました。この質問には、10人中8人が「はい」と回答。具体的に、いつから可処分時間が増えた実感があるのでしょう。
「可処分時間が増えたな」と感じたタイミング
ぽにさん子ども3人(9歳、7歳、3歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
上の子が4~5歳になってから。ただ、下の子が生まれたので、また子どもに関わる時間が増えた。
とぅえこさん子ども2人(13歳、6歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
上の子が1人で、寝る・お風呂・準備ができるようになった小学校高学年あたりから、1人分の世話のみでよくなり、夜の自由時間が増えた。
ベリーさん子ども4人(14歳、11歳、6歳、4歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
第一子が中学校に入学してから。部活が始まり、友人と時間を共にすることも増えたため、親がかける時間が減った。
いぬじんさん子ども2人(14歳、9歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
まずは子どもが保育園に行くようになってから。それまではずっと睡眠不足だった……。そのあとは、下の子が小学生になってから。保育園の送り迎えがなくなり、朝の時間が少し自由になった。今は週末も子どもたちだけで遊んでいたり、一人で習い事に行けるようになったので、だいぶ自分の時間がとれるようになった。
本人 @biftechさん子ども3人(4歳、2歳、1歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
(まだ4歳児までしか見てないですが)2歳から。夜泣きの頻度が減って22時からの可処分時間が細切れにならなくなりました。
ネジ子さん子ども2人(10歳、4歳)。妻・時短勤務正社員、夫:フルタイム正社員
上の子が4才くらいになって、ずーっと相手をしなくてもいい時間が出てきたあたりから、少し増えたと感じます。あとはコロナ禍以降在宅勤務が導入されたことで、体力に余裕ができて、寝かしつけのあとも起きて好きなことをする時間がとれるようになりました。
「寝かしつけは毎日同じ時間に」「便利家電を導入」可処分時間を確保するための工夫
忙しい毎日の中で自分の時間を確保するためには、パートナーや外部の人と協力しつつ、日々のタスクにかける時間を短縮したり、負担を軽減することが欠かせません。
家事の時短テクニック、夫婦間での役割分担やコミュニケーションの取り方など、可処分時間を捻出するために工夫していることについて聞いてみました。
ぽにさん子ども3人(9歳、7歳、3歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
子供の寝かしつけは毎日決まった時間で行う(子供の体調不良が減り、結果的に自由な時間が増えた)。
ネジ子さん子ども2人(10歳、4歳)。妻・時短勤務正社員、夫:フルタイム正社員
家事に従事する時間を減らすため、食洗機・洗濯乾燥機・ロボット掃除機・ホットクックなどの時短家電を使っています。そのおかげか21時までには全ての家事が済んでいます。また休日は子どもを遊びに連れて行くのを夫婦で分担して、どちらかが遊びに付き合っている間はもう一方は自由時間にするようにしています。
kayaさん子ども1人(5歳)。夫婦ともにフルタイム正社員。夫が単身赴任中のため、平日は妻のワンオペ。
食事はほぼ生協とオイシックスのミールキット。
桜花さん子ども1人(2歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
平日夜は曜日固定でワンオペ交代制にしています。(月水金は妻、火木は夫が担当など)友人との飲み会や観劇なども「この曜日ならOK」と予定が立てやすくストレスが少ないです。
とぅえこさん子ども2人(13歳、6歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
朝早く起床し、自分の時間を確保。平日は冷凍食品を併用し夕食準備を時短。どうしてもやりたいこと(飲み会や映画等)がある時にはパートナーに交代を依頼。休日は外食やお惣菜を取り入れ、家事を減らすようにしている。
ベリーさん子ども4人(14歳、11歳、6歳、4歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
家族全員で家事を進めるよう子どもが小さい頃から「家のことは家族みんなで」を徹底している(洗濯物たたみは子どもたちの仕事、保育園年中以降は食事後の食器は自分で下げさせる、保育園から持ち帰った着替えは自分でバッグから出して洗濯機に入れる、使ったおもちゃは寝る前に自分で片づける等々)
「平日に有給を取得し、時間がかかる予定は有給を使う」という声もありました。ただし子どもが保育園に通っている場合、有給日に子どもを預けることができるかは園によって判断が異なるためご注意ください。
現在の可処分時間の量・質に満足していますか?
理想と現実にギャップがあったり、さまざまな工夫を凝らして自由時間を捻出したり……と、課題の多い子育て世帯の可処分時間。最後に、みなさん今の生活にどれくらい満足しているのか、率直な感想を聞いてみました。
ネジ子さん子ども2人(10歳、4歳)。妻・時短勤務正社員、夫:フルタイム正社員
とにかくまとまった時間が取れないことがストレスです。半日くらいかけてやりたいような作業は永遠にできず、全て細切れになってしまう……!ただ、第一子が小さかった頃よりは余裕が出てきて、趣味を楽しめるようになってきました。自由時間は全て趣味に使いたいのですが、会社から資格取得のための学習を求められており、嫌だな〜〜〜!!!!!と思っています。
桜花さん子ども1人(2歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
外出の予定は立てられるのですが、「家でぼーっとする時間」がないのが地味にストレスです。基本的に私の1人時間=夫が家で子どもを見てくれている時間なので、自分は外に行くしかなく、家でゴロゴロする、昼寝するといった選択肢がない。疲れ切っていると街をふらつきながら「別に買い物もお茶もしたくないんだ!3時間だけぐっすり寝かせてくれるビジホないかな……」とよく思います。
本人 @biftechさん子ども3人(4歳、2歳、1歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
可処分時間の量だけでなく、「質」も大事だなと思っています。寝かしつけのあとの時間も結局「おむつが一番安いところは」「ベビーベッドのあるホテルは」と検索していたりして「自分だけの時間」と言えなかったり、久々に友達と飲んでリフレッシュできたなーと帰宅したら家は荒れ妻も消耗という状況で楽しかった時間が帳消し、みたいなことは多いです。
ぽにさん子ども3人(9歳、7歳、3歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
可処分時間が理想よりも少ないことに、現時点では大きな文句はありません。それはきっと、睡眠時間が9時間ほど取れているからだと思います。何回も夜泣きで起こされるので、ずっとぐっすり眠れている訳ではありません。でも、睡眠時間をたっぷり取っている「事実」が精神をラクにしてくれている気がします。
トモさん子ども1人(5歳)。妻・契約社員、夫・フルタイム正社員
子どもとのコミュニケーションが楽しくなってきたし、土日にちょっと自分の時間があるだけで満足できるため、日々自分の自由時間がないと思うことは減りました。ただ「子育てや家のことは妻の仕事」という考えの職場が多い以上は、夫が家族のことで「休み」「早退」を取りにくいため、負担やしわ寄せが全て妻1人にのしかかってくるのがツライ。仕事ばかり責任感を持つ社会ではなく、家族に対しての責任も持てる社会になってほしい。
ベリーさん子ども4人(14歳、11歳、6歳、4歳)。夫婦ともにフルタイム正社員
第一子を出産してから15年ほど、まとまった可処分時間が取れた記憶がないが、それでもあまり不満はありません。理由は、夫婦で同じような状況にあり、バランスが取れているためだと考えています。もしも可処分時間が今の2倍、3倍あったとしても、夫と妻の負担が1:9、2:8など偏りがあれば、不満を感じるのではないかと思います。
「自由な時間が少ないこと」自体への不満・ストレスというよりは、「まとまった時間が取りづらい」「時間はあっても使い方の制限が多い」ことにもどかしさを感じている人が多いようですが、一方で「現状に不満はない」という声も。
休息をしっかり取る、夫婦で役割が偏らないなど「不満をためない」という視点も重要なのかもしれません。
以上、「育児中共働き世帯の可処分時間」にまつわるアンケート結果でした!
今回は「育児中の共働き世帯」を対象にしましたが、シングルで子育てをしている方もいますし、パートナーが単身赴任をしていたり、家族の介護や病気療養を支えていたり、働く人それぞれにさまざまな事情を抱えていると思います。
しかし「自分の時間が欲しい」という気持ちは、おそらく子育てをする誰もが一度は持つものなのではないでしょうか。普段、仕事や家事、育児に奔走している方々にとって、この記事が何かしらの「気付き」や「ヒント」につながるとうれしいです。
仕事をしながら子育て。みんなの悩み&解決方法は?
アンケート調査・執筆・編集:はてな編集部
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ぽにさん子ども3人(9歳、7歳、3歳)。夫婦ともにフルタイム正社員