学生時代に書店でたまたま見つけた橋梁・トンネル・ダム・飛行場等の大規模工事の写真集を見て感銘を受け、いつかこんな大きな仕事をしてみたいと思ったからです。また、自動化施工等の遠隔操作や、パソコンで施工マシンを管理したりする、この業界の最先端技術に興味を持ち、人並ですが、地図に残る大きな仕事がしたくて、土木の現場監督をしています。
地元住民・発注者・協力業者との協力で工事を進めていかなければなりません。また、一部の公共工事においては現場監督もプレゼンテーションを行わなければならず、コミュニケーション能力や的確な質疑応答の能力が自然と身についたと思います。また、仕事がら天候等にもよく左右されることがあり、予定していたことができなくなることも多いので、臨機応変に対応する能力も向上したと実感しています。
やはり工事が完成し、目的物ができ上がった姿を見るのがやりがいを感じるし、今までの苦労が全て報われます。あと、地元住民、発注者に「良くしてもらった。」「今までに見たことの無いスピードで完成した。」とういう褒め言葉は、胸が一杯になるほど喜びを感じます。
私は体を動かすこと、そして物づくりに関わる仕事に就きたいと思っていたからです。できればお天道様が一日中見える外での仕事を希望しておりました。建築とどちらにすべきか迷いましたが、街づくりの土台である土木を選ぶことにしました。物づくりの基本は、関わることになるすべての人と協力して組み立てていくことです。素晴らしい建造物をつくるためには人とのコミュニケーションが欠かせないと思います。
1に体力、2に精神力、3にコミュニケーション能力が高まってきたのではないかと思っています。そして、物づくりの段取りの重要性を認識しました。物事を直線的に考えるのではなく、広い視野で考えられるようになりました。自分だけではなく、他人の健康や安全に対して気を配るようになりました。社会人としての責任感が強くなってきたのです。
道路、橋などの建造物が完成した時の達成感です。土木の仕事を選んで心底よかったと思うことができます。この建造物の近くを通るたびに楽しかったことや苦労したことなどが思い出されます。建造物を利用している住民の姿を見ていると、社会の役に立ったのだなあと実感します。何十年という月日が経ったとしても変わることないこの建造物に、愛着が持てるようになるのです。
地球という広大な土地で人が安心して暮らしていくためには街を形成することになります。物を運搬するための通路となる道路、川を渡るのに必要な橋、人の住居の基盤となる宅地など、これらの建設に関わる仕事が土木です。仕事の大まかな流れとしては、現地調査、基本計画、見積もり、設計、施工、検査、竣工、引渡しという段取りで進んでいくことになります。土工、鉄筋工、型枠大工、とび工など複数の職種が関わりひとつの建造物をつくりあげていきます。その職種をまとめあげて指導していくのが現場監督です。顧客との連絡や人員の配置、日程計画、材料の段取りなどいくつもの業務を担当しなくてはなりません。大規模な工事では複数の現場監督で役割分担して業務を遂行していくことになります。肉体的精神的な疲労度が高く重労働です。個人の努力だけでどうにかなるようなものではなく、多くの人と協力することにより建造物を完成させることができます。物づくりの喜びを皆で共有できる仕事です。