はたらく女性の深呼吸マガジン

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会社員、主婦、そして今。私にとって「働く」ことは、合わない靴のまま歩くのに似ている

 窪橋

子育てをしながら働いている、はてなブロガーの窪橋さん。就職、転職、結婚、出産といったさまざまな転機を経ながら、自分に合った働き方を探してきたこれまでについて振り返っていただきました。

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こんにちは。「はたらく女性」カテゴリの端っこで細々と働いている、窪橋と申します。今はこんなことに携わっています。

  • 在宅(業務請負、出来高制)
  • アルバイト(雑務、時給制)
  • 家庭内労働(夫との共同経営、たまに実家に外注)
  • 子育て(同上、やりがい搾……やりがい)

「在宅+バイト」という働き方が特徴的かなと思います。流れ流れてこんな就労形態になったのですが、どうしてこうなったのか、ちょっと振り返ってみたいと思います。思い出話にお付き合いください。

振りカエル(言いたかった)

振りカエル(言いたかった)

最初の会社で、細く長く働くつもりだった

大学を卒業後、就職氷河期の中で就活をしていた私は、やりたい仕事に就きたいなどという希望は持てず、ただ「働きやすい会社」に正社員で潜り込めたらいいな、と願っていました。

正社員になって、福利厚生に守られて、細く長くぬくぬくと、結婚後も産後も働いていきたい!

どこかで見た就職情報では「産後も働ける会社を探すなら、女性の割合を見るだけではダメだ」と言っていました。いわく、女性の年齢層が幅広いかどうか。女性の役職者がいるかどうか。そこまで見ておくべきだ、と。

幸運にも、私が入社できた会社は、それらのポイントを全て満たしていました。幸先がいいわーとホクホクしたものです。……最初の数カ月は。

実情は、産休を取得した女性が創業からン十年通して1人もいないという、いい意味でも悪い意味でも昭和の雰囲気を引きずった企業風土。新卒入社組は出産を機に辞めてしまうし、長く勤めているように見えた40代以上の女性たちは独身か中途入社組でした。出産で一度辞めた後、子供の保育園が決まってから再就職した人もいて、それは思いつかなかったわーと、頭を抱えることに。入ってみないと分からないものですね。

私が結婚したときの社の対応の端々から、同僚のうわさから、漏れ伝わってくる会社上層部のダイバーシティへの理解の低さ。ここで産休取得者第1号になるということはつまり、自分でイチから交渉したり調整したりする必要があるわけで、ボトムアップでいろいろ変えていくことになるわけで。……いやあ、無理。私には無理だあ。

さらに同じくらい思い知らされたのは、私にはフルタイム勤務が向いていないかも、ということでした。毎日同じ時刻に起きて体調を崩さず休まずお仕事に行くって大変。とても大変。私には無理だあ。すぐに熱が出るし。有給は消えるし。結局、妊娠だ何だの前に、体を壊してこの会社を辞めることになります。

自分の望む環境、自分に合う環境を見つける難しさは、この最初の就職で思い知らされたのでした。

五里霧中のイメージ写真ですが、そんなものに選ばれたペンギンは迷惑であろう

五里霧中のイメージ写真ですが、そんなものに選ばれたペンギンは迷惑であろう

モラトリアムと転職失敗

こうして退職、つまり主婦に転職したわけですが、家でのんびりしていたい反面、フルタイム勤務の頂点ともいえる主婦業が私に向いているわけがないという妙な確信があり、最初の会社を辞めてから間もなく、ゆるゆると転職活動を開始しました。前職のことがありますから、くれぐれも無理せず、体を大事に、で。

失業手当をもらいにハローワークに行き、職員の方に「働きたいんですけど働きたくないんですよ」的な愚痴とも相談ともつかない話をしたところ、紹介していただいたのが職業訓練です。そこに通っている間は求職活動をしているとみなされますが、履歴書を作成したり、面接を受けたりする必要はありません。失業手当も受け取れます。やったー! モラトリアムばんざい。

私が入校したのはある大学で行われている半年間のコースでした。学生気分で楽しく通いました。満喫した。週休2日で朝から晩まで、資格取得のための授業と演習を詰め込まれて、フルタイム勤務とほぼ変わらない状況だというのに、体調は上向きになっていきました。

この時期、妊活も同時に進めていました。このとき、すでに30代半ば。やっと体調も良くなったし、職か妊娠かどちらかがうまくいけばそっち優先で、というつもりでいました。この、どっちに転ぶか分からない状態というのは、見通しが立たず、どうも落ち着かないものです。これがあるから会社で守られていたかったんだよなあー。結局、職業訓練コース終了まで妊娠はできませんでした。そううまくはいきませんよね。

職業訓練は再就職支援が目的なので、終わったらすぐ、本格的に職探しをしなければなりません。私は内容が面白そうな仕事に絞って探し、やがてものすごく面白そうな仕事から色よいお返事を頂けました。これは本当にうれしかったなあ。

妊娠したのはちょうどそのときでした。なんというタイミング。もちろん新しいお仕事のお話は白紙になりました。そんなこともあるだろうと覚悟はしていたけれど、相手方にはまったく関係のない話です。電話口で平謝りをするしかありませんでした。

そして混沌がやって来た

そして混沌がやって来た

無数の選択肢と、ふわっふわの見通しの中で

翌年、無事に子供が産まれて子育て期間に突入してからも、何かしら仕事をしたいな、という気持ちはずっとありました。しかし、授乳で寝不足の頭で求人情報サイトを開いてみたものの、ちょっとこれは何をどう調べていいか分からないぞ、と悩むことになります。新卒の就活のときと違って、正社員だけでなくアルバイトも視野に入れて……となると、仕事の種類は無数に増えるのです。

そして自分はといえば、スキルやキャリアがあるわけでもないし、今後の見通しもまったく立ちません。子供がいる中でどれくらい働けるのか。保育園には入れるのか。夫は子育てと仕事に対してどのくらいの配分で動けるのか。ああ、このふわっふわの見通しの頼りなさよ。このときの気持ちを思い出すと、頭がぼんやりしてしまうなあ……。どれもこれもできる気がしなくて、ぼうぜんとしました。

とにかく外とのつながりを確保しておきたかったので、在宅勤務の仕事を探したところ、今のお仕事とご縁ができました。子供が1歳になる前だったと思います。今まで関わったことのない業種、まったく初めての職種だったので、教わりながらのスタートでした。

実家の両親に子供を見てもらいながら、手探りで少しずつ仕事を始めたら、これがもう楽しいのなんの。始める前は「試しにしばらく続けて、様子を見て転職も考えよう」と思っていましたが、このままこの仕事で腕を磨こうという気持ちになっていきました。

そんなとき、先方から社内アルバイトの打診があり、渡りに船とばかりに週数回のアルバイト勤務を決めて、今に至ります。

今はこんな感じです

今はこんな感じです

靴擦れには気を付けていきたい

これからも今の仕事を続けていきたいけれど、どうでしょうねえ。うわさの小1の壁はすぐそこだし、相変わらずすぐに体を壊すし、今はかなりの時間を家事に割いてくれている夫も仕事が忙しくなるかもしれないし、親もいつまで元気でいてくれるか分からないし、第2子を望む気持ちもあるし……。仕事や育児に慣れたくても、やっと慣れたー!と思う頃にはまた環境が変わってしまって、そのたびにアワアワと右往左往している気がします。

いくら履いてもなじまない靴で、先の見えない道を歩いているような気持ちです。

何しろ、自分の足の大きさがころころ変わってしまう。ちょっと無理をすれば靴擦れを起こして、歩けなくなってしまう。履き替えようにも、自分の足がどうなるか分からないから、次の靴が選べない。「これだ」と思った靴も、歩いてみたら合わないかもしれない。どんなに愛着があっても、私の足の形が急に変わって、履けなくなってしまうかもしれない。

それでも、そのうち良い靴に出会うかもしれないし、今の靴が足になじんでくれるかもしれないし、と期待して歩いているわけです。今の靴は、靴擦れしやすいけどお気に入りなので、できれば長く履いていたいんですけれど、どうかなあ。いけるかなあ。足の様子をためつすがめつ、やっていきたいと思います。靴擦れが、あんまりひどくならないように。

著者:窪橋id:kubohashi

著者イメージ

id:kubohashiの名前をはてなに登録してから約10年、インターネットで遊んでいる一般人。最近はブログ「まず米、そして野菜」に、子供と読んだ絵本のことを書いたりしています。

ブログ:まず米、そして野菜

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次回の更新は、2018年11月7日(水)の予定です。

編集/はてな編集部