家事全般を担当して感じた「大変なこと」の数々。夫婦で子供との生活を大事にしていく

はじめまして、こんにちは。6歳の女の子と3歳の男の子の父親をしている櫛井と申します。

Webメディア「家電Watch」で子供との暮らしについてコラムを書いており、りっすんさんから「ちょっと育児について書いてみませんか」と寄稿の機会を得ることができました。

941家の様子

普段から子供と遊んでいると、「育児に積極的に参加していますね」と評されることもあります。でも、「子供がとにかくかわいいので、ついつい一緒にただ遊んでいるだけ」という状態は「育児をしている」とはいえないのでは? と個人的に思っています。

ただ、夫婦で子供の世話も含め一緒にできるよう、家事・育児に対してあちこちでちょっとずつ工夫をするようにしています。そこで、我が家ではどんなポイントでどのように工夫しているのか、この記事でお伝えできればと思います。

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まだ娘が小さい頃の写真。これは完全にただ遊んでるだけですね

育児・家事の分担をかっちり決めると疲れることもある

育児・家事については、パパとママで役割をきちんと決めて分担するご家庭もあるように思います。我が家の場合は、明確には決めておらず、「風呂洗いはパパ、ご飯を作るのはママ、食器を片付けるのはパパ」のようなザックリとした取り決めに加え、「気になった方がやる」となっています。このスタイルは子供が生まれるまでの間に夫婦で少しずつ話し合いながら確立しました。

自分では、このように役割を明確に決めない家事の進め方は割と合理的だと思っています。理由は、夫婦それぞれ「忙しいタイミング」は微妙に違うので、1つの家に住む人を一緒に見渡して、「気持ちと時間に余裕がある人、得意な部分を発揮できる人が物事を進める方が全体的にはハッピーになれるんじゃないか」という考えからです。

しっかり分担してうまくいく場合もあると思います。ただ、人それぞれ気になるポイントやこだわるポイントは違いますし、あらかじめ決めておいたことについて「いつになったらあれをやるんだろ……」と気にしてしまうのも何だか疲れる気がしますよね。なので、我が家のスタイルとしては「オムツの匂いが気になったら捨てる」「生ゴミをいつ捨てるかは気になった方がやる」という運用にしています。

……と、私ばかりがドヤドヤしていても仕方がないので、奥さんに「櫛井家のいいところ」と「改善すべきところ」をそれぞれ聞いてみました。

我が家のいいところってどこ?
・パパの仕事柄、土日はイベント対応で忙しかったり平日でも帰りが遅かったりするけど、それぞれの繁忙期について理解し合えている
・ママが幼稚園の手伝いで忙しいときもフォローし合えている
・家事に対してこだわり過ぎず、許容範囲が広い。「このレベルでやらないと死ぬ」みたいなことがないのが気楽でいい
・とにかく子供たちも含めて、家族全員が寛容なのがありがたい
では改善すべきところはどこ?
・日々気づいたら言っているし、溜め込まないので特にないかな
・とはいえ、反省しないことが反省点かもしれない。進歩がない

なるほど。確かにスタイルが確立されていても進歩がないのは反省点かもしれません。そこはまあ、家庭内がギスギスしてるよりはいいかなと思っています。平和が一番。

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息子が泣いてるので一緒に泣いてた時の写真です、泣きたい日もある

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いくら頑張ってもこの仕打ち。こんなもんです

1カ月半育児休暇を取ってみて得たもの

現在では家族で一緒に家事をできていますが、これは第二子である息子が生まれた時に、私が育児休暇を取得したことがとても大きいです。

3歳半の娘が幼稚園に通っている状況で1カ月半、完全に仕事をお休みして、「ママは赤ちゃんにおっぱいをあげる、オムツを替える、以上」という状態を保てるように、家事全般を私が担当しました。

子供を幼稚園に送り迎えしながら家事全般を担当するようになると何が大変だと思われますか? 私の感覚では、とにかくご飯・ご飯・ご飯でした。

朝起きたらまず朝ご飯、子供用を作って子供に食べさせて、大人用に作って手早く食べて、片付けたら次はランチ。こちらも子供と親それぞれの分を準備して、終わったら次はおやつ。おやつが終わったらもう晩ご飯の準備です。食べ終わったら片付けて朝ご飯の仕込みです。常にご飯なんです。

たぶん私の手際が悪く、向いていなかっただけかもしれませんが、1カ月半ひたすらご飯のことを考えていました。そして、「これ作りたい!」と思ったレシピで季節に合わないものを作りまくった結果、なんと食費が普段の倍かかってしまったという悲しいオチもつきました。トホホ。

1カ月半の育児休暇でほぼ全ての家事を一人で担当して分かったのは、(ご飯のことで頭がいっぱいということ以外に)以下の2つです。

  • 子供にトラブルが発生すると全てが狂う
  • 常に何かに追われているプレッシャーがキツイ

子供の幼稚園やその他の予定など、時間が決まっているものを標準として生活していると、全ての家事を満足のいくレベルでやるのは不可能。ほどほどでよしとしてストレスを溜めないことが重要だということがよく分かりました。親がイライラしていてもいいことは全くありません。「まぁこんなもんでいいよ」と、親も子も許容していくのが大事だと私は思っています。

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育児休暇中はずっと一緒にいられたので親子の距離がグッと近づきました

次から次へ出てくる“家事の大変さ”を理解する

家事の中には、掃除・炊事・洗濯など代表的なもの以外に、「名もなき家事」と呼ばれる細かい作業が山ほどあります。次から次へとやることがたくさん出てきて、もう、ホントにビックリしました。

例えば、「旦那は『ゴミを捨てているから家事をしている』と主張するが、ゴミ捨てはモノを移動してるだけだ!」という内容の発言をネットで見かけたことがあります。確かに、ゴミ捨て1つとっても、各市町村のルールに合わせて適切に分別して、生ゴミなら水分を切ったり、散らばっているゴミ箱からゴミを回収したりと、下準備がいろいろ必要です。その最後の工程である「運ぶ」ところだけで家事と言われるとちょっとイラッとする……という気持ちも分かるなぁと感じます。一通り家事を丸ごと経験しておけば、要所要所で何が適切な行動かが把握できるようになります。

自分の場合は、Webメディア「家電Watch」でコラムを書いているということも関係してか、最新家電が大好きで、いろいろなものを試しています。家事で楽ができるところは、家電で「新・三種の神器」とも呼ばれるロボット掃除機、全自動洗濯乾燥機、食器洗い乾燥機といったアイテムを使い、とことん楽する方向にしていきたいと常々思っています。

特に食器洗い乾燥機はマストアイテムだと感じます。料理をしながら洗い物をするのは大変ですし、洗い物はなぜかいつも無限に出てくる。こういった不思議現象はさっさとテクノロジーで解決していきたい、とにかく楽をしたい、反復作業がつらくて誰がやっても同じことはシンプルに機械でこなしたい――そういった気持ちです。

大変なことは他にもあります。それは、子供は意思疎通を完璧にできないことと、気持ちがコロコロ変わることです。生まれたての赤ちゃんがホニャホニャ泣いていて意思疎通できないのは「かわいらしいわねぇ」って感じで、もちろん当たり前なんですが、3歳半の子供の場合は「だいたいの言葉が通じるのに、前後の事情を踏まえて考えてはくれないため、思い通りには動かない」のがとても大変。大人は話せば分かってくれるし、ちゃんとYESかNOか言ってくれるし、約束は守ってくれるし、もう最高です。大人相手の仕事、なんて楽なんだ! いや、楽ってことはないんですけどね。「話が通じるって素晴らしい!」と、子供がメインの生活を続けていると本当に思うんです。

そうこうしていると、子供と一緒に同じゴールを目指すために必要なことが、次第に分かってきます。例えば赤ちゃんと出かける時は、大きめのトートバッグに着替えとオムツセットと飲み物とオモチャと簡単なお菓子をパパッと詰めておく。上の子がグズった時のために、スマートフォンで緊急のご機嫌取りをする用途の動画やアプリを準備しておく、などなど。子供と生活する上で、次に何をするべきなのか必要なことが理解でき、頭と心両方での対応ができるようになります。

自分ができることから行動に移してみよう

私の場合は育児休暇の期間を通じて「子供の世話をしながらの家事は大変!」ということを一定期間経験したことで、以前よりも夫婦一緒に家事・育児に取り組めるようになったように思います。そして、自分ができることから行動に移すことは大事なんじゃないかと感じています。

例えば、もしどちらかが外で働き、どちらかが産休・育児休暇を取得している状態または専業主婦・主夫という場合、通勤や勤務中の休憩などの合間で当たり前のように存在している「一人の時間」を、相手にも作ってみてはいかがでしょうか。その間に家の中の片付けやトイレ掃除などの家事も進めておけば、さらによし、です。

我が家では「相手が一人になれる時間」を作るために、週末に子供2人を連れて一緒に出かけ、まるっと面倒を見ています。子供がまだ小さいうちは、常にどこかに行ってしまわないか注意していないといけないし、外でランチをするにも一苦労だし、公共の場で突然騒ぎ出したりするしで、そりゃあなかなか大変です。でも、それをパパが全部引き受けることで子供と過ごす時間を増やし、ママは自分の時間でリフレッシュできたら、結果的に家族みんながハッピーになれるんじゃないかな……と思います。

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娘とは電車に乗ってアンパンマンミュージアムによく行きました


育児休暇で得たこととして「まぁこんなもんでいいよ」と親も子も許容するのが大事だと先ほど書きましたが、夫婦間でもお互いに「こんなもんでいい」と思える境界線について話し合っておくといいんじゃないかなと思います。家事の分担をきっちり決め過ぎて、しかも求めるレベルが高過ぎると、お互いの期待値にズレが生じてしまい、「こんなこともしてくれないなんて!」と不機嫌になるきっかけになりがちです。「命に関わること以外はそれなりでいいや」という緩さと「他人に迷惑をかけちゃいけないよ」といったモラルや道徳的なところだけ子供にしっかり伝えられれば、大体のことはOKなんじゃないでしょうか。

おわりに

親になって分かることは、子供からもらうものは果てしなく多いということと、子供が自分を親にしてくれるんだなぁということです。小さい子供と接することができるのは、限られた期間。他のことの優先度は下げて、子供のことを中心にした生活にするのは楽しいもんです。

近年の技術の進歩はすばらしく、昔と比べて家事や育児の実作業はかなり楽ができるようになったと感じています。最新家電や時短グッズなどもどんどん試して、楽をしつつ、「数年しかない小さい子供と一緒の時間を家族で一緒に楽しめたら、もっと人生が楽しくなりますよ!」とお伝えして、終わりたいと思います。

著者:櫛井優介

櫛井優介

1979年1月生まれ。シャイな奥さんと2013年の春に生まれた娘と2016年の秋に生まれた息子を溺愛する、お寿司が大好きなおじさんです。IT系企業で技術系イベントの企画や運営などをやっています。

Twitter:@941
ブログ:http://blog.kushii.net

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編集/はてな編集部