子ども(未就学児)の「習い事」共働きでどうサポートする? 経験者3人に聞いてみた


子どもが3〜5歳くらいになり「そろそろ何か習い事をさせてもいいのかも」と思いつつ、仕事との両立に不安を抱いていませんか。

日々手いっぱいな子育て中の共働き家庭。特に周囲のサポートを受けづらい核家族の場合、「平日は仕事があるし、通わせるならやっぱり週末?」「大会や発表会の対応が大変そう」など、疑問は尽きないもの。

そこで今回は、働きながら子どもの習い事をサポートしてきた東京都内在住の3人に、両立のヒントを教えてもらいました。

「休日のワンオペ」がつらくて、あえて習い事をスタート:ぽにさんの場合

ぽにさんプロフィール写真

ぽにさんメーカー勤務のフルタイム研究職。会社員の夫、長男(9歳)、次男(7歳)、三男(3歳) と5人で暮らす。
▶ブログ:ともばたけ

【子どもの習い事遍歴】
<長男(9歳)>
3歳〜6歳 体操教室(週1日/平日)
4歳〜現在 スイミング(週1日/休日→2023年4月から平日に)
7歳~現在 サッカー(週1日/平日)
8歳~現在 英会話教室(週1日/平日)

<次男(7歳)>
3歳〜6歳 体操教室(週1日/平日)
3歳〜現在 スイミング(週1日/休日→2023年4月から平日に)
6歳~現在 英会話教室(週1日/平日)
7歳~現在 サッカー(週1日/平日)

<三男(3歳)>
3歳〜現在 体操教室(週1日/平日)

【習い事を始めたきっかけ】土曜のワンオペ育児に限界を感じて

長男が4歳、次男が3歳になったばかりのとき、土曜にスイミングスクールへ通わせるようになりました。

もともと習い事のオプションがある保育園に通っており、3歳児クラスに上がるタイミングで体操教室を始めていたわが家(送迎の必要がなく、共働きには最高だった……!)。わざわざ貴重な休日の土曜にも習い事を始めたのは、仕事が休みの日のワンオペに限界を感じたから

当時、夫は土曜も仕事があり、ワンオペで週末を過ごす自信がなかったのです。

スイミングを選んだのは、ピアノなどと違い自主練の必要がないので、子どもにも私たち夫婦にも負荷が少なそうだと感じたから。

午前中にスイミングでたくさん身体を動かすことで、子どもたちの「動き回りたい気持ち」が発散されるのか、午後はワンオペでも比較的落ち着いて過ごせるようになりました。

またたとえ1時間でも「自分以外の誰かが子どもを見てくれている」という状況に息抜きができ、週明けからの仕事のコンディションもよくなりました。

【サポートの工夫】「嫌だったらいつでもやめていい」というスタンスが大事

子どもが未就学児の頃は「送迎」の負担が大きいですが、体操教室は保育時間内、スイミングは仕事が休みの日だったので、習い事との両立がしやすいスケジュールでした。

またわが家が通っていた教室は準備物が多くなく、そこまでサポートの大変さはなかったのですが「メンタルケア」が必要なことはありました

例えば3歳だった次男はスイミングを始めた当初、通うのを嫌がり……。おだてたり、お菓子などのご褒美で連れ出したりしつつ、本当に行きたくないときは親の見学席で見学するなど、子どもの様子を見て臨機応変に対応しました。見ていると自分も泳ぎたくなるようで、結局遅刻して泳ぐこともありました。

夫婦ともに「習い事はとりあえずやらせてみて、子どもが嫌だと思ったら辞めたらいい」と考えており、子どもたちにも「辞めたければ辞めていいから言って」と話すようにしたら、嫌がる頻度が減りました

【小学生になってからの変化】習い事が増えても、生活リズムはできるだけ変えない

ぽにさんの子どもたち
スイミングスクールのおかげで海も楽しめるようになりました


長男と次男は現在スイミングを継続しつつ、サッカーと英語教室にも通っています。休日だけではカバーできないので平日も習い事に行く日が増えましたが、同じ習い事をしていること、家が近いことなどから基本的に2人で一緒に通っています。

年の近いきょうだいがいる場合は、極力同じ習い事に通わせると、送迎や準備のタスクが減ってラクだと思います!

ただスイミングが「土曜日に車で送迎」から「金曜日に子どもたちだけで電車で行く」に変わった時は大変でした。慣れるまでは金曜に仕事を早退し、切符の買い方や降りる駅、スクールまでの道順を子どもと一緒に確認したり、「乗り間違えたらどうすればいいか」など、想定できるあれこれをシミュレーションしたり。

そういった「変化」のタイミングは、仕事を調整する可能性を考えておいた方がいいかもしれません。

またスイミングの曜日を変更してから長男と次男の帰宅時間が19時半と遅くなったのですが、ご飯、お風呂、身支度を急いで済ませて21時には寝るようにしています。習い事によって睡眠時間が削られたり家族のペースが乱れたりしないよう、親子ともに「夜は21時に消灯、朝は6時45分に起きる」というリズムを大事にしています。

英会話スクールでは課題が出ますが、それも毎晩20時半から家庭内で「読書・勉強」の時間を設け、その時間内に収めるようにしています。英検の数週間前になると、試験に向けた勉強もします。

宿題の習慣を付けることはとても難しく、まずはとにかく20時半にテレビやYouTubeなどを消し「静かになる」時間を作ることから始め、私自身もその時間に英会話の勉強をするなど自発的に勉強しやすい空気を作るようにしました。

月謝や時間のやりくりなど、習い事は大変なことも多いですが「子どもたちが頼れる空間」が増えたのは大きな変化でした。私たち夫婦はともに実家が遠方にあり、近くに親戚がいないのでなおさら。習い事の教室が「家以外の安心する空間」として機能していてありがたいです。

習い事の負担を減らしたいなら、保育園や幼稚園選びを重視:ちゃきさんの場合

ちゃきさんプロフィール写真

ちゃきさん週2勤務の会社員&フリーランスの編集ライターとして働く。フルタイム会社員の夫、8歳の子どもとの3人暮らし。
▶︎X(Twitter)/▶︎ブログ

【子どもの習い事遍歴】
3歳〜5歳 バレエ(週1日/平日)
5歳~現在 美術教室(週1日/平日)

【習い事を始めたきっかけ】「お友達と一緒に過ごしたい」という子どもの意思を尊重

習い事に対するわが家の方針は「子ども自身が『やりたい』と言い出すまでは無理に促さず、自主性に任せる」。小さいうちは親がある程度先導すべきという考えもありますが、個人的には幼いなりの意思を大切にしたいと思っていました。

そんなわが家が習い事を検討し始めたのは、小規模保育園を卒園し年少で幼稚園に入った頃。というのも、娘の幼稚園では預かり保育の時間中に園内で習い事ができたからです。

年少の秋頃になり、最初に始めたのはバレエでした。きっかけは、周りのお友達が通い始めたこと。同じく預かり保育を利用しているお友達が、レッスンの時間になると揃って出ていくため「仲良しのお友達と一緒に過ごしたい」と思ったようです。

年長になってから美術教室にも通い始め、小学3年生になった今もずっと通っています。

ちなみに、年長になってから水泳や学研教室(どちらも預かり保育時間内の習い事)にも少しだけ通いましたが、数カ月で退会。始めてみたものの、あまり継続するモチベーションがわかなかったようで、両方ともキリのいいタイミング(進級テスト、小学校入学)でやめることにしました。

習い事はいずれも幼稚園内で完結し、送迎は基本的に発生していません。預かり保育の時間内に先生方がレッスン場所へ連れて行ってくれるため、親は通常通りお迎えに行くだけでOK。これは働く親にとって大きなメリットでした。

もし転園予定や、きょうだいが通う保育園・幼稚園を探していて、習い事も重視したい場合は、園内で習い事ができるかどうかをチェックしてみてください。

【サポートの工夫】モチベーションと健康面のケアを重視

ということで、送迎の負担はなかったわが家ですが、バレエに関しては、発表会の日に保護者の中でリーダーを決めて、全員で子どもたちの着替えや誘導などを終日行うなどのサポートが発生。事前に先生から説明を受け、発表会の経験があるお母さんを中心に、当日はみんなで協力しながら裏方を支えました。

バレエの発表会関連は金額も大きく、参加費と衣装代で約6万円、さらにDVD・写真代なども必要だったので、金銭的な負担も大きかったです……(それでも相場よりは安いようですが)。

また「モチベーション」と「健康面」の管理も重要なポイント。「習い事に行きたくない」と言う時は「どうして行きたくないの?」と、まずは理由を聞くようにしていました。忙しい中でも、食事中やお風呂、寝る前のタイミングなら比較的ゆっくり話せるチャンスです。

我が家では本人の自主性に任せているので、基本的には「やめたかったらやめてもいい」と考えています。本人が興味関心を失ったり、余計なストレスがあったりする場合は、無理に続ける必要はないのかなと。正直、月謝も安くないですし。

ただ、単純に「面倒くさいから」という場合は、サボり癖がつかないよう、今取り組んでいる内容を励まし、できたことを褒めるなど、少しでも気分を乗せるようにはしました。

また幼稚園の頃はまだ体力も十分ではなかったので、体調的に無理がないかにも注意。特にコロナ感染に不安があった時期は、バレエのレッスンを自主的にお休みするなど、健康優先で過ごしていました。

【小学生になってからの変化】スケジュールの調整・送迎がより大変に

小学生になってからの方が、送迎や予定調整などの負担が増えた印象です。

というのも、幼稚園の頃は園内ですべて完結しましたが、小学校からは学童保育の休みを申請した上で、帰宅後すぐにレッスン場所へ連れて行く必要があります。6時間授業の日は別日程に振り替えをすることも。

また、それまでは自転車の後ろに乗せて行けましたが、自分で自転車に乗るようになり、安全面や時間の余裕も考慮しなくてはいけません。

バレエは卒園とともに辞めましたが、美術教室のほうは「好き」に拍車がかかり、現在も続けています。本人は、中学校に入ったら美術部に入りたいと言っていて、美大への進学にも興味がありそうです。

バレエをやめてからはすぐに足のポジションも忘れてしまい、何かしら身になったのかは分かりません(笑)しかし、本人が「やりたい」という気持ちを優先し、満足いくまで通わせてあげられたのは、いい経験になったのではないかなと思います。

通いやすさ優先で体力・時間の負担を軽く:ベリーさんの場合

ベリーさんプロフィール写真

ベリーさん都内でフルタイムの会社員として働きながら、保育園児〜中学生まで(長男15歳、長女12歳、次男6歳、次女4歳)の4人の子育て中。
▶︎ブログ

【子どもの習い事遍歴】
<長男(15歳)>
6歳〜12歳 スイミング(週1日/平日)
12歳~13歳 運動系の習い事(週1日/平日)

<長女(12歳)>
6歳~12歳 スイミング(週1日/平日)
12歳~現在 運動系の習い事(週2日/平日)

<次男(6歳)>
6歳~現在 スイミング(週1日/休日→平日に)

<次女(4歳)>
4歳〜 スイミング(週1日/休日→現在お休み中)

【習い事を始めたきっかけ】「泳ぎ方が分からない」と落ち込む子どもを見て

わが家の子どもは4人全員、スイミングスクールの経験があります。

きっかけは長男。小学生になり、初回のプールの授業で「泳ぎ方が分からない……」としょんぼり帰ってきたのを見て、これはスイミングを習わせた方がいいと思い、その週末には申し込みました。

その後、3歳下の長女も小学1年生でスイミングスクールに通い出しましたが、次男、次女については「小1の夏に泳げるようになるためには未就学児で入会しておく方がベター」と考え、未就学児の頃から通うように。

というのも、スイミングは人気の習い事なので東京都内ともなるとなかなか入会できず、小学校入学と同時に申し込んでもキャンセル待ちになる可能性が高いのです。

ちなみにスイミングは(教室にもよりますが)基本的にかかる費用は月謝のみ。追加の費用が必要な場面が少ないため、家計を考える上でも助かる習い事でした。

【サポートの工夫】金額より近さ優先で体力的な負担を軽減

習い事をはじめるとき、何より重視したのは「家から近い場所であること」です。

わが家のまわりでは教室の候補が3〜4カ所あって、一番近いスクールは1万円、離れたところは7,000円と月謝に差がありました。最初は「何年も通うんだし安いところの方がいいかも」と悩んだのですが、共働きは時間の捻出が難しいため「近さ」を優先。結果的にとても良い判断だったと思います。

小学生でスイミングに通い始めた長男、長女は、私の育休が重なる期間は私が送り迎えをしましたが、育休が終わってからは自分たちで通ってもらいました。送迎に必要な時間や子どもが自力で行き帰りする時間など、トータルでかかるコストや子どもの体力を考えると、近い(=かかる時間が少ない)ことは何よりの負担減になりました。

ただ、自分で通うことができない未就学児のうちは送り迎えが必須で、フルタイム共働きだと平日に通わせることはやはり難しく。次男と次女は仕事が休みの日である土曜日クラスに入会したのですが、夫と分担していても送迎と見守りで毎週土曜の半日がブロックされるのはつらかった……。

なので、次男が小1で平日クラスに移ったのを機に、次女は一旦退会。小1の時点でキャンセル待ちにならずに確実にスイミングへ通えるように、保育園年長になったらまた土曜日クラスに再入会しようと考えています。

【小学生になってからの変化】「自分の好きな習い事」を選ばせてあげる

毎週スクールに通い、コーチからコツを学ぶことでだんだん泳げるようになっていくのは、子どもの自信につながります。小1の夏のプールの授業に間に合うようにと未就学児の頃から水泳を始めた次男は、小学校に上がってからプールの授業を楽しめたようです。

定期的に試験があり、合格すれば次のレベルに上がっていけるのも、向上心をキープできる重要な仕組みだと思います。

ちなみに長男と長女は、スイミングスクールをそれぞれ小5で卒業し、現在は自分で選んだ運動系の習い事にシフト。やりたいことに楽しそうに取り組んでいる姿が印象的です。

長男、長女とは「クロール、平泳ぎ、背泳ぎがひと通り泳げるようになったらやめていい」と約束してから習い事を始めたのですが、途中「行きたくない」と言ったこともありました。最終的には本人の意思で続けることにしましたが、習い事は楽しく、充実感を持って通えることがいちばん。

未就学児〜小学校低学年だと子どもが自分の気持ちをうまく伝えられずに親の方も判断に迷うことがあると思いますが、子どもの様子をよく見つつ、何らかの相性が合わないようだと判断した場合は、退会したりスクールを変えたりすることもひとつの道だと思います。

「無理のない範囲で」と決めて、まずは始めてみる。そして必要に応じて軌道修正すればいい。こう考えることで、親も気持ちがラクになると思います。


🏊 🩰 🎨 🎹


今回は、働きながら未就学児の習い事をサポートした経験がある、3名の方の体験談をお送りしました。

周りが習い事を始めると「うちも何かさせた方がいいのかな?」と焦ってしまう人もいるかもしれませんが、家庭・仕事の状況や子どもの興味関心はそれぞれ。

働きながら習い事をサポートするにはどうしたらいいのか。決して無理して始めるのではなく、本人の意思や環境、習い事への考え方などから始めてみて、難しかったら働き方や習い事の内容を変更するのも一つの方法かもしれません。

イラスト:caco
編集:はてな編集部

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