独身女性でも自力で海外移住は可能! ドイツで、新卒フリーランス女子が生きるということ

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こんにちは、wasabi (@wasabi_nomadik) です。
私は現在26歳。2年前に大学を卒業してから新卒で就職はせずに、フリーランスの翻訳家・ライターとしてドイツのベルリンに移住しました。現在はブログを基軸としたビジネスを各種展開しています。


「就職経験もないのにどうやってフリーランサーになったの?」


と疑問に思う方もいると思います。簡単にこれまでの経歴を説明すると、私は獨協大学の外国語学部を卒業してから半年強の翻訳ライターのアルバイト経験とフリーランスの仕事受注を経て、そのままドイツに渡りました。非常にリスクの高い選択でしたが、渡独し、その後ブログを開始してからというもの、こうしたライフスタイルに共感をしてくれる人がたくさん現れて、今では自分のやりたいことをどんどん実現できる環境を作ることができました。

その経緯は自身のブログのプロフィールに詳しく書かれているので、興味がある方はぜひ読んでみてください。

wsbi.net


今回は私の経験をもとに、働き方で悩んでいる人や「もっと挑戦したい!」と感じている女性へ、ドイツに住んで見えてきたことをシェアしたいと思います。

独身女性が海外で、自力で生活していくというケースが少なかった

自分自身でも人に言われるまで気づかなかったことですが、ある日の打ち合わせで編集者の方にこう言われました。

「wasabiさんのブログが同年代の女性に支持されるのは、今まで同じような女性がいなかったからですよ」と。


そう、考えてみれば同年代で自分の意志で海外移住をしている女性ってあまりいなかったのです。私がドイツで日本人に会うと「パートナーがドイツ人なんですか?」と聞かれることが多いのですが、たしかにこちらで長く住んでいる日本人女性はパートナーがその国の出身者、もしくは駐在員というケースが多いです。

 

私も最初にドイツへの移住を考えたときに、いろんな方のブログなどを読みましたが、長期間海外に住んでいる人は上記のようなケースや、女性の場合は経験豊富なキャリアウーマンが海外で転職をするというケースしか見当たらずとても不安になったし、「やっぱり自分には無理なのかな?」とも思いました。

可能性を広げてくれた唯一の希望は「フリーランス」

ただ、いろんな人のブログを見ていくうちに「フリーランス」という選択肢があることがわかりました。そして、中でもドイツのベルリンはフリーランサーのビザが存在し、生活に十分な収入と資金の証明があれば、ビザを更新しながら長期的に住めるという情報を知ります。どうしてもヨーロッパに住みたかった私にとって、これが唯一の希望でした。


すぐさま「ドイツでフリーランサーになる!」と決め、大学在学中から続けていた翻訳のアルバイトで毎月5万円ずつ貯金をし、その傍ら、リモートワークでできる仕事を増やそうと『ランサーズ』というクラウドソーシングサイトで仕事を受注し始めます。それらを少しずつこなしていくと、月々5万円はインターネット経由のお仕事で収入が確実に得られるということがわかりました。


私が引っ越そうとしていたベルリンは生活費も安く、当時(2015年ころ)は2人暮らしのシェアアパートで家賃が光熱費込みで3万円程度だったので、「5万円の月収があれば、とりあえず死にはしないだろう」ということがわかり、とても安心したのを覚えています。その後、日本でアルバイトをしていたある企業に交渉をしてみたところ、ドイツ移住後も定期的な大きい案件をいただくことができました。このように自分が日々できる小さな行動を積み重ねていった結果、1年足らずで新卒の小娘は海外移住に成功したのです。

年齢なんて関係ない。自分が自分らしくいられる場所が絶対ある

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念願のドイツに移住して以来、ドイツの面白い人々や場所を紹介するために、たくさんの人に会ってきました。その中で感じたのは、ドイツでは日本ほど年齢や婚期を気にする必要がない、ということです。ドイツ国内でも地域差があると思いますが、特に私が住んでいる首都のベルリンは人種や宗教が多様で、「年齢」のような画一的な基準で「一般常識」を構築することが難しいのです。


個々人の感覚による部分もありますが、日本では女性は28歳くらいが婚期と解釈されることが多いでしょうか。それを超えると「負け組」などと呼ばれてしまうこともあるでしょう。こうした概念は基本的にドイツでは一般的ではありません。これはドイツ人女性に話すと毎回驚かれることです。


私のブログにも「今、〇〇歳なんですが移住はできますか?」というような質問がよく来ます。しかし、年齢は結局ただの数字にしかすぎず、自分以外の誰かから与えられる価値観にすぎません。

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働き方に関しても同様です。一般的に言われているような、企業でフルタイムで正社員として働く働き方だけが正解ではありません。そもそもその人が人生で何を大切にしているのかという基準は人それぞれ違うはずです。私のドイツ人の女友達はボーイフレンドを追いかけるために会社に交渉して彼の住む遠い街に引っ越し、その街のコワーキングスペースからリモートで働くことを認めさせてしまいました。


彼女にとってはボーイフレンドと一緒にいる時間が大切で、彼と一緒にいたい。それが彼女の大事にしているものだからです。こういうことがドイツのすべての会社で当たり前にできることとは言いません。しかし、ドイツを含むヨーロッパの人は「自分の人生にとって大切なこと」をはっきり明確に持っている人が多く、こうした社会通念があるからこそ、会社からの理解も得やすい印象です。


ドイツの考え方に日々触れていると、大切なのは「自分の外にある価値観」ではなく、自分が何をしたいか、どんな自分になりたいかという「自分の価値観」なのだと思わされます。ドイツでは個人の意見をとてもはっきり述べることが要求されるので、そのことを本当に実感します。

やりたいことをやる環境は自分で作り出せる

海外で暮らすこと、それも女性が1人で、というのは想像以上に大変なこともたくさんあります。あらゆる面で、男性であれば気にしなくてもよいことでリスク管理をしなければいけないし、面倒なこともたくさんあります。女性1人の海外移住は決して「ラク」ではありません。


ただ、自分の力で生きているというこの事実が何よりも自分を強くしてくれますし、さまざまなプレッシャーに打ち勝つことで、自分の成長を日々実感できます。毎日が違う色を持ち、毎日がサバイバルでエキサイティングな感覚です。「さまざまなことに挑戦したい!日本以外のフィールドでやってみたい!」と思っている女性がいれば、私は喜んでその背中を押したいと思っています。そして、一歩を踏み出した女性が他の女性たちをインスパイアし、世の中を変えていけると信じています。

 

そうした自分の情熱をもっと多くの人に伝えるため、現在は「海外フリーランス養成スクール」というオンラインサロンを運営し、同じように海外を目指す仲間100人と成長していけるように、楽しんで仕事をしている日々です。


このサロンでは実際にメンバーと新しいビジネスのプロジェクトを展開中で、今後増えていくであろう訪日外国人をターゲットにしたサービス、外国人をターゲットにする企業へのコンサル、日本への就職やドイツでの就職を考えている外国人をターゲットにしたサービスから、外国人向けにカルチャー情報を提供するサービスなど、さまざまな「こと」が生まれつつあります。

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最初は経験もないところからライティングや翻訳という仕事を始め、2年余りで今自分がまったく違うことをやっているとは想像もつきませんでした。でも、とりあえず何かを始めてみることで開かれていくこともあるのです。少なくとも私は、「とりあえず、始めてみたら」ドイツにたどり着けました。実際にこういうケースがあることをもっと多くの女性たちに知ってもらえたら嬉しいです。


せっかく生まれてきたんだから、やりたいことをやる。

このことには、年齢も男女の差も関係ありません。私も、今後さらに加速して成長をしていきたいと思っています。

次回の更新は、9月13日(水)の予定です。

編集/はてな編集部