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「SNS疲れ」はなぜ起きる? 無理のないSNS利用のすすめ

 高橋暁子
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こんにちは。ITジャーナリストの高橋暁子です。

今では多くの人が当たり前のように使うソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。私はmixiが普及し始めた時代から10年以上、SNSの最新動向を追ってきました。特に10代のネット利用最新情報に詳しく、元小学校教員の経験を生かして、子どもを持つ親御さん向けに、情報リテラシー関連のアドバイスをすることが多いです。もちろん、大人になってからもSNSは欠かせないツール。その分、悩みやトラブルの元になることも。今回は、「SNS疲れ」をテーマに取り上げたいと思います。

SNS疲れを感じる人は多い

楽しむために始めたのに、気付いたらSNSに疲れてしまい、前のように楽しめなくなっていたという人は多いでしょう。私もSNSを使って10年以上になりますが、楽しい反面、「疲れた」と感じてしまうときがあります。

そもそもSNS疲れにはいろいろな種類があります。日本で初めてSNS疲れが指摘されたのは、mixiと言われています。新着コメントの赤い数字が気になって何度も見てしまった人は多いでしょう。足あとやコメントが気になってログインし続けてしまう「mixi疲れ」は注目を集めました。

続いて広がったのが「Twitter疲れ」です。リツイートを求めてしまう、周囲の反応がないことに落ち込む、フォロワーの増減に一喜一憂するなど、もともと緩いつながりのはずだったTwitterでも疲れる人が続出しました。

他にも、実名故に何も書けなくなる「Facebook疲れ」、"既読"による返信へのプレッシャーに疲れる「LINE疲れ」、インスタ映えを求める生活に疲れる「Instagram疲れ」など、さまざまなものがあります。覚えがある方も多いのではないでしょうか。

周囲でも、SNS疲れはよく耳にします。例えば、Facebookに投稿するたび、男性上司の「いいね」攻撃を受ける女性がいます。「逐一チェックされているみたいで、投稿が気が重くなってしまった」と彼女は言います。

また別の女性は、先輩社員から休日や夜間でもLINEで緊急ではない連絡がくるので、LINE自体気が重くなってしまいました。自分のLINEには既読がつかないのに、Twitterで他の女友達とやり取りしている恋人にイライラさせられている女性もいます。このように、同じ会社の同僚や上司、クライアント、恋人や友人などとの付き合いで、SNS疲れに陥ってしまう人は少なくありません。

SNS疲れはなぜ起きるのか?

SNS疲れはなぜ起きるのでしょうか。SNS疲れは、主に2種類に分けられます。

一つ目はリアルな人間関係によるものです。気が重いけれど拒めない相手とのやり取りや、利用に義務感を覚えることで疲れにつながってしまいます。特に仕事上の人間関係は気遣いが必要なため、SNSの場でもより一層疲れやすくなる傾向にあります。本心ではSNSでつながりたくなくても、仕事上の相手からの友達申請や相互フォローが拒めなかったという人もいるのではないでしょうか。

もう一つは、自分の心や行動が原因となるものです。他の人にどう思われているかを想像したり他人と比較することで、意味なく落ち込んだり疲れてしまうことも多いものです。本来は気にする必要がないことや、見ないで済んだはずの情報を見ることで自ら疲れてしまっていることもあります。

長年いろいろな相談を受けていて感じることですが、SNS疲れになりやすい人には、特に真面目な人が多いように感じます。普段から他人を気遣ったり、相手の気持ちに敏感な人は、本来は無視していいことまで感じ取ってしまい、その結果、インターネット上でも疲れやすくなってしまう面があるのではないでしょうか。

SNSは「疲れる」ばかりではない

私は以前小学校教員をしていましたが、教員は、SNSを使いづらいように感じます。トラブルになりやすいので、最近は教員にSNS利用を禁じている学校もあると聞きます。

例えば、一部の保護者とつながってしまうと、他の保護者からひいきと誤解されることがあります。また、SNSでつながっていなくても、SNSで発信された内容をきっかけにプライベート情報が伝わることで、保護者に「信頼できない」と思われてしまう可能性も考えられます。私はかつて、「独身で子どもがいない」というプライベートな情報を理由に「親の気持ちが分からないのでは」と保護者から非難されたことがあります。

しかし、SNSは悪い面ばかりではありません。SNSのおかげで、教員時代の教え子たちとつながれたことがあります。Facebookで元教え子から連絡をもらい、対面でインタビューしてもらったことがあります。立派な大人になっていること、クラスのみんなが元気なことを知り、とても嬉しく思いました。教え子と同窓会などではない場で再会できるのは、SNSならではです。

SNS疲れへの処方箋

とはいえ、SNS疲れを感じてしまうことはどうしてもあるもの。リアルなつながりもある相手の場合、SNSはリアルの補完ツールです。リアルの人間関係ができていてこそ、SNSでのコミュニケーションもうまくいきます。基本的に文章だけでのやり取りは難しいもの、SNSのみでのコミュニケーションは難しいと考えてください。リアルな場でもコミュニケーションをとっておくことが大切です。

SNS上ではつながりたくないと思っている相手に対しては、まず自分がストレスになりづらい代替のコミュニケーション手段を逆提案するのがおすすめです。

Facebookの友達申請をされた場合は、「Facebookはあまり使っていない/家族としかつながっていないので、Twitterでの交流はどうでしょうか」などと、自分からストレスになりづらいSNSツールを提案します。こうすることで、相手にはSNS上での関係性を拒んでいるのではないという姿勢を見せられます。

LINEでつながることを求められたら、「LINEは休日は通知を切って見ていない/普段まったく使っていないので急ぎの連絡は電話をいただいた方が早く連絡がつきます」と、やはり自分に都合がいい手段を伝えるといいでしょう。

自らあれこれ見たり調べてしまっての「SNS疲れ」であれば、利用をコントロールすることが大切です。通勤時やランチタイムなど、SNSを使う時間を決めて使いそれ以外の時間は見ないようにしたり、週末はスマホを家に置いて出掛けたり、SNSの通知はオフにするなど、SNSを休む日を作るのもおすすめです。SNSから離れる時間を意識的に増やし、日光に当たったり趣味を楽しむ時間を作ることで、精神状態が楽になるはずです。

最近ではSNSの利用をコントロールするアプリもあります。おすすめのものをいくつかご紹介します。

Forest by Seekrtech
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※Forest by Seekrtechのスクリーンショット


木々を植えて、自分の森(MyForest)を育てていくアプリ。育てる方法は、「設定した時間スマートフォンを触らない」というもの。設定した時間スマートフォンを触らなければ、アプリ上で植えた苗が成長。それに応じてコインが手に入ります。コインを集めると新しい種類の木が植えられるようになります。ただし、設定した時間内にスマホを使ってしまうと木が枯れてしまうので注意。ゲーム感覚でスマートフォンの利用がコントロールできるので、無理なく続けられます。

Forest
対応機種:iOS/Android(iOSバージョンは240円。※App内課金あり)

TimerLock3(タイマーロック3)
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※タイマーロック3のスクリーンショット

TimerLock3は、指定した時間の間全てのアプリケーションがロックされ使用できなくなるアプリです。ただし緊急時に使用できるよう通話機能は使用可能。途中でロックを解除したいときは、100円の課金が必要になります。枕元でついついSNSをチェックしてしまう……という人も、寝る前に設定する癖をつければ自然と利用時間が減らせるかも。

TimerLock3(タイマーロック3)
対応機種:Android(無料)※App内課金あり

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SNS疲れは現代人につきまとう病の一つ。しかし、コミュニケーション上とても便利で、いい面もたくさんあります。皆さんも、疲れないSNSとのうまい付き合い方を模索してみてくださいね。

著者:高橋暁子id:aki-akatsuki

著者イメージ

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメ ディア中毒』(幻冬舎)、『でき るゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。 『あさイチ』『ホンマでっか!?TV』などメディア出演多数。
Blog:高橋暁子のソーシャルメディア教室

次回の更新は、2018年5月16日(水)の予定です。

編集/はてな編集部