長引くテレワークで肩・腰・お尻の疲労が溜まっている方へ。指圧師が教える手軽な「座りながらストレッチ」

文・イラスト 斎藤充博


長引くテレワークで肩・腰・お尻がしんどい……。指圧師が教える「座りながらできるストレッチ」

こんにちは。ライターの斎藤充博です。僕は国家資格を持った指圧師なのですが、なぜかライターをしたり、マンガを描いて暮らしています。

僕は10年以上在宅で仕事をしているのですが、近頃はテレワーク(リモートワーク)の影響で家で仕事する方がぐっと増えましたね。最初は戸惑ったけどもうすっかり慣れた、という方も多いのではないでしょうか。

ただ……。実際にテレワークを続けてみると、意外と体って疲れませんか?

確かに職場に行かなくていいのはラクかもしれません。しかし、通勤やオフィス内の移動がないと自宅で「イスにずっと座りっぱなし」になりがち。

イスに座った状態が長く続くと、腰やお尻の負担がどうしても増えてきます。そしてこれらの部分が疲れてくると、背中や肩も疲れやすくなってきてしまうんですよね。

そこで今日は、長引くテレワークで肩こりや腰痛、お尻の痛みなどが気になっている方へ「イスに座ったままできるストレッチ」を紹介します。どれも、仕事の合間にできる簡単なものばかり。指圧師としてバッチリおすすめできます。

定期的にストレッチを行うと、体の疲労も溜まりづらくなります。このタイミングでぜひ、自分の体の疲れと向き合いケアをしてみませんか。

肩が凝っているときのストレッチ

長引くテレワークで肩・腰・お尻がしんどい……。指圧師が教える「座りながらできるストレッチ」

  • 所要時間
    • 30秒×2〜3回
  • やり方
    • 1.頭の後ろで手を組む
    • 2.背筋を伸ばし、肘をゆっくり下げていく

首の後ろの「僧坊筋(そうぼうきん)」を効率的に伸ばすストレッチです。僧坊筋は頭を支える筋肉で、この筋肉の疲れが肩こりとして感じられると考えられています。

肘を下げたあと、呼吸を止めず30秒ほどキープしてください。ポイントは背筋をピンと伸ばすこと。背筋が曲がっていると、僧坊筋が伸びにくくなってしまいます。

人によっては首がガチガチに硬くなっていて、動かしづらくなっているかもしれませんが、決してムリしないでくださいね。

むしろ、がんばることは逆効果だと思ってください。「ちょっと伸びたかな」くらいの感じでも十分です。

腰が痛いときのストレッチ

長引くテレワークで肩・腰・お尻がしんどい……。指圧師が教える「座りながらできるストレッチ」

  • 所要時間
    • 1分〜
  • やり方
    • 1.大きめのクッションを太ももに乗せる
    • 2.クッションにもたれるように前方に倒れる

脱力することで、腰から背中までをゆっくり無理なく伸ばすストレッチです。腰を安定させる腰方形筋(ようほうけいきん)や、背中を立てる脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)などが休まります。

1分から好きなだけ行ってください。僕はラジオを聞きながら10分以上やっていることもあります。

ポイントはクッションの選び方。自分の上半身を全部預けられるくらい大きいものを選んでください。小さいクッションでは逆に疲れてしまいます。大きいクッションがない人は、毛布などを丸めて使ってもいいです。

刺激はそんなに大きくないのですが、じんわりと気持ちのいいストレッチで、半分寝そうになってしまうこともあります。

お尻が痛いときのストレッチ

長引くテレワークで肩・腰・お尻がしんどい……。指圧師が教える「座りながらできるストレッチ」

  • 所要時間
    • 30秒程度×2〜3回
  • やり方
    • 1.片方の足首をもう片方の足の太ももに乗せる
    • 2.胸と膝を近づけていくように前へ倒れる

イスに座っているときに、上半身の重みで圧迫される大殿筋(だいでんきん)を伸ばすストレッチです。体を前方に倒した状態で30秒ほどキープし、2~3回行ってください。

大殿筋はお尻にある筋肉です。「お尻の筋肉」って聞き慣れない言葉かもしれませんが、お尻は筋肉の塊です。あの丸みは全部筋肉だと思ってください。

大殿筋は普段あまり「動かしている」という意識をすることのない筋肉です。こういう筋肉をストレッチをすると人によってはちょっと刺激が強いかもしれません。ゆっくりやってみてくださいね。

足のむくみが気になるときのストレッチ

長引くテレワークで肩・腰・お尻がしんどい……。指圧師が教える「座りながらできるストレッチ」

  • 所要時間
    • 10〜20秒×両足
  • やり方
    • 1.片足をもう片方の足の太ももに乗せる
    • 2.足の甲の親指側と小指側を両手で持つ
    • 3.互い違いに動かす

足の甲を手で動かして、むくみを軽くするストレッチです。片足につき、10秒から20秒ほど行ってください。

やった後は足全体が軽くなります。その軽さを確かめるつもりで、何度か足の裏全体をじゃんけんの「グー・パー」のように開いたり閉じたりしてみてください。この動きもむくみの防止につながります。

【おまけ】目の疲れを感じるときのツボ押し

長引くテレワークで肩・腰・お尻がしんどい……。指圧師が教える「座りながらできるストレッチ」

  • 所要時間
    • 3〜4秒
  • やり方
    • 1.デスクに両肘をつく
    • 2.目の上にある骨を人差し指、中指、薬指で触れる(このとき指は骨の湾曲にあわせて等間隔に開く)
    • 3.頭をデスクの方に押していく

最後はストレッチではなくてツボ押しです。目の周りにある「攅竹(さんちく)」「魚腰(ぎょよう)」などのツボを刺激して、眼精疲労をほぐします。

正確なツボの位置を知らなくても、「目の周りの硬い骨をおす」くらいの感覚で十分です。もちろん眼球をおさないよう、十分注意してください。

また、このツボ押しをする前は、あらかじめ手を石けんで洗い清潔にしておきましょう。

「自分の疲れ」に気づきましょう

こうしたストレッチをやってみると、想像以上に体が動かなかったり、刺激が強く感じたりするかもしれません。でも、家でデスクワークに集中していると、そんなことに気づくのも難しいものです。

具体的な症状がなくても、

「なんとなく調子が悪い」

「今日はなぜか仕事がはかどらないな」

日々の仕事の中でそんなふうに思ったら、ぜひ一度、このストレッチを試してみてください。ひょっとしたら、自分の意外な疲れに気がつくかもしれませんよ。



  

編集/はてな編集部

日々の疲れや、気分をリフレッシュしたいときに

著者:斎藤充博

斎藤充博

指圧師・ライター・マンガ家などをしています。昼寝とビールが好きです。
Twitter:@3216

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