知ってた? テレビ番組『SASUKE』は「ラピュタ」を模して作られていた

2019.12.30

知ってた? テレビ番組『SASUKE』は「ラピュタ」を模して作られていた

TBSの人気スポーツ・エンターテインメント『SASUKE(サスケ)』。俳優やスポーツ選手だけではなく、素人である一般人(SASUKEオールスターズなど)までが出演者として駆け抜ける、この人気テレビ番組を作った人に、お話を伺いました。

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    屈強な選手たちが、驚くべき身体能力で障害物をクリアしてゆく「名もなきアスリートたちのオリンピック」

    それが―――

     

    スポーツエンタメ番組『SASUKE』!!

     

    はじめまして。倉沢学と申します。

     

    『SASUKE』といえば、誰もが知る人気番組。今年も大晦日に第37回大会が放送されます。

    その前に! 今回は番組の制作秘話や裏話などを、“SASUKEを作った男”乾雅人さんにインタビューしてみましょう。

     

    乾雅人

    1964年生まれ 有限会社FOLCOM.代表取締役
    TBS「クイズ100人に聞きました」で演出家デビュー。格闘技・世界卓球などスポーツ中継ほか、SASUKE、DOORS、ワールドクイズクラシック等、大型セットを使った世界観のある特番を演出。

     

    もくじ

    1ページ

    ・『SASUKE』はこうして作られた

    ・『SASUKE』はラピュタを模していた!?

    2ページ

    ・海外での『SASUKE』と国民性

    ・オーディションに受かる方法

    ・SASUKEオールスターズとの関係とドラマ

     

    「SASUKE」はこうして作られた!

    インタビュー場所は乾さんが代表を務める『有限会社フォルコム』のオフィス

     

    ちなみに今回は、『SASUKE』がめちゃ好きというジモコロ編集長・ギャラクシーも同行しています。尊敬する選手は長野誠さんだそう

     

    「今日はよろしくお願いします! 早速ですが、SASUKEという番組はどのように作られたんでしょうか?」

    「元々『クイズ100人に聞きました』とかのディレクターをやっていたんですが……95年くらいだったかな、TBSの社員さんの結婚式に行ったら、新しく番組を作るからやってみない?と言われまして。それが『筋肉番付』という番組でした」

    「『筋肉番付』! めちゃめちゃ観てました」

    「『筋肉番付』は春と秋に2時間のスペシャル番組の枠があるんですけど、プロデューサーから『なんかさ~、スペシャルで忍者みたいなのさ~、やってくんねえかな~』ってお願いされて」

    「ざっくりしたお願いだな~」

    「で、『わかりました』って言って、作ったのが『SASUKE』です」

    「そんな雑に生まれたんだ」

    「あんな大掛かりなセットって、それまであまり例がなかったんじゃないでしょうか。予算は、どれぐらいだったんですか?」

     

    セット設営中の風景

     

    「初回は確か、全部で数千万かかりました。プロデューサーにイメージ図を見せたんですが、『実物を見てみないとわかんないなあ』って言われて。とりあえず作ってみることにしたんです」

    「そんな規模のセットを“とりあえず”で作るメンタルすごいな」

    「後日、撮影場所に巨大なセットができあがってるのを見たプロデューサーに、『これいくらかかったの?』って言われて正直にかかったお金を答えたら、『誰がそんなに金使って良いって言ったんだよ!』って、すげえ怒られました」

    「そら怒るわ。現在の予算はどれくらいなんですか?」

    1億ちょいだと思います」

    「爆発的な人気番組になったから、予算も増額されたんですね。視聴率は最高でどれくらいまで行ったんですか?」

    「最高だと26%っていうのがありましたね。自分で言うのも何ですが、ほぼ素人さんがメインの番組で、こんな視聴率っていうのは珍しいと思います

    「コスパ高い!」

     

    『SASUKE』はラピュタを模していた!?

    反り立つ壁

    SASUKE1stステージ最終エリアにある円状に湾曲した障害物

     

    「どんなアトラクションから作っていったんですか? やっぱり『そり立つ壁』とか?」

    「アトラクションなんて最後のほうですね。まず作ったのは『概念』です。似たような番組はその後いくつかありましたけど、大体失敗するんです。それは、概念が無いからです」

    「概念?」

    「簡単に言うと、番組を貫く普遍的なコンセプトみたいなものかな。僕は、スペシャル番組で突飛なものは必要ないと思っています。どこかで見たことがあるような部分が散りばめられていて、すぐなじめるのが重要なんですね」

    「なるほど」

    「馴染みのある画面を実現するために、例えば撮影方法に関しては左から右にプレイヤーが走り、障害物を越えるようにしてます。これは『スーパーマリオブラザーズ』なんです」

    「確かに、スーパーマリオなら誰もが馴染みのあるゲームです!『この番組や選手が、どういうことをしようとしているのか』を直感的に理解できますね」

     

     

    「もう一つ大事なのは、物語です。それがなければ、ただ素人がアスレチック的なことをして水に落ちて笑う、みたいな番組になってしまい、いつか飽きてしまう」

    「そこにストーリーが必要だと」

    「番組を考えていた時にたまたま宮崎駿さんの『天空の城ラピュタ』というアニメ映画があったんですね。それが好きだったんで、この番組をラピュタにしようと思ったんです」

    「『SASUKE』がラピュタ!? まったく初耳の説なんですけど!」

    「あまりインタビューで話したことはないかもしれませんね。実は今も『SASUKE』のオープニングタイトルバックには、CGで必ずラピュタが浮かんでるんです」

    「全然知らなかった……!」

     

    「あくまで裏設定的なストーリーなんですが、日本のとある場所に、年に1回だけラピュタがやってくる。これがSASUKEのセットですね。日本全国の勇者たちが、ラピュタに何があるのかを知りたくて集まってくる」

    「そんな設定あったんだ」

    「アニメでは、パズーとシータが龍の巣という積乱雲を越えて中に入ると、まずは水の流れる遺跡っぽいところに辿り着くでしょ」

    「水中に巨大な都市が沈んでるのを見て驚くシーンですね」

    「だからSASUKEの1stステージは遺跡をイメージして作ってるんですよ。ほら、1stステージって水が流れているでしょ?」

    「そう言われてみれば……!」

     

    「で、映画後半でラピュタの下の方に行くと、動力源の部屋みたいなのがあるじゃないですか。半球体になってるあの内部

    「はいはいはい、ありますね。ラピュタの中枢とされてる部分」

    「それが2ndステージです。だから2ndステージは歯車っぽいものや鉄骨のイメージになってます」

     

    「続いて3rdステージですが、ラピュタの最後はどうなるか知ってます?」

    「『バルス』の言葉と共に、城が崩壊しますね」

    「そう。最後は崩壊して人が落ちてゆく。だから3rdステージは『床が無い』んです」

    「『人がゴミのようだ』という感じで選手が落ちていくと」

     

    「まったく知りませんでした。しかし、3rdステージの時点で、すでにラピュタは崩壊してますよね。ではファイナルステージは?」

    「ここからは僕が勝手に考えた設定なんですが、『SASUKE』のファイナルステージって、タワーになってて綱登りをするじゃないですか。あれはロケットのカタパルトを模しているんです」

    「言われてみればそんな形ですね!」

     

    ファイナルステージ

     

    「登りきってボタンを押すと、下からロケットが出てきて、ラピュタから脱出できるっていう。そういうイメージの物語なんです」

    「まさかSASUKEがスーパーマリオとラピュタから作られていたとは……」

    「1stでは足、2ndでは腕、みたいに“どの筋肉を使うか”でステージが作られていると思ってた」

    「ここまで概念ができて、ストーリーを作って、それが番組の骨子となりました。ここで初めて、じゃあどんなアトラクションを作りましょうかと。だから、アトラクションを考えたのはかなり最後の方です」

     

    SASUKEのオーディションに受かる方法とは?

    イーアイデム

    この記事を書いた人

    倉沢学
    倉沢学

    俳優兼ライターの元お笑い芸人。猫を飼っているため常に服が毛だらけ。釣りが趣味。

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