はたらく女性の深呼吸マガジン

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趣味は仕事・家事・子育ての活力! ヲタママ女医一家は、毎日がどったんばったん大騒ぎ

イラスト

手術はやりがいを感じる業務の一つです。まだまだメスは捨てたくない

はじめまして。「ヲタママ女医がいろいろ語ってみるか」というブログを書いているmiiと申します。ブログのタイトル通り医師として働いており、外科医の夫、小学生の一人娘を持つ母でもあります。そして漫画やアニメ、ゲームやコスプレが大好きなアラフォーのヲタクです。今年は、娘と一緒に『けものフレンズ』というアニメにハマっています。フレンズさんたちみんなかわいい。

日々のヲタク活動から得た「萌え」を燃料にして、仕事や家事、子育てを何とかこなしている主腐(主婦+腐女子=主腐)の私が、どんな生活を送っているかを趣味の話も交え緩~く紹介していきたいと思います。

ほぼ病院にいた独身時代。結婚出産で9時〜17時勤務に

私の専門は外傷(=骨折や捻挫などの怪我)を扱う整形外科です。独身時代は「ほぼ病院にいる」というような働き方をしていました。大学院生として勤務していた大学病院では、昼間は普通に臨床や研究をし、夜間は生活のために週3~4回当直アルバイトをして、家にはほとんど帰らない。総合病院で働いているときは、救急外来に夜間休日関係なく呼ばれ、時には夜中に緊急手術を行い、そのまま日中のお仕事に突入することも。そんな日々を送っていました。

当直中は、当たり前ですが朝まで病院から出ることはできませんし、自宅での待機当番中も、家から遠く離れることはできません。職場と家の往復ばかりで、結婚? 出産? ナニソレ美味しいの? 私には関係ないわ〜このまま仕事しながら年をとっていくんだわ……と思っていたときに、運命の出会いが!

当直や自宅待機の休憩時間に書いていたブログを通じて、現在の夫と出会ったのです。

遠距離を経て、紆余曲折あり結婚することになった私は夫の住む他県に行くことになり、当時勤務していた大学病院(の上司)に、現在勤務する整形外科単科の私立病院を紹介していただきました。出産後は、昼間の外来と時間内に終わる手術を担当する働き方に切り替え、勤務時間も9時〜17時に。

夫は私以上に多忙な外科医。また、両実家は遠方で頼れないということもあり、保育園の空いている時間しか自分は働けない状況だったのです。

仕事のやりがいは自分の気持ち次第

時間外の残業、夜間の当直、緊急呼び出しでの手術が物理的にできなくなり、正直、最初のころは「ああ、これでもう第一線の現場からは退いてしまった、夫は何も変わらないのに私だけ……」と思いました。こんな気持ちになるのは、同業者同士の夫婦にはあるあるかもしれません。

でも、たとえ独身時代のような働き方ができなくても、仕事へのやりがいは自分の気の持ちようや仕事のやり方でいくらでも得られると今では思います。

私の場合、「高齢者によく起こる骨折の緊急手術ができないのであれば、骨折を予防する治療を広めたい」と考えるようになりました。高齢者の骨折は骨粗しょう症が原因のことがほとんど。そこで骨粗しょう症を勉強して骨粗しょう症専門外来をはじめ、一人でも骨折で救急にかかる患者さんが減るよう、自分のできる範囲の、できる仕事で貢献しようとしています。

大きな病院で、大きな手術、高度な手術をするのだけが第一線じゃない。小さな病院で予防医学に力を入れる、保存的治療(=手術以外の治療のことです)を引き受ける。これも医療の最前線だと思います。

また、医師という仕事は、どんな形でも需要があって働き場所があるため、ライフステージによって生活環境が変わりやすい女性にも続けやすい仕事だと感じています。

医学生が実習したり、若い独身女医さんが研修している大きな研修指定病院では当直をこなしながら家事、子育てもしているスーパーでハイパーなキャリア女医さんや、独身でバリバリ働く女医さんもいます。ただ、それをロールモデルとするとなると「とても自分には……」と自信をなくしてしまう女性も少なくないと思うのです。

でも実際は、普通の一般病院、開業医レベルで「仕事も家事も子育てもほどほどにバランスよく」働く女医さんもたくさんいて、それぞれ自分に合ったスタイルで働いている。

それに医療は、人が相手の仕事。結婚も出産も子育ても、自分の病気も家族の病気も、芸の肥やしとばかりに役に立ちます。産休も育休も無駄じゃありませんでした。自分の子どもの成長を見ながら、これくらいの月齢だとこれくらいのことができるのかフムフム、と観察。教科書を見るより子どもの発達の勉強になりましたしね(症例としてはN=1とはいえ)。ちなみに夫婦で医師と言っても、2人とも外科系。娘が病気になっても、お互いが「俺(私)は小児科は専門外だから」といって、あたふたしてしまいました。

外科医の夫は「いれば役に立つ」が「ほぼ家にいない」

今の私の毎日の目標は、小学生になった娘の学童のお迎えの時間までに「仕事をいかにして終わらせるか」

医師は、病院では指示を出す司令塔。自分の裁量次第で、ある程度は仕事時間をコントロールできます。朝の時点で仕事の優先順位と段取りを決めてスタッフに指示。〇〇は〇時からと、先の見通しもどんどん立てて伝えていきます。手術は、途中トラブルが起きなければほぼ予定通りに終わらせています。時間内に終わるように、オペ室スタッフに頼んで入室時間などもできる限り調整します。

長時間かかる大きな手術をほかの医師に任せる代わりに、自分は1〜2時間で終わる手術や外来患者さん、入院患者さんを多く受け持つようにして、ほかのドクターとの仕事量のバランスをとることも大事にしています。医師がてきぱきと指示を出して、検査も手術も早く終われば、その分ほかのスタッフも早く仕事を終えることができますしね。

そして同い年で同業者の夫は、私と同じように「仕事」と「家事・子育て」の両立に悩む同志です。何度ものケンカの末、今では朝ごはんを作ってくれたり、朝は娘を見送ってから出勤してくれたり(その分私は早めに病院に行って朝仕事ができるようになりました)。ほかにも、外来が休めない私の代わりに手術の時間を調整して子どもの参観日に行ってくれたり、学童保育の父母会に出席してくれたり、どんぶり勘定な私の代わりに家計管理をしてくれたりしています。

オタ女医さん

 合理化の末、365日同じメニューの我が家の朝食。決まってるから誰でも作れます。
写真は夫作

ただし、夫はいればすごく役に立ちますが、休日も緊急手術や患者さんの急変で呼び出されたり、土日の午前は病棟に回診に行ったりしているので、実際はほとんど家にいません。共働きを支援する制度は整いつつありますが、ワーキングママ(パパ)にとって最大の支援とはパートナーとなる夫(妻)を早く家に帰してあげるのが一番だと私は思います。

忙しい日々を癒す趣味の時間を確保し、仕事のストレスも軽減

医師は、仕事中は患者さんの負のオーラ(しんどい、苦しい、痛い)を常に受けることや、一つの失敗が命や機能障害に関わることもあるので、すごくストレスがたまります。自分の趣味に没頭できる時間というのは、頭をリフレッシュするためにも必要な時間。

そうはいっても、夫は家にほとんどいない。娘を置いて外に出ていく趣味というのも難しい。じゃあ娘と一緒に外に出るか、家の中でできる趣味……ということで、出産後、最初のころはソーイングを、それから以前好きだった漫画、アニメ、ゲームに夢中になるという家にいてもできる趣味に移行していきました。どこでも本が読める電子書籍も忙しいママにはありがたいツールです。

ソーイング

ソーイングでは、子ども服やお人形の服を作ったりしています

子育て中で家にいる時間が長い場合、インドア趣味、おすすめですよ。10年以上のブランクがありましたが、中学生時代に足を踏み入れたヲタク道に戻ってきたらとっても楽しい。勢いでまたブログを始め、趣味を同じくするメンバーと出会い、充実したヲタライフを送っています。

世の中には意外とヲタクで腐女子な女医さんも多いらしく、知り合った先生方と時々オフ会を開いては、ヲタクトークだけでなく、それぞれの科のことを相談しあったり、分からないことを聞いたりして、仕事面でプラスになることもあって、一石二鳥とはこのことです。

仕事、家事、子育ての合間にどうやって趣味時間を確保するかが、目下のテーマなんですが、その秘訣の一つとしては、夫の趣味にも寛容になり、自分の趣味にも寛容になってもらうのが一番ですね。夫は、マラソン、音楽が好きで、週末はマラソン大会や楽器の練習に出かけていきます。お互いの趣味に干渉せず、趣味も仕事も子育ても、なるべくフィフティフィフティが我が家のモットー。夫は早寝早起きで朝マラソンの練習に。その代わり、私は夜型で朝は寝かせてもらったりして時間をやりくりしています。

最終的には自分の趣味に子どもも巻き込んで一緒に楽しむことでしょうか(おかげで娘へのヲタク英才教育が止まりません、どうしましょうコレ……)。

子どもの成長につれて手がかからなくなり、遠征もできるようになってからは、イベントや2.5次元舞台にも足を運べるようになりました。あと30代後半からコスプレにハマっています。若くないから、美人じゃないからなんて関係ないない。趣味はいつ開始しても遅くない、やりたいと思い立ったときが始めどきだと思います。コスプレのおかげでダイエットに成功した人がここにいますよー。好きなキャラになりきるためには、つらいダイエットも苦じゃありませんでした。

細々とでも趣味を続けて「老後も楽しく」

子どもが小さいころは、仕事と家事、子育てでいっぱいいっぱいでしたが、ふと我に返ると「女医の〇〇先生」「〇〇ちゃんのママの自分」しかないのは嫌だなと思うようになりました。仕事を辞めれば「〇〇先生」とも呼ばれなくなり、子どもが巣立てば「〇〇ちゃんのママ」でもなくなる。じゃあ、自分に何が残るの? と。

自分が自分でいられる時間=私にとっての趣味時間が、最終的には自分らしさとして残っていくのではないのかなと思います。そして、若いうちに色んな趣味に手を染めて少しでもかじっておくことが楽しい老後の秘訣ではないかとも、日々高齢者を相手に仕事をしていて感じています。退職後も趣味を楽しんでいる高齢者は皆さん若々しく元気なんです。

毎日分刻みのスケジュールでドタバタと動いてますが、「仕事と家事がすべて終わったら、楽しい趣味時間が待っている~」と思うと、やらなければいけないことを早く終わらせることができる。

趣味は仕事と家事をテキパキ終わらせるための、馬の前の人参みたいなものなのかもしれません。そして、にんじん食べて元気回復してまた働く。

て、私はお馬のフレンズさんだったのですね。そりゃあ、毎日がどったんばったん大騒ぎ! でもしょうがないっ。

著者:miiid:otajoy

mii

17年目の整形外科医、1児の母、2次元ヲタク。2次元の初恋は『ムーミン』のスナフキン。今一番好きな漫画は『コウノドリ』。好きなゲームは『刀剣乱舞』。お婆ちゃんになって『幽☆遊☆白書』の幻海のコスプレをするのが老後の目標。
ブログ:ヲタママ女医がいろいろ語ってみるか

次回の更新は、10月25日(水)の予定です。

編集/はてな編集部