地元を離れた、全ての都会人へ。こんな田舎に帰りたくないですか?

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ジモコロ読者のみなさんこんにちは、塩谷舞(@ciotan)と申します。しおたんと呼ばれています。渋谷の陸橋から失礼します。

 

私は生まれてから大学卒業までずっと大阪で暮らしてました。

 

が、「メディア関係の仕事なら東京一択や!」と5年前に上京。最初は泣くほど地元に帰りたかったけど、今はすっかり東京都民ぶっております。

 

ただ、福岡や高知をはじめ地方移住が盛り上がっていたり、手に職があれば地方に住んだ方が幸福度が高いぜ!という話もよく聞きます。で、ガチで今後の行く先を悩んでます。移住か、地元に帰るのか……。

 

そこで東京で働く色んな職業の人に「地元に帰らないんですか?」って聞いてみました。

 

 

大阪府出身→東京都在住

ジモコロ編集長・徳谷柿次郎(@kakijiro)さんの場合

f:id:eaidem:20161017112126p:plain「大阪と東京を比較すると、規模は違えど仕事内容は大きく変わらないし、もし移り住むなら、もっと自然のあるところがいいな〜!」

f:id:eaidem:20161017112222p:plainうーん、それは一理ある」

 

 

岐阜県出身→東京都在住

漫画家・宮川サトシ(@bitchhime)さんの場合

f:id:eaidem:20161017112412p:plain「僕が岐阜に戻らない理由は、色々あるんですが……。母親が死んじゃったから寂しくて地元から逃げてきた、ってのが大きいですね」

f:id:eaidem:20161017112222p:plainなんと……」 

f:id:eaidem:20161017112412p:plain「でも情熱大陸に出られるんだったら、すぐに地元にカメラ連れて帰りますね」

f:id:eaidem:20161017112222p:plainそうですか」

 

  

広島県出身→東京都在住

DJ・Webディレクター・野間寛貴(@HirokiNOMA)さんの場合

f:id:eaidem:20161017113403p:plain「親が自分と同じ景色を見るな!』と、広島から東京の大学に行かせてくれたんですよ。子どもとしては、その投資と期待に添いたい部分がある」

f:id:eaidem:20161017112222p:plain親御さん、カッコイイ!」

 

 

群馬県出身→東京都在住

起業家・関口舞(@mai_D_maiさんの場合

f:id:eaidem:20161017113644p:plain「やはり、東京でいろんなことを成し遂げるぞ!という夢をもって上京しましたし、色々結果を出すまではずっと東京にいると思います。それに群馬は近いから、毎月家族にも会ってますし、そんなに恋しくならないのかも…」

f:id:eaidem:20161017112222p:plain群馬ってそんな近いのか」

f:id:eaidem:20161017113644p:plain「群馬は関東です!」

  

 

愛知県出身→現住所不明

コンサルタント・夏目和樹(@Natsumeg_k)さんの場合

f:id:eaidem:20161017113851p:plain「うーん、どこでもいいけどね、住む場所は。よくわかんない国の島とかでも、Macとノリがあれば仕事できそうだし」

f:id:eaidem:20161017112222p:plain「電波はいるけどね」

  

と、5人に聞いてみましたが「地元に帰る!」という人はいませんでした(ちょっと人選が偏っていた気もする)。

しかし私はどうしよう。東京に永住したいとは思わない私ですが、今後の行く先は決まってません。

大阪に住む私の両親は、どう思ってるんでしょうね。聞いてみたこともありません。ただ、子どもに面と向かって「帰って来いや」と言える親も、そうそういないと思います。成人したら我が子といっても、それぞれ別の人生ですし。

 

でも、その町で生まれた子どもたちが、誰も地元に戻って来なかったら?

もしくは、外から若い人が移住してこなかったら?

 

近い将来、その町ごとなくなってしまうかも…。そんな状況に置かれている町もあるようで……

 

 

東京から5時間半、「大野」ってどこ?

 

9月某日、私は大阪に住む「電通の日下さん」という胡散臭い男性からこんな連絡を受けました。

(日下さんは、かつて大阪の「文の里商店街」のポスター展を大成功に導いたり、近畿大学の話題の広告を仕掛けたスーパークリエイターです。近畿大学の広告はこちらの記事でご紹介しました!)

 

f:id:eaidem:20161018171955p:plain「しおたん、 ちょっと大野ってところに行ってきて欲しいねん」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「…どこですか?最寄駅は?」

f:id:eaidem:20161018171955p:plain「越前大野駅ってとこ!」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「どれどれ」

 

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f:id:eaidem:20161017114739p:plain片道5時間半!?  遠っ……あの、私、ちょっと忙しいんで……」

f:id:eaidem:20161018171955p:plain「忙しいしおたんにこそ、行って来て欲しいんやわ」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「じゃあ、せめて間をとって金沢で手を打ちませんか?」

f:id:eaidem:20161018171955p:plain「それやと意味ないから! 大野まで行ってきて!頼む!どうしても見て欲しいものがあるんやわ!!」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「ううっ……」

 

年上男性からの押しに弱い私は、押しに負けて渋谷から東京、東京から金沢、金沢から福井、福井から1両編成の「越美北線」ってヤツに乗って、大野に向かうことになりました。

 

f:id:eaidem:20161018140428j:plain(※飛行機で行けば3時間くらいですけど、飛行機代をケチりました)

 

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f:id:eaidem:20161017114739p:plain「はぁ、金沢で降りて海鮮丼食べたかったな〜……」

 

 

とブツブツ言ってるうちに着いた、福井県大野市!!!!

  

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f:id:eaidem:20161017114739p:plain「あれ、この町、思ってたよりもデカいぞ」

f:id:kakijiro:20161020144422p:plain「ようこそ大野へ!長旅お疲れ様です。大野市は福井県の中でも一番大きい市町村で、ここ大野盆地で約3万4千人の市民が暮らしています」

※突如現れたのは、大野市役所の広報担当室で働く「吉田室長」です

 

 

そう、大野は山奥の町だけど、結構デカい。地図で見るとわかりやすいぞ!!

 

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市のシンボルは、こちらの大野城。コンディションが良いと、こんな景色が見られるんだとか……

  

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 http://www.onocastle.net/gallery/ より

 

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「お空の上!」

f:id:kakijiro:20161020144422p:plain「ふふふ…“天空の城”って呼ばれてるんよ」

 

さらに。

全国の水道水を飲み歩き、水ジャーナリストとして有名な橋本淳司氏が、日本一、水道水が美味しい町は大野だと宣言しているほど。

 

360度ぐるっと山に囲まれた盆地で、冬場の積雪がある北陸地方だから、ミネラルたっぷりの地下水が豊富なんですって。家庭の水道からも地下水がジャブジャブ出てきます。

 

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こんな感じで、地下水が湧き出る「湧き水スポット」が沢山。

 

なんと大阪から、毎月この水を求めて、自家用タンクいっぱいに水を注いで帰る方もいるらしいのですが……

 

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この水、日本一だけあって、甘くてやわらかくて、めちゃくちゃ美味い。

 

水が美味しいと、その水で育つ食べ物も美味しい!お酒も野菜も蕎麦も最高でしたが、特筆すべきはこれ。 

「大美商店」というお店で出会った…

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若鶏 せせり1人前 350円(安い!)

  

私は肉の中では鶏肉が一番大好きなのですが……

 

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f:id:eaidem:20161017114739p:plain「冗談抜きに、人生で一番美味いっす……

f:id:kakijiro:20161020144422p:plain「そんなに美味しい? よかった〜」

 

夜は星空がめちゃくちゃキレイ。それも、かつて「日本一、星空がキレイに見える町」に輝いたこともあるんだとか。

 

極め付けには、「マジで綺麗な淡水」にしか生息しないらしい、絶滅危惧種のお魚・イトヨもいます。

  

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http://www.city.ono.fukui.jp/page/itoyo/ より

 

水は日本一で、食べ物は美味しくて、城下町は美しくて……

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「大野、マジ天国」

f:id:eaidem:20161018172417p:plain「わかる」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「電通の日下さんは、大野の素晴らしさと、絶品せせりの味を伝えたくて、大野に行けと言ってくれたのか……」

f:id:kakijiro:20161020144422p:plain「あ、違うんよ。ちょっと聞いて欲しい話があってね」

 

 

大学・専門学校が1つもない大野市

 

はい。ウマい飯を食べに来ただけの旅ではありません。

 

吉田室長の話によると……大野市内には小学校が10校、中学校が5校、そして高校が2校あります。子どもは結構沢山いるんですが、大学や専門学校は1つもありません。

 

つまり、過半数の子どもたちが、18歳で故郷を出て行きます。

 

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県立大野高校・卒業式の様子 

 

f:id:kakijiro:20161020144422p:plainいまね、大野市の若者人口は減り続ける一方で……」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「そうなんですね……でも私も地元を出た身だから、若者の気持ちもわかるかも……」

 

この風景は、朝の七間通り。400年以上毎日続く朝市は「大野の日常」なのですが……

 

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近い将来、過疎化によって朝市はなくなり、ここもシャッター街になってしまうかもしれない。

  

f:id:kakijiro:20161020144422p:plain「それでね、電通の日下さんと大野の高校生が、一緒にやってる“大野へかえろう”ってプロジェクトがあって。その1つが、これね」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「おお??」

 

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f:id:eaidem:20161017114739p:plain「大野ポスター展??高校生と??電通が???なんでですか???」

f:id:kakijiro:20161020144422p:plain「これ、去年初開催したら好評でね。今年も開催することになったんよ。大野にあるお店のポスターを高校生に作ってもらうんやけど、これが去年のグランプリ作品」

  

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大野高校、田中愛梨ちゃんのポスター。モデルは実のおばあさんだそうです。

  

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「こりゃ素敵なポスターや!」

f:id:kakijiro:20161020144422p:plain「でしょう」

 

話を聞くと、大野出身の電通クリエイターの方々や日下さんが、大野の高校生たちに指導をして、高校生が企画、キャッチコピーの制作、撮影までを行い、デザインはプロが担当する……というポスタープロジェクトなんだとか。

 

しかし、過疎化とポスター展になんの関係が??


よくわからないので、当事者に話を聞きにいきました。

 

ヘアサロン「R-up」ポスター

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「切っても、切れない 仲になる。」

このポスターを作ったのは、大野高校の米村明莉(あかり)ちゃん、3年生。ちっちゃい頃、このヘアサロンに通っていたそうです。

 

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18歳のあかりちゃんと、28歳の私…。 

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「あかりちゃんは、今回なんでポスター展に参加しようと思ったん?」

f:id:eaidem:20161018172643p:plain「私、将来はデザイナーになりたくって」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「へぇ!」

f:id:eaidem:20161018172643p:plain「ユニバーサルデザインに関わる仕事がしたいんです。ポスターも、絶対勉強になるし…」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「東京やとインターンとかの機会ってよくあるけど、田舎やとデザインを学ぶ機会も少ないし、これは有意義やね」

f:id:eaidem:20161018172643p:plain「はい!それに、子どもの頃にいつも髪切ってもらってたmieさんとも、久々にいっぱい喋ったし!」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「よく喋る様子がそのままポスターになってる! ところであかりちゃんは、来年には大野を出るん?」

f:id:eaidem:20161018172643p:plain「はい、大野やと芸大どころか、大学も専門学校もないですし……」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「そうやよねぇ……。でもやっぱり、引越しとか一人暮らしとかはワクワクするよね」

f:id:eaidem:20161018172643p:plain「しますね!ただ、大野好きやし、mieさんみたいに将来戻るのもアリかな、とか……まだわからないですけど!」

 

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美容師のmieさんも、一度大野を出て福井市のヘアサロンで働いていました。ですが、15年ほど前に故郷に戻り、このお店を開いたんだそう。

 

 

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取材を終えて、家に帰って行くあかりちゃん。

 

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「なるほど……高校生に、大野で働く大人の姿を知ってもらうことで、将来自分が大野で働くイメージが湧く……だから”大野へかえろう”プロジェクトなのか!」

f:id:kakijiro:20161020144422p:plain「そうなんです」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「そうなんですね」

広告っていうと、「集客」とか「話題性」みたいな、即効性が重要視されるもの。

でもこの大野へかえろうプロジェクトは、高校生と大人たちの「大野でのつながり」を作り変える、息の長いプロジェクトだったのです。

 

手作り工房「もっこ」

 

続いてはこちらのポスター。

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 「うららの手は この子らの親や」

 

「うらら」というのは、福井弁で「うちら」のこと。職人さんの作った工芸品や玩具などを販売している工房「もっこ」のポスターです。

 

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制作を手がけたのは、大野高校の松田風音ちゃん。絵を描くのが大好きな高校1年生です。

「もっこ」の稲垣さんは…  

f:id:eaidem:20161018173900p:plain「去年ね、ウチのお向かいのカフェが高校生にポスターを作ってもらってて、うらやましかったんですよ。それで今年は、風音ちゃんがこんなに素敵なポスターを作ってくれたでしょう。本当に嬉しかった〜。生きがいですよ! お店がある限り、ずーーーーっと飾っておきます!」

f:id:kakijiro:20161020144850p:plain「ほんとに嬉しかったんですね〜」

 

たしかに「お向かいのカフェ」には、去年の夏に制作されたポスターが今でもしっかり飾ってありました。こっちにもポスター、あっちにもポスター。

 

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↓お蕎麦屋さんでも……

 

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↓日本酒の「花垣」でも……

 

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↓お醤油屋さんでも……

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f:id:eaidem:20161017114739p:plain「ん?」

  

 

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f:id:eaidem:20161017114739p:plain「バカの味」

 

ここは予定外ですが、お話を聞いてみましょう。

 

「ノムラ醤油」ポスター

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「お兄さん……表のポスターの方ですか?」

f:id:eaidem:20161018174308p:plain「あぁはい、そうです。」

 

 

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f:id:eaidem:20161017114739p:plain「実際の姿とギャップがありません?」

f:id:eaidem:20161018174308p:plain「はい…。高校生が熱心に取材してくれた結果、”ここは変顔で、お願いします!”と。変顔するなんて初めてでした……」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「おぉ……では、もしかして。このポスター、今すぐ剥がしたいのでは?」

f:id:eaidem:20161018174308p:plain「いや、違うんです!! 驚いたんですよ。このポスターの評価がすごく高くて……みんな、”野村さんの違う表情が見れた!”とか、たくさん声をかけてくれるんです」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「なんと」

f:id:eaidem:20161018174308p:plain「僕は醤油職人として、ずっと真面目にやってきました。それも大切なのですが、型にハマッて作るばっかりではダメなんだと……そんなことを、このポスターが気づかせてくれたんです」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「そんな効果が…!」

  

そう話しながらも、ノムラ醤油さん、蔵のほうまで見学させてくださいました。

 

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奥のタンクには1万リットルのお醤油が。

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流れで、醤油製造体験まで!(※商品用のお醤油は、もっと衛生的な環境で製造されています) 

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「これって、私みたいな道行く人にも体験させてくれるんですね…!」

f:id:eaidem:20161018174308p:plain「若い方には、出来るだけ体験してもらいたいんですよ。それも、大野は今、若い人が減ってしまって、どこも後継者不足で…

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「そうみたいですね…」

f:id:eaidem:20161018174308p:plain「多くの方が自分の代で、店は閉める”と言うんです」

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「もったいない」

f:id:eaidem:20161018174308p:plain「でしょう。僕はノムラ醤油の6代目なのですが、辞めるのは簡単。でも、脈々と受け継いできたものの一部を、次の世代に渡さずに終わらせたくはないんです。

 

だからこうして、若い人にはどんどん醤油作りのことを知ってもらってるんです。そうしないと、この醤油も、いつかなくなってしまうでしょう

 

 

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そう語る野村さんの「ノムラ醤油」は、ちょっと甘くて豊かな味。

 

大野から出ても「あの醤油じゃなきゃダメだ」と、わざわざ取り寄せる方もいらっしゃるそうです。それはなくなったら、困る!!

 

 

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「次の世代に受け継いでいかなければ、なくなってしまう」

 

受け継がなければ、野村さんとこのお醤油も、綺麗な大野の町並みも、なくなってしまうかもしれない。だから、どうか受け継いで欲しい。

それが、大野で生きる大人たちの、口には出せない本音です。

  

そこで、2016年の大野高校の卒業式。

お父さんやお母さんたちは、外の世界に行ってしまう我が子に向けて、サプライズでこんな歌を贈りました。ぜひ動画でご覧ください!!

 


大野へかえろう 卒業式プロジェクト (full version)

 

“大野へかえろう

言い出せないから歌にする

大野へかえろう

広い世界に出るといい

いつでも大野は待っているから” 

(作詞:日下慶太氏・作曲:松司馬拓氏) 

 

「広い世界に出るといい いつでも待っているから」

 

この歌詞は大野に限らず、日本全国の多くのお父さんやお母さんも、同じ気持ちなのかもしれません。だって大野には縁もゆかりもなかった私なのに、この動画を再生したら涙が止まりません。

 

しかしこの曲、気になる点が……

 

f:id:eaidem:20161017114739p:plain「作詞……日下慶太……?」

 

電通の日下さんは、今や完全に大野に入れ込み、卒業式ソングを作った上に父兄への歌唱指導までしてるそうです。さらに土日にはプライベートで大野まで行って、釣りに行っているそうです。熱量ありすぎ!

 

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 ヤマメが、釣れたそうです。

 

 

大人になって帰ってきた、かつての子どもたち

 

日下さんが大阪から足繁く通いたくなるのには、「水がうまい」とか「魚が釣れる」以外に、こんな理由がありました。


大野市に住む若者が集まるスペースでの1枚を、ご覧ください(私もいます)。

 

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ここに集まっているのは、映像作家やフォトグラファーやアーティスト……それぞれ個性的な方ばかり!みんな「大野を盛り上げるぞ!」という前向きなオーラがすごくて、なんとも楽しいコミュニティなんです。

 

ほとんどが、東京や大阪に出てから、Uターンして戻ってきた若者。

 

さらに、大野市外から移住してきた人もいます。こちらは、大野の魅力に惹かれて、2012年に脱サラして引っ越してきた、二見祐次さん。

 

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二見さんは、大野になんとも居心地のよいカフェ「Cafe Name came Ono」を作りました。なんとこちら、一泊2,500円から宿泊出来るゲストハウス付き!


店先には、高校生が作ったポスターもありましたよ。

 

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本当に町中どこにでも、ポスターがあるな(笑)。

 

広い世界へ、行ってらっしゃい!

 

私が滞在したのはたった3日だったけど、酒やら味噌やらお醤油やらを買いすぎて、帰りにはこの大荷物に(笑)。

 

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越前大野駅から1両編成の越美北線に乗り込むと、大野市役所の方々が、見えなくなるまでずっと、手を振ってくれていました。

 

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水の美しいこの町が、ずっとずっと受け継がれますように。縁もゆかりもなかった私ですが、そう願わずにはいられません。 

 

私にも、こんな田舎が欲しかった!!

 

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大野では、たくさんの人と話をしました。東京だと絶対に関わりを持たないような、高校生から、80代くらいの方まで。

 

みんなが外から来た私に、「大野、ええとこやろ」と笑ってくれました。

 

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今18歳のあかりちゃんが私と同じくらいの歳になったとき、ポスター展で接した大野の大人たちや、あの歌をどう思い出すんでしょう。


果たして「大野へかえろう」プロジェクトは、10年後、実を結ぶのでしょうか……。

 

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でも。

 

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もちろん、東京に行くのも、もっと遠い世界に行くのも、未来は彼女たちの自由です。

 

「広い世界へいってらっしゃい!」

 

来年の3月。大野の大人たちは18歳になった子どもたちを、全力で送り出してくれることでしょう。

 

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今回紹介した「大野ポスター展総選挙」は、読者の皆さんも投票することができます。気に入ったポスターがあればぜひ1票入れてみてください!

大野へかえろう|大野ポスター展総選挙|投票ページ

 

・Special Thanks!

大野市のみなさん、大野市役所の雨山さん、鈴木翔太君、ヒロミさん、吉田室長、そしてすっかり大野市民のような電通の日下さん、ありがとうございました!

・Photo by 中村ナリコ

・広告主:福井県大野市

 

書いた人・塩谷 舞(しおたん)

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1988年大阪生まれ、京都市立芸大卒。PRプランナー/Web編集者。CINRAにてWebディレクター・広報を経てフリーランスへ。お菓子のスタートアップBAKEのオウンドメディア「THE BAKE MAGAZINE」の編集長を務めたり、アートのハッカソン「Art Hack Day」の広報を担当したり、幅広く活躍中。
Twitterアカウント→@ciotan
個人ブログ→http://ciotan.com/

 

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