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はたらく女性の深呼吸マガジン

イーアイデム

どうせなら笑顔で一緒に暮らしたい。介護に時間を使うことは、「自分のため」にもなるのだ

文とイラスト さとういもこさん

はじめまして。さとういもこです。


フリーのイラストレーターとして自宅で仕事をしつつ、義母の介護をしています。現在は夫と私と10ヶ月の息子、そして義母の4人暮らし。

もともと同居していた義母の介護が始まったことにより、生活は一変しました。

大人3人の生活は、自由だった


夫が長男で家業をしていることもあり、結婚当初から義母との同居が始まりました。

それまで一人暮らしが長かった私にとって、仕事から帰ると義母の作った晩ご飯が待っていることとか、家事を適度に分担できることなどメリットも多く、甘えさせてもらってる部分も多かったです。


もちろん多少の軋轢はありましたが……義母の方が我慢してくれていたのではないでしょうか。

当時は子どももいなかったため、大人がそれぞれ好きな時間に、好きなことをできる生活。

同居とはいえども、自由な生活を満喫していました。

徐々におびやかされる自由


結婚して8年くらい経ったころ、義母が肺炎、腎盂炎(じんうえん)、リウマチに次々とかかり、病院に通うことが多くなりました。


それに伴って、家事を全面的にまかされたり、車で病院まで送迎したり。天気の悪い日に買い物を頼まれたり。

イラスト

やがて、義母はほとんど自分では出歩かなくなり、どこへ行くにも車で連れて行くようになりました。義母のために使う時間が増えていくことに、私は少なからずいらだちを感じていました。

在宅ワーカーだからこそ、しっかりサポートができた。でも、介護から逃れられないという苦しさ

そして5年前、義母は大腿骨の骨折と入院による筋力の低下で、家庭での介護が必要になりました。

幸い、義母は自分で立ち上がることはできたため、ひとつひとつの世話はそれほどの負担ではありません。でも、転倒しないように手をひいて部屋を移動したり、座る際にイスをひいてひざ掛けをかけてあげたり、義母の行動に対していつもいつも気を配ることは精神的な負担が大きかったです。


義母の行動をしっかりサポートできたのは、夫婦ともに在宅ワーカーで、家にいる時間が長いから可能だったことですが、逆に言うと、家にいる間は介護から逃れられない、介護を忘れる時間がない、という状態です。


イラスト

家庭での介護が始まってからは「時間を気にせず自由に外出したい!」といつも思っていました。


しかし、義母と手をつなぐ機会が増え、
つないだ手の小ささや、咳込んだときにさする背中の細さを感じるたびに、


次第に「守らなければ」と思うようになりました。


介護は長期戦です。このまま、介護する側が負担を強いられていたら、家族が先にまいってしまう。それでは結果的に義母を守ることにはならないのです。



私は医師のすすめもあり、早い段階で介護サービスを利用して週に数回ですが「介護を忘れる時間」を作りました。


また、義母本人の穏やかな性格も世話のしやすさにつながっていましたし、長く同居していたため、私と義母との間に信頼関係があったことも介護のハードルを下げてくれていました。

介護・家事・仕事をうまく回すことができたのは、そうした環境によるところが大きいなと思っています。

義母のことに時間を使うのは、結局「自分のため」になる


「介護・家事・仕事」が軌道にのるようになってからは、義母に時間を費やすことへのストレスを感じることが減っていきました。


以前はちょっと買い物を頼まれるだけでも面倒に思っていたのに!


そればかりか、図書館で本を借りてきてあげたり、服を買いに連れて行ったり、塗り絵や編み物をすすめて道具をそろえるなど、率先して義母のことに時間を使うようになりました。


それはもちろん義母のためというのもありますが、何より自分のためなのだと思っています。

義母が趣味を持つことでニコニコと機嫌よくしていれば、介護する側も安心でき、家事や仕事に集中できます。

イラスト

また、月に何度も通院させることは時間的にも負担が大きいのですが、それを怠って体調が悪くなるようなことがあったら、後々、自分が困ることになります。


義母がいつも元気でいるために、常に生活と体調を管理することも「自分のため」なのです。


介護にストレスを感じていると、介護される側にも伝わってしまいます。


義母がそのことを感じ取って卑屈になるのは、介護する側にとって好ましいことではありません。


そう考えると、義母のために使う時間が決して無駄なものではないと思えるようになりました。


それまでの私にとって通院や買い物に付き合う時間は「姑に利用される時間」だったのかもしれません。

同じ家に住む同士、利用したりされたりすることなく、誰かが負担を強いられたり、遠慮しすぎることなく暮らしたいもの。


それが自分にとっても過ごしやすい環境なのですから。


著者:さとういもこ (id:satouimoko)

さとういもこさん

義母・サトコの介護生活の中で思ったことや工夫したことなどを漫画にして綴っています。介護と子育てに奮闘中。



ブログ:さとうさんちの介護な日々HASHI-yasume
Twitter:@satoimo_msb