どうも、初めてジモコロで記事を書かせていただきます、冷凍食品と申します。
で、今は何をしているかといえば、何もせずに部屋の中でじっとしているという生活を送っています。
働いていないので当然お金はないんですけど、中学生の頃からファミ通町内会に投稿していたおかげでガバスならたくさん持ってます。
ガバスとは
「ファミ通町内会」などの読者投稿コーナーに投稿が掲載されると獲得できるチケット。これを集めると、ポイントに応じてゲーム機本体やソフト・周辺機器と交換することができる。
今回カメラをお願いしたおおきちさんも、元はファミ通町内会のハガキ職人。当時は高城れにというペンネームでネタを投稿していたらしいです。
「ファミ通町内会ってぼくらにとっての原点じゃないですか。ゲーム雑誌の読者ページにもかかわらず、自由度が高くて、どんなネタでも受け入れてくれて。荒れてる高校の恩師みたいな存在なんですよ」
「その例えはよくわからないですけど、単純にめちゃくちゃおもしろくて、すごく影響を受けましたね。あとネタが採用されるとガバスがもらえて、ゲームソフトやゲーム機と交換できるのも画期的でした」
「当時1ガバス=1円換算で、毎週1000ガバス=1000円くらいもらえたので、子供心に『え?働かなくてもこれで暮らしていけるじゃん!』と思っちゃったんですよね」
「道を踏み外したのをファミ通町内会のせいにしないでください」
「そんなハガキ職人たちも、今はちゃんと働いて生活してるハズですよね? 今日はこれから、有名投稿者の方に『ぼくは今後どうすればいいのか』、という人生のアドバイスをもらいに行きたいと思います」
というわけで今回は、この方にお話を聞いてきました!
ファミ通町内会の有名投稿者で、現在は芸人のおほしんたろうさんです。
おほしんたろうさんといえば、『塩味電気』というペンネームでファミ通町内会に投稿し活躍したハガキ職人。現在はワタナベエンターテインメント九州所属のピン芸人として活動しています。
Twitter(@ohoshintaro)で1コママンガなどを発表していたところ指原莉乃(アイドルグループHKT48チームHのメンバー)の目に止まり一躍大ブレイクした人物です。
確認メール pic.twitter.com/HJMCm1RQGY
— おほしんたろう (@ohoshintaro) 2015年1月27日
↑これが指原莉乃にRTされたネタ
ファミ通町内会の思い出
今回はおほさんが出演した「歯のマンガ出版記念イベント」にお邪魔させてきただき、終演後に会場であるロフトプラスワンWESTさんのスペースをお借りしてお話をうかがいました。
「はじめまして、よろしくお願いします! さっそくですが、実はぼくも以前ファミ通町内会に投稿していまして……」
「知ってますよ~」
「おほさんに認知されてた!! やったー!! ぼくもさっしーに……アイドルに認知されたいんですが、どうしたらいいんですか! 羨ましい! 妬ましい!!」
「……」
「ちょっと落ち着いてください。焦りすぎです」
「すいません、先走り過ぎました。ぼくはおほさんのネタってほぼ全部読んでて、どれも好きなんですが、おほさん自身が個人的に思い入れがあるネタってありますか? 」
「うーん、ちょっと待ってくださいね」
「あ! これですね」
「おぉ!! なぜこのネタを?」
「とにかく4コマ目が気に入っていて。このネタって本当は3コマ目で終わってもいいんですよ。腕時計を確認したらコーヒーをこぼしたっていうところでオチてるから。なのに4コマ目で『そもそも時計あったし、コーヒーかけられてるし』っていう」
「オーバーキルだ」
「理屈じゃないけど力押しで、とにかくしつこくて『何やってんのこれ?』みたいな。笑いの性質としてこういうのが好きなんで、印象に残ってますね」
「今見てもおもしろいなぁ。ちなみに今までの総獲得ガバスってどのくらいかわかりますか?」
「え、今まで全部のトータル? いくらだろう。えーと……」
「だいたい60〜70万ガバスくらいですかね。100万は行ってないと思います」
「すげぇぇー!! 1ガバス=1円として70万円分!? PS4 のワイヤレスコントローラーが100個もらえるじゃないですか!」
※ちなみに冷凍食品の総獲得ガバスは5万ガバス
「コントローラー100個もあったらいくらワイヤレスでもかさばりますよ。これまでに発売されたWii Uのソフトおよそ100タイトルがすべてもらえる計算ですね」
※おおきちの総獲得ガバスは8000ガバス
「ぼくはゲームのハード一式をガバスで揃えたりしてました。ちょっと気になったゲームをガバスで簡単に手に入れて、飽きたらすぐやめて、また新しいのもらって……」
「長嶋茂雄が切り分けられたスイカの先っぽの甘いところだけ食べて残りは捨ててたみたいな贅沢エピソードだ」
「その話そんなに有名じゃないですよ」
ハガキ職人ってどんな人種?
「そもそもおほさんがハガキを投稿し始めたきっかけってなんだったんですか?」
とがわK
独特な絵柄と唯一無二な作風の4コママンガを長年に渡り投稿し続け、ファミ通町内会の4コママンガグランプリで3度も優勝し殿堂入りした、神投稿者。今までに獲得したガバスをいっさい使わずにすべて隠し持っていることで有名なファミ通町内会のゴールド・ロジャー。
「気付くの遅すぎるだろ」
ハガキ職人から芸人への転身
「おほさんが芸人になられた頃は、ハガキ職人から芸人の道へ進む人って、わりと珍しかったんじゃないですか?」
「そうかもしれませんね。ハガキ職人の進路というと、構成作家になるのが一般的でした。あとはマンガ家とか」
「そっちのほうへ行かずに、芸人を目指した理由はあるんですか?」
「うーん、やっぱり根っこは目立ちたいとか、ちやほやされたいというところですかね。学生時代も落研に入っていたし、自分の中では一貫してるつもりです」
「ハガキ職人と芸人とで、ネタの作り方に違いってありますか?」
「あります! 投稿は投げっぱなしじゃないですか。思いついたものを送ったら、あとは待てばいいっていう」
「ここでもやはりとがわKさんの名前が」
「目指すところはとがわKさんなんです。ナメられないし、かといって大衆ウケもするという理想的なバランス。お笑いで売れている人たちはみんなそうですよね、一般ウケも玄人ウケもしないとダメっていう」
「わかります。たしかにパワプロでもそうですもんね。コーチのご機嫌ばかりうかがっているとチームメイトから嫌われたりして」
「……ん? パワプロ???」
「その例えはよくわからないです」
「えー!? パワプロみんなやったでしょ? サクセスモードでコーチの評価ばかり上げていると、チームメイトからの評価が下がって邪魔されたりするじゃないですか!?」
「わかんないって言ってるのにもう一度同じこと言っても伝わらないですって! 諦めてください」
今後のおほしんたろう、活動と夢
「おほさんがイラストやフリップ使ったネタをやったら、おもしろくないわけがない!!」
「理想はとがわKさんなんですけどね。あの人の笑いをどうにかしてお笑いで表現できたら、絶対に成功すると思うんですよ」
「どんだけとがわKさん好きなんですか!」
「たしかに、あれをどうにか舞台上で形にすることができたらすごいことになりそう! とがわKさんのマンガって『キテレツ大百科』みたいですよね? あの設計図をどうにか形にできたらものすごい発明だぞっていう」
「え、キテレツ?? どういうこと?」
「パワプロに続いて、例えがまったくわからない……」
「すいません、例えが下手って文章を書く上で致命的ですね。では、最後の質問です! ぼくも同じようにハガキ職人から出発して現在無職なんですが、おほさんは今……食えてますか!?」
「以前はコンビニの夜勤バイトとかしてましたけど、今はありがたいことにバイトせずに生活できてます。茶色いものばっかり食べてましたが、食べ物の色味がだいぶ増えましたね」
「そうですか~! 他人事なのになんか嬉しいです! おほさんは、ぼくたちみたいな鬱屈としたハガキ職人の希望の星なんで!! これからもがんばってください! 今日はありがとうございました」
「ありがとうございました」
というわけで、ハガキ職人のレジェンド・おほしんたろうさんに人生のアドバイスをもらいに行った結果、「例え話がわかりにくい」という具体的なアドバイスをいただきました。
それはさておき、かつてファミ通町内会に投稿していた人たちがそれぞれ様々な場所で活躍をしているのを見るのは、他人事ながら誇り高い気持ちになります。
自分はもうダメみたいなのでおほさんにすべての希望を託します!
なぜなら……つい先日、おほさんは人気番組「IPPONグランプリ」への出場権を懸けた「IPPONスカウト」決勝の収録を終えたばかり!
さらに11月20日にレソラNTT夢天神ホールで開催されるワタナベエンターテインメント九州の事務所ライブ「WEL九州」にも出演予定とのことなのでこの機会にぜひとも足を運んでみてはいかがでしょうか。