我が家は小学6年生から幼稚園年長児まで4人の子供たち、そして夫と私の6人暮らしです。私も夫も仕事のかたわら、それぞれが園や学校でお互いに役員をかけもっていることもあり、慌ただしい毎日を送っています。
「とりあえずやってみよう!」という最近の私
私はそれに加えて、学校で募集していた読み聞かせ活動に参加したり、友人とスポーツサークルを立ち上げたりとここ数年はあちこちに顔を出し動き回っているので、友人に「子供が4人もいて働きながらで、どうやって生活を回しているのかわからない」と驚かれることもしばしば。
何か楽しそうなきっかけがあるとついやってみたいと思って活動の幅をどんどん広げている最近の私、家の中のことでも育児に関することでも、思いついたらどんどん導入します。
でも、少し前までは「うまくいかなかったら」「失敗したらどうしよう」と、最初に手を出すことすらためらっていた自分がいました。
やってみたけどダメだった……という悲しい経験
30代~40代向けの雑誌やネット上の記事には、働き方や家族との過ごし方、掃除や収納の仕方、お料理……いろんなことについての「私はこうしています!」という、たくさんのライフハックが詰まっています。
その中には、ワーキングマザーのタイムスケジュールとして「朝3時に起きて……」とか、もうスーパーウーマンしかできませんよね?っていうスタート地点にすら立てない記事もちらほら。
でも、「ちょっと自分もやってみようかな」と思えるようなハードルの低いものもたくさんありますよね。
でも。
実際にやってみたらなんかうまくいかない。
○○さんはそれでうまくいってるのに、オススメの方法って紹介されているのに。
うまくいかないってことは自分がダメなのかな、
家族が協力してくれてないからなのかな、
私や家族の努力が足りないのかな……。
ついそんな風に考えてしまっていました。
きっかけは、次男の発達障害
私がもっとがんばれば、紹介されているようないろんなやり方でうまくいくはずなのに、そう思っていた頃、次男の発達障害が発覚し、生活は一変しました。
発達障害は、脳機能の発達が関係する生まれつきの障害です。 コミュニケーションや対人関係をつくるのが難しかったり、片付けが極端に苦手だったり、注意力が著しく乏しかったり、人により様々な生活上の困難が起こります。
次男のハンディについての知識を得て、彼が少しでも生活しやすく、いろいろなことに取り組みやすくなるように、学校や家での困難を少しでも楽にするようにと、主治医や専門の先生たちのご協力をいただきながら、様々な生活上の工夫が始まりました。
注意欠損の特性があり忘れ物をしやすい彼のために、本やネットで忘れ物をしないための工夫を調べます。
実際にやってみますが、なかなかしっくりきません。
一口に発達障害といっても、抱える困難は千差万別。
「発達障害の子向け」と書かれていても、息子本人や私たちの暮らしの中ではうまくいかないものもたくさんあります。
今度こそと思ってもやっぱり忘れ物をしてしまう。でもそんな彼を「努力が足りない」と叱ることはできません。その努力が「難しい」という種類のハンディなのは百も承知だからです。
そんな試行錯誤の中でごくたまに、「これだ!」とぴったりくるやり方に出会えることがあります。まさに砂の中から砂金を見つけるようなもの。
何度も何度もいろんな方法を繰り返しては諦めて、やっとたどり着く「今の息子に合う方法」。それを模索する過程の中で私が気がついたことが、
がんばりが足りないからできないんじゃない、
やり方が「自分(たち)に合ってない」からできないんだ!
ということでした。
追いつくための努力からTrial & Errorにシフトチェンジ
そこからは、次男のサポートだけでなく生活のいろんな部分を見直す日々が始まりました。
基本姿勢は、Trial & Error(トライアル&エラー:試行錯誤)。
やってみて続かないならそれは「努力が足りない」からじゃなくて「現状に合ってない」から。
「うまくいかないならこのやり方にこだわらずすぐ違う方法にチャレンジする」という発展的諦めの姿勢です。
例えばハサミやリモコンなど家族がよく使う物の置き場所、以前は変なところに物を置き去りにしたり無くしたりするたびに子供たちに注意していました。そこで、置き場所を変えてみたり、家族みんなで使うものについてのルールを作ったりしてみました。結果としてしっくりくる場所が見つかり、それ以降子供たちをそのことで叱ることはほぼなくなりました。
夫との家事育児の分担でも同じこと。
以前は話し合ってやってみてもうまくいかないとき、「夫がもうちょっとがんばってくれないかな」と思っていましたが、「合わない、よし次!」と違う方法に変えたらお互いやりやすくなったり。
私が多忙な中でもなんとか生活を回していけるのは、うまくいかない方法にこだわって消耗するのをなるべく避け、臆せずたくさんの人に助けてもらっているから。その一歩を踏み出すときも「頼んでダメだったら別の方法を考えればいいや」というスタンスを意識しています。
微調整でうまくいくこともあれば、根本から違う方法に変えた方が良かったことも様々。頭の中で考えて「これはうまくいくぞ!」と思っても実際にやってみたらなんだかうまくいかない、なんて日常茶飯事です。
おわりに
もちろん、なぜこの方法でうまくいかないのかを考えることにもきっと意味はあります。それが微調整の役に立つこともあります。
でも、それぞれの得手不得手や生まれ持った性格、仕事や学校、地域など、自分の力ではどうしようもないことに影響を受けていることも多いし、整理そのものが難しいことも、考えて整理する時間が取れないこともある。
そんなことを考えている間にも、私たちの毎日は流れていきます。
自分の力では変えようのないものでも、時間の流れとともに変わっていったりもします。
だったら、悶々と悩むより次の一手、と思うのです。
雑誌の中にも、ネットの記事の中にも、たくさんのヒントや知恵は詰まっています。
でもそれはあくまでもその人にとっての答え。
1. 私とその人は違う人間で、違う夫を持ち、違う子供を育て、違う家に住む別の人。だから、そのやり方がうまくいくとは限らないし、うまくいかなくても何もおかしくない。
2. 違う人にとっての答えが自分にしっくりこなくても、自分がダメなわけでもがんばりが足りないわけでもない。
3. いいアイデアはヒントとしては取り入れる。でも私や私の家族の答えは、とにかくやってみないとわからない。
この3つを意識しながら、今日も試行錯誤の毎日を送っています。
著者:イシゲスズコ (id:suminotiger)
ぼちぼち働く4児のははです。
色々考えたり、ブログ書いたり、子供たちとあたふたしたりの毎日です。
ブログ:スズコ、考える。 / 読み聞かせしながら、考える。