はたらく女性の深呼吸マガジン

イーアイデム

ごはんと寝る場所さえあれば、生きてはいける。「価値観の断捨離」をしてみよう

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※ADHDの症状は個人差があります。得意・不得意なことは人によって違います。
私も気を付けているつもりなのに、ボンヤリしては、うっかりする日々。

はじめまして。ブログ「ひびわれたまご」管理人の、志乃と申します。発達障害の一種、ADHD(注意欠如多動症)を持ったママとして執筆活動中の、イラストレーターです。

発達障害を抱えながら育児をする中で感じた、現代社会における「生きづらさ」についてなど、「少しでも"楽"に"楽しく"生きる」をモットーに、様々な記事を書かせていただいております。どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

ネットの世界では、人生がよく終わる

  • 「履歴書に空白期間があったら就職は難しい」
  • 「最初の就活に失敗したら終わり」
  • 「堅実な道から一度でも転落したら人生終了」

そのような言葉を、ネットで目にすることがあります。

もちろん大げさに書いている部分もあるのでしょうが、私が以前うつ病を患い、実家で数年ほど自宅静養していた頃、そういった言葉を真に受けて、落ち込んでしまっていた時期がありました。

冷静に考えてみれば、そんなわけはないと分かるのですが、「不寛容社会」と称される現代の日本社会に、当時は心底絶望していて、厭世的になっていました。

「普通」から一度外れたら、この日本では生きていけない、と信じていたんですよね。

今思うと、完璧主義でこだわりが強すぎたせいもあったのかもしれません。

それでなくても、うつ闘病中は病気によって健全なものの見方をすることが難しくなっていますから、「一度でも失敗したら終わり」なんて世間の言葉に、リアリティを感じてしまっていたんです。

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私が持つ発達障害は、ADHD(注意欠如多動症)と呼ばれるもので(注意欠陥・多動性障害ともいいます)、人よりも「不注意」や「衝動性」による失敗が多く、日常生活を送ることすら困難を感じる場面が多くあります。

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(画像はブログより)

幼い頃から、失敗によって激しく叱責されたり、頭を下げたりする機会がとても多く、自尊心や自信など、「自分自身を認める力(自己肯定感)」が育ちにくい環境におりました。発達障害を抱える大人の多くは、そのような経験から、うつ病などの精神疾患に悩まされる傾向があるのだそうです(二次障害といいます)。

失敗は悪いことなのか?

でも、

「失敗するのは、そんなに悪いことなのか?」

こう問われれば、多くの方が「NO」と答えると思います。

人間は失敗からたくさんのことを学びますよね。

失敗した時は落ち込んでしまっても、後になって振り返ってみると「あの時、失敗したおかげだ」と気付き、その度に「人生において無駄なことはないんだな」と実感します。また、失敗した時というのは、「周囲の優しさに触れる機会」でもあり、感謝の気持ちでいっぱいになることもあります。

私自身、苦手だった料理も、失敗を重ねることで徐々に上達することができましたし、人間関係でうまくいかないことがあったとしても、相手や周囲の方々のアドバイスから、その都度多くの学びがありました。

「失敗しても、そんなに悪いことばかりでもない」

そんなものなんだと思います。

大事なのは、「失敗を次にどう生かすのか」を考え続けること。

人よりも失敗が多い分、リカバリ方法や、対処法を考える力が身についたように思います。

「~でなければならない」なんてことはない

また、「こうでなければならない」という鎖を、自分自身に巻きつけてしまうと、身動きが取れなくなったり、他人に対しても不寛容になったりしてしまう可能性があると思います。心理学の面やカウンセリングなどでは、「執着を手放す」というキーワードが出てくることがあるように、「〜でなければならない」という考え方を手放すことは、自分らしく生きていくためにも大切なことだと思います。

たとえば、

「いい大学に入って、安定した企業に就職して、3年間は黙って働かなければならない」

といった考え方。これも、もはや時代遅れの価値観になりつつあるような気がします。

「みんなそうしているから」「そうすれば安全だから」という時代から、「一寸先は闇」だからこそ、自分の頭で考えて、自分らしく生き抜いていく道を模索する時代になりつつあると、私は思っています。

たしかに、堅実な道を選べば、安心・安全な部分も大きいですが、そこから外れた途端に「人生終わりだ」となるのは、本当におかしな話だと思います。

人生は選択の連続で、間違った選択、失敗をすることもありますが、その都度、軌道修正していけばいいのではないでしょうか。

人生はそう簡単には終わらない

私にとって、最初の挫折は、大学を中退したことでした。

大学での学生生活は、高校までのスタイルとは全く異なるもので、何をするにも自己責任。スケジュールやタスクの計画、時間の使い方など、常に高い「自己管理能力」が求められます。

高校では生徒会に所属するなど、それまで真面目にやってきたつもりでしたが、モノ・時間・健康・やる気・タスクの管理など、とにかく「管理能力」に難があった私は、度重なる「うっかりミス」も相まって、大学入学後すぐに、壁にぶち当たりました。

学業に全く集中できずに落ちこぼれ、自己嫌悪や劣等感に苛まれたり、そのせいでうまく人間関係が築けなかったり……。

その分、サークル活動やアルバイトに熱中するなど、楽しい思い出もたくさんありますが、大学生活にうまくなじめないストレスや、人間関係のトラブルから、精神を病むようになってしまいました。

大学を中退後、大学の先輩らが起こしたベンチャー企業に運よく拾っていただき、Webデザイナーとして勤務。とても楽しい職場でしたし、やりがいのある仕事で、天職だと思ったのも束の間、必死になるあまり、ストレスから心身にダメージが蓄積していることにも気付かず、無理がたたって、うつ病を発症してしまいました。

今思えば、「毎回深く反省するのに、どうしても遅刻をしてしまう」ことであったり、時間・体調・モチベーションの管理ができないことであったりするなど、「社会人として当たり前にするべきこと」ができない自分に対する苛立ちと、不安が募っていたんだと思います。

職場の方々も尽力してくださったものの、病状が悪化。やむなく退職することになり、その後5~6年ほど、実家に引きこもりながらの、闘病生活を強いられました。

そんなわけで、履歴書に数年どころではない空白期間があり、最初の就職にも失敗し、堅実な道から一歩も二歩も外れてしまった私ですが、人生はまだ終わっていません。

それどころか、人生何が起こるか分からないもので、「作家になって、自分の本を出版したい」という、幼い頃からの夢も叶えることができました。

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妊娠出産時、陣痛の痛みと不安を紛らわすために、Twitterで心情をツイートしていたところ、話題となり書籍化された『陣痛なう』(辰巳出版)

うつ闘病中、自分は会社勤めに向いていないと感じて絶望し、「このままじゃ人生終わりだ」と、毎日死ぬことばかり考えていましたが、健康でさえあれば、人生はそう簡単には終わらないのだなと実感しています。

生きてさえいれば、大抵のことは何とかなるし、大抵の心配は杞憂に終わります。

人生において本当に大事なことは、栄養と、睡眠を取って「自分を大切にすること」なのではないでしょうか。

私自身、まだまだ満足にできていないのですが、ストレッチや筋トレ、ヨガ、瞑想、アロマ、漢方、食事管理など、自分なりのストレス解消法や、健康法を試行錯誤する毎日を送っています。

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健康管理のため、マイ血圧計を買いました(画像はブログより)

価値観の断捨離をしよう

「幸せになりたい」という気持ちは生きる活力になります。そして、幸せの形は人それぞれです。

でも、幸せになりたくて必死に生きているはずなのに、気付いたら色んな価値観に縛られて、全く逆のことをしてしまったりするんですよね。

そこで自分にとっての幸せは何なのか、と自分自身に問いかけ、その答えを一度じっくり考えてみるようにする。

その軸さえブレなければ、どんな道を選んだとしても、それは「自分自身で選んだ、幸せのためのこだわり」になるんだと思います。

健康でさえあれば、人生はそう簡単には終わらない。

生きてさえいれば、本当はそれだけで万事OKで、自分自分の「こうでありたい」という欲に、縛られているだけなのかもしれない。

しかし、健康であったとしても、明日はどうなるか分からない。

「こうでありたい」という目標があるなら、一瞬一瞬を大切に生きていった方がいいという考え方もある。

何を言いたいのかと言いますと、「みんな好きに生きたらいいじゃない」の一言。

誰もあなたの人生に、責任なんて取ってはくれませんし、私のこの記事だって、無責任なものです。

大切なのは、「ごはんと寝る場所さえあれば、生きてはいけるんだし、それでOKじゃない?」と言われて、どう感じるか。

「そうだよね。身ひとつで旅にでも出るわ!」と思うなら、そうすればいいし、
「……いやいや、私はそれでは満たされない。やっぱり今の環境で頑張ってみるわ!」と思うならそうすればいい。

「〜でなければいけない」といった価値観の断捨離をすることで、自分が持っているものや、本当に大事に思っているものが見えてくる。

みんな自由に、自分なりの幸せに向かって、生きていけばいい。私はそう思っています。

あなたにとっての幸せとは、なんですか?

著者:志乃 (id:shinoegg)

志乃

宮城県出身。フリーランスのイラストレーター、エッセイスト。 注意欠如多動症(ADHD)当事者であり、1人娘(2012年生まれ)を子育て中の在宅ワーキングマザー。著作に『陣痛なう』(辰巳出版)などがある。現在、『赤すぐnetみんなの体験記』にて連載中。

ブログ:ひびわれたまご/Twitter:@shinoegg/Facebook:志乃/イラストレーター

次回の更新は、7月26日(水)の予定です。