別府は温泉好きじゃない「おっさん」一人でも楽しめるのか?

2017.04.03

別府は温泉好きじゃない「おっさん」一人でも楽しめるのか?

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    ライターの中村ヒロユキ(43)と申します。インターネットが大好きなおっさんです。

     
    みなさん、温泉は好きですか?
     
    実はわたくし、さほど温泉に興味がないんです。「嫌い」というわけではないのですが、「微妙」という感じ。
     
    気持ちよさ < 面倒臭さ ∴ 行きたくない
     
    腰を据えて作業をするのが苦手で落ち着かず、あちこち行くのでアクティブな人と勘違いされることもあるのですが、本当はかなりの出不精。頭の中ですぐにこんな式ができあがってしまいます。
     
    それと、温泉といえばいつも気になるのが「日本人なら、みんな温泉好きでしょ」という周りからの無言の圧力。旅行先の検討でも、温泉地がまず初めに候補に挙がってきますよねー。まあ、行けば行ったで楽しいんですけどね!
     
    そんな自分になぜか、ジモコロ編集長より、温泉の聖地「別府」行きの命が、それも、ソロで!

     

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    別府といえば、言わずと知れた日本一の温泉街!

     

    最近では、温泉につかりながら楽しめるアミューズメントパーク「湯〜園地」企画をぶちあげたり、温泉でシンクロする「シンフロ」動画がバズったりと、何かと話題になっている文字通りのホットスポット。

     

    それほど温泉が好きでもないおっさんが一人で訪れて、果たして楽しめるのかどうか……。確かめるべく、別府ソロツアーに行ってまいります!

     

    参考までに今回のおっさんソロツアー全体MAPをお見せしておきます!

     

    まず別府の玄関口で出迎えてくれるのは……

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    別府駅のド真ん前で両手を拡げるこのはっちゃけた銅像。別府の大恩人として今でもジモト民に慕われている“ピカピカおじさん” こと、油屋熊八(あぶらやくまはち)さんです。

     

    明治の時代に、別府を日本一の温泉街にした立役者で、今で言う「地域おこし協力隊」であり「地域プロデューサー」。48歳で亀の井旅館(現在の亀の井ホテル)を創業、日本中で浸透した名キャッチコピー「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」を拡めたという伝説のおっさんなんです。

     

    今回の旅は、彼の功績を見直しつつ普段世間から虐げられているおっさんの「底力」というものを検証することが、もう一つの目的だったりします。ファイト・ザ・パワー!

     

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    熊八さんのマントにしがみついているのは、人の子ではなく鬼の子。子どもに好かれる熊八さんはなんと鬼っ子にも大人気!じゃれつかれているところをイメージしたようです。マントの裾を引っ張っているのがオスで、おちんちんがついてます。

    それと、 パッと見では気づきませんが、もう一匹マントの中に。こちらはメスバージョン、もちろんあそこもついておりません。

     

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    駅前に設置される手のひら用の温泉からして、この湯量っ!ボコッ、ボコッ、ゴボッ、という感じで、たまに思いっきり湯を吹き出すタイミングがありテンションあがります。

     

    おっさんソロツアーにはレンタサイクル一択

    ソロで観光するのにレンタカーを利用するのはコスパ微妙で小回り悪し!ということで、体力に自信はないですが、街の雰囲気をジカに肌で感じるためにもレンタサイクルを利用することに。
     
    別府駅にはJRが運営するレンタサイクルがあるのですが、電動自転車を3台しか用意していないとのこと。この日も天気が良かったせいで、すでにすべてレンタル中……。仕方なく、10分ほど歩いた先の別府タワー一階にあるレンタサイクル屋へ。

     

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    これが市民のシンボル「別府タワー」。建築家・内藤多仲が建てたタワー六兄弟のひとつで、三男坊にあたります。1957年に竣工され今年で60周年。東京タワー(五男坊)よりも古い建造物で登録有形文化財に指定されており、晴れた日の眺望はサイコーとのこと(昼に登り忘れました……)。

     

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    レンタサイクルはここを選んで大正解。クルージングツアーなども手がける「Experience Oita」オーナーの安達さんは、東京の大手新聞社に務めていたこともあり、探索能力が高く、説明も丁寧。

    観光マップに載っていないような弁当屋などのジモトスポットも教えてもらいました。貸し出してくれる自転車は素人の自分でも知っているGIANTのマウンテンバイク。サドルを跨いだだけで健康になった気分です。

     

    安達さんオススメ、別府湾半周コースにGO

    日曜日で晴れているため、人気温泉は軒並み人でごったがえし。なので、安達さんイチオシのサイクリングコースである別府湾半周コースに出発!

    折り返し地点は、湾の反対側にある日出(ひじ)の高級会席料理店「的山荘」。ランチで数千円、会席料理だと万超えになるお店ですが、14時~17時だけお得なカフェメニューがあり眺めもサイコー。

    おっさん一人でも十分に楽しめるとのこと。 良かった…。

     

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    ビーチ沿いを走る絶景のサイクリングコース。 途中に大きな国道沿いを走る地点もありますが、基本海岸沿いを走っていくルート。自転車を飛ばせばソロツアーでも寂しくない!

     

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    別府と大阪、神戸などを繋ぐフェリーさんふらわあが見えてきました。昔、プラモデルも流行りましたよね。

     

    7kmくらい走ったところで、もう息は絶え絶え。ろくに運動もしていないのに、無理してサイクリングで来たことを後悔……。そんな時目に入ったのは……。

     

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    黄色いバッティングセンターの看板!

    久しぶりにあのカキーンという感触を味わいたくて急遽、右折。サイクリングのソロツアーは気ままに寄り道できるのが素晴らしい。

     

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    バッティングマシーンを製造している会社が運営している「バッティングセンター海ぼうず」。昔ながらのバッセンの雰囲気でタイムスリップした感覚に浸れます。

     

    気分転換の後、再度「的山荘」を目指して出発!

    途中、何度も心が折れそうになるも無心にペダルを漕ぎ続けること40分、ついに折り返し地点となる的山荘に到着。

     

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    そこに現れたのは巨大な門構え、広大な庭に建つ伝統的な日本家屋。別府湾を一望できる素晴らしい眺望、国の重要文化財に指定されており、皇族もお忍びで来るという由緒ある割烹料理店です。食事をするだけで自分のステイタスが上がった“気分”を味わえました。

     

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    この絶景を望みながらのほうじ茶&菓子で、なんと756円(税込み)!

    日曜日でもすごく空いていてマジで穴場スポットです。教えてくれた安達さんありがとう!

     

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    往路の辛さから、復路出発になかなか踏ん切りがつかなかったのですが、日が暮れ始めたので腹をくくってライドオン。

     

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    海苔をすくっている漁師を傍らに見ながら別府湾を爆走、途中、フランシスコ・ザビエルが浜出したという公衆トイレの前を通り過ぎ、とにかく無心で走り続け、なんとか別府タワーに到着しました。

     

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    本日の夜は、宿のそばにある落ち着いた雰囲気の公衆温泉「海門寺温泉」へ。

    「あつ湯」と「ぬる湯」、2種類の温度が用意されており、熱めの湯が苦手な人にもオススメ。公衆浴場には、タオルや石鹸、シャンプーなどがほとんど用意されていないので、別府の街に入ったらバッグの中にハンドタオルを必ず1枚は常備しておこう。

     

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    街の至る所にある公衆温泉。ジモト民それぞれがマイフェイバリット温泉を持っている。温泉好きなら、鉄輪(かんなわ)のような有名温泉だけでなく、別府の市街地に点在する公衆温泉を巡るのも楽しいぞ!(たぶん)

     

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    本日の結果はこんな感じ。

    30キロを超えるサイクリングは、普段まったく運動をしていないおっさんにとってはかなりの苦行…。ただ敷地3760坪の高級料亭「的山荘」は無理してでも行く価値あり!

    4月からは、別府湾を船で突っ切って的山荘から別府タワーまで帰ってこられるクルージングツアーも開始するとのこと(今、使いたかった……)。体力ない人はこちらがオススメです。

     

    朝イチの ジョギングはいつも通り電車に乗り遅れそうになって走ったものがカウント。朝5時から動き回ってもうヘトヘトです、おやすみなさ~い。

     

    「茶房 たかさき」に究極の温泉名人あり!

    2日目は昨日の疲れを癒やすため温泉巡りに、まずは温泉名人がいるという噂のお店へ。

     

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    市街地からちょっと離れたこの「茶房 たかさき」、実はコーヒーを飲んだり食事をすると温泉に入ることができる珍しい温泉喫茶店なんです。

    マスターの高崎さんは別府の88湯を巡ると与えられる「別府八湯温泉道名人」を9回も取った温泉名人の中の温泉名人、奥様も5回名人認定されており、まさしく温泉漬けのご夫婦。

     

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    別府温泉のことならなんでもござれ、気さくに温泉の話をレクチャーしてもらえるので、ここは別府初心者が湯巡りをする前に必ず訪れておいたほうがいいマストスポット。

    Googleマップを見ながらでも迷ってしまうような、少しわかりづらい場所にあるので注意です。

     

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    自宅の温泉を改造して、お客さんに提供している同店の湯。水で薄めない源泉100%を保つため、適温の43℃になるように調整するのが難しいとのこと。

    柔らかい湯質のため-2℃(=41℃)くらいの体感となり、この湯温でも熱さを感じないという。入った瞬間は熱いかな?と思うが、すぐに慣れて心地よい感覚に。あがった後もしばらくポカポカでした。冷えがちなおっさんにも嬉しい!

     

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    入り口扉の裏に描かれた絵。温泉につかりながら眺められるので、おっさんソロツアーにはちょっとしたうれしい特典でございます。

     

    やはり外せない竹瓦温泉の砂湯

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    別府温泉の代名詞のような存在の竹瓦温泉。砂湯が有名で混んでいると1時間待ちになることも。家族・友だち連れやカップルにまぎれて時間を潰すのも辛いので、おっさんソロツアーでは極力並びたくない!ということで平日の午前中に行くべし!

     

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    ビフォア 

     

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    and

     

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    アフター

    受付で借りた浴衣に着替えて砂にイン。温泉を吸った砂が身体の上にのしかかりいい具合に圧力が。規程の15分が経つと全身から汗が吹き出しています。入浴前には水分をしっかり取っておきましょう。

     

    油屋熊八さんを詳しく知りたければ平野資料館へ

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    竹瓦温泉そばにある平野資料館。こちらでは平野館長の油屋熊八コレクションを鑑賞することができます。ご本人も熊八さんの意思を継ぎ、別府のガイド組織を構築するなど、現在の町おこしの中心人物。

     

    別府のおっさんは熱いです!

     

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    油屋熊八さんは、米相場で大成功し一度は大富豪になりますが、日清戦争の相場で無一文に。その後アメリカに渡り見聞を広め、38歳の時に別府に移住。「別府はこれから温泉で発展する」とピンと来て前述の旅館やバス会社を起ち上げたそうです。

    その後は、日本発の女性バスガイド付き定期観光バスを走らせたり、「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」と書かれた標柱を富士山山頂に設置するなど、別府の魅力をアップさせ日本全国にアピール。いつしか別府観光の父と呼ばれるまでに。

    とにかくアイディアが豊富、そして実行力のある人だったようです。40歳を超えてからの大活躍、これぞまさしく「おっさんの鑑」!見習っていきたいです!

     

    熊八さんが考案した「別府地獄めぐり」バスツアーを体験

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    熊八さんが創設した亀の井バスが運行する「別府地獄めぐり」バスツアーが日本のバスガイド発祥ということで乗車してまいりました。

    メロディーに乗せるように「ここは名高き流川、情けも厚き湯の街の、メインストリートの繁華街、夜は不夜城でございます」などと七五調案内というガイドをしたことで大人気に。今でもこのバスツアーでは七五調案内が楽しめます。

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    別府では、以前から鉄輪(かんなわ)一帯の温泉噴出口のことを「地獄」と言っていたらしく、そのネーミングを熊八さんが利用して「別府地獄めぐり」を開発、一大ブームに育て上げたのでした。

    「海地獄」、「血の池地獄」、「鬼石坊主地獄」など7つの地獄をバスで巡るのですが、どこも温泉の湯気だらけ。温泉の熱を利用し饅頭やプリンも売られています。

     

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    なぜか「かまど地獄」だけは韓国人でぎゅうぎゅう詰めに。足踏まれまくりました。

     

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    当日ガイドをしてくれた須賀さん。そのキュートすぎな笑顔で、足を踏まれて不機嫌だったおっさんの心を癒やしてくれました。

    彼女ののんびりとした七五調案内は3,650円(バスツアー料金)の価値ありですぞ!

    http://www.kamenoibus.com/teikikanko_01.php

     

    地獄巡りでおっさんソロツアーの大先輩を発見!

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    一緒にツアーに参加している人のなかに、この「別府地獄めぐり」バスツアーが今回でなんと159回目だという石上さんと遭遇。

    6年半前からコツコツとソロで通いつめており、すでに58万円以上も費やしている計算に。毎回、お手製のフリップを持って参加者を誘導しているそう。今回は名付けて「ホワイトデー前日ツアー」とのことでした。

     

    別府のおっさん御用達「赤ちょうちん みはら」で一杯

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    別府市街地の路地裏にはおっさんの好きそうな飲み屋が軒を連ねます。

    「赤ちょうちん みはら」もそんな店のひとつ。おばちゃんの人柄の良さで人が集まってきているようで、店内の壁一面に常連さんたちのメッセージが書き込まれた色紙が貼られています。こういうお店は、おっさんソロツアーの中でなんかホッとしますよね。

     

    まとめ:おっさん的に別府の街はどうだった?

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    初日に自転車で30キロ走ったのに、翌日、そして東京に帰ってきてからもまったく筋肉痛&腰痛にならなかったのは、もしかして別府の温泉効果? 

    別府温泉保養ランドの泥湯(混浴ですよ!)や薬草の上に寝転がる鉄輪むし湯なども弾丸体験、それほど温泉好きでない自分でも飽きもこなく色々と楽しめました。

    温泉地へのバス網が整備されており、観光ガイドやバスツアーも各種提供、おっさんソロツアーでも十分楽しめる街なのは間違いありません。

     

    油屋熊八さんのコンセプト「旅人を懇ろにせよ」(旅人をもてなすことを忘れてはいけない)が今でもしっかりと息づいていることを実感。

    温泉ばかりがクローズアップされがちですが、人、町並み、建物、食べ物、オススメポイントがいっぱいありました。孤独なGWを迎えそうなおっさんは旅先候補に入れてみてはいかがでしょうか。

     

    結論:温泉好きじゃなくとも、おっさん一人で別府は楽しめる!

     

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    この記事を書いた人

    中村ヒロユキ
    中村ヒロユキ

    編集者/ライター。1973年北海道旭川市生まれ、神奈川県逗子市&埼玉県所沢市育ち。体力に自信がありません。「神田経済新聞」を運営。

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