ウェブ上で『この世の果てだ…』と噂された秘境スポット「野付半島」に行って来た

北海道・道東エリアにある秘境スポット「野付半島」。トドワラ、ナラワラの原生群のある土地ですが、ウェブ上ではここの景色が「この世の果て」「世界の終わり」などと噂されています。2016年10月時点でどうなっているのか? 真相を確かめるべく、未開の地に飛び込んできました。

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こんにちは、ジモコロ編集長の柿次郎です。

世の中には「この世の果て」「世界の終わり」と比喩されるようなスポットが数多く存在します。10月下旬ごろ、北海道・道東エリアの3泊4日取材旅行に臨んだんですが、自分の目で確かめたい場所もそのひとつ。

 

それは…

 

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根室中標津空港から車で1時間30分ほど走らせた場所にある「野付半島」です!

エビみたいな形をしていて、国後島(くなしりとう)とは目と鼻の先。地図を見て「ここは一体どういう土地なんだろう?」と想いを馳せるのが好きなんですが、野付半島はウェブ上で「この世の果てみたいな景色だ…」と紹介されていて気になっていました。

 

 

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というわけで、野付半島がある別海町に到着。エビみたいな形の島を車で走り続けます。人の気配は感じられず、時折トラックとすれ違う程度。漁師町の面影はありますが、時期的に閑散とした景色が続きます。

 

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途中、野付半島ネイチャーセンターに車を停めて、あたりの様子を伺ってみたら…

 

 

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波紋ひとつない穏やかな海面が、鏡のように青い空を映し出していました。

 

なんだ、これー! 美しすぎるだろー!

 

  

この景色だけでも感動したんですが…。どうやら「この世の果て」と噂される場所は、ここから20〜30分ほど歩かないといけないようです。車は通行止め。「一体、何なんだよ…」と渋々歩くことに。

 

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往復で1時間近くかけて行くほどの秘境スポットなの…?

 

いざ噂の真相を確かめに…

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歩き続けると「別海十景トドワラ 野付風蓮道立自然公園」の看板が目に飛び込んできました。

 

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トドワラは、長い時間かかって作りあげられた砂嘴(さし)の上に成立したトドマツ林が、海水面の上昇あるいは砂嘴の沈降により海水におかされた枯木群に変化したものと考えられています。

枯木の大部分は樹齢90〜120年のトドマツであり、その中に樹齢150〜170年のエゾマツも混在していたことがその年輪から読みとれます。また、年輪幅(5〜10mm)からこの林は極めてよい成長をつづけていたことが分かります。今後、枯木群の腐朽が進み塩湿地植物群落に置き換えられつつあるのも自然の生み出す大きな流れなのでしょう。

トドマツ、エゾマツとおそ松さんみたいな言葉が並んでいますが、かなり貴重な植物が自生しているエリアのようです。「自然の生み出す大きな流れなのでしょう」に諦めと懐のデカさみたいなのを感じますよね。

 

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ここからは綺麗に舗装された道に切り替わります。

 

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「おりないでください」と強めの注意書きが。貴重な自然を守るためのことなんでしょう。

 

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テクテク…

 

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お…

 

 

 

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なんだか…

 

 

 

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このまま天国へ行けそうな…

 

 

 

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ここがこの世の終わり…? 

 

 

 

し、死にたくない〜!!

 

 

まだ全国47都道府県制覇してないし、ウォーキング・デッド全部観終わってないし、ベルセルク完結してないし、クリストファー・ノーラン監督作の映画はずっと見たいし、来年EVISBEATSの新譜が出るって話だし、VRの世界がどんなエロ進化を遂げるのか絶対体験したいし、2020年の東京を見届けたいし、シェアリングエコノミーがすごいことになるって話だし、自動運転で地域と都市の距離がグッと縮まるかもしれないし、AIがもっと進化しても人間力で戦えるのか興味あるし、その先には火星に住む人が増えるかもしれないし、それこそトランプ大統領は今後どうなるのか気になるし、そもそも遺伝子残してないし、俺にはまだまだやるべきことが沢山ある〜!!

 

 

 

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いやー、焦った。死んだかと思った。ここは途中、海側に分岐している道なんですが、ほぼ加工ナシでこんな写真が撮れるスポットです。いろんな条件が重なったんでしょうけど、光の当たり方が普通の土地とぜんぜん違う! 

 

 

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元のルートに戻り、少し歩くと…

 

 

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ああああー!! 

 

 

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これがトドワラなのー!?

 

 

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この世の果て、世界の終わり…。

生き物の気配がほんとんど感じられず、長い年月かけて朽ちていったトドマツの無残な姿だけがそこに…。その先には穏やかな海が続いていて、日本の最果てであることは肌で感じ取ることができます。

 

 

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この世に自分1人しか残されていないような感覚…。アイアムレジェンド…。

 

 

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思っていたよりも腐朽が進んでいたため、インターネットの噂で見た景色とはかなり変わっていました。元通りになることはなく、前述の看板に書かれていた通り、自然の流れを受け入れるしかないんでしょうね…。

 

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やや寂しいけど、野付半島のトドワラの様子(2016年10月月末時点)を記録しておくことは意味がきっとあるはず!

 

真冬の様子はこちらの記事をどうぞ。一面、白銀の世界。オオワシやミミズク、エゾシカの群れなどに出会えるかもしれません。「野付半島ネイチャーセンター」のツアーガイドに参加するのが吉!

 

 

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歴史を紐解いてみると、江戸時代には国後へ渡る要所として通行屋が設けられて、北方警備のために武士も駐在していたとか。当時と景色は違うのかもしれないけど、武士が駐在していたとか胸アツですね。

 

世紀末感はまだ残っていた!

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時は199X年、地球は核の炎に包まれ、人類は絶滅したかのように思えた時代、人類は生き延び暴力の支配する弱肉強食の世界に突入していた

帰り道にもう一つのスポット「ナラワラ」を見てみたんですが、こっちはこっちでまだ朽ちた木がたくさん残っていて世界の終わり感がありました。「北斗の拳」のあらすじをうっすら入れても違和感がない。いつまでも元気でいてくれ地球…。

 

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しかし、日本とは思えない景色ですね。北海道・道東エリアが日本離れした印象を与えるのは、人間の手があまり入っていない原風景が残っているからなのかもしれません。なんたって、めちゃめちゃ不便なところにあるから。ジモコロで学んだことですが、人間都合の利便性から距離を置いた土地は面白いところが多いです。

 

 

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ちなみに野付半島、根室あたりは海のルビーとも言われる「北海シマエビ」の産地! 野付半島ネイチャーセンターでも食べることができます。

 

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エビの旨味と甘味が質量パンパンに詰まってる…! 

 

 

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野生のキツネもいる!

 

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エキノコックス症(えきのこっくすしょう)とは、寄生虫の1種エキノコックスによって人体に引き起こされる感染症の1つである。エキノコッカス症、包虫症などとも呼ばれる。

患者の98%が肝臓に病巣を形成される。感染初期の嚢胞が小さい内は無症状だが、やがて肝臓腫大を惹き起こして右上部の腹痛、胆管を閉塞して黄疸を呈して皮膚の激しい痒み、腹水をもたらす事もある。次に侵され易いのは肺で、咳、血痰、胸痛、発熱などの結核類似症状を引き起こす wikipediaより引用

こんな可愛いのにエキノコックスとかいうヤバい病気にかかる恐れがあるため、直接触ることは禁止されています。北斗の拳同様、薄いグレーテキストで症状を書くと怖すぎる。悲しい生き物だなお前…。めちゃめちゃ餌付けされてる感あるけど…。

 

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というわけで、噂を確かめるべく訪れた野付半島の「この世の果て」はトドマツの原生群だったものの、「トドワラの終わり」が間近であり、「日本の最果て」を感じさせるスポットであることは間違っていませんでした。

とある記事(取材をしないで画像集めて書いてるんだろうな!)では、まだまだトドワラがしっかり残っている印象を受けますが、2016年10月月末時点の最新情報として参考にしてもらえたらと思います。

 

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最後に。今回の取材で改めてローカルは足を使った取材が必要だなと痛感しました。ウラを取らずに寄せ集めの情報で記事を作り、検索トップを狙う。何かを知るきっかけとして必要かもしれませんが、自然でも飲食店の店舗でも、刻一刻と変化していくものです。せめて行ったフリをして書くのはやめようじゃありませんか。ずるいぞ。

ただでさえ時間とお金がかかる未開の地だからこそ、正しい情報をウェブ上にアーカイブしていきたいとジモコロは考えています。すげー金かかってんだからな!写真はタダじゃねーぞ!

 

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●お役立ちリンク集

別海町観光協会

野付半島ネイチャーセンター

野付半島の先端にはかつて幻の町「キラク」があった? – 北海道ファンマガジン

野付半島の分かりやすいイラストマップ(PDF)

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デイリーポータルZでは「サケ漁体験」まで踏み込んで取材しています。

さすが…!!

 

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北海道・道東エリアのジモコロ取材旅行はまだまだ続きます!

 

 

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次回、「屈斜路湖に湧き出た謎の混浴・野天風呂に浸かってグビグビ飲んだら、でっかいウンコが出た件」をお届け予定です。

 

 

●ジモコロ×北海道・道東エリア特集 記事一覧

  

 

書いた人:徳谷 柿次郎

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ジモコロ編集長。大阪出身。バーグハンバーグバーグではメディア事業部長という役職でお茶汲みをしている。趣味は「日本語ラップ」「漫画」「プロレス」「コーヒー」「登山」など。顎関節症、胃弱、痔持ちと食のシルクロードが地獄に陥っている。 Twitter:@kakijiro / Facebook:kakijiro916

 

写真:小林 直博

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長野県奥信濃発のフリーペーパー『鶴と亀』で編集者兼フォトグラファーをやっている。1991年生まれ。ばあちゃん子。生まれ育った長野県飯山市を拠点に、奥信濃らしい生き方を目指し活動中。

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