

こんにちは!!
銭湯神(しん)ことヨッピーです!!!
つまり……

銭湯の、神※です!
※なぜなら週に8回銭湯に行くから

そんな、銭湯の神である僕が、本日は奈良県御所(ごせ)市にある「宝湯」さんにやって参りました。
「銭湯が好きすぎるから僕もいつか銭湯を経営したい」と思っているので、その辺のアレコレについてぜひ聞こうと思ったからです。

宝湯の運営を担当している、株式会社narrativeの浦山さん。
本日はよろしくお願いします。実は僕、「いつか、自分でも銭湯をやりたい!」という野望を持っているので、「そもそも無理じゃね?」とか「こうすればいけるんじゃね?」とか、銭湯について教えて頂ければと……!
私もまだまだヒヨッコなのであんまり偉そうなことは言えませんが……!よろしくお願いします!
宝湯のアレコレを見てみよう

この「宝湯」、実は一度廃業してしまっており、「なんとか復活出来ないか」ということで行政から要請を受けた株式会社narrativeさんが経営を引き継いで営業することになった、という経緯があります
現在は御所市に唯一残っている銭湯として近隣住民や、東京など遠方から来るお客さんで毎日賑わっている

ロビー兼物販コーナー
建物本来の「良さ」を活かしながら、綺麗に改装されてるんですよこれが……!

この、ロッカーのすばらしさを見てください。建物の雰囲気に合わせて特別にしつらえたものだそうです
いやー、いつ来ても良いですね。
恐縮です。
僕、この「宝湯」に遊びに来た時にその「良さ」に度肝を抜かれたんですよね。古い建物のその良さを失うことなく、でもすごく綺麗でカッコ良くて、当時は僕が引き継いだ吉野のお祖母ちゃんの家をどうするかに悩んでいたので「ここに仕事を頼みたい!」って思ったんですよ。そして実際に改装をお願いしたっていう。

ヨッピーが所有している、奈良県吉野の古民家

narrativeさんのおかげで今ではこうなりました。どうだ。綺麗だろう。築100年やで?
いやー、その節は本当にお世話になりまして。いや、最近はけっこう若い人が銭湯の経営に参画したりしてるじゃないですか。そのハシリは間違いなくジモコロでも取材した「サウナの梅湯」の湊さんだと思うんですけど。僕以外にも「やってみたい!」っていう人はけっこういると思うので、「どうすれば銭湯を経営出来るのか」みたいな部分を教えて頂ければと。
そうですね。やり方は色々あると思うんですが、銭湯ごと買収して自分がオーナーとして経営する方式はめちゃくちゃお金がかかるので現実的ではないと思います。銭湯って土地も大きいので、都会の銭湯なんかは土地代だけでン億円っていうレべルでしょうし……。
現オーナーさんに賃借料を払って経営を引き継ぐ、みたいな方式もありますよね。湊さんなんかはそのパターンかなと思っているんですが。
現在のオーナーさんが高齢化していて、掃除からなにから銭湯の仕事が段々しんどくなってきたけど、銭湯を締めるのは忍びない、みたいな方はけっこういらっしゃると思うので、そういう人とマッチすれば不可能ではないと思います。
ちなみに「宝湯」はどういうパターンなんですか?
宝湯は土地はオーナーさんにお借りしていて、建物は弊社も出資している「御所まちづくり」が所有しています。ちょうどハイブリッドな感じですね。

天井の格子も綺麗です!
宝湯は2008年に廃業して、その後14年間ほったらかしだったんですよ。なので配管とかボイラーは全部ダメになっていたので全て新品に入れ替えたんです。浴室のタイルなんかはまだまだ大丈夫だったのである程度の補修をしてそのまま使ってるんですが。
建物自体も傷んでました?
建物の躯体は大丈夫だったんですが、それでもけっこう手を入れてますね……!
ちなみに改修費用でいかほど……?
まあ……、「億は超えた」とだけでも言っておきましょうか……!
oh……!

新設したサウナ

そしてキンキンの水風呂!
もちろん、資金面の話も大事なのですが、銭湯は現場力もめちゃくちゃ重要ですよ。毎日綺麗に掃除して、お湯を沸かして、お客さんとお話をして、っていう。実は宝湯、今けっこうピンチでして……!
元銀行員で宝湯の番頭を務めて頂いていた太田さんが、また別の銭湯をやる、ということで卒業しちゃったんです。太田さんはその「現場力」がとにかくすごかったんですよ。お客さんからの人気も高くて、太田さんの顔を見に宝湯に来ていたお客さんも相当いるんじゃないかなぁと。

もともと、宝湯の番頭をしていた太田さん
おー、それはすごいですね。
銭湯って、「単なるお風呂」ではなく町のコミュニティとしての機能もあるじゃないですか。特に高齢者にとっては「日々の憩いの場」みたいになってて。太田さんはコミュニケーションを取るのが抜群に上手くて、良くも悪くも「太田ワールド」の宝湯だったんですよね。
太田さんが居た頃は現場の雰囲気も明るいしお客さんもそういう宝湯が好きで通ってくださってたのかな、って思っているんですが、その太田さんが抜けちゃった穴をどうやって塞ぐかが大変で!
じゃあ、銭湯を運営するには「資金面」と「人材面」っていう、ふたつのハードルがあるわけですね。
そうです。太田さんみたいな現場に強くて明るくて周囲を巻き込める力を持ってる人が強いと思うんですが、他にも設備面の知識の問題もあるんですよ。
銭湯を運営するには……?

特別にボイラー室を見せて頂きました

ボーボーに燃えとる
銭湯をやってから初めて気づいたんですけど、銭湯って生き物なんですよ……!
お客さんの数とか、「どれくらいの人数がシャワーを同時に使ってるか」とか、そういう部分で設備の動きがぜんぜん違うんですよ。当然季節によっても違うし、時間帯によっても違うんですね。その辺の細かい部分まで気を配りながら動かさないと、すぐに故障して「修理に10万円かかった」とか。
あーーー。ボイラーや配管との戦いになるのか……。
そうです。弊社には資格を持ってる人間もいますし、配管も設備もひととおり新しくしてるのにこうなので、昔から営業している古い銭湯は「どうやってメンテナンスしてるんだろう」って不思議になるくらいですね。
やはり、銭湯の経営となると一筋縄ではいかないわけですか……!
そうですね。サウナブーム、銭湯ブームで若い方々に「銭湯やりたい!」という機運が生まれてきたのは本当に良いことだと思うんですが、「簡単なものではないから覚悟しておきましょうね」とは言っておきたいですね。

例えば、お客さんがお風呂帰りにラムネを1瓶買ってくれるじゃないですか。そういう細かい売上もすごく大事で、コツコツ積み重ねてきたものがボイラーの修理とか光熱費の高騰とかで簡単に飛んでしまうんですよね……。
だから資金面に現場力、そして設備の知識が揃ってないとかなり苦労するのではないかと。ヨッピーさんも「本当にやるぞ!」ってなったらどこかに修行に行った方が良いですよ。もちろん宝湯での修行も歓迎しますのでぜひアルバイトからはじめてください(笑)
そんなに大変なのに、それでも銭湯をやる理由ってなんですか?
やっぱり、インフラだからじゃないですかね。「誰かがやらなければいけない」的な。この辺は高齢者のひとり暮らしの方も多いんですよ。ひとりでお風呂に入るとヒートショックとかが怖いから、周囲に人がいる銭湯の方が安心ですし、他の人とコミュニケーションだって取れるし、外出する理由にもなります。だから、誰かがやらなければいけないんですけど、まあ大変ではありますよね(笑)

株式会社narrativeが宝湯のすぐ近くで営業している、元自転車を改装した宿「チャリンコ」

自転車と一緒に泊まれるのでサイクリストの利用も多いらしい

あと、我々はこの宝湯の近隣に「RITA御所まち」「宿チャリンコ」「洋食屋ケムリ」など色んな事業を展開しておりまして、宝湯はその核になっているのでそういった相乗効果を狙っているところもあります。
▼御所まち
そうそう、その仕組みが面白いですよね。「銭湯を中心にした街づくり」的な。たしかにご飯にしろ宿にしろ、近隣に良いお風呂があると一気に体験価値あがりますもん。美味しいご飯食べて良いお風呂に入って気持ちよく寝れたら、満足度は高い!
そうなんです。御所って歴史のある面白い街で、「奈良の日本酒と言えば?」で真っ先に名前が出てくるくらい有名な「風の森」も御所で作ってるんですよね。

昭和レトロ感の残るアーケード

古い町並みも割と残っているとのこと
だから宝湯単体として見ているというよりは、「銭湯を核にしてどうやって地域を盛り上げるか?」みたいな部分も考えています。一筋縄ではいかないんですけど、でもやりがいもあって楽しい仕事であることは間違いないと思います。ヨッピーさんも早く銭湯の経営をしてみてください。
今日話聞いた感じだと、ライターの片手間でやれる仕事ではないじゃないですか。
じゃあ、ライターは今日で引退ということで……。
ちょっと……、やめてよ……。

というわけで御所の宝湯、マジで良い銭湯なのでぜひ行ってみてください!
建物の雰囲気とかしつらえは、「日本で一番好きかも」くらいの感じなので!
銭湯神の太鼓判、押させてください!
「宝湯」を盛り上げてくれる人材は随時募集中とのことなので、皆さんもアルバイトからはじめてみるといかがでしょうか!
▼御所宝湯
https://www.gosemachi.com/takarayu/
▼株式会社narrative
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この記事を書いたライター
大阪府生まれ。「オモコロ」「トゥギャッチ」「ぐるなび」「Yahoo! Japan」「ライブドアニュース」など、さまざまなWEBメディアで活躍中のライター。「WEBでウケること」の第一人者として、タイアップ広告案件なども多数手がける。



































