マラケシュをやってみよう!
今回紹介してもらった中から、『マラケシュ』(じゅうたん売りになって自分の陣地を踏んだ人にお金を払わせるゲーム)をやるためにライター達を招集しました。
オケモト|ボードゲームが好きなライター
みくのしん|フィールド上にある魔法カード1枚を破壊する
加藤|ボードゲームとじゅうたんが好き
ダ・ヴィンチ・恐山|この世に好きなものはない
じゃんけんにより最初は僕(オケモト)から
「サイコロの目は4だから、コマを4マス進めて……で、じゅうたんは止まったマスの前後左右どこに置いてもいいんですが、できるだけ真ん中に敷くのがいいと思うんですよね。中央のほうがよく通行するはずだから」
「本当か……?」
「プレイしたことがある唯一の人だから信じるしかない」
「次は僕の番ですね。目の前にオケモトが敷いたじゅんたんがあるから……サイコロで1か2が出たら踏んじゃう! そしたらお金を払わなきゃいけないんですよね?」
「そうです。ただしこのゲームは自分が進む方向を指定することができます。サイコロを振る前に、前・右・左のどの方向に進むか宣言してください(後ろには進めません)」
「じゃあオケモトのじゅうたんを避けてこっち向きに進もう!……いいよね?」
「俺たちが同意するかどうかはどうでもいいから」
「サイコロは2! じゃあ2マス進んで……ここにじゅうたんを置きます」
「俺こういうゲーム好きだわ」
「まだ順番まわってきてないのに?」
「もうわかる。好きだわ」
「続いては恐山さんですね。端っこまで行くと折り返して進むことになりますから注意してください」
「じゃあ折り返して、オケモトさんのじゅうたんと加藤さんのじゅうたんの、ちょうど間を通り抜けて……」
「ここで止まりました。さて、じゅうたんをどこに敷こうかな。他の人が敷いたじゅんたんに重ねて敷くことも可能でしたよね?」
「じゃあ重ねて妨害したほうがいいんじゃない?」
「足の引っ張り合いはやめて、みんなで楽しくプレイしましょうよ。大人なんだから……」
「確かにそうですね」
スッ……
「あっ」
「いったーーーーー!!!!!」
「僕のじゅうたんに重ねられたーーー!!!」
「重ねられると、単純に踏まれる確率が下がるっていうのと、踏まれた場合の収入が2マス分から1マス分になるのが痛いな」
「次は僕ですね。えーっと、こっちに進むと……サイコロが2以上の場合、じゅうたんを踏んじゃうから……あっちに進むか」
「そうそう。いかにリスクの少ない方向に進むかが勝つポイントです」
ゲームは進むが、みんな慎重になってまだ誰もじゅうたんを踏んでいない
「次は私ですね、じゃあここにじゅうたんを敷きます!」
「おぉ、うまい! 他人のじゅうたんを潰しつつ、4マス繋げた!」
「強い!」
「このゲームわかってきました……このゲームには攻略法がある」
「ライアーゲーム?」
「こうやって離れた位置にじゅうたんを敷けば、誰も潰してこない!!」
「確かに目立つと潰されがち」
「なるほど。一理ある……のか?」
「ふ~ん、じゃあ潰そ」
スッ……
「おまえーーーーーーっ!!!!!!!」
「気持ちいい~!」
「もう中盤か……そろそろ誰かがじゅうたん踏みそう」
「じゅうたんがあらゆる場所に敷かれたせいで、ついに100%安全な道、というのがなくなりましたね。あとはできるだけリスクの少ない方向を選んで、サイコロの出目に賭けます……」
「その方向なら、2が出たら僕のじゅうたん踏む! 踏め踏め~~~!!!」
「2以外なら助かる!!」
「どうだ!?」
「2ィィーーー!!」
「加藤さんのじゅうたんの上に止まってしまった」
「うへへへへ……3マス連結してるんで、3ディルハム(モロッコとアラブ首長国連邦で使用されている通貨単位)いただきます」
「くそー……ここまで誰もじゅうたんを踏んでいなかったのに、最初のひとりになってしまった」
「いよいよ踏んで踏まれてのフェーズに突入してきましたね」
「次は僕か。どこに進んでもリスクがあるな……オケモトさん、これどこに進めばいいですかね?」
「う~ん、このまま真っすぐでいいんじゃないですか?」
「意味わかんないでしょ! じゅうたんのゴールデンロードみたいなの! 行きたくねえわ! こんなとこ」
「騙されなかったか」
ターンは進み、再び恐山の番
「あっ! また加藤さんのじゅうたんを踏んでしまった!」
「しかも今回はじゅうたんが6マスも連結してる!!」
「6ディルハムいただきま~~す」
「あと5ターンで終わりですよ! じゅうたんで市場が色鮮やかになってきましたね」
「ここからは削りあいになりますね」
「一人勝ちしてる加藤さんから取りたいな」
「僕はお金を払わない」
次のターン、またまた恐山のピンチ
「恐山さん、ひょっとしてこのゲームへたなの???」
「3が出たら踏まずに済む! 頼む、3出てくれ!」
「くっ、だめか……みくのしんさんのじゅうたんを踏んでしまった」
「よっしゃ~い! 3ディルハムゲット!」
「恐山だけめっちゃ払ってるな」
「3ディルハムは取られましたが、しかしここにじゅうたんを敷けば……」
※茶色が恐山のじゅうたん
「うわ、すごいとこに敷いた! これ来たらいくらもらえるの?」
「11連結!?」
「やばすぎ。絶対踏みたくない」
「頼む!面白くなれ!」
「みくのしんさんがここで1ひいたら11ディルハム支払い……破産ですよ」
「1なんか引くか~~~い!!!!」
「……うらあ! 2!!!!」
「続いて僕は……あっ! 加藤さんが連結してるところに……!!」
「加藤さんの儲け方やばいって」
「あぁっ!???……とか言ってる間にオケモトの4連結踏んじゃった!!!」
「よっし! 少し取り返したぞ!」
「みなさんがゴチャゴチャやってる間に、私は13連結を達成しました。踏めば一発アウトですよ」
「絶対近寄りたくない」
「こわ!」
「大連立!!!!」
大恐山沼を避けることだけを目的にサイコロを振る人々
しかしそのせいで他への注意が逸れ、あらゆるプレイヤーがあらゆるプレイヤーに振り込みまくる地獄絵図に……
「13連結を避けた人が、ことごとく僕のじゅうたんを踏んでる~!!! ここにきて急に収入アップじゃ~~!!!」
「ほっほほっほ!!ほきゃっきゃっきゃ!」
「サルになっちゃってる」
やっと恐山の13連結の分断に成功(それでもかなりの連結)
「次は僕か……あぁ~~~~またみくのしんさんのじゅうたん踏みそう」
「お前はまた踏む!すでに気持ちで負けてる!!」
「いやいや! もう絶対踏まない! 勝つ!!!」
「お前は絶対に1か4を出す……1か4……1か4……!」
「出すわけねえ!!オラァァッ!!!!」
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「1」
「ほら見ろ!!!7ディルハム払え!」
「もう心が折れた……」
「次は僕か。恐山さんの8連結がやばいけど、いま僕かなり上り調子だからイケるでしょ」
「踏め……踏め……」
「よっと!」
「踏んだぁぁぁーーーーーー!」
「8ディルハムいただきます」
「最後の最後に~~~!」
「これで全員がすべてのじゅうたんを使い切りましたね。持ってるディルハムとじゅうたんのマス目を足したものがポイントとなります!」
「誰が勝った!?」
「中盤までは完全に加藤さんの一人勝ちでしたが……」
「果たして……」
「では集計結果を発表します。オケモト25点、加藤さん49点、恐山さん24点、そして……」
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「みくのしんさんが55点!!! 優勝です!」
「やったーーーー!!!!!!」
「みくのしんさんはディルハムもじゅうたんもトップ。最強の豪商でした」
「最後で一気に追い上げたね」
「オケモトさんは『じゅうたんは真ん中に敷くのがいい』って言ってたけど、僕はけっこう端っこにばかり敷いてたんですよね」
「端が強い気は途中からした」
「端を取るゲームだったのか……」
「終盤、周り中にじゅうたんが敷き詰められてからの緊張感がおもしろかったですね」
「仕掛けた連結がハマれば一気に逆転できるのも楽しかった」
「みくのしんさんの勝ちパターンがまさにそれでしたね」
「おれもうこの世界で暮らしたいわ……現実世界ではバカだのアホだの言われるけど、ここなら……」
「じゅうたんしかない世界、めっちゃおもんないだろ」
「この世界で……暮らしたい……」
「……はい、撮影終了です!! お疲れ様でした~!」
「面白いゲームでしたね」
「オケモトくん、早く記事書いてよ~?」
「がんばります!」
「さいこ~~~!!!!」
その後
彼の姿を見たものはいないという……
~完~
マラケシュ|¥6,600